ちゃろー(^^)
え、鼓月を知らない?
京都にいて鼓月を知らない人はさすがにいないと思うのですが、全国的に見ると知らない人もいるかもしれませんね。
要するに京都の和菓子屋さんです。創立はごく最近ですが。
「千寿せんべい」が有名なのかな? 私は特に買おうとも思いませんが(個人の好みの問題です)。
ちなみに鼓月は全国の有名デパートで普通に買えますので、結構ポピュラーな名前ではないかと思っているのは私が京都にいる人間だから?
◎とにかく、その鼓月が補給食用羊羹を作っちゃったんですよ
この話を聞いた時に私が思ったのは「ふーん、老舗揃いの京都だと新人はいろいろと大変なんだな、おつかれさん」程度の感想しかありませんでした。
が、その羊羹の特別サイトを見て膝を正しちゃいましたよ。
いや、そのストーリーとか裏話ははっきり言ってどうでもいいというか、特に私の心には響きませんでした。
私が感心したのは一点。
今ある羊羹を補給食用パッケージに詰めて「補給食羊羹、いっちょ上がり」ではなかった事です。
「普通の羊羹を詰めただけ」なのは、むしろ私が最近愛用している羊羹の方です。
いや、だから悪いわけではないいのですが、京都ではポット出の和菓子屋がマラソンブームや東京オリンピックなどの風潮に乗って、アスリート向けに軽薄に作って売ってみた、というわけではなく、けっこう真面目に補給食というものを考えた上で「それ用」の羊羹を開発しました、という点に大いに惹かれました。
となると、ロードバイク乗りとしては食べてみたくありませんか?
羊羹好きの私としてはこれはもう、食べないという選択肢はありません。
それに私の職場は京都市内ですからね、鼓月の店なんてそこら中にあります。石を投げれば鼓月の店に当たるわけですよ(コンビニか^^;)。
◎その名も「anpower(アンパワー)」
まあ、まずは専用のwebサイトを御覧ください。
おやつとしては普段食べている普通の羊羹でもいいのですが、ライド用、特にロングライドの補給食を考えた時は、この手の機能付加食品がベターのような気がします。
実は井村屋でも私が普段食べているヤツとは別に、以前からこの手の機能付加羊羹を販売しています。
「スポーツようかん」というのがそれです。
味も基本の「あずき」とは別に「カカオ」というバリエーションもあり、私の普段理容品と同様、片手で楽に食べられるパッケージになっています。
トライアスリートである鼓月のシャッチョーさんが私でも知っているようなこの「スポーツようかん」を知らないはずがありません。
つまりこういうストーリーが想像できます。
私と同じ羊羹好きである鼓月のシャッチョーさん、トライアスロンのトレーニングを始めた頃は、補給食として自社、つまり鼓月の羊羹を小分けにしてラップフィルムで包んだりして携行していたのですが、流石に走りながら食べたりするのにラップフィルムは面倒くさい。
そこで、部下や知り合いには内緒で、便利に食べられる井村屋の「スポーツようかん」をこっそりと利用しておりました。
しかし、毎回食べるたびに「ちくしょー、このオレがなんで他社の羊羹を食べないといけないのか?」と悔しい思いをしていたのです。
そして、決心しました。
「社長の身勝手と思われてもいい。羊羹を作っている我社が携帯補給食を作って何が悪い? きっと喜んで食べてくれる人がいるはずだ。特にオレとか!」
ってな感じで、「作れ」というシャッチョーの鶴の一声で製品化に取り掛かったのでした。
「鼓月が作るからには食べやすいパッケージに詰め替えただけではダメだ。お前ら頑張って『スポーツようかん』の上をいく機能付加羊羹を作れ。BCAAとか入れとけ。あと美味くないとダメだからね」
構想十年、開発五年(大うそ)、ついに誕生した自社製機能付加補給食羊羹、その名も「anpower」。名前からして社長の「餡愛」がほとばしっていますね。
以上、勝手なanpower誕生秘話でございました。m(_ _)m
◎食べ比べてみた
あいにくと私、「スポーツようかん」を愛用しておりませんので、比較は同じ井村屋の普段補給食として利用し、今年のホノルルセンチュリーライドでも頼もしい味方になってくれた非機能負荷羊羹との比較になります。
方や「普通の羊羹」方や「アスリート向け羊羹」。機能性の違いは明白ですが、問題は「味」です。
不味かったら補給食としては台無しですからね。
もっとも私は生まれてこの方「マズい」と思った羊羹に出会ったことがありません。
最低でも「普通」です。
というか、羊羹をまずく作るのはむしろ難しいのかもしれませんね。
というわけで美味い不味いではなく「味の違い」を楽しむという方向で比較しましょう。
まず内容量ですが、ご覧の通り大きさが全然違います。
anpowerは40gで、これはおそらく「スポーツようかん」を意識して合わせてきたのではないかと推測します(スポーツようかんも40gなので)。
私が愛用しているちっちゃい羊羹は15gで半分にも満たない感じですね。
ま、今回は量の違いはおいといて、味の違いが問題です。
○いつものようかん(井村屋 小さなようかん)
指で押すだけ。
パッケージを切る、という作業が必要ありません。
これは同じ井村屋のスポーツようかんから受け継いだ補給用の性能です。
ということで、簡単に食べられます。
で、私に取ってはいつもの味です。
安定の小豆の味。
安心のいつもの味。
甘さやや抑えめの小豆風味あり、のシンプルでよくできた羊羹だと思います。
「固形ぜんざい」といったほうがいいかもしれませんが。
とりあえず飽きが来ずに幾つでも食べられる羊羹です。
これをおやつに、コーヒーでフィーカを楽しむなんていうのもアリです。
つまりおやつとして充分美味しくいただける羊羹です。
※個人の感想です。
○anpower
指で押し出すのはどこかのパッケージ屋か井村屋の特許なのでしょうか、残念ながらanpowerは普通にパッケージある切り込みをぐいっと切り取る必要があります。
二重になっている部分を両方切り取る必要があるのがちょっと疑問ですが、おそらくこちらから破ったほうが失敗なく綺麗に破れるのでしょう。
このあたり、試行錯誤があったのではないかと想像します。
とはいえ、井村屋方式のほうが断然便利です。
鼓月方式だと切り取った部分と本体?の部分にパージする事になってゴミが2つできます。
ここが結構問題で、切り取った部分を落としてゴミのポイ捨てにつながったりする可能性が無きにしもあらず。
なのでここでは敢えて「鼓月、井村屋に破れたり」と言っておきましょう。
補給食を謳うならば、さらなる進化を目指していただきたいところです。
さて、いったんパッケージを破ればご本尊?である羊羹様はご覧の量が露出します。
あとはこの部分を加えて指で押し出せばオッケーというわけです。
というわけで早速喫食。
味は……。
「おお、美味しいっすね」
最初の感想はこれです。
そして次に口から出た言葉は「なるほど」というもの。
井村屋の「小さなようかん」とはかなり傾向がちがいます。
それは、口に含んだ瞬間に「塩味」を感じるところです。
新鶴の塩羊羹よりも塩らしさ(なんだそれ?)を感じます。
そしてもちろん甘さもあり、小豆の風味もちゃんとあります。
いろんな添加物が入っていますが、私の舌ではそのあたりの雑味を感じることはありません。
要するに「美味しい塩羊羹」といったものです。
フィーカのお供にするなら「小さなようかん」ですが、おそらくスポーツ中の補給食として捉えるならanpowerの方が美味しいと感じるのではないかと思います。
残念ながら今回は自宅の昼下がりに、まさにフィーカのお供としてコーヒー片手に食べ比べをしたのでそう思いますが、本来のステージで食べ比べると、anpowerの方が美味しいと感じるのではないでしょうか。
塩味はそこにフォーカスを当てた、文字通りの塩加減にしているに違いありません。
というわけで、以上簡単ではございますが、当ブログ、MONO LUDENSとしては非常に珍しいグルメレポートを終わります。
★まとめ
結構美味しいので一度お試しあれ。
特に「スポーツようかん」愛用者の皆様。(^^)