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☆FUJIFILM XF10を買う前にチェックしておきたい10のポイント

カメラ

最初にホンネを書きますが、発表された瞬間にこれほどがっかりしたカメラも珍しいです

X70の後継機を待っていた人は私と似たような気持ちになったのではないでしょうか。
そういう意味では過去最高のカメラかもしれません。

でもね。
私、予約しちゃいましたからっ!(*´ω`*)

というわけで今回の記事は発売前の(色んな意味での)興奮冷めやらぬうちにパッションの赴くままに、「久しぶりに現れたX70の後継機、いやRICOH GR2の対抗機の実力やいかに」というノリで書きなぐるものであります。

とはいえX70の後継機の発売を心待ちにしているFUJIFILMユーザー(って、私か)とGRⅢの登場を待ちくたびれているGR2ユーザー(って、私か)にとって、XF10は色んな意味でとっても気になるモデルであることは確か。
なので今回は主に現行機種であるGR2と比較しながらまだ見ぬXF10についての理解を深めていくことにしましょう。
まあ、主に個人的にカメラ購入時に気にしてる項目が中心ですが。

それから発売前で実機を触らないとわからない点も多いため、あくまでも公式サイトから得られる情報のみでの比較になることを予めお断りしておきます。
見間違いや勘違いもあるかもしれませんが、発見された場合はご指摘いただければ幸いです。

基本フォーマット

まあ、ライバルというかリコーがぼやぼやしてる間に放置プレイにしびれを切らしたGR2ユーザー(って、私か)をごっそりいただこうと富士フイルムが考えて世に送り出したモデルなので、もちろんカメラとしての基本的なフォーマットは同じです。

センサ:APS-C
レンズの画角:28mm相当(135版換算)の単焦点
F値:2.8

評価:引き分け

○その他のフォーマット

・画素数

個人的には画素数は多いほうがいい派です。
画素数が多くなるとダイナミックレンジが~などと文句を言う人がたくさんいますし主張には一理あります。ですが数字だけを論ってダメだと断じる論調には鼻白むばかり。
問題は実際の画像がどうなのか、だと思います。
そして実際の画像のダイナミックレンジが不足していないのであれば、レタッチ耐性(トリミング耐性)が高くなるので画素数が多いほうが正義だと考えます。

XF10:2424万画素
GR2:1620万画素

評価:画像の比較評価はできませんが、昨今2400万画素クラスの画質が悪いなんてことはないと思われますのでこの点で古いセンサのGR2より新しいセンサのXF10の方が上だと考えるのに問題はないと思われます。

・シャッター形式

XF10はレンズシャッター+電子シャッターで、それぞれ独立して使えますし、両方を組み合わせて使うことも可能なので、シンプルなメカニカルシャッターだけのGR2と比べると、その撮影カバー範囲の広さは圧倒的です。
高速シャッターについては、ピーカン対策だけを考えると1/4000秒までしかないGR2には2段分のNDフィルター機能が備わっている為、コレをオートにしておけばNDフィルターのないXF10の1/16000と同等の明るさまで対応可能です。
もちろん高速シャッターでしか撮影できない効果を狙ったシーンに対応できるものではありませんが。

むしろ特筆すべきは遅い方、つまりバルブの最長時間。
GR2の300秒(5分)でもそうとうに頑張っている、というか常識的に充分以上でしょ、と思う長さなのですが、XF10は電子シャッターという飛び道具を思う存分使って最長60分まで可能にしています。
熱的にどうなんだろう、などと要らぬ心配をしてしまうくらい。
まあX70でも大丈夫だった? ので大丈夫なのでしょうが。
果たしてそんな長時間のバルブを使うのか? と問われれば私なんかは即座に「使いません」と答えますが、表現力が高いに越したことはないのは確か。
60分までのバルブで一体何ができるのか、なんていう想像力を掻き立てる、つまりここは遊びの幅が広いXF10に拍手を送るしかありません。

XF10:60分~1/16000秒
※メカニカルシャッター:4秒~1/4000秒/電子シャッター:4秒~1/16000秒
GR2:5分~1/4000秒
※メカニカルシャッター

評価:XF10がすごい

・AF方式

XF10は現時点でアドバンテージがあると思われるハイブリッド方式。
対してGR2はコンベンショナル……いや、昔ながらのコントラスト方式。
優劣は明らか。

XF10:ハイブリッド(コントラスト+位相差)方式
GR2:コントラスト方式

評価:普通に考えて、XF10の方が快適そう

最短撮影距離

私の座右の銘には
「寄れないレンズはクソレンズ」
というものがあります。
レンズ交換できないコンパクトカメラの場合は「寄れないカメラはクソカメラ」ということになります。
果たしてXF10は「レンズ前10cm」。

XF10:10cm
GR2:10cm(ただし、マクロモード)

氷菓、もとい評価は「合格」
GR2と同等なので全く文句はありませんし、GR2と違っていちいちマクロモードとかに切り替える手間がないのも○。
ここはX100Fと同等の使い勝手を実現していて好感が持てます。

サイズと重さ

私の座右の銘には
「バッテリとSDカードを含まない重さ表記などなんの意味もない」
というものがあります。
なので、重さはどちらも込み込みのいわゆる「装備重量」です。

両者のカタログデータを比較して見ると、XF10は要するにGR2よりも幅は少し狭いけど、背が高くて分厚く、そして重いということになります。
最新モデルだからもう少し軽量化を測れなかったのかな、なんてシロウトの私は思っちゃうんですが、まあなんというか、いまだにGR2の基本デザインは大したものだということですかね。

XF10:112.5×64.4×41.0(mm)/278.9g
GR2:117×62.8×34.7(mm)/251g(バッテリ、SDカード含む)

評価:文句なくGR2の勝ち

連写機能

比較はどちらもJPEGのみの場合です。
というか、個人的にはめったに連写機能は使わないので割とどうでもいい機能なのですが、それでもブラケティング撮影やイザという時の為にも、速度は速ければ速い方がいいに決まっています。
ここでは連射速度のみを比較していますが、基本設計の古いGR2と比べると、流石に最新のXF10はそもそも連写機能が豊富です。

XF10:13コマ
GR2:4コマ

評価:XF10の圧勝

USB充電対応

これについては評価は保留です。
というのも、XF10の仕様表には明記されておらず、FUJIFILMのUSB充電器の対応機種にもXF10の名称がありません。
たぶん更新が行われていないだけでXF10がUSB充電出来ないはずはないと思いますが、現時点では不明なので評価は見送ります

ただ、USB充電が可能であった場合はジャックの形が汎用とは言えないGR2が自動的に負けとなります。

XF10:?
GR2:◎

ハンドリング性

私の座右の銘には
「レンズキャップが必要なコンパクトカメラはクソカメラ」
というものがあります。
だってレンズキャップっていちいちめんどくさいじゃないですか。

これでいくと、レンズバリア方式ではないXF10は「クソカメラ」ということになるのですが、この座右の銘には続きがあって、
「ただし、フードで回避できるものは除く」
というもの。
要するにフジツボフードなどを装着することによって、ある程度レンズの保護が行える、つまりレンズキャップをいちいち取り付けなくてもバッグにそのまま放り込んでおけるようになるのなら良しとしましょう、という考え方です。

XF10の公式サイトをチェックしたところ、現時点ではアクセサリのページにはロクな物がありません。
というか、ほとんどSDカードばっかりです。
「アホか」と思いました(個人の感想です)。

仕様にはフィルター径○○mmなどという記載もありません。
X70などではちょっとした裏技でフジツボフードを装着できていたので、同じ仕様だといいのですが……。

XF10:レンズキャップ方式
GR2:レンズバリア方式

評価:保留

デジタルテレコン

私の座右の銘に

「デジタルテレコンが使いにくいカメラはクソカメラ」

というものがあります。
これでいくとXF10もGR2も基本的には合格です。
いわゆるデジタルテレコンを使うのにいろいろと制約があるメーカーがまだまだ多い中で、特にFUJIFILMはオリンパスと同じ画素補間方式を採用している点が評価できます。
単焦点レンズのカメラだからこそこの機能は重要、ズームレンズ搭載であっても便利なことは間違いないので、ガンガン使わせて欲しいところです。

XF10:35mm/50mm(画素数は補完されるので28mm相当と同等)
GR2:35mm/47mm(ただし、単純なクロップなので画素数は低下)

評価:倍率はほぼ同じ。画素補間のXF10の勝ち。

カスタマイズ性能

これ、たぶん比較するのもおこがましいんじゃないでしょうかね。

評価:GR2の圧勝

操作性

○AFターゲット操作

一度使うとやめられないと評判の? 最近のFUJIFILMのカメラで採用されているジョイスティック方式のAFレバーを搭載しているXF10の圧勝と言っていいでしょう。
GR2も単独で使っている分には大した不満はないのですが、比較してしまうとねえ。

XF10:ジョイスティック
GR2:方向キー

評価:XF10の勝ち

○タッチパネル

これはもう、タッチパネルに対応しているXF10と未対応のGR2との間には超えられない壁があります。
言うまでもなくXF10の勝ちです。

XF10:○
GR2:×

評価:XF10の不戦勝

○パラメータ操作(コマンドダイヤル)

ダイヤルの数が多ければいいという問題ではないでしょうが、パラメータを直接いじれる装置が多いのはやっぱり正義です。
で、この2台の比較ですが、ダイヤル数ではXF10が2つ。対するGR2は1つ。
でもGR2はダイヤルの代わりに独立したレバーを2つも設けてパラメーターいじりを楽にしてくれています。
何が何でもダイヤルで、という考え方に楔を打ち込む……というといいすぎかもしれませんが、こういうアプローともありだな、と思いませんか?

XF10:前後2つ
GR2:全面に1つ+背面上下レバー/背面左右レバー

評価:何をいじるかにもよりますが、GR2の方が操作性がいいと思います

○MF操作

MF操作をレバーとかでやるのって、なんというか間隔とズレるんですよね。フィルムカメラ時代のレガシーを引きずっている、つまり考え方が古い、あるいは保守的なだけなのかもしれませんが。
それでも敢えていいましょう。
レンズ周りを回す方がしっくりくる、と。

XF10:レンズリングにて可
GR2:レバー操作にて可

評価:XF10。もっとも実際に使いやすいのかどうかは実物による

バッテリの保ち

これについては一応比較はしますが、たぶん大した問題にはならないと思います。
カタログスペック上は同等なのでよけいにそう思います。
バッテリの持ちはカタログスペックより実際の使用感の方が問題なので使ってみないとわからないというのが正直な感想です。

XF10:330枚
GR2:320枚

◎まとめ

カタログスペックから読み取るXF10は、最新のカメラとしてはちょっと「引きが弱い」とのではないかと考えます。
いや、はっきりいいましょう。
XF10はX70の劣化版であると。
意地の悪い言い方をするなら「安易なつくり」という気がします。
最大の理由はイメージセンサです。
X100Fに搭載しているX-Trans CMOS IIIセンサではなく、XF10は普通の正方CMOSセンサ。

多くのカメラ好きがFUJIFILMのカメラ、というか個性として認めているのは独自のX-Trans CMOS IIIセンサを使っている点にあると思います。
人によっては「いやいやフィルムシミュレーションでしょ」と言う人もいるでしょう。
もちろんそれも一つの意見です。
ですが、FUJIFILMがいろいろと御託を並べようが、要するにあんなの(フィルムシミュレーション)は画像処理の話です。ハードウェアの魅力とはまったく別の話なのです。

もちろんデジカメ時代に入ってハードとソフトの組み合わせを無視してハードウェアだけ、ソフトウェアだけを語るのはナンセンスです。
でも、そのFUJIFILM自身が敢えてハードウェアに個性をもたせて「これこそがFUJIFILMの個性である」と言っているのですから「センサじゃなくて画像処理含めたトータルでFUJIFILMですよ」と言われても私のようなひねくれ者にとっては営業用のダブルスタンダードにしか聞こえません。政治家の二枚舌と同列です。

X70の後継機という視点でみると液晶が固定式なのもコストダウンを感じます。
もっともGR2の対抗機ということであれば堅牢感といかタフ感を出すために液晶はあえて固定式であってもいいのかもしれませんが、X70ユーザーだった私としては一抹の寂しさを感じます。

なので「個人的には」XF10というこのカメラは、小手先でいっちょ上がりとして出した感を覚えてしまうのです。
「いっちょ上がり」感というか。

デザインもこう言っちゃなんですが「無個性」に思えます(個人の感想です)。


もう少し言い方を変えるなら、なんというか「全力投球」で作ったカメラには思えないのです。
なんというか、X70はそれなりに存在感がありました。X100系と比較してランク云々ではなく、コンパクトカメラの一つの方向性としてのX70という確立したモデルだったと思います。
しかしXF10は同じ単焦点レンズフィクスドコンパクトカメラのX100Fと比べると明らかにワンランク下というか、自ら進んで序列を作り上げちゃったというか、そんな「残念感」を覚えて仕方ありません。
敢えて書いちゃいますが、XF10って、センサだけ2400万画素の新しいのを使っているけど、あとはレンズを始めとしてX70の余った部品を使ってできるだけコストのかからないボディに入れ込んだ「やる気のないカメラ」に思えるのです。
そう。「作り込み」という点では浅いカメラな気がしてなりません。

そういう意味ではGR2は「全力投球」感あふれるカメラだと思います。
もちろんGRから見たGR2は「マイナーチェンジかよ!」と言われても仕方のない内容でしたが、少なくともGRからあからさまに劣化させた部分はなかったはずです。

GR2の場合、ファームウェアのアップデートを連綿と続けながらユーザーと向き合う姿勢にもリスペクトできます。
果たしてFUJIFILMはこのXF10に対し、カーストの上位に位置するX100Fに対するのと同じアフターフォローをしてくれるのでしょうか?

そんなの今からあーだこーだいっても仕方のないことなのでしょうが、それでもこうあからさまにX100Fとの差を突きつけられると発売前の段階でがっかりしてしまうんですよ。
なので志(こころざし)的にはXF10に見るものはまったくなし。つまりGR2の圧勝です。

願わくは、実物はがっかりさせないカメラ、具体的には手にした私を興奮させてくれるカメラであってほしいものです。