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★乗り換えに至る心境など ~納車待ちの日々編 その9~

VOLVO XC60

備忘録つながりで、ついでに心境の変化について書いておきたいと思います。(初出:2014/09/26)

こういうのはすぐに忘れちゃいますしね。
まあ、初心忘れるべからず的な?

EVOQUEに乗り始めて少ししてから、クルマに求めているものが自分の中で変化している事にうっすらと気付き始めました。
これが乗り換えに加速をかけた要因の一つ。
もう一つはライフスタイルが徐々に変化していった事。これは「違い」あるいは理想との「齟齬」という目に見える形として認識する事ができました。
その辺について書いておこうと思います。

EVOQUE Coupe Dynamicはそれはもう、とてもいい車でした(問題が無い時は、という限定付きなのがアレですが)。
間違いなく私が今まで乗ってきたクルマの中で一番楽しいクルマでもありました。
EVOQUEは別に特別速いわけでも、ワインディング飛ばす事が快感なわけでも、ましてやフルオープンで空と握手するようなあの爽快感があるわけでもありません。冷静に考えるとAWDという機構こそ私にとって初めてのものでしたが、クルマとしては特に突出した性能を持っていたわけではないのです。EVOQUEの持つ突出した性能を強いて挙げるとすれば、それはもう外装のデザインのすばらしさと内装のクオリティ(とデザイン)の高さにつきるでしょう。
ちなみに(理由は後で書きますが)個人的にはCoupeにしておいて本当によかったと思っています。
内外装のデザインについては好みだという事になると、じゃあ動力性能はどうなの?という話になるわけですが、これは私が勝手に持っていた「レンジローバー」というブランドイメージとは裏腹に、EVOQUEのそれは非常に活発なものでした。「落ち着いた」という形容はほとんど思い浮かばず、むしろ「やんちゃ」な性格だと思いました。
悪く言えば洗練されていない、よく言えば若々しい設えの個性的なデザインのクルマ、というやつでしょうか。
もちろん私の場合はそれを想定、いやそうであるからこそEVOQUEを選び、EVOQUEの個性が私の嗜好にドンピシャと填まったのですが。
まあ、そういうわけでかなり刺激的なEVOQUEとの生活が始まったわけですが、それはかつてLOTUS ELISEと過ごしたあの刺激だけの日々とは違い、刺激の中に癒やしがあるというか、言ってみればEVOQUEというクルマは「刺激と癒やしの濃密なパッケージ」のと表現するとぴったりくるような気がします。
対してELISEは刺激を与えるだけ与えはしますが、ケアまではしないクルマでした。なんというか、生気を吸い取られるような日々と言えば当たらずとも遠からず、という感じです。もっともELISEに乗っていた時は「癒やし」や「居心地」など求めていませんでしたからそれはそれは問題はなかったのです。そもそもセカンドカーでしたから。
まあ、そうは言ってもEVOQUEは私にとってはそのELISEと比較するほど刺激的なクルマであったという事は事実です。
刺激的なのに安楽で、長距離を走っても本当に疲れないクルマでした。ELISEとはそこが違います。もっとも高速で雨に遭うとバスタブ構造のフロアに堪った水を、同乗者に掻い出してもらうか、PA毎に自分で排水作業をしなければ行けなかったクルマと比べるな、という話ですが。

まあ、そういうわけで非常に気に入っていたEVOQUEなのですが、「今から思えば」という後出しの理由で恐縮ですが、どちらにしろ長く乗る気にはならなかったのではないかと考えています。
ずっと「コイツには10年乗りたい」と本当にそう思いながらいつもドアノブに手をかけていたにもかかわらず、同時に私の中からこんな声も聞こえていたのです。
「でも、それはたぶんムリだろうな」と。
その理由は「決定的な一つのもの」ではなくて、細かい、ある意味どうでもいいような事象の積み重ねから出た、あるいは想定や妄想から出た澱が意志を持ち、そう言わせたのかもしれません。
敢えて具体的な言葉として紡ぎ出すと、それは「使い勝手の悪さ」というものでしょうか。
事例を挙げましょう。

1)自転車に乗り始めた
当初は「健康の為に運動でもするか。でも走るのはタルいし、泳げないし……あ、だったら自転車にでも乗るか」という、極めて軽い思いつきではじめたものですが、ここで微かな「澱」が堪り始めました。
理由は「EVOQUEの荷室に二台載るけど、載せにくいし載せる作業が面倒くさい」というもの。
メジャー処ではもっともコンパクトに折りたたむことができるBROMPTON二台だから比較的楽をしていると思いますが、これ以外の折り畳み自転車だと、たぶんもっと明瞭に「ああああ、めんどくさー!」と口にしていた可能性があります。

2)キャンプに行きたくなった
これは逆説的なものなのですが、「SUVを買った」→「だったらキャンプとか(ひさしぶりに)やってみる?」という流れです。キャンプをしたいからSUVを買ったわけではないので、我ながら感化されやすいと言うかわかりやすいというか。
ちょっと違うかもしれませんが、ELISEを買ったから、サーキットを走ってみたい、という流れに近いかもしれません。
で、キャンプ道具、揃えましたよ。一式。
もちろんEVOQUEなんかに全部は乗りませんでした。
リアシートを倒して荷室を広げても全部はムリで……結局キャンプには一度も行ってません、ハイ。書斎はキャンプ道具の倉庫となっております、エエ。

3)両親を乗せる機会が増えた
我が家は私も同居人も、ありがたいことに両親共に健在です。
でもそれもそう長くはないでしょう。多くは書きませんが、そう言う予測があるわけです。
で、EVOQUEに載せて行くわけですよ。当然ながらEVOQUEの後席に乗る事になります。同居人と私は気を利かせて運転していないどちらか一方はリアシートに座り、一人は助手席に載せるわけですが、それでも一人は必ずリアシートに乗るわけです。何が言いたいのかというと、EVOQUE Coupe、すなわち2ドアのEVOQUEは歴史上、もっともリアシートにアプローチしにくいクルマに数えられてしかるべき設計になっています。
そもそも2ドアのCoupeなのい、ドアの前後長が短い。通常2ドアCoupeはデザインはもちろんのこと、後席へのアプローチスペースを確保するために長めのドアになっているんですが、EVOQUEは4ドアに毛が生えた程度のものなのです。加えてフロントシートがあまり前方に移動しません。つまり後席への入り口がほとんどないんです。あまつさえ我が家のEVOQUEはスポーツシートにしたからなのかわかりませんが、シートバック(背もたれ部分)が前方にあんまり倒れないのです。
要するにリアシートに乗り込むのは非常に困難なのです。176cmでスポーツ万能の呼び名をほしいままにした私でさえ、EVOQUEのリアシートには「潜り込むように」して入るしかありません。
つまり四人のツーリングにはちょっと不便、ということなのです。
ちなみにEVOQUEの名誉の為に書いておきますが、リアシートに座ってしまいさえすれば、外から見たら信じられない悪来中は広くて快適です。我がEVOQUEにはパノラミックガラスルーフがオプション装着されていましたから、そりゃあもうリアシートは特等席でございました。

4)燃費が悪い
「マイ・シティ・モード」に於けるEVOQUEの燃費は6km/lを越えることはありません。
もっともそれまで乗っていたVW EOS V6(3.2リッター)にしろBMWのE46 323i(2.5リッター)にしろ、大してかわりません。EOSは7.0には届きませんでしたし、323iにいたっては5.5km/lがやっとでした。つまりEVOQUEの6.0という数値自体は大きく悪化したというわけではないのです。
そもそも私は、それまでクルマにたいしては燃費の良さをあまり重要視していませんでした。気に入ったクルマであることが第一で、燃費の数値で購入を躊躇するなどこれっぽっちもありませんでした。
なぜなら、燃費の悪いクルマに乗り始めた頃から、仕事が忙しくなり、たいした距離を走らなくなっていたからです。BMWの323iとMercedes-BenzのSLKの二台体勢の頃など、両方足しても年間3000kmくらいしか走らない歳が続きいていましたから。
おかげで任意保険も結構な割引で。(・∀・)
でも、EVOQUEで秘孔を突かれた私は、なんと去年一年間で13000kmも走ってしまっていました。
ざっと四倍です。
2,3ヶ月に一回しかガソリンスタンドにいかなかった私が、かなりの頻度で「ガソリン満タン」という作業を行う事になります。
で、悪い事? にEVOQUEの燃料タンク容量が70リットルもあるものですから、毎回完璧に1万円札が飛んでいくことになります。というか1万円どころではなくなってます。
つまりここへ来て私も遅ればせながら「やっぱり燃費のいいクルマがいいよね」などと「らしくない」事を考えるようになったのです。
予めお断りしておきますが、私のアタマには「地球の環境のため」とかいわゆる「エコ」とか「サスティナビリティ」などという考えはありません。120%「経済」の面でしか燃費の良さを評価しておりませんのでお間違いなく。まあ、有り体にいいますと「地球環境なんかどうでもいい」と考えている人間です、ハイ。地球環境のことを考えるならみんな徒歩と自転車で移動すればいいんです。経済圏や流通のあり方もそれを基準にすればいいんです。それは現実的ではないと言うのなら、たかだかクルマの燃費程度にガタガタ口を挟むんじゃねえよ、と思います。つまり単純にカネがかからない方がいい、という理由こそが正儀だと思います。

5)ACCが妬ましい
EVOQUEには普通のクルーズ・コントロールがついています。結構使っていますが、ご存じのように日本の高速道路ってけっこう交通量が多くて一定の速度でクルージングなどほとんど不可能です。つまり速度調整を行うなりクルーズコントロールを言ったん切るなりして対処するほかはありませんが、ここ数年で爆発的に普及した(と私が妄想しているだけかもしれません)アダプティブ・クルーズコントロール、つまり前車追従型オートクルーズに興味津々です。
EVOQUEで高速に乗る度に「次は絶対ACCがあるクルマにしよう」から「EVOQUEにどうにかしてACCを付けられないかなあ」に気持ちが変わってきておりました。車外品の後付けでよければ70万円で付けまっせ、とか言われたらフラフラ支払ってしまいそうで恐かったんです。(´;ω;`)

とまあ、こういう様々な変化が徐々に表面化もしくは顕在化および認識出来てきたのがこの1年でした。
上記の五つの要因は、EVOQUEではなくその前に乗っていたEOSであっても少なからず出てきた問題だったでしょう。あ、EOSは2ドアクーペとして考えると後席へのアプローチは相当よかったんですがね。一瞬でシートが前方に移動しますし、EVOQUEのようにレバー押し続けて「ウィーン」と超トロい移動をみんなで眺める図、なんてありませんでしたから。

そして度重なる代車生活。
同じ不具合でEVOQUEに乗れない週末が一月も続くと……。
「もう、諦めてもいいよね? 乗り換えてもいいよね?」
そういう心境になってしまった、と。
ここで私のEVOQUEがCoupeであった事が幸いしたと思います。
4ドアであったならば、ネガが一つ消えます。
逆に「もう少し頑張ってみるか」という事になっていた可能性が結構あります。
つまり後押しする要因として2ドアであったことは鍵ともいえる点だったという事です。

まあ、そんな感じで運命的に出会ったのが、VOLVOというブランドでありXC60というSUVだったわけです。
XC60のT5 SEは上記五つの項目を全て満たしている……と今のところは考えています。
これが一年前だったら、たぶん燃費については全く考慮せず、エンジンの官能と何よりAWDである事を理由に、堅めのサスセッティング&割高である事を承知でまだ数台在庫があったR-Designを奢っていたと思いますが、代車として乗った2014年モデルのEVOQUEのインパネに表示される燃費の良さを見てドーパミンが出まくった私には3.0リットルターボの燃費にNGを叩きつけるしかありませんでした。
AWDについては、住んでいる地域を考えると必要性はありません。年に数回行くSKIなんていっても、結局はゲレンデまでいければいいわけで、それなら今まではFFでもFRでも普通に行っていたのです。雨の高速などでの安定感や安心感も、「ムリはしない」運転をモットーにしていますから、今まで問題になったことはありません。
つまり雪国に住んでいるわけではない私にとって、燃費の悪さとトレードオフしてまでチョイスする意味は全く無い、という結論です。
むしろEVOQUEでAWDのすごさと限界をそれなりに理解しましたのでおそらく以前よりももっと慎重な運転になると思います。その意味でもEVOQUEでAWDを体験した事は大きなプラスになったと考えております。
駆動方式よりも私にとって重要なアドバンテージは最低地上高です。
これは雪道云々ではなくて普通に生活していてリップをこするだとか、風の強い日に道に落ちている街路樹の枝をまたいだ時に嫌な音を耳にしないだとか、そういう利点が大きいのです。FFなどでも全く問題の無いちょっとした未舗装路や郊外の田舎道で突然出会う落石群で慌てることがないとか、そういうメリットはAWDで享受するメリットより機会は多いわけで。

そう言うわけで、まだ納車されていないXC60ではありますが、私の今の、そして想定されるこれからのライフスタイルにかなり寄り添ったクルマなのではないかな、と大いに期待しまくりでございます。
ああ、早く納車日が決まらないかなあ。(・∀・)

※コストコで買い物したらEVOQUEでは荷物が載りきらないから買い替えたかった……という理由ではございません。念のため。