趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★Westone 4Rによる「アガリのイヤホン」防衛戦2017 GRANBEAT編 その4【Panasonic RP-HDE10-S】

オーディオ系

※注:例によって長文なので140文字しか読めない人はスルーした方がいいと思われます。何しろ今回は原稿用紙換算で25枚ほどの長さなので。(・∀・)(初出:2017/04)

今回のタイトルは
「堀江由衣【Coloring】における放送コード抵触疑惑に関する一考察」
じゃなくて、1万円のイヤホンの話です……たぶん。

2500円の怪しい中華製イヤホン(前編)

3万円コース:(ハイレゾ対応)ONKYO E900MB

2500円の怪しい中華製イヤホン(後編)
と来て、いよいよ1万円コース(ハイレゾ対応)に入ります。
ブツはというと、

◆Panasonic RP-HDE10-S

選定理由は主に
・日本のメーカーである
・地元(大阪)のメーカーである
の二点。
スペックは以下の通り。
・形式:カナル型
・ドライバー形式:ダイナミック型の両方を使用)
・ドライバー数:2基
・周波数特性:3Hz~50KHz(立派なハイレゾ対応です!)
・感度:108db/mw
・インピーダンス:34Ω
・プラグ:リケーブル対応3.5mmステレオミニ L型
スペックシートを見ると、特筆すべきはその周波数特性。下も上もONKYOのE900MBを凌ぎ、今回もっとも広い帯域に対応したハイレゾイヤホンって事になります(まあ、比較は2個ですが)。
まあ、スペックなんてただの数字で、問題は実際の音ですからね。
とはいえ、されどスペック。実際の音はともかく機種の絞り込みに使用するツールの一つ、それも比較的比重の大きなツールなので、期待していないなんて言うとウソになります。

まず箱から出して筐体を見ての第一印象ですが、
「個人的に過去最高の高級感(ただし見た目)漂うイヤホン」
でございました。
見ても持っても金属削り出し感(というか金属なんですが)ただよう硬質なボディはプラやプラと金属のハイブリッドが多いカナル型イヤホンにあってはやっぱり「ちょっと高級っぽい」感の演出としてはいい感じじゃないでしょうか。3倍の値札が付いている同じ大阪メーカーであるONKYOのE900MBも部分的に金属を使ってるんですが、このRP-HDE10-S と比べると逆に1/3くらいの値段のイヤホンにしか見えません。まあ、その辺は個人の感じ方次第ですが、ONKYOは狙いすぎてかえって安っぽく堕している気がしてなりません。
ちなみに今回のディフェンディングチャンピオン? であるWestone 4RなんてRP-HDE10-S に比べると1/10以下、というか980円くらいのイヤホンにしか見えませんしね。
まあ、カナル型イヤホンの場合は見た目と値段は比例しないというかそんな感じです。
見た目に関してもうひとつびっくりしたのはイヤホンのハウジング本体に一切Panasonicのロゴがない事です。
あるのは実に見にくい小さな「L」と「R」の一文字のみ。Rが赤レターとかそんな小技?も施してありません。実にプレーン。個人的にはむしろ大好きですが。
毎度引き合いにだして申し訳ありませんが、ONKYOの自己顕示欲の強さと比べると全く逆のコンセプトというか、探してみたんですが結局Panasonicの文字はたった一つ、それもケーブルが2本から1本に、つまりY時に交わる部分のジョイントのプラに極々小さくプリントされていただけです。
ここまで自己主張がないとかえって「大丈夫? Panasonicさん」と思ってしまいます。
まあ、SONYは4文字、ONKYOは5文字に対してPanasonicは9文字もあるのでなかなかロゴ配置に苦労するのかもしれませんね。ここはまあ、2倍ほど文字数の多いオーディオテクニカをお手本に、Panasonicもそろそろマークを作る時が来たんじゃないかと思うんですが。
オーディオテクニカはあのイデオン的な? マークのおかげで一目で「あ、オーテクのヘッドフォンだ」ってわかりますし、TVのニュースとかで露出していい宣伝になっているんじゃ無いかと思います。そう言えばアニメでもまんまあのマークが出ていたヤツがあったような記憶が……。
まあ、そんなわけで個人的にデザインは今までで一番気に入りました。
問題は音なんですが……。
という事で、装着。
……。
「はい、次の人」
orz。
軸、太すぎ。
オリジナルはシリコーん製のチップが付いてます。
まあ、普通です。
(ONKYO E900MBはコンプライのフォームチップで、シリコンも同梱したが)
ご丁寧にXSからLまで4種類も付けてくれちゃってます。
しかもさらにご丁寧に「いろんなサイズを同梱しているから、耳に合う奴を使ってね」ってわざわざ書いた紙片を入れているほど。
因みにアタリマエに初期装備はMサイズですが、これがもう全く駄目。
チップのサイズ云々じゃなくて、そもそも形状がおかしいんじゃないかと思うんですケド?
一抹の不安を覚えながら、標準の「音を追求した専用カスタムシリコーンチップ」とやらを速攻でもぎ取り、コンプライの500番のフォームチップを装着しました。
装着時もイヤな予感がしました。500番というのはONKYOのE900MBやW800BT、さらに怪しい中華製イヤホンにも合致する太め軸用の番数なのですが、RP-HDE10-S の軸はこの500番を無理矢理グリグリっと押し込むようにしないとダメな感じ。装着はできましたが、きつ目というヤツですね。たぶんコンプライ的には600番がフィットするのでしょう。
そして装着時に感じた嫌な感じは、軸の太さだけではありません。
ハウジングから伸びる軸のその形状(というかバランス?)と軸の短さです。
「ああ、これはダメだろうな」
いかなコンプライのフォームチップをもってしても、そもそもこの形状と長さでは私の狭小な耳の穴にイヤホンがきちんと収まるとは思えません。

結果として「ほぼムリ」である事が確定してしまいました。
RP-HDE10-S 、軸が太いだけじゃなくて短すぎて私の耳の穴ではホールドが出来ませんでした。
フォームなのでなんとなく引っかかった状態で聴くことは可能なのですが、言ってみれば「先っぽが引っかかっているだけ」で、遮音性はおろかちゃんとした音が伝わりません。
RP-HDE10-S に比べたらONKYOのE900MBはまだマシなくらいです。
という事で、こちらもレギュレーション違反というか、聴く前に失格となりました。
まさにorz。
皆さん、イヤホンはマジで「見ずテン」ではダメっすよ。
試聴して買うようにしましょう。
試聴できる環境にない地方の人はリスクがあることを覚悟の上で買いましょう。
ここに来て、私はようやく過去の経緯を思い出しました。
そう言えば、昔も国内メーカーのイヤホンって、どれも私の耳にあわなくて、仕方なく海外メーカーのものを試したら、たまたまSHUREのモデルがピッタリフィットして、海外メーカー重視のイヤホン選びになったのでした。
※SHUREは軸が極細で、かつ長かったんです。

それからこのRP-HDE10-S 。
ダメな部分は他にもあります。
まず、名前、というか型番。


覚えにくいしわかりにくい。およそ売れる型番に思えません(売れているらしいですが)。
RP-HDE10-S とか。
その点、ONKYOのは比較的覚えやすくてわかりやすいですね。
さらにケーブル。
実はRP-HDE10-S にはケーブルが2種類ついてます。
音質重視のケーブルと、ケーブルの途中にリモコンがついた利便性重視のケーブル。
要するにiPhoneとかスマートフォンで使う人はリモコンつきの方がカジュアルで使いやすいよね?
でもポタアンとか付けちゃってる音質重視のマニアックな人はこだわった標準ケーブルを使ってね、というPanasonicの親切心あふれる大盤振る舞い? です。
標準装着されているのはもちろん? リモコンなどない音質重視のケーブルです。
これが……どうしようもない。(・∀・)
編み込み系の細いしなやかなものではなくて、ビロンビロンとしたゴム皮膜のもの。
しかもタッチノイズが乗ります。ひどくはありませんが、中華製かくや明日イヤホン含め、無音のものしか使ってこなかった私にとってはこれは全くもって受け入れられません。
そもそもコイツ、SHURE掛けに適さないハウジングの形なので私の使い方には合わないイヤホンだったという事なのですが……。

という事で物理的な問題で使い物にはならないのですが、それだけではアレなので一応、音について書いておきます。
(注:ぐいっと両手で押し込みながら、その状態を保持して聴きました。痛くて大変でした)
今回比較に使った楽曲はこれ。
堀江由衣「Coloring」
声優の中でも堀江由衣はかなりちゃんと歌える方の人なので、この人の楽曲は安心して? 聴けます。
難があるとすればあまり個性がないところでしょうか。
声優で歌手で歌唱力も個性もある人に比較するとちょっと不利というか、まあファンが買う的な立ち位置の歌い手さんということになるでしょう。
私は別に特段堀江由衣のファンではありません。念のため。
この曲の伴奏は、たぶんですがドラムも含めて全部打ち込みだと思えるので、そういう意味での聞き所はありません。まあ、音が元気に出ているかどうか、くらいでしょうか。打ち込み系はそう言う意味で面白くないんですよね。なんとなく平面的だし、ビブラートとかエコー載せてエフェクト使っても、音場感が出るより人工的な違和感がまとわりつく感じ。うまく言えませんが、イコライザを下手に弄った音に対して覚える違和感というか拒否感が多少なりともまとわりつく感じです。
あと、堀江由衣の声はなんというかエロさが全くありませんね。音がどうのこうのじゃなくて。
個性がないと私が感じたのは声質もありますが、その辺の部分も大きいのかもしれません。
ということで、この曲の聞き所は音じゃくて「青空のラプソディ」と同じ、声がちゃんと聞こえるかどうか。
「青空のラプソディ」の場合はメインのヴォーカルと演奏に埋もれているバックコーラスがなんて言っているのかを聞く「解像感テスト」用でしたが、こちらの「Coloring」は、一カ所、どうしても不可解な部分が、歌詞通りに聞こえるかどうかという、ちょっと、いやかなりムリ目なテストです。
この曲を知っている人(というか持っている人)は聞いてみて欲しいのですが……。
私は、この曲について、もう何年も前からずっと気になっているんですよ。
それは2分41秒付近から始まるバックヴォーカル(これも音を買えているけど堀江由衣かな?)の声。
歌詞的には「白く夢の中できらめく」なのですが、その2分41秒付近から始まる「きらめく」の部分が、何度、どのイヤホンやスピーカーから聞いても「おまん○」に聞こえるんです。
しかもここ、サビなのもあって叫んでるんですよ「お○んこー!」って。(´д`)
私の耳、おかしいんですかね?
個人的には堀江由衣がファンに対するお茶目心(サービス精神?)を出して、イースターエッグ的に「おま○こー」ってわざと歌詞と違う言葉を叫んでいるんじゃないかと思うんですが、果たしてその真相は……。

結果。
RP-HDE10-S でも「おま○こー!」は「おまん○ー!」のままでした。orz
ずっと気になっていた子の曲のこの部分。
言葉が言葉なのでなかなか人には言えなかったのですが、この際なのでぶっちゃけ? ました。
これを読んでいる人で、この曲を持っている人がいたら、2分41秒付近から叫ばれる歌詞について語り合いたいですな!

かつて「探偵! ナイトスクープ」という番組でケータイのカメラのシャッター音が人に依って全く違う風に聞こえる、という話題があったんですが、これも「きらめく」と聞こえる人と「おまん○-」に聞こえる人に別れるのかもしれません。
そうそう、そのケータイのシャッター音(電子音)ですが、
「撮ったのかよ!」派
「エーアイアイ」派
に分かれます。
もちろんメーカーは「撮ったのかよ!」で録音しているのでこんな事になるとは思っていなかったでしょうねえ。
因みに私は何度聞いても「エーアイアイ」にしか聞こえませんでした。
(同居人は「撮ったのかよ」派でした)

あ、音ね。
ちゃんと装着出来たとしたら、これは非常に好みの音です。
表現が難しいのですが、全域でパンチがあるというか、高音部を除いて、格安2500円イヤホンをパワーアップさせたような音というか。
RP-HDE10-S に比べると、格安イヤホンは高音部分がシャリっている気がしました。つまりRP-HDE10-S の方がより聴きやすい音です。
ONKYOのE900MBが中音重視、高音の精細感が特徴だとすると、RP-HDE10-S は低音重視で、つられて中音が前に出ているような感じでしょうか。
おかげでヴォーカルがけっこう骨太に聞こえて、特に男性ヴォーカル系は強めに前に出る感じです。
UVERworldの「一滴の影響」なんかはその歌詞の内容もあって、聴いていて心が揺さぶられます。
因みにこのイヤホンもけっこうエージングで音が変わるタイプです。
最初はヴェールがかかったようなくぐもった音で「これが1万円もするイヤホン?」って思ったんですが、数日のエージングでそのヴェールが取れました。たぶん高音が良く伸びて出るようになったのではないかと思われます。

とうことで、惜しいなあ、RP-HDE10-S とうお話でした。
いや、本当に惜しいなあ。1万円でこの質感、イイモノ感があるデザイン、パワフルな音、ハイレゾ対応、ケーブル2つ付き、ビッチビチじゃない余裕のある大きさの収納ケースもいいし、そのケースの形もよくある丸形じゃなくて角形なのも○。鞄への収まりがいいし……。
まあ、いくら音が良くてもケーブルはイマドキのレベルではちょっとアレですが。

そんなわけで一応今回の「イヤホン」編は終了。
なので簡単な総評を。
新しい3つのイヤホンを聴いてみて、アタリマエなんですが、改めて愛用のイヤホン、Westone 4Rっていうのは「オーディオ系じゃなくてリスニング系」だということがわかりました。
翻ってONKYOやPanasonicの(今回購入した)イヤホンはオーディオ系、つまり脚色というかいい意味での「音作り」をしているイヤホンでした。
ONKYOのE900MBもPanasonicのRP-HDE10-S も、Westone 4Rから乗り換えるとしても問題なく移行できるだけの音を鳴らしてくれました。
これは5年前に比べて明らかにクオリティの底上げが成されている事の証左であろうと思います。
5年以上前では1万円クラスのイヤホンと5万円クラスのイヤホンでは圧倒的な差がありました。3000円改め2500円の耳しか持っていない私でもハッキリとその差がわかるほどの。
でも、今回一番驚いたのは2500円の怪しい? イヤホンが見せた「値段じゃないんだよ、値段じゃ」という自信というかメッセージです。
これはもう一万円クラスもうかうかしていられない気がします。
というか、難しい時代ですね、モノを売るのって。
日本のメーカーは音だけでなく、差別化として質感などの「イイモノ感」を演出しないと生き残っていけないでしょうし。
でも頑張って欲しいと思います。
あと、音はいいんですが、装着性についてももっと考えて欲しいところ。
今回はどちらも私の耳には合わない形でした。
私の耳が特殊なのかもしれませんが、軸を細目、長めにするだけでフィットできる人は増えるわけで。
太くしないと音が良くならないというのは海外の他メーカーの製品を見ればそれがウソである事がわかります。努力していただき、私からフィッティングの悩みを解消していただけると嬉しいんですが。
フィッティングについては、軸だけではありません。
ケーブルにももっと目を向けて欲しいです。
いわゆる「SHURE掛け」は装着時はちょっと面倒ですが、通勤や通学などである程度の距離を移動する場合は「ケーブルの始末性」の面で優れていると思います。
前垂らし方式よりも相対的に引っ掛けにくいはずだからです。
それから操作系。
主にリモコンですが、ケーブルの右側(左側ののもありますが)ラインの途中に付けるのはいかがなものかと。
これも「前垂らし」方式前提だとその方が使いやすいのでしょうが、SHURE掛けでスライダーを使って頭の後ろ側でケーブルを固定したい私などには障壁となります。
スライダーがリモコン部分で止まってしまい、後ろ頭でキッチリ留めるなんて不可能なんですよ。
まあ、そういうのは想定していないんでしょうけど。
というか、音質重視で高めのイヤホン買っているので、リモコンとか個人的には不要です。あのせいで何パーセントか音が悪くなっている気がして精神的によくありません。
まあ3万円クラスだとリケーブル前提で買う人も多そうですが、つまりそう言う人はリモコンが邪魔だからっていう人もいるんじゃないでしょうか。

それから遮音性。
これはW4Rが一番よく、これに敵うものはいませんでした。
W4Rだと「うるさすぎてムリ」なレベルにまでボリュームを上げても音漏れがしません。
でもRP-HDE10-S もE900MBも中華製イヤホンも、ある程度以上になると音漏れがします(全てコンプライのフォーム製チップ使用時。因みにシリコンチップだと音漏れはさらに大きい)。
この辺も設計思想の違いなのかもしれませんが、カナル型を選ぶ人は日本人特有の社会性の高さというか、マナーとして「音漏れ」を無くして音楽に浸りたいと考えて居る人が多いはずなので、メーカーはその辺、さらに寄り添うように開発努力していただければと思います。

それから「ハイレゾ」について。
ハイレゾ対応イヤホンを使って、ハイレゾ音源を鳴らし、W4Rや中華製の安い非ハイレゾ対応のイヤホンと聴き比べたわけですが、「ハイレゾすげえ」というものは全く感じませんでした。
まあ、私の耳がハイレゾ非対応なのかもしれませんが、だったらだってで安上がりということで幸せな話です。
(まあ、だから2500円のイヤホンで満足できるわけですが)

というわけで基本的なイヤホンの感想は一応終了です。
3つも買ったのに、唯一装着できたのは2500円の一番安いイヤホンだった、というオチで終了です。

次回、気力があればリケーブル(交換式ケーブル)について書きたいと思っております。
アンバランスとバランスでは本当に音が違うのか?
高いイヤホンに安いイヤホンのケーブルを使うと音は変わるのか?
逆に安いイヤホンに高いイヤホンのケーブルを使うと音質はアップするのか?
というか、ケーブルなんて大して音に影響ないんじゃないの?

そしてさらに余裕があれば、Bluetoothレシーバーと各イヤホンとの相性も。
BluetoothレシーバーはBluetoothイヤホンのW800BTより音がいいのか悪いのか?
などなど。