趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★サブカメラとしてのHOYA PENTAX K-r

カメラ

(初出:2010/12/31)


(GH2/LEICA DG45/ISO 1600)

K-5の予備はK-5がベスト。
それは間違い無いところでしょう。
だけど、サブだからこそ、より小型軽量がありがたい。
そう思ってK-rを旅行に連れて行ったわけですが、これがちょっと計算違いでした。

何が計算違いかというと、
「これ、K-5いらないんじゃ?」
と思ってしまったこと。

勿論ほめすぎだと思います。
でも、K-5を知ってなお、敢えてK-rをチョイスするのも断然アリだな、と思ったのもまた事実。


(K-r/DA15 ltd./ISO 2000 アントワープの中央広場に面したとあるレストランで。向こうの料理ってなんでこう何でもかんでも鈍重なソースつけていっちょ上がりなんでしょうね。まあ、美味しかったんですが……)

K-5にあってK-rにないもの。
仕様書を見ながら数え上げれば結構あると思います。
でも、それは本質じゃないでしょう。

人によって要求するものは違うわけですからね。
私にとって「K-5と比べて、ここが残念」と思う部分は……

1.USER登録が出来ない事
2.ファイルにカスタム名が付けられない事
3.ISOが25600までな事
4.十字キー周りのボタンの感触が最低な事
5.ペンタミラーのファインダがイマイチな事
6.シャッター音がでっかい事

この六つくらいです。
中でも三番なんて欠点どころか25600「までも」使えるんだから削除してもいいくらい。

六番はそれでもカンに触る音質ではないので許容範囲。むしろμ4/3勢の方がデリカシーに欠ける。

二番は致命傷とまでは行きませんが、私がK-rをメインで使うとしたら、二台買うでしょうからファイル名の重複が起こって結構面倒な事になりそう。
一台で使うならOKとしましょう。

五番のペンタミラーについては、そもそもたいした物を望んでいませんから、これもこんな物だと割り切って使うならよしでしょう。でも、視野率100%のカメラばかり使っていると100%を大きく割り込むファインダなんて存在意味あるの?なんて思ってしまうのもまた事実。
この辺が一眼「レフ」の限界でもありますね。

となると、残念なのはUSERカスタムセットが登録できない事と十字ボタン周りの感触のひどさの二点だけが欠点っていうことに成るわけです。

K-5はいいですよお。
USERカスタムセットが五つも登録できます。
ええ、勿論フルに活用してます。
五つとはいいませんが、三つあると嬉しいんですけどね。
GR Digital IIIとかGH2とかGXRとかも三つ登録できますから、コンパクトカメラと同程度には欲しいところです。

十字ボタン周りの感触。
これだけは許せません。
指の感触だけではどのボタンを押しているのかが非常にわかりづらいんです。
だから光学ファインダ除きながらこのボタンを使うというシチュエーションではいつもイライラしていました。
K-5だとそんな事はないんですがね。


(K-r/DA70 ltd./ISO 100 ベルギーは「ネーデルランド」なので、自転車が盛ん。雪でも普通に乗ってる人が多くてビビりました。これは自由に使える?シェア・サイクル 人口が少なくてオトナが多い国ならではの光景かもしれません。人口密度が異常に高く、道徳が崩壊している日本ではムリなシステムでしょうね)

では、今度は反対にK-5よりK-rが優れているところを挙げてみましょう。
勿論私的に、です。

1.小型である事
2.軽量である事
3.安価である事

一番と二番は一緒でもいい感じです。

三番は非常に重要な事で、K-5の約半分の価格だと考えるとものすごくオトクな気がします。

そんなこんなでK-rを使っていると「これでもいいんじゃ?」と思えてくるのです。
特にライブビュウで撮影する場合、K-5とのファインダ的性能差はなくなりますし、AWBはK-5より安定している気すらしますからね。

勿論人によっては

1.ダイアルが一つしかない とか、
2.軍艦部にステイタスディスプレイがない とか
3.シャッターのタイムラグが大きい とか
4.防塵防滴ボディじゃない

等々、いろいろなネガを挙げると思います。
でも、上記四つは私にはどうでもいい性能です。
特にPENTAXブランドのエントリー一眼レフカメラの場合、ハイパープログラムとグリーンボタンさえあれば別に他を淘汰してもいいんじゃないかと思うくらいですから。
ステイタスディスプレイなんかは、不必要なモノの筆頭です。
何の為に背面にでっかい液晶があるのか、と。
三脚たてて顔に近い高さで撮る時なんかは無用の長物になりますし、そんなときは結局背面液晶を使うわけです。

特にPENTAXカメラの場合、Nikonと違って電源オフにすると何も写らないですから、そろそろK-5のも盲腸化しているんじゃないかと思います。
まあ、強いて言えばあんな液晶、ノスタル爺達の為の「高級カメラのアイコン」のようなモノでしょうか。
2ダイアルよりも不必要ですね。

三番と四番は仕方がないと思います。
だって、防塵防滴のカメラの方が少ないし、シャッタータイムラグは小さい程いいですが、目くじら立てる人はそもそもこのクラスのカメラ使わない方がいいわけですから。

K-rのメリットとしては専用バッテリ以外にエネループが使える事も特筆すべきかもしれませんが、個人的にはそんないらぬスペース残すくらいなら、とっとと体積詰めて欲しいと思います。
いつまで筒電池にすがってるんだか、と。

もっとも、ちょっと調べたところK-r以外で、もはやエネループを使えるボディって無いみたいですね(バッテリグリップ使用は別として)。
「イザとなったらAAAはどこでも手に入る」と言われても、イザとなった事がない私にはぴんと来ません。
きっとイザという事になった人は筒型電池を信奉してしまうんでしょうね。
私的には「どんだけエクストリームな場所に行くんだろ?」とか思ってしまいます。
というか、そんなエクストリームな場所に行く時、手にするカメラはK-rなんですか?と思ってしまうわけですが……。

でも、利点も欠点もわかった上で使うなら、エントリー機としては相当上質なカメラじゃないでしょうか。
高ISOでの描写も私的にはもう「充分です」と思えますし、jpegファイルの色も綺麗に出ます。
AFは普通に快適ですし、精度は所詮位相差AFなのでどれも一緒と思えばどれも一緒で諦めもつきますし、まあ普通に普通です。

さすがにコントラストAF(ライブビュウ)はそもそも合焦性能が低くてまだまだ遅いですが、比べるのがμ4/3ですから相手が悪いとしかいいようがありません。


(K-r/DA15 ltd./ISO 100 今回の滞在でほんの数時間だけ見えた青空。あとは雲雲雲。ああ、鬱陶しいぜ、ヨーロッパの冬!)

かように私はK-rを非常に気に入ったわけです。
K-5を買わずに、K-rを買っていたら、たぶんK-5を買う事はなかったと思います。
K-5を知ってしまったのでK-rがK-5に変わるものではない事はわかってしまったのでいまさらK-5を手放してK-rだけで、とはなりませんが……。
もっともK-5が出たからまたPENTAXブランドのカメラとレンズを使う気になったわけで、K-rだけだった時は見向きもしなかった私が言っても説得力はありませんけど。

それでもいわゆるエントリー機を考えている人は、KISSとかでもいいけどこのK-rのレンズキットを使って見て欲しいなあ、と思います。

まあ、でも……
「今度一眼レフを買おうと思うんだけど、どれがいい?」と初心者に尋ねられたとしたら、PENTAXブランドを第一候補として薦めるだけの度胸はありませんけどね。
「それでも、K-rの方が本当はいいと思うんだけどな……」 そう心の中でつぶやく事にします。

という事で、今年もいろいろありがとうございました。
皆さん、良いお年を!


(GH2/LEICA DG45/ISO 1600)