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★【RP-HD600N】東西ワイヤレスヘッドフォン対決【WH-1000XM3】その3(最終回)

オーディオ系

とりあえず項目ごとの評価、つまり各論が終わりましたので、そろそろ総合的な判断などをしておきたいと思います。
つまり

「話をまとめよう」

という感じ?

◎実のところ「音」はあんまり関係ない

一応オーディオ機器の評価なのに、いきなりそれを否定しちゃうようなタイトルですね。
でも、本心です。

理由は簡単で、このクラスになると「決定的な差」は無いんじゃないかと思うからです。
個人の好み。
いや、むしろこのクラスは「使い勝手で選ぶべき」ではないかというのが私の持論です。
ええ、この2台を使ってみてそういう持論を持つに至りました。
ぶっちゃけ「どっちも水準以上でいい音ですよ」というのが私のプアな耳を基準にした感想ですからね。

そもそも「音質を追求するのならBluetoothのヘッドフォンとか使うなよ、頭おかしいんじゃないの?」という話になっちゃいますから。

まあなんというか、便利に使える軽自動車を買おうと思っていろいろ比べてるのに「レンジローバーの方が快適だろ、頭おかしいんじゃないの?」と言っているようなものだということは自覚していますが、でもほんと、一定以上の製品なら目くじら立てるほど違わないのは確かかと。

◎圧倒的に快適なWH-1000XM3

一連の各論ですでにお気づきの通り、今回の東西ワイヤレスヘッドフォン対決はWH-1000XM3の勝ち。それも「圧勝」というのが私の結論です。
そして優劣の項目に「音」は入っていません。
いや、正確には「音楽を再生する音など、もはや評価対象にもならない」というべきかもしれません。

私が思うに、ワイヤレスヘッドフォンで重要なのは「軽やかさ」ではないかと思うのです。ちょっとスカした言い方をするなら「自由度の高さ」で選ぶべきではないかと。
ケーブルという「鎖」から解き放たれるという事こそがワイヤレスヘッドフォンが生まれた意味ですから、進化の方向は当然ながら様々な「鎖」を断ち切ることではないかと愚行する次第でございます。

その鎖の一つが「ボタン操作」ではないかと考えるのですよ。
すべての操作をボタン(とレバー)で行うRP-HD600Nに対して、電源とノイズキャンセリングモード変更という頻繁に使わないような項目のみボタンに割り当て、ボリューム調整や曲の頭出しなどはすべてタッチパネル操作としたWH-1000XM3はかなり「軽やか」だと思い知りました。

この思いは使い込むに従いどんどん確信に変わります。
なぜなら、WH-1000XM3を3日も使ってっしまうと、もうRP-HD600Nを使おうという気にはならないんです。
WH-1000XM3が手元に来てからは比較のために両方持ち出していたのですが、二日目にしてすでにRP-HD600Nに替える時に「めんどくさいなあ」と思うようになってしまったのです。
2週間以上使って、けっこう気に入っていたRP-HD600Nなのに……。

各論の記事の中で「ボリュームは確実操作のボタンの方がいい」と書きましたが、これもタッチパネル操作の軽やかさに慣れてくると「ボタンとかやってられない」と思うようになりました。なので今更ながら評価を訂正させていただきたく。

◎新たな鎖は翼に変わる

「快適」と「便利」は違うものですが、便利になると快適になることは多々あります。
同様に「開放」されること、つまり「自由」になることが必ずしも「快適」になるとは限らないということもWH-1000XM3を使い始めて学びました。

具体的にはまず、専用のスマートフォンアプリの存在です。
これも当初考えていたONKYO RUBATOというDAPと組み合わせた運用をしていたらわからなかったことだと思います。
幸運な事に聴き比べをしたらONKYO RUBATOのaptX HD接続よりも、スマートフォンのXperia ZX1 CompactとLDAC接続したほうが駄耳でも一聴して違いがわかるくらいLDACがクリアだったことで気づいたわけです。
つまり、スマートフォンとつながる事によって、新たに得られる機能こそ「快適さ」の要素の一つだと思い知ったということでしょう。

アプリの機能については前の記事で触れたとおりです。
いろいろ便利だし楽しいわけですが、中でも個人的に一番便利だと思っているのが「バッテリ残量表示」です。

これ、極めて地味な機能ですが、%で表示されることもあってWH-1000XM3の運用にとても役に立っています。
カタログデータで「30時間再生可能」とか言われてもけっこう途方にくれませんか?
バッテリがすごーく長く保つということはなんとなくわかりますが、今度は逆に「いつ充電したらいいのだろうか?」とドキドキします。

毎日通勤に片道2時間もかけている社畜の私は、1日にざっと4時間弱くらい電源を入れてます。
単純計算すると30÷4=7.5で、7日往復+一日片道分持つということになります。
まあカタログデータを鵜呑みにするようなタマではないので「5日は保つな。つまり週末に充電したらオッケー」というざっくりとした運用を考えるわけです。

が。
「本当にそうなのか?」
「絶対途中で切れたりしない?」
などとネガティブな思考が頭の中を駆け巡り、音楽に集中できなくなってしまう可能性があります。
なので「見える化」は精神の安定のために極めて重要な役割を果たすわけです。

ちなみに私の使い方だと2日使って残量は70%とか、そんな減り方なので平日5日だとすると当初の想定どおりの運用でオッケーです。

が。
実はそうではないのです。
なぜなら「自宅でも使うことがある」からです。
これは別記事でレポートする予定ですが、実はリビングのメインシステムにBluetoothトランスミッターを導入しました。
つまりテレビやビデオの音声をワイヤレスヘッドフォンで聴ける環境があるのです。
スピーカーで音を出さずにわざわざヘッドフォンで? と思われるかもしれませんが、アメリカ大陸でのF-1を見る時とかは欲しいんですよね。同居人が寝た時などはやはりボリュームを絞りたいじゃないですか。
リビングと寝室とは少し離れているので多少音を出しても全く問題はないとはいえ、そこはそれ、夜中(早朝)から満足できるボリュームで楽しむわけにはいきません。
その点、ヘッドフォンで聴けるならこれはもう、願ったり叶ったりです。

実は以前から計画はしていたのですが、引っ越しなどもあって先延ばしにしていたのでした。
それがRP-HD600Nを買った時に「これはもう、あの計画を実行に移す時なのでは?」とばかり導入したものです。

それ以外にも一旦リビング用の音源がBluetoothで飛ばせるようになってしまえば、それを楽しむシチュエーションは創生されていくものです。
深夜に音楽をどっぷり聞きたいなんていう当たり前の事もできますし、ビロウな話で恐縮ですが、例えばトイレでもいい音で音楽が聴ける、とか。
まあ、いろいろです。

◎DAP専用機ではなく、スマートフォンならではの「快適性」

DAPを専用機のONKYO RUBATOではなくスマートフォンにするメリットは他にもあります。
それはズバリ「インターフェイス」です。
同じONKYOでもGIGABEATのようなDAPにスマートフォン機能が乗っかっているようなのは別ですが、RUBATOやWALKMANのようなDAPは操作系が窮屈です。
その点、スマートフォンだと画面は大きいですし、気に入ったアプリを使えるという自由度があるわけです。
RUBATOを使っている時はチマチマしたインタフェイスを触るのが面倒なのでいつも決まったプレイリストを延々聞いている感じですが、スマートフォンだと聞きたい曲をササっと変えられるので「いつものプレイリスト」以外のものを聞くことが増えました。
これもいわば「自由度アップ」と言えるのではないでしょうか。

DAPをスマートフォンにするというのは別にWH-1000XM3でなくともRP-HD600Nだろうが何だって同じなのですが、同じ画面でササッと専用アプリに切り替えて操作をしたり、バッテリ残量を確認したりできるという点で複合的な便利さという利点があると思います。

◎WH-1000XM3の○と×

どうまとめるのか思案のしどころですが、WH-1000XM3の○と×という事にしてまとめたいと思います。

ここが○

・LDAC対応であること
・aptX HD対応であること
・専用アプリで拡張やカスタマイズできること
・30時間のバッテリ持続時間
・10分の充電で5時間バッテリが保つこと
・快適なタッチパネル操作
・極めて強力なノイズリダクション効果
・ノイズリダクション効果をパーソナライズ(カスタマイズ)できること
・クリアな高音、締まった低音など十分に高音質であること
・オーバーヘッドタイプでオーバーイヤー(密閉型)ヘッドフォンとしてはコンパクトなこと
・2時間やそこらでは不快感など覚えない快適な装着感
・USB 充電用ポートがTypeCなこと

ここが×

・タッチパネル操作でイチイチ「ピッ」という電子音が鳴ること
・電源ON/OFFやBluetooth接続時のアナウンス(ガイダンス)が日本語じゃないところ
・そのアナウンスの声がでかいこと
・外から見えるところに型番があること(しかも左右二箇所とも)
・ちょっと高い(高価な)事

というわけで2018年秋のワイヤレスヘッドフォン選びはSONY WH-1000XM3で決まり、だと思います。