趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★失敗するかもしれないソファ選び

暮らし
我が家のリビングの「テレビ側」のパーティションでもある

最初にお断りしておきますが、本文、長いです。

私の記事は基本的に長いのですが、今回の記事は具体的にいいますと、16,000文字を超えてます。
これは原稿用紙換算で60枚に迫ろうかという文字数なんです。
なので「覚悟しろよ?」とはいいませんが、時間のある時にじっくりと読んでいただけると幸いです。

さてこの春、私は生まれて初めて「ソファ選び」をしました。
購入までの経緯については本編(本編?)に書いてあるとおりなのですが、読み返してみると本編はいわゆる「縦糸」だなあ、と感じました。
本編を簡単に説明すると
「たまたま寄った総合インテリアショップで一目惚れしたソファを買った」
で終了です。
ですが、実のところ実際に購入に至るまでにはいろいろと考えていたことも多く、つまりは「横糸」についてあまり書いていなかったなあ、と感じました。
なのでこの番外編? ではソファ選びで私がいろいろと考えた事をまとめて行きたいと思います。
横糸を加えることで、糸を布に仕上げて備忘録の完成としたいと考えました。

なのでこれからソファを買う方がこれを読んで、ほんの少しでも参考にしていただけると幸いです。

◎新規か追加か、それとも更新か

私は生まれてはじめてのソファ選びでしたが、ソファを買おうとする人にはいろんなパターンがあると思われます。

・生まれて初めて買う(私がこのパターン)
・出戻りで買う(一度所有していたが、しばらくソファのない生活を送り、再びソファを導入することになった)
・買い換える(様々な理由で)
・新しい生活の為に買う(結婚で。あるいは独立などで一人暮らしがスタート、もしくは離婚で……などなど)
・新居に合わせて買う(私はこのパターンにもかすっている)

こうやって挙げていくと、ソファ選びとはライフスタイルの変遷に大きく関与してくる家具、つまり結構重要なモノなのだなと感じますね。
それでも現象の考え方としては「新規」「追加」「更新」の3つに分類されると思います。

なぜこういう分類をするのかというと、分類することが目的ではなく、要点はソファ選びの経験があるかないか、ということになります。
つまり「新規」であってもそれが転居や新居に関係するリプレイスならば「経験則」が存在します。
「追加」や「更新」に分類される場合はもちろん経験者ということになります。
つまりソファ選において初心者と経験者ではそこに大きな隔たりがあるのではないでしょうか。

一度経験をしている人には反省があります。すなわち修正ができるということです。
なので二度目、三度目についてはよりしっかりした選択が可能でしょう。
初心者だった私としてはそんなベテラン諸兄に対してアドバイスなどおこがましい限りです。

なのでこの記事は主にソファ選びの初心者の方々へ向けた「ソファ選び初心者の体験記」というポジションになるかと思います。
要するに「ンなこたあわかってるよ」的な項目が多い、と。

いやあ、まいどまいど前振りが長くて申し訳ありません。
じゃあ、早速本題に入りましょう。

◎ソファ選びでこれだけは抑えておきたいポイント

客観的には行き当たりばったりで買ったように思える私のソファ選びですが、なんのなんの。実際は綿密な計算や準備が合ったからこそその場で即決できたんだと思っております。いや、わりとマジで。(^_^;
だったらその綿密な計算や準備って何? って事になりますよね。
もちろんご紹介しましょう。

1.予算
2.サイズと配置
3.スタイル
4.色
5.コンセンサス

大きく分けると以上の5つ。
では順番に説明していきましょう。

◎予算の考え方

何はなくとも予算です。
もちろん資金がふんだんにあるとか、何を選んでも買ってもらえる事になっているとか、要するに生活レベルによって個々に対する考え方は変わってくるとは思いますが、私のような普通のサラリーマン家庭だと予算には限りがあるのが普通ですから、ここは最初の最初に考えるべきことだと思います。
ただし、これはソファに限ったことではありませんが、あまりガチガチにしてしまうと予算から少しオーバーだったので諦めた「あのソファー」が後々まで脳裏から消えることはないと思います。
初めてソファを買うならこのあたりの柔軟性はある程度持たせておくべきだと私は思います。
例えばこんな考え方はどうでしょう。

・予算総額とプライオリティという考え方

1.新居に向けた家財道具の全体で予算総額を決める
2.予算総額内で、必要な家財道具をリストアップし、それぞれに概算金額を割り振る
3.購入家財にプライオリティをつける
4.プライオリティの高いソファが予算オーバーした場合、プライオリティ下位のものの予算を削る
5.総額として予算総額内に収まればOK

この考え方だと、ソファのプライオリティが下位にあると成り立ちませんので、あくまでもソファのプライオリティが上位である事が前提になります。
ソファというのは好むと好まざるとにかかわらずリビングのランドマークというか、イメージリーダー、つまり「顔」「主」的な存在になります。
つまりプライオリティのトップ、もしくはトップ付近に入れておくべき家具ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

・予算総額はあくまでも「概算」で

追加アドバイスとしては「予算総額」自体にも弾力性をもたせておくほうがいいということです。
つまりざっくりと「家財予算総額は100万円くらい」とか「150万円くらい」という考え方で、二、三十万円のオーバーはしないつもりであっても、ちょっと覚悟しておく、という感じ。
言い換えるなら、120万円の捻出が絶対に不可能なら、100万円の予算は組まないほうがいい、という事です。

・我が家の場合

我が家の場合、引っ越しに伴う家具と家電の予算として今回は総額160万円と概算しました。
内訳は、次の通り(予算額が大きいもの順)
1)エアコン(70万円)
2)カップボード(50万円)※
3)壁面棚(20万円)※
4)ソファ(10万円)
5)飾り棚(5万円)※
6)一部家具のリフレッシュ(作業代)(5万円)
※はオリジナルをフルオーダーしました

予算の多くをエアコンが占めているのは仕方がないところです。
新しいマンションの部屋は、キッチンを含むリビングスペースがざっと30畳くらいです。
旧宅には独立した書斎があって、私はそこでいろいろと作業をしていたのですが、引っ越しにともない書斎をオミットし、リビングの一角に私と同居人それぞれの作業デスクを置き、ほとんどをリビングで過ごすライフスタイルに変更しました。
よって、リビングファーストという政策を立ち上げ、リビング用に導入する2基のエアコンについては、各社のフラグシップモデルを導入する事にしたからです。
また、今回は主に光熱費のランニングコストを重視して旧宅からのエアコンの移設はせず、すべて新品を導入する事に決めました。我が家は2LDKなので、リビングの2基+それぞれの部屋に1基ずつ、合計4基を購入ということで、予算としてはそれくらいを計上する必要がありました。

カップボードは本当にオーダーすると高いですね。
既成品で済ませたいのはやまやまだったのですが、いろいろと見て回ったものの、同居人が望む機能のものが見つかりませんでした。
はっきり言ってカップボードにかけた労力が今回の引っ越しで最も大きかったですね。ショウルームもいろいろと回りました。予約までしてわざわざ大阪市内に出向いたり、かなりの時間を費やしました。でもはっきり言って「どれも似たようなもの」ばかり。
色や材質など、いわゆる見てくれが違うだけで、機能はどれもほぼ判で押したようにおなじようなものでした。
同居人がずっと「理想の機能性をもつ食器棚」を妄想し続けていたのは知っていましたので、50万円以内であれば、という条件でフルオーダーすることにしたのです。

作り付けの棚、というのは、我が家が「チェロ部屋」と名付けた独立した作業部屋の壁一面を書架にすべく作り付ける棚です。これによりいわゆる独立した本棚やCDラックなどをすべて排除してスッキリしたいという思惑です。

これらをプライオリティ順に並べ替えるとこんな感じになりました。

1)カップボード
2)壁面棚
3)エアコン
4)ソファ
5)飾り棚
6)一部家具のリフレッシュ

ソファのプライオリティを高くしろ、と書いたものの、我が家の場合はソファのプライオリティは下位になっております。
これは我が家の場合ソファ導入派が私一人で、同居人は「特に必要なし」という立場だったため、プライオリティを上げるわけには行かなかったからです。逆に飾り棚は同居人のコレクションを飾るためのものなので、ワタシ的な必要性はゼロ。というわけでどう考えても値段が高いソファの方を上位に置いた、という感じです。

もっとも、私はごく初期において、ソファは安いヤツでオッケーだと考えていたので思惑としては5-7万円のものにして、10万円以下で抑え、同居人の導入反対という最悪のシナリオを回避することにしておりました。

プライオリティについては各家庭でいろいろあると思いますし、ソファを単独で買う場合は意味のない項目ですが、結婚や新築、あるいは引っ越しなどで複数の家財を買う場合の参考にでもなれば幸いです。

ちなみに我が家の家財購入に関する決算ですが、じつはまだ終わっていません。
フルオーダー系が全て未納品で最終金額が決定していないためです。
ただし、エアコンに関しては予算70万円に対し、結局50万円以下で収まった為に現時点で20万円強の余裕が生まれています。今回のソファの値段は結局としてオプションを含めて総額が15万円程度になり、余裕で?予算を超えたわけですが、エアコンで浮いた20万円があってこそだったのです。

これが最初から「ソファは絶対に7万円まで」という決め打ちをしていた、今回のソファは我が家にやってくることはなかったのです。

◎サイズと配置

ソファ自体のサイズは、ソファをどこに置くのか、で決まってきます。
なのでこの項目は切っても切れない関係だと考えます。
どちらにしろ重要なのは「寸法」です。
えっと、お間違いなく。重要なのは「部屋の寸法」です。ソファの寸法が問題になるのは最後の最後、つまり「決断」の段階になってからです。

・買う前の最終確認

悩み悩んで選んだソファ。よし、これで行こう、と決める前に、最終確認として寸法の事を思い出してください。
悩んで選んだ一台なら当然、問題はソファ選びをしているうちに「どうしてもこれが欲しい」と一目惚れしてしまった場合です。もちろん一目惚れ、運命の出会いっていうのはとても素敵なことだとは思います。何を隠そう私も最終的にはそんな感じで「これください!」的な決定でした。
が、その場合でもオーダーを確定する前にかならずしなければならないことが「寸法」をチェックなんです。

・そのソファの寸法はどうですか?

部屋に設置できるスペースがあるかどうかの「寸法」チェックは当然ですが、問題は「設置スペースにそのソファは入るのか?」ということ。
戸建てだとあまり問題にならないかもしれませんが、マンションやアパートの場合は特に注意が必要です。
具体的には

1.そのソファはマンションのエレベーターで運べるのか?
2.そのソファは玄関を通れるのか?
3.そのソファは廊下が通れるのか?
4.そのソファはリビングに続くドア部分をぬけられるのか?

など。
すなわち最終的に確認する必要があるのは「搬送経路の寸法」です。
これは買う方にとっては結構盲点かもしれません。
引っ越しにも関わってくるのですが、引っ越しの担当者とか家具店のスタッフなどと話していると必ず一つや2つ、笑えないエピソードを語ってくれます。
カップボードと壁の棚をオーダーした工務店の社長の体験談はまさに冒険譚とも言えるような「入らなかった」系の物語の宝庫でした。

・第一関門、エレベーター

入らないパターンはいくつかありますが、第一の関門はエレベーターです。
マンションによっては小さなエレベーターしかない場合があって「そもそも天井が2200mmしかないエレベーターで、全長2400mmのソファは載せられない」でしょう。ただのポールなら斜めにすれば20cmくらいかせげるでしょうけど、ソファの場合はまあ、ムリでしょう。
また、ソファ自体が2200mm以下であっても、梱包している場合は荷姿ではエレベーターに乗らない事になります。その場合は梱包を解いて、むき出しにしたソファをエレベーターに入れることになりますので、当然ながら搬送途中で思わぬ傷がついたりすることがあります。

「そんなの配送業者の責任でしょ」

まあ、そうなんですが、そこでクレームをして、例えば交換に応じてくれたとしても納品が先延ばしになりますよね? そして次の納品日に無傷で納品できる保証はないのです。
交換し続ける日々ってストレスたまりませんかね?
私なんか「買ったら即、そのままお持ち帰りしたい」派なので耐えられません。
なので多少の傷は「泣き寝入り」する可能性が高い。
つまりそういう状況ってどちらに転んでも幸せじゃないと思います。
一階部分で梱包を解くということは、そういう傷の問題以外に、天候によるダメージも考えられます。そう、具体的には雨の場合。

そもそもエレベーターのドアってエレベーターの天井より低い事が多いので、2100mmのソファであっても、形状によってはそもそもエレベーター内に入らないことも多々あります。
せっかくのソファですから、配送業者さんにも気分よく納品してもらいたいじゃないですか。
なのでエレベーターの天井高、入口の高さ、当然入り口の幅は事前に計っておきましょう。

・第二関門 玄関前スペース

これも普通は問題なんてあるわけない、と思いますよね。
でも、玄関前の廊下部分が狭いマンションは要注意です。
玄関ドアが異様に広い家だとまず問題はないのでしょうが、玄関ドアの幅自体が狭い場合、例えば家具の幅ギリギリだったりすると斜めから部屋の中に入れられません。
完全に正対して、まっすぐに入れないとダメっていう話です。
なので玄関ドア前にソファをまっすぐにできるだけのスペースがない場合、部屋に入れないことになります。
ドアの幅と玄関前の廊下の幅は要チェックです。

・第三関門 居間へ続く廊下

さて、無事に玄関を通っても、最後の難関が待っています。
具体的には廊下の幅が問題になりますが、廊下の形も要注意です。
玄関から居間まで一直線のレイアウトだと、廊下の幅がソファの幅以上であれば問題ありません。
ギリギリだと居間に続くドアの一部が引っかかる場合がありますが、通常、あの手のドアは上に持ち上げるとドアごと外せますので、干渉するようであれば外せばOKです。このへんは配送業者さんのほうが詳しいとおもいますのでお任せできると思います。

問題はL字型に曲がっている廊下です。
そのL字部分を通過できるかどうかが問題になります。
これは玄関前のスペースと同じ考え方で、ソファが天井より低くて立てて運べるならほぼ問題ありませんが、それでも幅がギリギリだと難しい場合もあります。ソファが天井より高い場合は廊下が広めでないと方向転換ができません。
そのへんの判断は家具店のスタッフの方のほうが詳しいと思いますので、買う私達は正確な廊下の寸法を計って置くことです。

・配置について

最後になりましたが、配置について。
これはもう、ソファをどこに置くかなんて前提中の前提で考えている人が多いと思います。
配置と微妙に関係して、L型のカウチソファにするとか、I型の普通のソファにするとかで、サイズ的な問題もそこである程度フィクスすると考えられます。
私からのアドバイスとしては、「一生モノと思えるソファに出会ってしまった」という幸運を考えて、配置案は「最善」と「事前」できれば「妥協」の三案くらいを引き出しに入れておいたほうが素敵なソファをゲットする可能性が高まるのでは? と考えます。

そう入っても我が家の場合はソファ以外のレイアウトは早々にフィクスされてしまっていたので、設置場所については一案しか持ち合わせていませんでした。ですが、ソファ購入が引っ越し前の段階で決まっていて、ソファを中心としたリビングを考えていたら、L型のカウチを導入するという選択肢があったと考えています。

我が家のリビングのレイアウトは、伝統的にテレビの場所から決めて行きます。
今回の引っ越しにおいては、実はその伝統を覆すチャンスだったのです。
というのも、販売前に見たモデルルームでは全く違うレイアウトが提案されていたからです。
私などは「これもありかな」と考えましたが、それはL字型のカウチソファをリビングのくつろぎの場所とする提案だったので、同居人には完全にスルーされていたのです。
そのうちご紹介したいと思っているのですが、我が家のテレビ台というのが、お金がない結婚当時に「暫定」としてでっち上げたキワモノなのですが、結局3回引っ越してもずっとその当時のまま変えていない状態なのです。
なんというか「カネがかからず柔軟性が高い」テレビ台でして意外にリビングの雰囲気を壊していない(と思っている)ので、結局「ちゃんとした」ものを導入せずにここまで来てしまいました。
今回の引っ越しにあたってもテレビ台のリプレイス(というか「ちゃんとしたテレビ台」の導入)は検討すらされませんでした。つまり予算はつかなかった、と。
加えて「ダイニングテーブルについた状態でテレビを見る」というライフスタイルもキャリーオーバーが前提だったため、リビングの家具配置は不変なのです。
まあ、引っ越してもリビングの形がほとんど変わってないのでそのまんま横滑りさせたというべきなのでしょうけど。

というわけで、我が家の場合はテレビに正対し、リビングのパーティションとなる配置を選んだのでした。
これにより「背面を壁につける」L字型ソファと違い、部屋を広く見せる手法が取れなくなりました。それからダイニングとテレビの間にソファが配置される関係で、画面を遮るハイバックのソファの導入も難しくなったのです。

◎スタイル

ざっくりした表現で申し訳ないのですが、要はソファ自体の広義でのデザインということになります。
具体的には、配置とも絡みますがハイバックなのかローバックなのか、カウチソファみたいな感じがいいのか、長椅子的なものがイメージなのか、フレームは視覚的デザインになっている方がいいのかフルカバータイプがいいのか、フレームワークも楽しみたいのであれば、材質は木材か金属か、最低地上高は気にするのかしないのか? クッションカバーの材質は? ソファで横になりたいのか? あぐらをかきたいのか? サイドテーブルはどうするのか? オットマンは? などなどです。

・基本的な形

私の場合は配置の選択肢がない、つまり置き場所が決まっている事もあって、当初はローバックというより、背もたれすらない、まんま「ベンチ」的なものを考えていました。
ベンチだとそもそもフレームだけでOKで、クッションは今あるものを使えます。場合によってはラグを敷き、つまり床に座ればローテーブルとしても使えるので、パーティなど大人数のゲストを迎える時に役立つなんて事も考えておりました。
まあ、パーティなんて年に一度くらいなのでそれを前提にするのはやめようと我に返ったわけですが。
そもそもベンチ型だと寝るのはOKかもしれませんが、寛いでアニメを楽しむ、なんてことはできそうもありません。
これが壁面にぴったり付ける配置がとれると、クッションを置けば背もたれになってくれるのですが、これも配置の問題で無理。
やっぱり背もたれは必要ね、ということに収まりました。
ハイバックとローバックは最後まで決まりませんでした。
くつろぎたいならハイバック。圧迫感を避けたいならローバック。
これも壁にくっつける配置だといろいろと問題はなくなる(ローバックでもクッションなどでハイバックとして対応可能なので選択肢が広がる)のですが、配置の自由度がないという問題があり、結果としてハイバックは×となりました。

・フレームの材質

材質もスタイルに絡みます。
例えば私の場合ですが、それは「木のぬくもりをソファに取り入れたい」的なものなどがそれ。
材質は単純にデザインとも直結します。
「木のぬくもりを取り入れたい」のであれば「木が見える」デザインである必要があります。
クッションやカバーでフルカバーされ、脚だけが10cmほど見えているようなソファーだとある意味でフレームの材質などどうでもいいとも言えますから。

そもそも当初ベンチ・ソファを考えたのも木製のシャーシ、つまりフレームそのものを楽しめるから、という意味合いもありました。
つまり、木製、それも木目がある無垢の木材でできたフレームがよく見える、そしてそのフレームがきちんとデザインされていて少なくとも見るたびにがっかりするようなものではない必要がありました。
これも具体的なイメージをいいますと、背面がファブリックやレザーなどでカバーされていないデザインのものです。
本文である購入記シリーズで度々引き合いにだされるゲタマのGE290(3)というソファーがまさにそういうデザインなので、「まんまアレ」ではなくとも基本線としてはまさに「ああいったもの」を探していたということです。

・クッションカバー(の素材)

これは「色」にも絡みますが、ここでは素材について。
ソファ選びで懸念事項だったのが「ダニ」の存在です。
いわゆるファブリックというか、布のカバーをチョイスした場合、それは布団やベッドと並んでダニの二大温床となることは明らかです。双璧です。
そう、壁のように高い(駆除しにくいという意味で)。
かと言って本革のクッションなど予算的に夢のまた夢。
なので夏場や汗を書いている時はベタッとするかもしれないけど、その場合は独立したクッションなどを使ってしのごうか、ということでPU(合皮)がベターだと考えました。我ながらごくごく自然な思考ロジックですね。
ただし、いろいろと調べているうちにクッションカバーの素材を前提にソファ選びをすると、かなり選択肢が狭まってしまう事がわかりました。
世の中のソファの大多数はファブリックだから。
レザーはそもそも高級(というか高額)ソファだし、PUは選べてもオプション、そもそもオプションにすら上がっていない、ってなことが多いのです。
たぶんファブリックなどよりよほど精密な型取りや縫製が求められることから、主にコストの問題があるのでしょう。次に、特に日本の場合「合皮」=「やすもの」というイメージが出来上がっていて、作っても実際問題として、つまり実績的に売れない、なので作らない、というスパイラルに入っているのではないでしょうか。
最近の合皮はすごいマテリアルに進化していると思うのですが、結局いつまでもフェイクレザーだなんて呼んでいる風潮が私の選択肢を狭めているのですな。嘆かわしいことです。

ということで、ダニの問題は別途考えることにして、クッションの素材については弾力的に対応する、という立場を選ばざるを得ませんでした。
ちなみに本編の最終回のサブタイトル「俺達の戦いはこれからだ!」の意味は「これからダニとの戦いが待っているかもしれないが、負けないぞ」という意気込みを表現したものでした。いや、ホンマ。

・ソファのディメンション(性格)

ディメンションというとちょっと語弊があるかもしれませんが、要するにソファのもっている特性や方向性といったものです。
言ってみればハイバックかローバックかといった項目にも関係してくるのですが、具体的には、「二度と立ち上がりたくない(立ち上がりにくい)系」なのか、「どちらかと言うとベンチ的な性格」なのかという感じです。

えっと。
全然具体的ではないので更に具体化を進めましょう。
ヒップ側が下がっているのか、それともフラットなのか。
これがまず大事だと思います。
下がり方にもよりますが、おしりが下がって沈む系のソファは、立ち上がる際に「どっこいしょ」という掛け声が必要です。
掛け声が必要なんです、私は。(^_^;
これはなんというか、リラックス度は高くなりますが「こたつみかん」的な「ダメな感じ」に陥ります。
いえ、ダメじゃないんですよ、本人的には。だってリラックスして弛緩しまくっているのでそこから動きたくなくなるだけなので。
私なんか座右の銘が「怠惰最高!」ですから、願ったり叶ったりなんですが、心の中でもうひとりの私が警鐘を鳴らすのです。

「悪いことは言わない。座ったら立ち上がりたくなくなるソファだけはやめておけ。特にお前は絶対使うな」

と。
いやあ……。
私自身思いますからね。私はそういうソファを絶対つかってはいけない人間だって。
本当に何もやらなくなります、きっと。
宅配便が来ても出ませんね。勝手に宅配ボックスに入れてくれるだろうなんて横着考えます。
玄関に来客が来ても対応なんかしません。
招いた客であれば別ですが「またNHKを語るユスリ・オドシの類か、新築マンションの入居のドサクサで要らぬものを買わせようとする押し売りだろう」と決めつけて無視する自信があります。
そしてそのうち同居人との関係がこじれてきて家庭崩壊へ……なんてダークなストーリーが頭の中で展開されて行くわけです。
平和と安楽のために買うソファが平和を乱してどうする?
そういう考えもあって「腰掛け」要素のあるベンチソファを考えていたんですから。
それから後ほど少し言及しますが「体勢の自由度」という意味から考えても、座面は水平の方がベターだというのが私の考えです。

実はゲタマのGE290は「そっち側」、つまり後方に向け角度がついたソファです。
言うほど深くはありませんが、決してフラットは言えません。

GE290。ゲタマ社のサイトより拝借しました

私が購入したオークライフ1.こちらも厳密に言えば水平ではありませんが、GE290tの差は歴然です

コピー商品の存在に目がくらんで、その事をうっかり忘れていた私でした。たぶん運命の神様がGE290を買わせないように、ハイバックに魔改造したコピー商品と引き合わせたのでしょう。
正直にいいますと、東京インテリアにあったGE290のコピー品、商品名オークライフ3が魔改造されたものではなく、オリジナルに忠実なものだったとしたら、躊躇せずに買ってた気がしてなりません。
神様っているんですねえ。

・座面の長さ

これには2つの側面があります。
一つは短辺。つまり腰掛けた時の前後方向の長さ。
もう一つは当然長辺。ソファー自体の長さというと、通常はこちらの事ですね。
なのでソファのサイズというと、長さばかりに目が行きがちですが、重要なのはむしろ奥行き、短辺です。
ここの長さで快適さが変化すると言っても過言ではないからです。
座面の奥行きは長めの方が「ツブシ」がききます。
サイズの問題で座面の奥行きを短くすると、それこそ「後悔する」んじゃないかと考えます。
私が今回基準にしようと思ったのは「ゆったりとあぐらがかける座面長が欲しい」というもの。
人によりますが、私なんか結構あぐらをかいたりするんですよね。
あと、正座もできます。
畳やフローリングの上だと痛くてアレなんですが、ソファの上だと正座して長々とお叱りを受ける、なんて苦行も少しは楽になる……人もいるのではないでしょうか。
まあ、お叱りを受ける時はソファから降ろされるに違いありませんが……。

ということで、ソファ上での体勢の自由度は重要=座面は長めの方がいいというお話でした。

長辺、つまり全長については、「無理のない範囲で長いものを」というのが私からのアドバイスです。
必要もないのに長いソファーを入れたばかりに、リビングの動線が悪くなるというのは避けたいものですが、それが担保できるのであれば、長いほうがいわゆる体勢の自由度が増しますし、隣の人との感覚を広くとれます。
もちろんずっとくっついていたいから広くなくてもいい、なんていう意見はアリですけど、仲睦まじいのであればやがて住人は増えるでしょうし、その住人を間に置いても大丈夫なサイズにしておく方が買い換えるよりベターでしょう。それにときにはちょっと気まずくなったり喧嘩をしたり、なんてこともあるんじゃないでしょうか。
あと、太ったり?
まあ、多少冗談交じりではありますが、選択肢があるのなら、許せる範囲で長いモデルを。

・アームレストは必要か?

これもデザインに関係しますね。
私はベンチソファを考えていた頃は「アームレストは不要」だと思っていました。アームレストがあることによってソファが必要以上に大きく見える、つまり存在感を増すことを懸念したからです。
圧迫感が出るんじゃないかという考えですね。
また、この頃の私はソファと一緒に「サイドテーブル」の導入も考えていましたのでアームレストを物置代わりにするなんて発想はもっていませんでした。
さらに言えばアームレストがあると「横になる時に邪魔になる」と考えていたものです。

それがGE290は無理だけど、そのコピー品だと手が届くと思い出したとたん、あの水平のアームレストにスマートフォンくらいは置けそうだと考えました。
すると
「だったらアームレストがあればサイドテーブルの必要がなくなるんじゃ? しかも左右にサイドテーブルがある、と考えると実に便利では?」
なんてことを妄想するようになり、そのあたりでサイドテーブルのことはすっかり頭から消え、水平で、ある程度の面積のあるアームレストが必須条件となってきたのです。
「横になる時にじゃま」という懸念は「クッション追加でむしろ枕的に使えるのでは?」とかんがえるようになりました。
我ながらなんというオプティミスト。
ちなみに今でも「水平でないアームレスト」は「いらんな」と思ってます。

結果として私は、広い面積を誇る水平な木製アームレストを持つ、横になっても問題ない座面長と余裕であぐらをかける水平な座面(実際は完全なフラットベンチ型というか、水平座面ではなくてそれなりに後ろが下がっています)のソファを購入いたしました。

◎色

デザインの一部に入れてもいいのですが、これについても結構考えたので。
まず、色と言っても2種類あります。
当然フレームの色とクッションの色です。
また、特にクッションにおいては場合によっては遊びが可能です。クッションを単一のファブリックで覆うのではなく、パーツに分かれているのであれば、色を変えて遊ぶ事ができますから。
まあ、ポップなものが好きな方はフレームも塗装して「らしさ」を演出したりされるのでしょうが、ここではややこしくなるので一般的に木材の種類に依り色が違う事と、単一のカバーのクッションということにしておきます。

ソファはリビングでも大物家具になりますから、その色にも気を遣ったほうが良いでしょう。
私は木製フレームのソファにすると決めていたので、木質による色の違いを気にしました。
なので基本的には「我が家のリビングにはダークカラーのフレームはそぐわない」=ライトなカラーということは決まっておりました。
もちろんデザイン重視で選んだソファがダークな木材しか選べない、もしくは選択肢すらない、ということなら、そこはあえて目をつぶってクッションで帳尻合わせをする方向に思考をシフトしたでしょうけれど、幸か不幸か? 選んだソファはこちらの注文通りのライトカラーが標準だったので、そこで悩む必要はなくなりました。

むしろクッションのファブリックの色合いに悩んみました。
単色ではなく色んな色が混ざったファブリックなので、「大まかに言ってベージュ」「遠くで見たらグリーン」みたいなある意味の柄モノしかなかったのです。
つまりキーカラーをどれにするかという問題です。
これは正直にいってしまうと私個人は「どれでもいいかな」という気になりました。
あえてそういういろんな色の成分が混じった柄の生地をチョイスしているだけあって、どれでもそれなりに合いそうなのです。言い換えると大きく失敗しない生地とでもいいますか。
なので生地の色については同居人の直感と好みにおまかせしました。

同居人の選択ロジックはある意味で消去法でした。
「全体にナチュラルウッドの家具で、床のフローリングはグレーっぽいし、壁紙に至っては白。フレームも薄い色だし、つまり我が家のリビングは白っぽい。なので、埋没しそうな薄い色はあえて避けよう」
「かと言ってファブリックというだけで夏場は感触が暑苦しくなりそうなので、濃いめの色はちょっとね」
「赤っぽいと暑苦しそう」
「緑っぽいのはわるくないけど、うちのリビングでは浮いちゃうかも」
「基本ブルーだけど緑成分もあるし、角度に依っては茶色っぽくも見えるし、これだと夏でも冬でもそれなりにマッチするんじゃ?」
ということでこの色になりました。

この辺は本当に好みでしょうね。

◎コミュニケーション

まずはショップの人とのコミュニケーションです。
リアル店舗ではなく通販で買う場合(全くおすすめしませんけど)は、疑問点などは事前にメールなどでやり取りして後顧の憂いをなくしておくことが極めて重要です。
例えば説明には「オーク集積材」と記載されているのに、そこにある写真を拡大して眺めてもどう見ても集積してない一枚板にしか見えないなんて場合、これは喜ぶべきではなくむしろ説明と写真が食い違っているということなので、その通販店自体を疑うべしです。少なくとも私は疑います。
なのでそういう疑問は完璧に潰しておく事が重要です。
既に述べたサイズについても、こちら側のデータを向こうにすべて開示した上で「搬送OK」の言質を(というかメールでしょうが)とっておかないとトラブルになることは容易に想像がつきます。
リアル店舗の場合はその場で担当者と対面会話ができますので、むしろ向こうから質問をしてもらってネガを潰す事が可能です。間口は大丈夫ですか? などなどですね。
あとは手入れ方法。
保証内容。
修理について。
補修部品(クッション本体やクッションカバーのリプレイス体制があるのかどうかなど)の有無など。
最後に着荷時にどういうチェックをしておくべきかなどなども聞いておくほうが断然いいと思います。

以上が購入する相手、つまりショップとの基本的なコミュニケーションですが、実はそれ以上に重要なのが、家族とのコミュニケーションです。
こちらはコンセンサスと言い換えてもいいのですが、コミュニケーション合ってこそのコンセンサスですから、のちのち嫌味を言われてストレスを発生させないためにも、コミュニケーションを密にして、コンセンサスを取りやすい環境を作っておく必要があります。

なので、お互いが持っているソファに関する譲れないもの(機能やデザイン、予算など)をリストアップすることを強くおすすめします。
双方の好みのベクトルが「ねじれの位置」にあると途方にくれるかもしれませんが、その為のコミュニケーションです。
あまりに意見が食い違う場合は、ソファの形やデザインなどを議論するよりも「どんなリビングにしたいのか」というコンセプトについて話し合い、ライフスタイルについてのスタンスをすり合わせる方が先決です。
なに、心配などいりません。
所詮は同一のリビングを共有して生活するわけですから、その生活がイメージできさえすれば、そこにあるソファを二人でイメージすることはできるはずです。
あとはそのイメージの微調整だけで済みますよ、きっと。
まあ、保証はしませんが……。

なんだかんだといいつつも、ある日売り場で二人揃って一目惚れ、なんてソファに出会うかもしれません。それはものすごく素敵な瞬間です。そのソファがイメージしていたものとは全然ちがっても構わないと思います。言葉にして理詰めで追い込んでいった理想のソファよりも、きっと平和と安楽を家族にもたらせてくれるに違いありません。
私は「愛が世界を救う」なんてこれっぽっちも信じていませんし運命論者でもありませんが、「幸せをもたらす偶然は確かにある」と考えていますので。

◎オプションについて

オプションの有無はソファによって違うと思いますが、L型のカウチ以外のソファの場合、オットマンがオプションで用意されている場合が多いのではないでしょうか?
我が家の場合はL型カウチ的に「も」使えるということで、オットマンは迷わずチョイスしました。
こういう事があるので予算内ギリギリだと辛い、ということになりますね。
大体においてオットマンって小さいのに結構高いですし。

オットマンを選ぶ際は、くれぐれも「小さいから問題ないだろうな」なんて思わないようにしましょう。
意外にかさばります。床面を覆う部分が単純に増えますから、視覚的に狭く見える可能性も高いです。「小さいから、必要な時だけ出して、普段は別の場所に置いておこう」なんて無理無理。
確実に出しっぱなしになるでしょう。予言します。
確かに楽なので欲しいオプションではあります。
でも、なければ死ぬ、という程のものではないはずなので、くれぐれも慎重に。

我が家は「2つ導入すると予算もだけど、そもそも部屋が狭く見えるかも」ということで1つだけにしました。

大きめのオットマンだったので二人で足を置いても充分使えるものでしたが、結果として真ん中にオットマンを置くことになり、手持ちのローテーブルと排他関係になってしまいました。
アームレストは広大なのですが、輪染みなどを作りたくないので飲み物系は置けません。
なので小ぶりの、具体的にはコの字型のサイドボードがほしいな、と思っております。

◎最後に

・失敗のすすめ

いや、お勧めはしませんけど。
当たり前ですが、ソファ選びに失敗しても基本的には誰も死にません。
なのでおそれる必要などないんです。

最近多いんですよね、特に若い人に。
「失敗したくない症候群」というか。
新卒の面接なんかをしてみるとひしひしと感じるんですが、学生時代のエピソードとかはほぼ成功体験のみ。むしろ失敗しないように自分がどういう手法を選び、失敗回避の為にどんな努力をしたかという話が主体だったりします。
「なんか失敗談とかある?」
なんて水を向けると、優秀なヤツほど「私は(優秀だから)失敗なんかしませんよ」的なニュアンスの回答が帰ってきます。
彼ら、彼女らは「失敗をする人間=ダメなやつと思われる」という強迫観念のようなものをもっているのではないかとさえ思えるほどです。
なので、社会に入って挫折すると耐性がないのですぐに精神を病む。失敗したのは上司が無理で不条理な仕事を押し付けたからだ、私は何も悪くない、みたいな理屈で内面世界に入り込むとか。
番外編で「叱られたことがない症候群」も見受けられますが、脱線しすぎたのでこの手の話はこの辺で。

失敗しない人生なんて、きっとつまらないと思います(個人の感想です)。
そりゃあ、人の生死に関わるようなクリティカルな失敗は避けたいですけど、ソファ選びに失敗したって別にいいじゃないですか、としか言えません。
まあ、ちょっとした例を考えてみてくださいな。
成功、つまり買ったソファに満足した場合は、相手に自慢話しかできませんが、そんなソファ自慢されても普通の人は「うん、(あなたにとっては)いいソファだねぇ」で終わりです。これが失敗した場合「○○なところがあってね、ちょっと後悔しているんだよ」なんて言ったほうが「そうなのか、いや、オレのところもね」なんて具合にきっと会話が弾みます。むしろ「いや、オレはそういうのがいいと思うんだけどな」なんて違う視点を提示してくれるかもしれません。どちらにしろソファに関する知見がアップするのは間違いないところです。
ソファなんてホイホイと買い換えられるわけではないでしょうが、それでもただ不満をもって付き合うより、今あるソファとの付き合い方を考えるという前向きな手法は探せばあるはずです。
「失敗してはいけない」なんてガチガチに理詰めで選んでもいいでしょうけど、それは本当にあなたが「欲しい」ソファなのでしょうか?

エッセイや小説などには、一脚の椅子を中心にしている記述が結構見受けられます。そういう文章を読んでいると一生モノの椅子と付き合う人生って素敵だなあ、なんて思ったものです。
そもそも「王座」「玉座」なんていうのは椅子の話ですよね。
椅子ありき。
事程左様に人にとっての椅子という存在は大きいものなのでしょう。
単純に大きいだけなら、ベッドや箪笥や食器棚、あるいはテーブルのほうが上ですが、椅子というのは、体を預けるもの、それも意識のある状態で作業を、瞑想を、創作を、消費を行うもの。
まさに「私の人生を支える存在」だから、椅子はこれほど連綿とその大きな存在を誇示しているのではないでしょうか。
それに椅子を作り、それを生活に使うのは人間だけですから、椅子に座るのは人間の証明とも言えます。
そう、人間とは「ホモ・サピエンス」でも「ホモ・ルーデンス」でもなく、ひょっとしたら「ホモ・セデオ」とでも表現するべきなのではないでしょうか。
うん、これはもう論文として発表しようかしら。(*´ω`*)

こほん。
人生のパートナーというには大げさですが、椅子の親玉ともいえるリビングのソファって、生活を共にする大事な友だちになるのは間違いありません。
機能とコストパフォーマンスでチョイスしたソファが気にればそれは素敵な事です。でも理詰めで、消去法で残ったソファよりも、「こいつに惚れた」と思えるソファと暮らすほうが、私は断然楽しい生活になると思うんです。

なので「失敗しないソファ選び」なんてキーワードで検索して勉強するのは大事だと思いますけど、「失敗したらどうしよう」とか「絶対に失敗しないぞ」なんていう、私に言わせると「逆方向の意気込み」ではなく、自分の感性やエモーションを信じて冒険をいとわず、一目惚れを信じる心を大事に選んでいただきたいな、と思う次第です。

もちろん私のそんな戯言にほだされて一目惚れしたソファを買ってみたものの、やっぱりどうしようもなく生活が不便になった、なんて事になっても責任は取りませんけどね。

長々とお付き合いありがとうございました。
最後の締めに、私から一つ、読者の皆さんへ贈る言葉を。

「人は、運命を避けようとしてとった道で、しばしば運命に出会う」