趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★Canon IXY 30S の「ここがイマイチ」編

カメラ

(初出:2010/06/20)


(GF1/LEICA DG45mm)

金属的な質感はありません。
みての通り、おもちゃっぽいんです。特に黄色はそう思います。
でも、ランボルギーニのムルシエラゴやガヤルドの黄色って、おもちゃっぽいんですよね。
そう言う意味では、たぶんCanonの狙い通りかと。


何だかんだいって、このやや舌足らずなコンパクトカメラを私はとっても気に入っております。
気に入っているからと言って「30S最高!文句なんてナッシング!!」なんて思ってはいません。
パッションで手に入れて楽しむカメラだと思うから、パッションで気に入って愛してあげるのが正しい? かわいがり方だと思うけれど、それでもやっぱりグチらせていただきたい。

・色が合ってない

パネルごとに微妙に色合いが違います。
私の個体は特に電池室のカバーの色がやや薄くて目立つんです。
とは言え、ガヤルドとかも実のところパネルごとに色が違ったりするので、これもまたランボルギーニに似ているといえなくもない(おいおい)。

・望遠端の動作がおかしい

起動は速いし、キビキビ動くねえ、と思っていたら、望遠端ではとたんにノロくなるのはどういう訳か?
特にスルー画像が遅延して見られたものじゃなくなります。
調整不足と見ました。

・自立しない

横位置は何とか。でも、こんなに設置面積狭いんですよ。


(GF1/LEICA DG45mm)

底面までデザインされている弊害といえば弊害。
とは言え縦位置は無理。不可能。
生卵をたてるより難しいかも。
それでも秋分の日と春分の日には立つかもしれないけど……いやいや、無理かなあ。
縦位置で底面になるべき?サイドはこんな感じ。


(GF1/LEICA DG45mm)

ラウンドしている。
ここもきっちりデザインされているのがよくわかりますね。
この面にはスピーカーがあって、その穴がハニカム形状で並べられているという凝りよう。
コレなんかもスポーツカー的なディテールからの拝借という感じです。

後述するけど30S、文字がきわめて少ない。
これもたぶんデザイナーの美意識が反映されているからだと思いますが、たとえばIMAGE STABILIZERのロゴはここに追いやられています。しかもグレーで目立たないようにという念の入れよう。

本当は文字はいっさい入れたくなかったんじゃないかと思える程のこだわりを感じます。でもCanonの社内ガイドラインみたいなものがあって入れなくちゃならない。だったらコレで、という妥協案なのでしょうが、執念すら感じますね。拍手を贈りたいです。
ねじ穴の下側に、きちんとセンターをとってデザインされていいます。
CEをはじめとするいろんなマークはこちらにエンボスされていて、あたかもサイド部分のデザインの一部かのよう。
まあ、しかし現時点のユーザー側の幼さを考えると、ちょっとやり過ぎかもしれないと思う私にも覚悟が足りない?

・液晶ディスプレイ面が寂しい


(GF1/LEICA DG45mm)

一番デザインするのが難しい面だと思いますが、ズンベラボンなところを逆手にとってほとんど文字を入れない手法をとったデザイナーのセンスに、私は心からエールを贈りたいです。
ただ、ガイドを全くなくしたことによって途方に暮れる初級者やデジカメ・デバイドが存在するような気がしますが。
個人的には、ボタンが二つしかないこのスタイルで、基本オートで撮るカメラだという前提に立てば「よくやった」としか思えません。
それだけに「このカメラ、ガイドが何もなくてわかりにくいぜ、最低」なんて思われるかもしれない、と想像すると悔しい気がします。

少し触れば
「ガイド文字なんて飾りですよ。偉い人にはわからんのです」
と口にするはず。
このセリフが口にできない人はそもそも30Sを所有するに値しない人ではないだろうか。
デザイナーはそう思っているだろうし、私もそう思います。

そう。この30S、実はけっこう硬派なカメラだと言うことにここで気づくべきなのです。
あえて言わせてもらえば婦女子が所有して楽ちん簡単に使えるカメラではない! かもしれない。

こういうの、大いに結構じゃないかと思います。
これは男の持つおもちゃだと第一印象で感じたとおり。
もう一度いわせていただきたい。
「よくやった、デザイナー」

・中途半端な天面

だけど、天面だけはどうしようもないかなあ。権力?に負けた感じが少々します。


(GF1/LEICA DG45mm)

電源スイッチのON/OFFとか入れたくなかったでしょうねえ……。
オートモードのアイコンだけ緑のAUTOとか、入れたくなかったでしょうねえ。
あと、ズームのアイコンも。

IXY 30Sとかはエンボスだけにしたかったのかもしれません。
そういう意味では天板はやや普通(それでも造形が異常なので平凡に見えないところが助かってるって感じかも)。


(GF1/LEICA DG45mm)

うーん、あんまりグチってませんね。
でも、実際問題として、このカメラにはあんまりケチを付けるところがないんです。
こういう「一発芸」みたいなとがったモデルって、シンパシィを感じるかどうかなんじゃないかと。
そうなるとネガは「織り込み済み」みたいな気になってしまう。
まあ、カメラの評価としてはそれはよくないかもしれませんが。

その上であえて無茶というか無い物ねだりをさせてもらえば、

「このガワで中身が本当にS90だったら良かったのに」

というところでしょうか。
操作性の問題で中味が本当にS90だとちょっとつらいかも? と思える部分もありますが、デザイナーはきっとがんばってくれる(はず)。
特にホイールダイヤルがちゃんと節度あるものなだけに、S90より素性はいいと感じるんですよ。
次、があるかどうかはわからないけど、期待したいです。


(GF1/LEICA DG45mm)