趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★ONKYO W800BT 途中報告 iii

オーディオ系

◆機能について(初出:2017/03)

機能とか言ってもざっくりし過ぎて何の事やら? ですが、次の四項目について各論を。
・駆動時間
・ペアリング操作
・通話機能
・(楽曲)コントロール機能

そして最後に一応音質に関する途中報告も。

★駆動時間
はもちろん毎回少し違いますが、ざっと150分。つまり2時間半くらいです。カタログデータを調べると3時間なので実働時間は悪くないと思います。
150分は外気が低い今週のデータなので、これから春先から初夏にかけて気温が上がるともう少し保ちが良くなる可能性あり。保証しませんが。
バッテリ切れについては、W800BTは予告があるのでその時に備えて身構えるというか、他のイヤホンに付け替える覚悟を決めるというか、そういうリードタイムがわかります。
だんだん聞こえなくなるのではなくて、この手のBTヘッドホンはいきなりブチ切れるヤツが多いのですが、サインを出してくれるのは予測できるのでありがたいかと。
W800BTの場合、バッテリが切れる5分ほど前に右側のユニットから「ぺろぺろん」という電子音が聞こえます。
これが聞こえると「あと5分くらいで切れまっせ」という意味です。なので今聞いている曲か、たぶんその次の途中で二回目の「ぺろぺろん」が鳴ります。二回目の「ぺろぺろん」は「あと一分で切れまっせ」という意味なので、今聞いている曲の途中で切れる可能性大。
別のイヤホンに付け替えるか、音楽を聴くのを諦めるタイミングというわけですね。
で、最終的には「べろべろん」というような音がなってフッと消える感じです。ブチっという感じじゃなくてジェントルな消え方は○。

★ペアリング操作
ここで言うペアリングは毎日の使い始めの儀式の事。初回の認識ペアリングはまあ、普通のBT機器と同じです。
多少違うとすると、左右が別々のユニットで、それぞれにスイッチがあるので、両方の電源を入れて初期ペアリングをすればOKです。右と左のユニットが別々にリストに出て混乱するという事はありません。
で、毎日のペアリングですが、基本的に両方のスイッチを長押しして、右側ユニットから音が出ればOKです。
音は2回出ます。電源オンの音と(たぶん)左右のイヤホンが連結した音じゃないかと。
以上で終わりです。
私はイヤホンを両耳に装着してから、おもむろに太鼓の中央部分のスイッチを同時に押してスイッチon、という感じで使いはじめております。
まあ、簡単に言うと「スイッチ押せばそれでオッケー」です、はい。もっと簡単なのはクレイドルというか充電ケースから取り出したら自動的にスイッチonになるタイプですが、個人的にあれは嫌いです。断固拒否。
スイッチは自分で能動的に入れたい派なので。

★通話機能
私がこれを使うことはたぶん金輪際ないと思いますが、W800BTは右側のユニットに通話用のマイクが内蔵されているようです。
電話がかかってくると音楽がフェードアウトして呼び出し音がなりますので、その時に右側ユニットのスイッチを軽く押すとオンフック状態となり通話ができるようです。
試してないのでマニュアルの受け売りです。マニュアルにかいてあるのでたぶんそうなのでしょう。

★コントロール機能
と書きましたが、このイヤホンはぶっちゃけ「皆無」です。
ボリュームコントロールはおろか、早送りや巻き戻し、次曲や前曲へのスキップなど、コントロール機能と呼べるものは実装されておりません(たぶん)。
装着して最初の音出しからスマートフォン本体側で行う事になります。
このあたりはBTレシーバー経由と比べて利便性が大きく劣る部分ですね。
できる事はスイッチのオン・オフのみと考えた方がいいでしょう。

★音質について
誤解の無いように最初に条件を書いておきます。
・DAP:富士通 arrows M03
・Playerアプリ:poweramp
・比較対象:Westone 4RをM03のイヤホンジャックに挿して聞いた音
・W800BTはオリジナル状態ではなく、イヤーチップをサードパーティのフォームタイプに換えている

ということで、まあ条件をみればわかる通り同じ環境の人は世界中を探しても皆無じゃないかと思われますので私の評価は本当に参考程度にしておいて下さい。
あと、私の耳のレベルは「3000円の耳」ということもお忘れなく。

まず、結論から
「W800BTの方が音がいい」
これはどちらかをチョイスするとすれば、W800BTを選ぶといういみで、全てにわたってW800BTがWestone 4Rを上回っているという意味ではありません。
なのでもう少しだけくわしい感想を。

・音場:4Rの方が広い。具体的には左右の広がりは大差ないと感じるが、上下の広がりで4Rが上。例えると相対的にW800BTの方が天井が低いホールで演奏しているようなイメージ。ただし敢えて比較すればそんなかんじというレベル。いわゆる奥行きについてはどっちもどっちという感じですが、W800BTの方がヴォーカルが前に出ている。

・定位:4Rの方が多少明確。W800BTはピアノなどの音の出所がやや曖昧に感じる。例えるなら妙に横に広い楽器みたいな?

・解像感:どっちもどっちですが、中音域で4Rの方がやや繊細か

・低音:これは圧倒的にW800BT。4Rから換えると、スーパーウーファーを追加したように思える程。

・高音:W800BTの方がパワフルに鳴る。言い換えると解像感とのバーターかもしれません。

・その他:一部の弦の音が、4Rでは艶やかに聞こえますが、W800BTにはそういう感じはなし。全体的にW800BTは「元気よく音が鳴っている」という感じで、クセもなく、ある一定以上の水準の音を出している感じです。加えて低音が満足できるレベルにあるので、第一印象と違って「けっこういい音でなるイヤホン」と評価を変えたいと思います。

・その他感想:arrows M03内蔵DAC経由でイヤホンジャックから出る音が、やっぱりかなり悪いのだということがよくわかりました。一方でW800BTの実力は、音に関しては「まあまあ」である事も。
問題はそのW800BTの音をどういう評価軸で見るか、です。
BTフルワイヤレスというジャンルではなく、普通のワイヤードイヤホンのジャンルで順列を付けるならば、たぶん一万円クラス以上の実力があるのではないかと。
この1万円以上クラスというのは、たぶん大多数の人からは「音がいい」と評価されるレベルだと思います。
だって5万円以上のクラスのイヤホンを使っている人って全体からすれば超マイノリティですから。
980円とか、1980円クラスのイヤホンを使っている人がW800BTを買うと、ほぼ満足できるレベルだということです。まあ、音は好みもありますし、装着感などの問題もありますし、私は保証しませんけどね。
問題はW800BTの値段です。定価(というか初値)3万円以上だったらしいですが、3万円のイヤホンと考えると「高い」と思います。現在、2万円を切る価格なので、1万円以上の実力に併せ「完全ワイヤレス」という付加価値を持つイヤホンとして、それに対していくらのプラスαがあると感じるかで評価が定まるのかな、と。
単純に予算が2万円で「音のいいイヤホン」を選ぶ場合は、素直にワイヤードイヤホンの中から選ぶほうが幸せになれると思います。そうではなくて「ワイヤレスでかつ音のいいイヤホン」という選択肢で探しているのであれば、個人的にW800BTは比較対象にいれてみては? と推奨する次第です。
予算が4万円まである、という人は音質に定評のあるApollo 7あたりも候補に入ると思いますが、まあ楽しいイヤホン選びをされる事を。
で。私の場合です。
W800BTがけっこういい音だという事はわかりました。
では、これをメインイヤホンとして使い続けるのか? と考えると、ちょっと心が揺れてしまいます。
W800BTは、なんというか「艶がない」んですよ。特に女性ヴォーカルが全然エロくないんです。いい意味でのバランスが取れたドンシャリ(???)感はオールマイティな感じなんです。
でも、ブレス(息継ぎ)の音が耳に入っくる時の、あの生々しいエロっぽさは全く感じられません。まあ、ああ言うのって経験上、ダイナミックドライバー系ではあまり感じられず、結局私はBA系が個人的に好みだということなのでしょう。音にパワーはあるけど、解像感がスポイルされている点もドライバーの違いでしょうかね。ドンっと脳に響く低音の強さは魅力ですが、BA型のタイトでスピード感のある低音も好みなんですよ。って考えてみるとバックロードホーンに通じるところがありますな、BA型。

以上「音質」に絞ってW800BTを評価したらこういう感じです。
総合評価はちょっと変わります。
なぜならW800BTには「音切れ」というネガティブな要素があります。
なので他人に勧めるか? と言われると「音飛びがあるけど、それが許容範囲かどうかは人に依る」としかいいようがあります。
あと、レイテンシ……じゃなくて遅延も大きいですね。もっとも私の場合は動画やワンセグなど見ないので音楽のみだと実質的にはなんの問題にもなりません。

という感じで、W800BTの途中報告でございました。
もう少し聞き込んでみます。