(初出:2010/05/14)
NEX-5 ダブルレンズキット 黒
私はこれを既に予約しています。
販売店からは「発売日に持ってけドロボーですよ」という返事をもらっているので、6/3の夜には手にしていると思います。
今回は「使いながら様子を見る」という理由の下、購入を決意したわけですが、実はその1週間前の5/28には予約していたiPadが手に入ります。そうなるとそっちにハマっている私がいたとしたらNEX-5をいじる時間があるかどうかが疑問です。
社畜……じゃなくて会社員としては平日の限られたフリータイムをどう配分するかで人生における幸せ指数が変わってくるわけで、そういう意味に於いてはNEX-5を触っていると「デジタルガジェットをいぢっている時それはわが至福の時」という感じににはならず、むしろ不幸な気分になるんじゃないかという危惧があるんです。
タイトルに書いた百八の理由のウチ、ここでは諸般の都合によりいくつかを抜粋して私の危惧をお伝えしていこうと思っています。
基本的にヘタレというか打たれ弱い人間である私は、仕事が忙しいというか余裕が無い時ほど逃避規制が強く発動する仕組みで動いて(生きて)います。
そんなわけで、NEX-5発表後、現実逃避の一環としてSONY Styleでサクっと先行予約登録みたいな事を済ませた後で、じっくりとSONYのサイトでスペックや作例や外観写真などをチェックしまくっているんです。そして、あっという間に108くらいのネガティブ項目がピックアップされてしまったと。
既に書いたように108全てを書いてもいいんですが、誌面(誌面?)の都合(え?)もありますのでここでは特にハリセン指数が高いものを上げていく事にしました。
1)ボディ側に手ぶれ補正がない
つけろよ!
つか、自己否定ですか?
2)内蔵ストロボがない
つけろよ!
この際LEDでもいいから!
3)おまけストロボは稼動するのにバウンスできない
しろよ!
つか、どうせグラグラなんだろ?
4)いわゆるホットシューがない
つけろよ!
つか、ミノルタ>SONY系独自マウントでもないじゃん!
5)GPSが内蔵されていない
つけろよ!
つか、2010年はGPS内蔵デジカメ元年ですよ?(私がそう言ってるだけですが)
6)水準器がない
つけろよ!
欲しいんだよ、あれ。デジタルガジェット感があっていいんだけど。
7)AFポイントの自由度が低い
フリーポイントにしろよ!
ライバルのGF1とかE-P2(制限あり)とかは自由に動かせますよ?
8)三脚のクイックシューの台座が付かない
……
付かないね。NEX-3なら付くけど……というかですね、運台にすら付かないんじゃないかと思うわけですよ。
と言うわけで8つも!
実に多いスね!
これとは別にあと100もあるんだから!
今回は(諸般の都合で)書かないけど!
これだけ大きな、あまつさえ大量のネガがあると、もはや製品として、いやコンセプト自体が欠陥品、いやさポンコツと言っていいのではないかと思われます。
開いた口が塞がらないとはまさにこの事です。
それからどうにも不明なんですがレンズのフードとかもなさそう?
パンケーキも標準ズームもフィルタ系が49mmのようなので、同じ49mmのフレクトゴンのフード付けようか?いや、八仙堂のアレにするかな♪ (♪かよ!)とかいろんな事を考えないといけないのでストレスがたまります。(∵)
単焦点が24mm相当の画角となる16mmなのはフランジバックと同等の焦点距離が最もコンパクトに出来るらしいので決定された画角なんでしょうが、それはいいとして(個人的に24mm大歓迎です。28mmで無くてよかった)、F2.8と言うのは暗すぎると考えます。
F2.8なら手ぶれ補正機能を付けて欲しかった。
PanasonicのG20mmはF1.7なので許されているんだと思います。あれがf2.8だったらがっかりです。
つまり、SONYの16mmにはがっかりです。
描写性能確保?
いや、描写性能なんて飾りです。SONYにはわからんのですね。
描写性能上げるよりブレなくす方がよほど重要だという本質を知るべきでしょう。
で、その描写性能が「がっかりだぜ」だったら許しません事よ?
正直に言うと私などは動画なんてどうでもいいし、webカタログで派手にプレゼンしているエントリーユーザー向け機能なんて本当にゴミだとしか考えてないんです。
つまり、SONYにとっては私みたいなユーザーはNEXのターゲット層ではないので何を言おうが説得力などないんでしょうが「キレイな写真」を「快適に」撮りたいという思いは人間もハムスターもありません。
チャラチャラした開発スタッフ(偏見上等っす!)の開発秘話(座談会?)をうれしがってwebに掲載するのもいいでしょうが、その画面を見ながら黙々とハリセン折ってる人間も居るんだという事をたまには思い出して、次のモデルにかかっていただければと思います。
まあ「空気感」とか「情緒」なんて言葉を描写性の修飾に使っているような輩が作ってるのかと思うとアレですが、できあがったNEX-5には罪はありませんしね。
とりあえず世界でも珍しいのAPC-Sサイズのレンズ交換式(カメラ交換式ではない)システム(レンズ二本だけど)に敬意を表してお付き合いをはじめさせていただこうとは思いますが、私は今この時点である懸念を払拭できません。
「結局、SONYのNEXはNikonとCanonの噛ませ犬になるんだろうな」
と。
ケータイ写真で充分な連中に「もっときれいな写真が簡単にとれるカメラが出るんだよ」とばかりになんとか売りつけようとしているNEXを横目に、カメラそのものが持つ重量感(?)を知っているNikonが作っているミラーレスが虎視眈々と出番を狙っている気がします。
それはμ4/3がたがやし、SONY肥料をまいた畑です。NikonやCanonはシメシメとばかりにそこに魅力的な作物をちゃっかり植えちゃう気がしてなりません。
SONYはカメラの本質がぜんぜんわかっていないな、と言うのはαを見ても思いました。
カメラの本質を哲学を交えて理解し、そしてユーザーに啓蒙していたミノルタの人間は、結局SONYというカラーに薄められ溶かされて排水溝に流されてしまったのでしょうね。その際、呪いをかけるのは忘れていなかったようですが……。
カメラの本質? それは「わくわくする小型の機械」です。
誰がなんと言おうと、お手軽でオシャレなそれではないんです。それは本質ではなく、要素です。
私がαに夢見ていた物は、SONYのデザイン文法でリビルトされたカメラの本質であって、ミノルタのセンスでデザインされたSONY風習作なんかではなかったんです。
ミノルタの呪縛をNEXという呪符で解呪する、つまりSONY的に吹っ切れたものを出してくれるかな、と思って大いに期待していたんですが、これはまさにレンズ交換が出来るコンパクトカメラ以上でも以下でないという「モノ」でした。
翻ってPanasonicのGF1を見ると、同じ家電メーカーなのに、SONYなどよりよほどカメラの本質に立ち向かっているな、と思わせます。
私は家電に於けるSONYのデザインとインタフェイスが結構好きですから、つぶれて欲しくはないわけです。
でも、きっとNEXを横目で見ているNikonの製品の方が十倍は魅力的に違いないと確信してしまいました。
とはいえ、NEX-5はNEX-5でガジェットとして楽しそうだし、期待はしています。
でも、もっと重厚なものも出して下さい。
Planarという名前でもいいので、40mm~60mmくらいのEマウントマクロの発売を楽しみにしています。