旧聞に属する話題で恐縮ですが、去る2015年9月20日に行われたライドイベントに参加してきました。(初出:2015/10/08)
「とても素晴らしいライドイベントでした」
一言じゃないですね。
スミマセン。
このライドイベントにもし興味があるなら、詳細は公式サイトをチェックして下さい。
ザクっと一言で言うと、全行程約130km、獲得標高650m程度の比較的フラットなサイクリングイベントです。
ただし、ちょっと普通じゃないところがあります。
それは、その人気ぶり。
130kmというセンチュリーライドより少し短く、100kmより長いという距離が手頃だと受けたのか、
この「比較的フラット」という部分が「イージーそうだな」と受けたのか、
はたまたシルバーウイークの日曜日という、多くの人が参加出来そうな日程が良かったのか、
500人限定という、こぢんまりした規模に親しみを感じたのか……
当日開会式に来られていた大垣市長によると「募集開始わずか17分で定員オーバー」だったそうです。
「我々レベルでも何とか完走出来そうだし、一緒に参加しようぜ」って打ち合わせていた親友Aは、募集開始当日、会議が長引いたとかで、募集開始23分後にアクセスしたところ既に「受け付けは終了しました」状態だったとか。
まさに瞬殺ですね。
私は二年ほど前に発売開始されたSteiffの「くまもんテディ・ベア」を思い出してしまいました。
あちらは17分ももちませんでしたが、私はラッキーな事にくまモンもこのツール・ド・西美濃2015もゲットできちゃいました。
当初は親友Aが参加できないとの事だったのでDNSにしようかな、とも考えていたのですが、ロードレーサーを購入して最初のライドイベントですし、そもそも参加したくてもできない人がたくさん居たであろう事を考えて、雨が降らなければ参加する事に決めました。
さて、そのイベントについて少し思った事を書こうと思いますが、まず最初に謝っておきます。
実は私、周りの皆さんにご心配をおかけする事がわかっていながら、それでもあえて虚偽の申請をして申し込みました。
謝るというのは、大会の関係者の皆さま並びに参加者の皆様、ということになるのでしょうか。
よくわかりませんね。
「直接謝らずにこんな誰も見ていないブログに書いて謝ったつもりになってるんじゃねえよ」てなもんですが、まあ、おっしゃる通りでそう言われてしまうと返す言葉もございません。
必要であれば出るところ出ましょう、みたいな?
まあ、開き直っているということです。
申し訳ないとは本当に思っていますが、それでもタイムマシンで申込時に戻ったとしても、私は全くためらわずに同じ事をしたと思います。いや、します。神に誓って。(・∀・)
何の事かと言いますと、
「ロードレーサー買ったばかりのド初心者なのに、【上級者】クラスで参加申請した」
という事です。
ロードレーサーを買って2ヶ月程度で、ライドイベントどころかグループライドすらした事がないのにも関わらず、「上級者クラス」をためらわずに選んだわけです。
確信犯ですね。
理由?
もちろん見栄とかそんなものは微塵もありません。これは誓って言えます。
私にとって上級者クラスでスタートすることが、単純に「(私にとって)もっとも効率的」だったからです。
それはいったいどういうことか?
ここでこの手のライドイベントの仕組みとその向こう側にある(であろう)ダークサイドを説明しましょう。
そうすることで私がなぜそういう虚偽の申請をしたかの説明ができると思います。
この手のライドイベントは、殆どがクラス分けされています。
因みにクラスは自己申告です。
誰もチェックしませんから、自分で上級者だと思えば上級者クラスを選べばいいわけです。
で、問題はそのクラス分けの意味です。
殆どのライドイベントは、上級者→中級者→入門(初級)という順番で「スタート」します。
ここが大きなポイントです。よく覚えておいて下さい。
次の仕組みですが、
この手のライドイベントは、平均的に20kmに一カ所くらい、「エイドステーション」と呼ばれる補給・休憩所が設定されています。道の駅だったり公園だったり市役所だったり協賛企業の駐車場だったりと場所は様々です。
ツール・ド・西美濃の場合はそのエイドステーションをローカルルールでOS(おもてなしステーション)を呼んでいますが、同じものです。
エイドステーションではちょっとした食べ物が振る舞われます。お菓子だったり料理だったり、果物だったり、スポーツドリンクだったり、水だったりと色々です。
参加者にとってはこれがイベント参加の大きな楽しみの一つというか、走っている時に目の前にヴァーチャルにぶら下げるニンジンというか、そういうものです。
補給もそうですが、チェックポイントとしての機能ももっています。ゼッケンを見せて「○○番の人はちゃんと通過した」みたいな事を記録しておくわけです。
この手のタイムを競わない、つまりレースではない、サイクリング系ライドイベントは自転車を使った難易度が超低い「オリエンテーリング」的なものですから、CP(チェックポイント)を通過する事が目的でもあります。
エイドステーションはもちろん、一つの大会だけの為に急遽開店? した仮設の設備です。
これがどういう事かというと、つまりは仮設ですから撤収しなければならないわけです。
そういうわけで、どんなイベントでも各エイドステーションごと、チェックポイントごとに「タイムリミット」が設けられています。
最初のエイドステーションは閉店? が早く、最後のエイドステーションというかCPであるゴールがもっとも遅くまで開いているお店、ということになります。
言い換えると、その「タイムリミット」に間に合わなければ「失格」になるのです。
ここで思い出して下さい。
スタート順はもっとも速い「上級者」からです。
もっとも遅い初級者、入門レベルの人は最後の出発です。
しかし、各ステーションの閉店時間は同じです。
ここまで書けばカンの鋭い方はもうおわかりですね?
どういう事かというと、
「上級者ほど余裕で、初心者ほど時間に余裕がない」
んです。
単純計算してみましょう。
今回のツール・ド・西美濃は上級者の1組が6時丁度にスタートしました。
実際はバリケードの取り外しにもたついたりして十数秒遅れてのちょっと締まらないスタートになりましたが、まあ6時スタートでいいでしょう。
その後は上級者の2組目、そのあとの組、と90秒ごとの時間差スタートになります。
今回、ゲストを含めて510人がスタートしたと聞いておりますので、ざっと51組がスタートしたと言うことです。
90秒×51で単純計算すると、最終組のスタートは、ざっと76分後の7時16分ということになります。
そしてゴールの足切りタイムはどのクラスも同じ17時です。
上級者の第一組はゴールまで11時間も猶予があるのに、初心者の最後の組は10時間もないのですよ。
これ、おかしくないですか??
いや、誰が何と言ってもおかしいんです。
理由はわかっています(後述します)。
でも、この図式がおかしいのは間違いない事です。
初心者こそ時間に余裕が欲しいわけです。
なのに上級者が一番余裕あるって、間違ってます。
さらに足きりだけではない、別の「ダークサイド」もあります。
それは、最後の方になると、エイドステーションで供される食事やお菓子などが「品切れ」になっている事があるという事です。
せっかく楽しみに辿り着いた初心者を待っているのは「品切れでありません」の冷たい一言です。
これもおかしくないですか?
同じ参加料払っているのに同じものがもらえないって。
いえ、今回のツール・ド・西美濃でそういう「品切れ」が生じたかどうかは私はしりません。あくまでも可能性の話です。でも、別のイベントでは実際に起きている事実です。
理由は色々考えられますが、そもそも人数分を用意していないという事は考えられないので、「先に着いた連中が割り当て以上に戴いてしまった」事により生じる現象でしょう。
おいしかったからといって知らん顔して二個三個もらっている人を実際に今回見ましたのでもし500個(510個?)しか用意していなかったら最後の方では無くなっていたことでしょう。
知らん顔じゃなくて「おいしかったのでもう一個ちょうだい」なんて堂々と要求している人もいたかもしれません。
個数にあまり余裕がなくても「おいしかった」なんて満面の笑みで言われて「もう一つ食べたいなー」なんておねだりされたらついつい「どうぞどうぞ」なんて差し出しちゃうのは人の性、というか人情ってものでしょう。
理解は出来ますが、最後の方に辿り着いて品切れって言われた人は納得出来ないと思います。
別にそれが死ぬほど欲しいものじゃなくても、なんかすごくソンした気分になるんですよ。
仏のように出来た人ならそんな事もあるよね、と悟ったように考えられるのでしょうけど、私の様な俗にまみれた人間は「金返せよ!」としか思えません。
少なくともその参加したイベントに対する印象が一気に悪くなる事は間違いありません。アンケートに「サイテー! 死ねよ! 二度と参加しねえ!」なんて書き捨てて、ブログで大々的に非難するエントリを書いたりするに違いありません。
じゃあ品切れしてなければいいのかというと、時はまた別の問題が「初期スタート組」と中盤~後尾スタート組との間にはあるんです。
それもかなり大きな問題です。
初期スタート組はエイドステーションやトイレ、休憩場所の椅子やテーブルなども空いているので待ち時間ゼロでくつろげます。
しかし、次々と後続が到着し始めるタイミングになると、到着したはいいが、プリンもらうのに長蛇の列。やっと順番が来てもらえたと思ったら、今度はそれを食べる席が空いてない。仕方がないから地面に座り込んで食べる、みたいな感じです。
文化的なイベントなのに、いきなりコンビニにたむろするヤンキーと同じ事をするハメになるわけです。
みんなやってるから羞恥心がマヒしてやっちゃうんでしょうけど、私は耐えられません。
そして地面に座り込んでそそくさともらったモノをかき込んで、出発前にトイレに行こうと思うとそこもまた長蛇の列。
ということで、ムダな時間がどんどん過ぎていくわけです。
最初に出発した上級者は待ち時間ゼロで、純粋に休憩時間を取れるわけですが、どんどん後になればなるほど休憩時間は「待ち時間」になってしまいます。
初心者ほど疲労しているのに、足を休めるどころか、ずっと立ちんぼで順番待ちです。
トイレから出てきたらもう結構な時間エイドステーションにいたことに気付き、殆ど座って休む時間もなく出発、という事の繰り返しになります。
そう。
上級者ほどくつろげて、初心者ほど苛酷な状況になるのが、上級者を先にスタートさせるこの手のライドイベントの「構造的欠陥」なのです。
私はツール・ド・西美濃の概要を読んで、この構造的な「おかしさ」を読み取ったからこそ、「できるだけ早めにスタートしたい」=「上級者」を選んだわけです。
そうそう、まだあります。
スタート地点で延々またされるのが初心者で、開会式の後サクっとスタートできるのが上級者です。
もちろん延々スタート地点で待たなくてもいいのでしょうが、初心者ほどそういう横着な態度はできないものなのです。
結果として待っている間に体が冷えて、「もう一回トイレいっとく?」みたいな状況になって、トイレに行ってみたら列が出来ていたり、とかね。
あと、ソロ参加だとトイレに行っている間に、自分の自転車を預ける相手もいなくて、その場に倒し込んで皆さんのひんしゅくを買うか、いったん列の外にでて、サイクルスタンドあたりに引っ掛けて最後尾につくか、でしょうか。
何かとストレスが溜まるのが初心者ということです。
というわけで、ズルの申告で上級者面をした私です。
でも、こうして走り終わったあとでも偽りの申告をして本当に良かったな、と反省はいっさいしておりません。
申し訳ないとは思っていますが、反省はしていない。
なんてひどいヤツなんでしょうね。
自分でも思います。
でも、自己最高80kmしか走ったことがない私です。
年寄りだし、今まで体を鍛えるなんて事をした事がありません。
脚力なんて全くないのはわかりきってます。
登り坂とかあまりに激坂だと押して歩く事を心に誓っているような人間です。
つまり参加してみたいけど、時間内に130kmも走れるかどうかが全く不明なんです。
つまり私が一番ほしかったのはエイドステーションの食べ物ではなくて、「ゴールまでの時間的アロウワンス」です。
130kmという未知の距離、フラットとはいえ後半に上りが2回あるコース。
そこを普段のライドでも走行時平均時速がせいぜい18km/h程度のヘタレライダーが走るわけですから相当時間がかかるはずです。
心が折れることはないと思いますが、フィジカル的に限界になれば休み休み走らないとならないでしょう。
でも、せっかく参加するのですから、タイムリミットまでにはゴールしたい。「完走証」をいただきたい。つまり、時間を稼ぎたい。そしてその時間を多く得るには上級者を選ぶのが手っ取り早い方法だったわけです。
もちろんすぐに先頭隊から千切れ、後から来た参加者にどんどん追い抜かれて、時間内にゴールできたとしても最後尾あたりにいるだろうなと思っていました。
それでも、一つ目、二つ目あたりのエイドステーションには相対的に早めに到着できるでしょうし、休憩やおもてなしをいただくのにもストレスフリーで、最後の方の4つめや5つめのエイドステーションに到着する頃には参加者自体が残り少ない為ステーション内はまばらになっていて、これまた待ち時間はゼロでいけるだろうな、という計算もありました。
今回のようなせいぜい500人規模の小さな大会だと、混むのは中盤までだろうな、と。
それから絶対イヤだったんですよね。
「タイムリミットが○○時だから、あと○○分以内に到着しないと失格になる!」なんて追い立てられるようにサイクルコンピュータの時間を見ながら走るのは。
そんなのはブルベを始めてから味わえばいいんです。
最初のチャレンジはできるだけストレスフリーで、自分の「今の実力」をチェックしてみたかったんです。せっかくだからサイクルコンピュータの画面ばっかりチェックするんじゃなくて、周りの景色を楽しみたいじゃないですか。
で。
結果です。
私のこの戦術は大正解でした。大成功です。
読み通りでした。
ゴールまで、いやゴール後もストレスなく、もちろんヘロヘロになりながらも「虚偽の申告」技あり一本、という感じで完走することができましたので。
因みに私ですが、
「お前は招待選手か?」
と言われるような超若いゼッケンナンバーをいただき、もちろん第一組スタートを切らせていただきました。
もし万が一、ツール・ド・西美濃2015の参加者の方がこの過疎ったブログに迷い込んできたとしたら半数以上の方が私を追い越したと思われますので
「ああ、あのトロい上級者ゼッケンのあいつか」
とおわかりいただけるかと。
正体は上級者でもなんでもない、小狡い初心者でございました。
どうもご心配をおかけしてすみませんでした。
いや、後半は攣った足を労りながら走っていたのは間違いないんですけどね。
さて、「なぜペーペーが上級者を選んだか?」の言い訳の次は、実際の走行内容について少し書きますね。
私は大阪の北部、いわゆる北摂地域に在住しています。
F-1シンガポールGPの予選を見て、所持品の最終確認を行い、着替えをして日付が変わる少し前にカミさんに「行ってきまーす」と挨拶をして既に自転車を積み込んでいる愛車の待つ駐車場に向かいました。
この時は、上下がサイクル用のロングインナー。その上にチノパンと半袖Tシャツという出で立ちです。
最初からサイクルジャージを着ておこうとも考えたのですが、高速道路のSAでトイレにたったり、ショップやコンビニに入る事を考えるとあまりに「いかにも」な格好はいかがなものか、と考え、普通に見える格好を選びました。
自宅から最寄りのICまではほんの数分なのですぐに高速の人となりました。
夜中にもかかわらず12年に一度? の5連休という素晴らしいシルバーウィークということあり、高速道路を走る乗用車が多いです。
さすがに渋滞はありませんでしたが、草津あたりを抜けるまではペースを稼げませんでした。
連休になると湧いて出る「高速道路、永遠の初心者」みたいなクルマが「追い越し車線」を塞ぐことによって生じる閉塞感ただよう状況に陥っていたわけです。
それでも制限速度ギリくらいだと文句も言えないのですが、80km/h制限のところを70km/hで巡航してたり、制限解除の区間で80km/hで走られていたりするとさすがにイライラします。
追い越し車線でそれですから、走行車線は制限速度を超えてません。
走行車線の遅い車をパスしようと追い越し車線にどんどんクルマが入ってくる。でも少しはしると追い越し車線を走ってはいけないクルマが通せんぼしている、という状況で、結構な密集状態になってしまっている感じです。
あと、本当に最近はウインカーを出さずに車線変更するクルマが多すぎて、なんというか殺意を覚えます。
警察はつまらないスピード違反を捉えるよりそういう運転をもっと取り締まるべきだと思うんです。
それからGPS付きのドライブレコーダー積んでいる車が増えてますから、そういうドライバーからのチクリを受け付ける窓口とか作ってくれませんかね?
私なんて結構車間をあけているのでちゃんとウインカーだしてくれればいいのに、なぜかクルマの鼻先に、突然ウインカー出さずに突っ込んでくる車が多すぎます。
最近はだいたいミニバンですね。あとはどこでもマナーの悪さが目立つBMWやクラウンは昔から鉄板です。
メルセデスとBMWではBMWの方が相対的にマナーがひどいと思うのは私だけでしょうか。
プリウスのマナーが悪いのは個体数が圧倒的に多いからなのでしょうね。
まあ、ミニバンも個体数が多いから同じように感じているのかもしれません。
閑話休題。
ツール・ド・西美濃の受付会場及びスタート/ゴールを兼ねた会場は大垣ICを降りてすぐのところにあります。
指定駐車場もそのすぐ近くです。
受付が4時半から開始されるので、指定駐車場はその時間には空いていると思われますが、実際に何時から開いているのかが案内にも書かれておらず、さっぱりわかりません。
問い合わせておけば良かったのでしょうが、そう言うデータはちゃんと記載しておいて欲しいところです>運営陣。
なので私は安全策をとって、大垣ICにほど近い養老SAで仮眠を取ることにしました。
到着は1時15分頃でした。
起きてすぐにバタバタしたくないので、コンビニにより、朝食代わりのおにぎりを2個と野菜ジュース、お茶、水などを買ってクルマに戻りました。
スタートが6時、5時45分には開会式だというので、早くても5時半に会場入りすれば充分だと計算。
養老SAから大垣ICまではゆっくり走って十数分。
そこから指定駐車場までも十分もあれば充分でしょう。
自転車を下ろして、サイクルジャージなどに着替えたりの準備に15分。
養老SAのコンビニで買った簡単な朝食を食べたり、最終的な持ち物チェックと会場までの移動に20分と計算。トイレ・洗顔、ひげ剃りなどを設備のあるSAで済ませたいですし、少し余裕を持たせて目覚ましアラームを4時20分にセットして、メールチェックをして仮眠に入ったのが1時35分くらいでした。
ちゃんとした車中泊の準備をしてこなかったので、仮眠はシートを倒して行いましたが、これが失敗でした。
実は去年今のクルマに乗り換えて、こういう仮眠をするのは初めてで、どういう感じかを全くわかっていなかったのですが、シートを倒しての仮眠には全く向かない事が判明しました。
運転するポジションでの我が愛車のシートは大振りで座面長も長く、クッションも分厚い感じで実に素晴らしいのですが、シートを後に倒すと凸凹がありすぎて眠る態勢になれません。ヘッドレストがフィクスされていて、ついでに独特の形状なのも睡眠向きではない事が判明しました。
色々詰め物をしたり着替えの入ったパックを隙間に詰めたりと工夫してなんとか眠る態勢をつくりだしたのですが、まあ、ウトウトした程度で朝が来ました。
もちろんアラームが鳴る前に起きましたよ?
老人なので。(・∀・)
予定より少し早めに行動開始。
時間に余裕が出来るのはいい事です。駐車場でのんびりすればいいだけの話ですしね。
養老SAから大垣ICはあっと言う間でした。
ICから指定駐車場までは目と鼻の先程度の距離なのですが、もらった地図がわかりにくいというか、カーナビがアホだというか、近くに来たのに駐車場入り口が見つけられずに5分ほどロスをしました。
が、無事に到着。
予想通り駐車場は余裕があり、まだ真っ暗な中、余裕で「端」のポジションを選べました。
クルマを駐め、まずはメールチェックをしながら朝食をとりました。
野菜ジュースとコンビニおにぎり1個とペットボトルのお茶です。
おにぎりは2個買っておいたのですが、マズくて1個でもういいや、と。
コンビニおにぎりってなんでああマズいんでしょうね。
というか、おにぎりをマズく作るのはたいへんじゃないかと思うんですがね。
なんで人気商品になっているのかがさっぱりわかりません。
こんな事ならサンドウィッチとかパン系にしておけば良かったと思ったのですが、もちろん後の祭りです。
余ったおにぎりやジュースのパックなど、ゴミ袋に放り込んで始末をすると車内でチノパンとTシャツを脱ぎ、なにはなくとも? シャモア・クリームを塗り込みました。
何せ初めての100km越え、未知の130kmです。
途中で塗り直すことも考えたのですが、めんどくさがってクリームを小分けする容器が準備できなかったので出発前に念入りに縫っておくことでOKとしました。
その後は外に出てインナーの上から同じく上下ロングのサイクルジャージを着込みました。
外はうっすらと明るくなってきていて、寒いです。
念のためにウインドブレーカーも持ってきていましたが、ロングのインナーの上に同じくロングのサイクルジャージを重ねると風がなかったこともあり、ウインドブレーカーの必要性は全く感じないくらいになりました。
むしろ予報では最高気温が30℃くらいになるという西美濃地方ですから、熱すぎないか? という懸念すら出てきましたが、最悪の場合はどこかのエイドでインナーを脱いでヒップバッグに入れようなどと考えつつ、そのままスタートすることにしました。
着替えが終わったら、自転車を下ろして組み上げです。
組み上げと行ってもサドルと前輪を付けるだけですけど。
サドルの高さを合わせて、トルクレンチで既定の上限より少し少なめに締め上げ、軽く持ち上げて落としたりを繰り返し異音チェック。
OKです。
その頃には、同じように準備を整えた参加者達が、愛車にまたがり三々五々会場に向かって走り出していきます。
赤いテールランプが明け始めた町へ溶け込んでいく様は幻想的でさえあります。
少なくとも気分がもりあがる光景です。
ここで靴をサイクルシューズに履き替え、グラブをして、日焼け止めクリームを塗りたくって、ヒップバッグを巻き、ヘルメットと自転車のテールランプを2個を点灯。前照灯を2個点灯し、ゆっくりとスタート地点にむけて出発しました。
ここで役に立つのがスマートフォンの地図アプリ。
ガーミン EDGE 1000Jのあの見にくく使いにくい地図と違って本当に使い勝手がいいですね。
駐車場から会場までのルートでも迷う気まんまんの私ですから、スマートフォンが車載できるのは実にありがたい。Tigraのマウントつけてて良かった、と思う瞬間です。
MAPアプリを見ながらのんびり走って1kmちょっと離れたスタート地点に着いたのが5時35分くらい。
まさに予定通り。
天気も良さそうですし、いい一日になりそうな予感です。
不安要素は自らの脚力と気力のみ。
会場に入り、自転車を押して空いた場所を探し、設置されていたサイクルスタンドに自転車を引っ掛けて、提出書類(誓約書と車両チェック表)を持って受付に。
ゼッケン毎に受付場所が別れているのは合理的ですが、500人規模なのに細かく分けすぎている気もしました。
まあ、それだけ待ち時間は少なくて済むのでいいのではないかと思いますが、総じてこのイベントは参加者の数にたいしてスタッフが厚いというか、生徒100人教職員200人の学校、みたいな感じです。
受付を済ましたあとは、自転車にガーミンを取り付けてスイッチon。
開会式が始まったので、自転車を押してスタート位置に陣取ることにしました。
参加証には出発グループ(時間)が記載されていましたが、どうやらそういうのは現場ではチャラにされていて、並んだ順番に適当に出発するようです。
開会式が終わり、スタートゲートに二市九町のトップが並ぶと、なぜかバルーンリリースが行われました。
スタートと同時にリリースするのかと思いきや、そうではなくて何となく間抜けな雰囲気です。
まあ、そのかわりのんびり写真を撮る事ができたわけですが。
午前6時が近づくと、いきなりカウントダウンが始まりました。
しかし、私の前にはまだバリケードとなっているプラの棒が渡されたままです。
この辺の段取りがちゃんとfixされていなかったのか、スタッフが慌ててバリケードを撤去して回るのがなんとなく裏方のバタバタ感を醸し出していて微笑ましい感じでした。
そしてスタート。第一組だった私は戦略的に? 最後尾をとりました。ペースについて行けなければ静かにひっそりと離れようと思ったからです。
とはいえ、レースではないので、のんびりとしたスタートでした。
さて、上級者のグループがいったいどのくらいのペースで巡航するのかが不明でしたので、期待と不安が入り交じるスタート直後でしたが、基本的には25km/h前後をキープする感じでした。
ドラフティングも効いていたのとスタート直後でまだ元気だったこともあり、第一OSまではグループに問題無くついて行けました。
いわゆる上級者の皆さんにとってはこのペースは「遅すぎて体が温まらない」系のペースだったのではないかと思いますが、その辺は上級者でない私にはわかりません。
個人的には「ハイペース。でもなんとかついて行けました」みたいなペースです。
つまり、最初のおもてなしステーションにはトップ集団で到着させていただきました。
だいたい7時10分頃。25kmの距離を70分程度です。
このおもてなしステーションで振る舞われたのが、これ。
プリンとケーキとホットドッグ。あと、珈琲(紅茶も選べる)
海津市からは楽山プリン。道の駅「月見の里南濃」で販売されているものです。
養老町からは地酒家ケーキ。御菓子司 松野屋さん提供。129円で販売されているものだそうです。
養老町からはもう一つ、ホットドッグ。グレココーヒーさん提供で店舗で食べられるそうです。
珈琲か紅茶は、テーブルについているとお姉さんが注いでくれました。
氷が入っているのでアイスコーヒーになるのですが、普通にホットコーヒーが飲みたいと思うのは私だけではないはず。
走ってきて熱いからアイスコーヒーの方がいいだろうという気遣いは感じますが、まだ午前7時過ぎですからね。ホットコーヒーの方が文字通りホットするのではないかとおもうんです。というかチョイスできるといいのにね。
布のお手ふきが地味にうれしい感じでした。
色々いただきましたが、いきなりこの量は食べられませんでしたので、持って帰れる地酒ケーキはヒップバッグに。あとの2つはいただきました。
楽山プリンはおいしかったです。
ホットドッグは……。
まあ、自宅で作ってもこんなもん? みたいな感じで普通でした。
いや、文句つけてるわけじゃないですよ?
おもてなしありがとうございました。
でも朝からソーセージだけ挟んだコッペパンとか、ちょっとヘヴィだぜ、みたいな?
口の中がモサモサするし。
帰宅してからカミさんとおいしくいただいた地酒ケーキですが、コレはちょっとマズいんじゃないかと思いました。
いや、「不味い」んじゃなくて「マズい」の方です。
実においしくて、好みの味でした。近くに行ったらワザワザ寄り道して買いたいと思った程です。
マズいというのは「これ、酒気帯び運転になるんじゃね?」と思える程、日本酒のニオイがすごいんですよ。お菓子としてはおいしいけど、ライドイベントに出すのはどうなの? みたいな?
いや、アルコール分ないんだったらいいんですが、絶対入ってますよね??
さて、第一OSでは念のためにトイレに行っておいたので10分程度で出発した第一組のスタートには間に合わず、10分遅れくらいのグループで出発ししました。
第二グループのペースは第一グループより少し速い気がしましたが、これまた千切れずに第二OSに到着。
第一OSからは13km程度で、距離が短かったというのも楽だった理由でしょうか。
到着は8時過ぎ。
そこでもゆったりと場所を確保でき、休憩ができました。
ここでのおもてなし? はこれらです。
輪之内町からは若鮎。 小川屋製菓舗さんで1個180円で販売しているそうです。
安八町からは、百梅干(梅干し)と梅サンドクッキーの2種類。
安八町は梅園があるようで、どちらも梅でした。最も梅干しは安八百梅園や安八温泉で購入可能だそうですが、梅サンドクッキーは安八町農産物加工運営委員会さんによる今回限定品のようで販売していないそうです。ありがたや。
若鮎は自宅でいただくことにして、梅系2種類はいただきました。
梅クッキーもよかったですが、梅干しが地味にありがたく感じました。日本人で良かったなあ、みたいな気分になれる一粒でございました。
自宅で食べた若鮎ですが、これもおいしゅうございました。
ただ、この手のお菓子はどこにでもあるイメージで特徴がないのが難点かもしれませんね。
すみません、おいしくいただいたのに生意気な事を言ってしまいました。
京都市内に勤めている関係で、目と舌が肥えているというかマヒしているというか、日常に日本一洗練された和菓子が溢れているというか、そんな感じで和菓子系ってよほどじゃないと感動しないんです。ごめんなさい。
でも、おもてなしの気持は確かにいただきました。ありがとうございました。
飲み物はポカリスエットです。
この先どのOSでもポカリスエットは常備品でした。
水もありましたが、私はあえてポカリスエットを戴くことにしました。
水はボトルに入れてますし、糖分と多少なりともミネラル補給になれば、と思って。
さて、ここまでは「計画通り」とほくそ笑んだのもつかの間。
一方で私にはすでに今後のストーリーが見えてしまいました。
そう。この時点でもう
「足を使いすぎている」
んです。
黒ゼッケンですが中味はただの初心者の爺さん。ロードレーサーでのロングライドは初めてですから、ペース配分などわかりません。
取りあえずグループについて走っているだけです。
ドラフティングの効果がどれほどあるのかわかりませんが、その恩恵には相当あずかっていたはずで。
にも関わらず、40kmに満たないこの時点で結構足を使わされていることに気付いていました。
ツール・ド・西美濃は、この手の規制されていない公道を走るライドイベントの多くがそうであるように、「先導車の後についてペースを守って走る」スタイルなのです。
もちろんフリーライドのイベントもあります。手づくり系イベントはフリーライドですね。
でも、市町村がしっかり関わったイベントではほぼグループライドになります。
そしてこれこそが、私にとっては大きな問題でした。
この事については後で別途思うところを書こうと思いますが、まあ、取りあえず言える事は「私にはペースが速すぎる」という事です。
「ほれ見たことか、上級者の虚偽申告をするからだ」
なんて声が聞こえそうですが、それは的外れです。
単純に私が遅いだけですから。
なぜなら、
「組ごとのペースは、先導車(者)でまちまち」
だからです。
しかも
「第一組の上級者のみのチームの先導車より、その後加わった二桁ビブスが引く中級者クラスの隊列の方が基本的にペースは速かった」
わけですよ。
都合6、7人の先導車につきましたけど、本当に全部まちまちでした。
まあ、そういうわけでなので、第三エイドに到着する少し手前で私は一つの決断をしました。
「このままでは完走できない」
なので、
「この後の行程では、潔く単独走行に移行しよう」
と。
まあ、単純に言えば、そろそろマジで足が終わりつつあり、右足のふくらはぎに攣りそうな気配を感じたって事ですね。
三番目のOSについたのは、9時40分頃。
何とかグループの後尾を見ながらOSに辿り着いた私ですが、サイクルハンガーの前でバイクを駐めて足を着いた瞬間でした。
ピキーン!
そう、気配のあった右のふくらはぎがついに攣ってしまいました。
立ちごけだけは免れましたが、痛みを堪えるのに必死でございましたよ。
ふくらはぎをさすりつつ、いただいたのがこれ。
大野町からは鮎雑炊。川の駅おか多さんでいただけるそうです。煎った大根葉? とわさびを入れてもらいました。
揖斐川町からはフランクフルトソーセージ。森本工房さん提供で購入可能だそうです。
大野町から二品目はハムカツ。ごはんや あじ菜 さんの店舗で食せるそうです。
あとは揖斐茶のペットボトル。
残念ながら? 持ち帰れないものばかりだったので全部いただきました。
ハムカツは意味不明な食べ物でしたが、好きな人とかいるんでしょうかね??
いや、文句いってるんじゃないですよ? ハムカツという食べ物が意味不明だと煎っているだけで。というか私の辞書にはあり得ない食べ物だってだけのお話です。
というか珍しい食べ物を食べさせていただき感謝です。
でも、ハムは例え混ざり物どっさりのプレスハムでも、そのまま食べる方が何倍もおいしいんじゃないかと思います、ハイ。
すみません、個人の感想です。
鮎雑炊がとてもありがたかったです。
ハードなスポーツ中に重い揚げ物とかマジあり得ないと思うんですよ。雑炊、本当に優しい有難みを感じました。
ペットボトルのお茶は当然ながら全部飲み干せず、残りは戦略的に一つあけておいたボトルケージに突っ込みました。もちろんペットボトル対応のケージに。
ちなみにJAVA TEAのカップに入っているのはポカリスエットです。
ここではたっぷり30分休みました。
右足のこむら返りを癒やすためです。
「コムレケア」を買って用意しておくんだったと思っても後の祭りです。
でも、完全に攣ったことで、揺るぎない戦術を立てる事ができました。
「これから先はソロで走るぞ」というアレです。
もちろん出発は10名毎、グループで、という事になるので、スタートしてから途中で落ちることになります。
しばらくはついて行けるのですが、先に述べたように先導者と私のスタミナが違いすぎるのでだんだん話されていくことになります。
平地の場合、ゴーストップや直角カーブなど、いったん速度を落としてまた加速する、という時、その加速にはもうついて行けないのです。
第三0Sまでは加速時には少し重めのギアで立ちこぎをして一気に速度を稼ぎ、その後シッティングでドラフティングの恩恵を預かりつつ巡航する、という事を繰り返していたのですが、例のサイクリングロードにある「バリカー」での減速→加速の繰り返しでダメになったのだと思われます。
普段立ちこぎなどしませんし、普通のその辺ライドだと同じように減速→加速時にはゆっくりとしか速度を載せませんから、全く使っていない筋肉を使う事になります。
最初は「意外にイケるじゃん。これなら上りの直前まではトップグループで走れるかも」なーんてちょっとでも考えていた自分が恥ずかしいです。
特に第三OSまで引いてくれた先導者の加速→巡航が今までで一番容赦なく、「あ、これはもう本当にダメだな」と覚悟をきめるきっかけになりました。
中級クラスを引く先導者があの加速で巡航を保つのだとすると、私は中級にもほど遠いのだと思い知らされたものです。
で、途中まで何とかついていきましたが、そろそろだろうな、という事で隊を離れることにしました。
もちろん、「大丈夫です。先に行って下さい」と、グループの皆さんにことわりを一応入れました。
でも、皆さん思ったでしょうねえ。
既に中級者ゼッケンの人達ばかりのグループだったのに、超若い黒ゼッケン(黒ゼッケンは30人もいない上級者申告の証)の人が紛れ込んでいて、さらにソイツが「ついて行けません」宣言ですから。
「おいおい、そんな若い番号背負っている上級者がこんなところで千切れるのかよ?」
みたいな?
スミマセン、中の人はロードレーサー買って2ヶ月程度のペーペーなんです。
ホント、申し訳ない。<(_ _)>