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☆イタリアの小型EV 「エストリマ BIRO」が日本上陸

クルマ

日本にはなかったかわいいけど実力派のEVコミューター

まったくない、ということはありません。
一部ゴルフ場など、閉鎖エリアで活躍していますし、最近は奈良の観光地などで日産が小型EVの実証実験中だったりしますし。

でも日本と違い、ヨーロッパではもはやミニEVって、普通に市街地見かけるじゃないですか?
「ちょっとした買い物にこういうコミューターっていいよなあ」
などと思っていたのですが、なかなか実現しませんでした。

◎日本でミニEVが普及しない理由

たぶん、日本では法規制やお役所の体質の問題ががんじがらめになっていて、いわゆるベンチャーであってもこういう産業に簡単に参入できる土壌がないのでしょう。
かと言って既存の自動車メーカーやオートバイメーカーは(4社のウチ2社は自動車メーカーですが)保守的すぎて、やる前から「儲からないからやらない」と決めつけているフシがあります。
まあ、素人考えでも「(日本では)そんなに売れないだろうなあ」とは思いますが……。

◎BIROの特徴

よく知りもしないで「これは売れない」と決めつけるのも早計ですよね。
そもそも「売れる」「商売になる」と思ったから日本で販売することにしたのでしょうから。
実際問題としてBIROはかなり魅力的なシティ・コミューターなんですよね。
ちなみにBIROとは、その昔、イタリアで人と荷物を運ぶ簡易な馬車(車両)であるbiroccinoからとったものだそうです。


まあ車のいわゆる車型(クーペとかセダンとかリムジンとか)はすべて馬車の車両の形式からとっているわけですが、ここへ来てまだ別の車両名を引っ張り出してくるとは、とちょっと関心しました。

・電気自動車である

最初からEVって言ってますからね。
乗ったことはありませんが、エンジンと違ってモーター駆動ですから多分出足のかったるい感じとかとは無縁でキビキビ走れるんじゃないでしょうか。

・二輪独立駆動である

RWD、つまり後輪駆動なんですが、これが左右に独立したブラシレスモーターが装着されているんです。
どういうことかというと、一つのモーターの回転をディファレンシャルギアを通じて二分割もしくは四分割(AWD)するのが普通のガソリンエンジンの車ですが、二分割せず、それぞれのタイヤ一つに対して一つのモーターで駆動するという方式。ある意味理想的な駆動方法なのですが、このちっちゃいEVはそれを実現しております。

・小さい

上からみた平面図(フットプリント)、つまり路上専有面積がかなり小さいです。
なにしろ全長1720mm、幅1030mmですからね。ちょっとブタっとしたスクーターって感じです。


これはつまり小回りがきくというだけではなく、駐車スペースに困らないという、スクーター的な取り回しの良さを持っているということになります。

・家庭用100Vコンセントで充電可能。脱着式も選択できる

BIROのバッテリは脱着式と固定式をチョイスできます。
脱着式を選ぶとリアのトランク下をあけてスチャっとワンタッチでバッテリを取り出すわけですが、転がせるような車輪と伸びる持ち手がついていて、いわゆる小型スーツケース的に転がして運ぶことができます。


バリアフリーな経路があるのであれば、玄関まではストレスなく重いバッテリを運べるという寸法。満充電に要する時間は2−4時間と意外に短時間。

・航続距離は50km(バッテリ脱着式)〜と100km(バッテリ固定式)〜

脱着式バッテリだと満タンで50km以上走るそうです。
ま、EVの場合は話半分で聞いておけばいいので25kmから30kmくらいということになります。
これが固定式だと二倍の100km以上だそうです。ガレージにチャージャーを設置できる人は固定式の方が運用が楽でしょうね。
ちなみに値段はどちらを選んでも同じでした。
なお、バッテリ脱着式だとバッテリを取り外しておけば盗難防止にもなります。

・99色のオプションカラーから選べる

こんなことやっているから5ヶ月もかかるんじゃ……などとヤボな事を言ってはいけません。選べることが素晴らしい。
ただし、選べるのはフレーム(ドア枠)とボンネットのみ。ベースボディ部分はブラックのようですね。

・セカンドカーとして買うなら、任意保険料金が安い。

なんてったって「原付き特約」でカバーされます。これは地味にありがたい。
でもこれ一台ということになると原付きの任意保険料が必要ですが。

・レンタルでお試しができる

いわゆる試乗とは別に、お金を払って月単位(1ヶ月、3ヶ月、半年、1年の4種類)で借りることができます。
ちなみにグレードによって多少違いますが、一ヶ月約10万円(88,888円〜99,800円)。
1ヶ月と3ヶ月プランの場合、その後に購入するとレンタル料金を本体価格から差し引いてくれるという太っ腹ぶりですから、実際に使えるかどうかをじっくりと確かめることが可能です。

◎それでも日本では売れないだろうなと思う理由

というわけで、とりあえず可愛くてちっちゃくて魅力的、しかもイタ車ですよイタ車。痛車じゃありません。
一度は痛車に……じゃなくてイタ車に乗ってみたいなって思っているので個人的には応援したいわけですが、じゃあ買うのか? というと買うまでには至らないだろうな、というのが現時点での感想です。
その理由はいくつかあります。

・高い

なんというかもう、これに尽きますね。
バッテリ込みで乗り出しはざっと160万くらいからでしょうか。
シミュレーターを使って「もしかうとしたら」というワタシ好みの仕様にすると軽く200万円オーバー。


スクーターもどきに200万円はちょっと……。
と思う人が日本にはおおいんじゃないかなあ。

・日本には屋根付きスクーターがすでにある

これを言っちゃおしまいなんですがね。でもBIROってEVであるという特徴を除くと、ほぼ屋根付きスクーターのポジションなんじゃないかと思えなくもないんですよ。

・普通免許が必要

原付免許では乗れません。

・一人乗りである

普通免許で一人乗りの車に乗る贅沢……。といいように考える事もできますが。
もともとは二人乗りなのですが、日本の法規制の問題で一人乗りになるようです。でもシートは二人分ついてます。これは将来的に認可されるだろう、と言われているからだそうで。

・納期が長い

受注生産、しかもイタリア生産で、発注して5ヶ月がめどだそうです。
もう一度言います。「しかもイタリア生産」。
本当に五ヶ月で来るんだろうか?
いえ、個人の感想です。

◎で、BIROはどうなのか?

個人的には大金持ちだったらおもちゃ的に欲しい。所有したい、という気持ちはあります。

なにしろかわいい。(*^^*)


でも実際問題となると、私のようにマンション住まいだとオートバイ置き場ではちょっとムリなので結局一台分の駐車スペースが必要になります。

もっとも、年に何回もロングドライブをするわけでなく、駅までは徒歩圏だし使うとしても週末くらい? それもスーパーの買い出しとかその程度、と考えるとBIROがあれば事足りてしまうのも確か。
ちょっとした用足しに使うにはピッタリかな。
エアコンもないのでどちらにしろ長距離には向いてませんからね。

本国では夏は「ドアを明けて走るから問題ない」そうですよ。

ドアなし。ちなみにドアはたった5秒で取り外せるのだとか。いや、それって怖いんですけど……。

こちらはドアあり

車のようなディーラー網は期待できませんが、言い換えればバイク屋さんレベルでのメンテでOKな単純な作りです。
普及すればご近所のバイク屋さんはほとんどBIROのメンテができるようになるんじゃないでしょうかね。そのへんはあまり心配しなくてもいいかもしれません。
そのへんもスクーター感覚で。

そう考えると、高齢化社会にピッタリなのかもしれません。
EVですからガソリン入れに行く必要がありません。
自宅のコンセントで充電しておけばオッケーです。
一回に100kmも走らないでしょう?(実際は50-60km程度でしょうけど)
ご近所の買い出しや友達に会いに行くくらいだったらもう全然オッケー。
まさにリタイヤ組にピッタリ。

まあ、イニシャルコスト(値段)が高いのでリタイヤ組にピッタリなのかどうかは微妙ですが。

そうそう、我が家的には自転車が積めないのでどちらにしろファーストカーにはなりませんね。

◎BIROの詳細は次の通りです

・寸法

全長:1,835mm
全幅:1,030mm
全高:1,565mm
最低地上高:190mm

・性能

最大速度:45km/h
ブースト機能(登坂時等の出力補助)
最大登坂斜度:20%以上
最小回転半径:約2.8m

・仕様諸元

3mm厚セキュリティチューブラーフレーム
4輪油圧式ディスクブレーキ
開閉可能なサンルーフ&リアウィンドー
広々としたコンパートメントとグローブボックス
後進時警告ブザー
3点式シートベルト
前後輪145/60 R13タイヤ
大型リアビューミラー
USBポート
2スピードセレクターt + ブースト
脱着式ポリカーボネートドア(左側は電磁ロック式)
ウインドシールドデフロスター

・動力仕様

ブラシレス48Vモーター x2
最大出力4KW
制動時充電システム
100Vバッテリーチャージャー

・航続距離・充電

脱着式バッテリー: 55km以上 ※満充電の連続走行時
固定式バッテリー:100km以上 ※満充電の連続走行時
家庭用100Vからの充電(電気代:約1.5円/km)
※料金は目安です。深夜電力を使うことでさらに抑えられます。

・リアコンパートメント搭載量

トランクの最大容積:300リットル
上部後部トランクの容積:196リットル
下部リアトランクの容積:41リットル
トランクの最大サイズ(mm):796 x 861 x 428

 

※画像はすべてBIRO Japnのwebサイトから拝借しました