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★28mmのX100F その名も【FUJIFILM WCL-X100 II】後編

カメラ

28mmじゃないかもしれないけど28mmを主張するワイコンの話をしようじゃないか(・∀・)

まあ、同じメーカーでも新旧レンズで画角が違うとか普通にありますからね。
メーカーが違うとたいがい違いますね。
なんででしょうね?
というか、JISだかISOだかしりませんが、規格が緩すぎるんじゃね?
望遠レンズ、しかも近接域で比較するとレンズの繰り出し方式やら単焦点かズームかで、盛大に画角が変わってくるのは理解できるんですが、28mm相当の画角の広角レンズであんまり違うと「ウソつき」と言われても仕方ないと思うんですがね。

ま、FUJIFILMの画角詐称についてはこれくらいにして、本題にはりましょう。
本題、それは

「35mmでは「狭い」と感じている貴兄へ」

みたいな感じ?
私個人の場合はちょっと違って

「そんなに28mmが欲しいなら、X100Fには純正ワイコンがあるじゃないか」

です。
そんな感じでFUJIFILMが用意してくれてるのが、ワイドコンバージョンレンズ。その名も WCL-X100 II。
ポイントは最後のⅡです、Ⅱ。
つまり第二世代のモデルってことですね。
何がポイントなのかは後述しましょう。

どちらにしろX100Fがポケットに入らないカメラなのだったら、LEICAのQがサイズ的に許せるのだったら、X100Fにワイドコンバージョンレンズを装着して28mm単焦点カメラだと言い張って使ってもいいんじゃね? というセルフリコメンドというか、そんなノリで買ってみました。

まあ、なんというか作りというか大きさというか重さというか……あと値段。
そういう観点から見ると、もはや立派な「独立したレンズ」的な佇まいです。


なのに装着はネジで締める方式。グリグリグリ、ネジネジネジっていう感じ。
なんというか、不安でたまりませんね、装着時は。
「ネジ山ナメたらヤだな」とか
「こんなに重いモノをこの程度のネジ山で固定しても大丈夫なんかいな?」とか。

まあ、フィルター装着もネジ式なので慣れている人もいるでしょうね。
私がフィルター類を憎んでいるのはネジ装着というロジックが受け入れがたいというのも一つの理由です。
いや、私のフィルター嫌いはどうでもいいんです。

ともかく装着はモトのレンズの周りについているリングを回して外し、代わりにそのネジ山にネジネジネジっと締め込んでいく感じ。
なので私の様に運が悪いと生産国のプリントが上の方に来る個体が当たったりするわけです。

ワイコンの先端部には出っ張りが設けてあって、純正のフードがそこに装着できるようになっています。その点はさすが純正ワイコンですね。

持った感じですが、予想通りフロントヘヴィな感じになります。X100Fが本来持っている軽やかさは完全にスポイルされます。単純に重くなるだけでなくて重心バランスが完璧に崩れて、数値以上に重く、保持しにくく感じます。例えるなら、入門用APS-C一眼レフのボディに、135フルフレーム対応のF1.4の24mm単焦点レンズを取り付けたようなバランス感といえばおわかりいただけるかもしれません。
因みにカタログデータ上の重量は150g。それが装備重量469gのX100F本体の前方にぶら下がるのですから、そりゃあバランス悪くなりますね。
合計重量619gはLEICA Qの640gとほぼ同等なので、同じ28mm、同じ重量ということでLEICA Qを使っている人にとっては許容範囲という事もいえます。まあ、重量バランスがQよりかなり悪くなるのは覚悟の上で。

さて、ワイコンつけるのはいいけど、画質低下がねー、なんて思いますよね、普通。
でもこのWCL-X100 IIだと、その辺はもう全然気にしなくていいんじゃないかなって思います。

既出の歪曲チェック画像はこれですが、

X100F+WCL-X100 II

ビミョーな陣笠状に歪んでいるといえば歪んでいますが、コレくらいなら看過できませんか?
周辺の歪みはそれなりにありますけど、総じてけっこう頑張ってると思います。

 

こういう感じの構図だとまったく気にならないかと。

もっともワイコンのくせに3万円もするんですから、コレくらいの画質を見せてくれないと暴れそうですけどね。

もちろんワイコンを付けたままでデジタルテレコンも使えます。
オリジナルだと50mmと70mmですが、WCL-X100 IIを装着すると、これが41mmと58mmになります。
そうなるとますます思っちゃうんですよね。
オリジナルレンズが28mmのX100F-28とかがあったら、でかくて重くてバランスが悪くなるワイコンとか要らないのにって。
まあ、35mm派と28mm派の宿命の対決は延々と続くのでしょう。
メーカー的に35mm派はFUJIFILMで、28mm派はRICOHですね。まさにX100FとGRⅡの対決。

でも私の様なX100Fは好きだけど画角は絶対28mmがいい、なんて思ってる人は多いはず。あと、スマートフォンユーザーで「少しくらい高くてもいいから画質がいいカメラ」を欲している人を取り込みたいならイマドキ35mmの画角はないと思うの、私。
スマートフォンユーザーの多くは28mmあたりが「標準レンズ」のはずですから。

そんなわけでWCL-X100 IIの個人的評価なのですが、なんというか本当にビミョーとしか言いようが無い感じです。
まず、そもそもワイコンとしては値段が高いと感じます。むしろ高すぎると思います。
「もっと広角が欲しい? だったらWCL-X100 II買えばいいじゃん」なんて気軽に言えない。だって私も私の知り合いも庶民だもの。「そんなにレンズが心配ならレンズ保護フィルター買えば?」みたいなノリでWCL-X100 IIは薦められない。
これはもうアレですよ、28mmの交換レンズを買うノリの値段ですからね。

人には勧められないけど、既に「買っちゃった」人、つまり私は買っちゃってどう思っているのか。
失敗だったと思っているのか「これはいいぞ」とにやついているのか……。
うーん。
「これはいいものだ」と素直に思ってますけど同時に「失敗だったかなぁ」とも思ってます。
なぜなら「使うシチュエーションが思いつかない」んです。
あくまでも個人的には、ですが。
X100FにWCL-X100 IIを装着してまで28mmが使いたいなら、X-E3にXF18mmF2 Rをつけた方が使い勝手がいいんじゃないかと思うからです。
X-E3持ってない人にはアレですが、X-E2とXF18mmでもオッケーです。
え、どっちも持ってない? だったらX-E1……はそろそろ買い替えた方が……じゃなくて、XF18mmF2 RはWCL-X100 IIの二倍くらいしちゃうから「代わり」にはならんだろ、というお話ですね、ハイ。

でも最初からWCL-X100 IIとX100Fを購入して28mmのX100Fとして普段使いするつもりでいるなら、X-E3のボディとXF18mmF2 Rのセットを買った方が絶対幸せになれますよ、というお話ですよ。
因みにXF18mmF2 Rは116gでWCL-X100 IIよりかなり軽く、X-E3本体の装備重量337gと合わせても453gにしかなりません。
もちろんX-E3とXF23mmF2 Rの組み合わせはX100Fより性能・機能で相当劣りますが、まあ、そこは「劣る」部分と重量増、バランス悪化、超突出という三悪との取捨選択でどちらがいいかを考えてはいかがでしょうかね。

因みに「劣る」部分ですが、

・内蔵ストロボ(陰起こしやアイキャッチ、真っ暗な状況などではこれが無いと無理。露出補正とは別の地平の話なので)
・最短撮影距離(XF23mmF2 Rの最短撮影距離は18cm。なお最大撮影倍率はX100F/WCL-X100 IIでも0.18に対し、XF23mmF2 Rは0.14倍)
・デジタルテレコン(X100F/WCL-X100 IIで58mm相当にするとそりゃもう比較にならない倍率差に)
・収差などの描写力。XF23mmF2 Rは中央部はいいけど周辺は安ズームレベルで絞っても改善しない。その点、WCL-X100 IIの方がかなりいい。

強いて言えば内蔵ストロボは外付けストロボで代用できます。
最短撮影距離とデジタルテレコンは撮った後にPCやMacでトリミングすればオッケー。
個人的にめんどくさいのはストロボの脱着ですが、皆さんはどう思われますかね……。

レンズ自体の写りについてはどっちがどうだと言うほど気にしないでいいと思います。


なのでX100Fのボディじゃないとダメなのか、X-E3のボディでオッケーなのかというお話かもしれません。
まあ「イイモノ感」は2グレードくらい違いますのでそちらを判断材料にするのもアリかもしれません。
もちろんX100Fの方が上、という意味で書いてますです、はい。

さて話を元に戻してWCL-X100 IIです。
個人的には「使いどころがない」物体だと思います。
海外旅行などにX100Fをメインに、どうしても広角が欲しいと思ったときには使おうかな、と考えてWCL-X100 IIを鞄に忍ばせておく、みたいな使い方を考えたんですが、たぶんX100FとWCL-X100 II意外に、私の場合は最低でもOLYMPUSのTG-5をもって行くと思います。X100Fしか使わないぞ、と決めていても、もしもの時の予備カメラって必要じゃないですか、特に旅行先なんかだと。
そうなるとアレです。目に見えてます。
X100Fは素の35mm状態で使って、広角が欲しいな、と思ったら画質などはあまり気にせずにTG-5を出しちゃうだろうな、と。いちいちWCL-X100 IIをグルグルグルグルって回して取り付けませんよ、特に旅行先でなんて。

そうそう、その「グルグルグルグル」で装着するワイドコンバージョンレンズですが、この手のワイコンって、装着した後にも一手間が必要じゃないですか。
メニューをほじくって「ワイコンを付けました」みたいなパラメータをONにしてあげるとか。
X100シリーズもX100Tまではそういう感じでした。
が。
WCL-X100 IIの最後にⅡがついているのは、その一手間を省いてくれるようになったからです。
X100FとWCL-X100 IIの組み合わせだと、「ネジネジネジネジ」っと装着するだけで自動的に「ワイコン装着中」ってカメラ側が判断してくれます。
賢いですな。
というか、こうでなくては。ようやく対応かよ。WCL-X100無印持っている奴は買い換えかよ、みたいな?

でもボディ側、レンズ側どちらを見ても接点などがないんですよね。なので「ワイコンが装着された」という信号をX100Fがどうやって認識しているのか疑問だったのですが、フト思いついて後玉側、つまりボディに装着する側にクリップを持っていくと、ご覧の通り。


つまり磁石に反応する仕組みがX100Fには備わっているということですね。
詳細はわかりませんが、テレコンもⅡになっていますので同じ仕組みで、かつワイコンかテレコンかがわかるような時期反応ができるようになっていると思われます。
つまり。
X100T以前のモデルを持っている人がWCL-X100やTCL-X100のⅡ型を購入したとしても、自動認識はできず、また反対にX100T以前のモデルからX100Fに買い替えた場合、手持ちのWCL-X100やTCL-X100は当然つかえるけど「自動認識はしない」(従来通り手動で設定)という仕組みだということです。

まあ、こればっかりは仕方ない事なのでしょう。
というか、検証はしてません(というか私にはできない)が、この設定ってOVFを使う人だけがやればいいんじゃね、とか思ってしまった。
EVFしか使わない人はいちいち設定しなくてもいいんじゃ?

そんなこんなでおさらいです。

◆WCL-X100 IIの画角が28mm相当かどうかは甚だ疑問
◆だがしかし、WCL-X100 IIの画質は問題無し
◆装着がねじ込み式で超めんどくさい。X200ではバヨネット方式にしろや。買い替え需要も望めるぞなもし。
◆でかい、重い、バランス悪い、の三拍子が揃っていて敢えて28mmでX100Fを運用するのは疑問

結論。
X100Fは35mm相当のカメラとして使った方が吉。
どうしても28mm単焦点が使いたい人はX-E3とXF23mmF2 Rを買うなりGRⅡを買うなりする方がぜったいいい。