趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

☆4年目にして2台目のロードレーサー選び プロローグ

自転車
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いよいよサイクリングシーズン到来です

いや、皆さん的にはとっくにシーズンインされていることでしょう。
あるいは「年中乗ってるわ。シーズンとかないわ」とかいう人もいらっしゃるでしょう。
とりあえず我が家の場合は花粉症シーズンが終わらないと外では乗れないのですよ。
というわけで、毎年GWがシーズンイン、みたいな感じです。

◎きっかけ

多分、今年の初日、いつものコースを走った際に足が攣ったのがそもそものきっかけかもしれません。
その後毎朝走っているわけですが、その「しんどそうな」私の様子を見て「もっと楽なバイクに買い替えたら?」と同居人が言ってくれたのです。
サイクリングは機材スポーツです。
しかし、私レベルだとある機材以前の問題でして「何に乗っても一緒」ではないかと自覚しております。
もちろん同じロードレーサーというジャンルであれば、ですが。
「私レベル」というのは、「そもそも貧脚すぎる」というお話でございます。
私ごときが上りが遅いのを機材のせいにするなど「ちゃんちゃらおかしいわ」というお話なのですが、せっかくそう言ってくれているわけですから、そう思っていても口には出さない私です。
機材(バイク)を買えても上りが楽になるわけはないのはわかっていますが、新しいバイクがほしくないと言えばウソになります。
いえむしろ嬉しい、いや、極めて魅力的な提案なのですから。
「あまりにしんどそう」に登る私を見かねて少しでも楽になれば、と考えてくれるその気持には心から感謝し、「天使がここに居る」などと本気で思ってしまう私ですが、ここは真実は告げず、素直に提案に従うことをチョイスいたしました。

というわけで時期FX、すなわち新しいバイクを選ぶという、楽しいイベントが勃発したのです。

◎バイクじゃなくてまずは店ありき

今回の大前提はこれです。
実は同居人が「そろそろ新しいバイクを」といった背景には私があまりにしんどそうに坂を登るのを見て、という理由の他に、もう一つ大きな背景があるのです。
それは、ずっとメンテナンスでお世話になっているショップの事です。
それは同居人が新車を買った店なのですが、その流れで私のバイクも同じように面倒を見てもらっているのです。
あまつさえ、BRONPTON(ミニベロ)のメンテナンスもしてもらっているんですよね。スポーツバイクの店なのに。
私の今のバイクは全く別のショップで購入したものです。そしてそれはそのショップで扱っていないブランドなのです。
なのにいつも嫌な顔ひとつせずに相談にのってくれるし、メンテナンスもきっちりやってくれているんですよね。
なんというか、購入した店とは大違い……って言っちゃうとアレですけど、購入店に持っていく気がなくなるんですよ。
それくらい違う。
なので「買い換えるときはその店で」というのはもう既定の路線なのです。

そして今年、シーズン前のメンテナンスに持っていって、二人してバイクの整備をしてもらったんですが、けっこう細かい調整などもしてもらったのに「お代は特にけっこうですから」なんですよ。
同居人の場合はまだOKです。購入店ですからね。
でも私のは違います。
そんな感じでもう3年近くお世話になっているので「さすがにそろそろ正式なお客にならないと」的な機運が盛り上がってきた、という感じです。

つまり買う店が先にあって、どのバイクにするのかはその次の話という感じなのです。

◎選ぶのはTREKのロードレーサー

というわけで、具体的に言うとそのショップはTREKのコンセプトショップです。
つまり売ってるのはTREKだけ。
すみません、ORBEAで。
すみません、BROMPTONで。

そんなわけで私の「どのバイクを買うか」は「TREKのどのモデルを買うか」という意味になります。
それ以外のメーカーは今回まったく選択肢に入っておりませんので、あしからずご了承下さい。

◎軽さのエモンダか、快適性のドマーネか

TREKには多くのモデルがラインナップされていますが、私が選ぶとすると、タイトルの二者からの選択になります。
シンプルな構成で「これぞロードレーサー」といっても過言ではない? EMONDA(EMONDA)か。
はたまたTREKならではのギミック満載で、安定性と快適性に定評のある、ドマーネ(DOMANE)。

個人的には「ISOスピード」と呼ばれる他社ではおよそ考えられないであろうマジか? 的振動吸収ギミックを搭載したドマーネに興味深々です。
ISOスピードというギミックだけでなく、ドマーネはその重心の低さも他社の同クラスモデルと比較しても異様に低く、安定感が抜群であろうことが数値からも伺えます。
もともとはパヴェ(石畳)のレースでアドバンテージを得る為に生み出されたモデルなのですが、その快適さからレースモデルというよりは、コンフォートモデルとして認知されているモデルです。
乗り心地がよく安定性が抜群とか、ロングライドではこれほどありがたい相棒はありません。

そんな事もあって、実は以前から漠然と「次はドマーネにしよう」と思っていました。
自分のスタイルに合っているのは断然ドマーネだと確信していましたから。

一方のエモンダはいわゆるギミックは一切なし。
ドマーネと比べるとなんにもなさすぎといっても過言ではなく、実にシンプルな構成のロードレーサーです。
売りはTREKのラインナップではもっとも「軽い」ことです。
トップモデルは他の大手メーカーのバイクと比較しても最軽量クラスで、すなわち「ヒルクライムレース用」として一目置かれているモデルなのではないでしょうか。
その証拠に、日本でも有名なヒルクライムレースに参加しているトップライダーがけっこうエモンダに乗っているのです。
かと言って「ヒルクライム専用」というわけではなく、オールラウンダー的な位置づけでもあり、事実「ツール・ド・フランス」のようなグランツールを見ていても、山岳ステージではないのにエアロバイクのマドンではなく、あえてエモンダをチョイスしているメンバーが居たりします。

そもそもTREKのロードレーサーというのは他社のそれと比べても「乗り心地が柔らかい」というのが定評だったりしますので、ドマーネだから楽でエモンダは硬くて長距離はしんどい、などということはないそうです。

ショップのスタッフや店長などからもそういう情報を得ているうちに「だったらドマーネよりエモンダのほうがいいんじゃないかな」という考えに変わってきつつあります。

ドマーネ=ロングライド向き、という図式はかわりません。
エモンダでもロングライドは何の問題もない。これもまた真実。
でも両者を比べたら、ドマーネのほうが楽なのも事実。
だったらドマーネでしょ? というのが今までの私の考え方だったのですが、実はそれには大きな誤解というか、思い違いがあったのです。

というのも……。
「ロングライドなんて、年に数回しかしない」
という事実。
我が家はホノルル・センチュリーライドの160kmが最長で、そもそも100kmを超えるライドとか年に何回もやりません。
つまり「ロングライド向きである必要はない」という考え方は大いにあり、ということなのです。

◎むしろ色で選ぼうかな

迷っている旨を含めてショップの店長さんに相談してみました。
売る方としては「あんたは絶対こっち」的なことは言いにくいのは承知の上で、「どちらかを決めかねているので相談に乗って欲しい」という無茶振りを。
「あんたが進めたから買ったけど全然ダメじゃん」とか言いませんから。^^;

とはいえ私の貧脚ぶりをご存じないでしょうから的確なアドバイス、というのはムリでしょうね。
多分店長が思っている3倍は貧脚ですからね、私。
なにしろ上りだと、ジョギングしているおばさんグループに抜かれるくらいの速度しか出ないですから。
それでも普通の坂なら足はつかずに登り切るくらいの根性? はあるわけですが。
まあ、それだけ遅いなら当たり前だと言われそうですが。

そんな私ですから、結局エモンダとドマーネ、それぞれの特徴と、グレードによる違いなどのぶっちゃけた説明をしてもらうことになりました。

◎予算

ロードレーサーを買うというのは、

「バイク売って下さい」
「わかりました」

という簡単な会話で終わるものではありません。

「バナナ売って下さい」
「あいよ」

というのとはわけが違います。
バナナの場合は大概そこのある一山を買うわけで、何も言わなければそれで取引が成立します。
「2山」とか「半分」とかオプションがある場合にのみ、説明が必要になるのでしょう。
ロードバイクの場合はそうは行きません。

「バイク売って下さい」
「あんたにはこれだな」

みたいなのが一番楽でしょうけど(実際「決めてもらう」つもりでショップを訪れる初心者もけっこういるそうですが)、実際問題はなかなか難しい。
そもそも予算ってものがあります。
で、今回の予算ですが……これが明確になってないのです。
というのも「まずはどんなのがどれくらいするのか」を知る必要があるってもんですよね。
「予算は10万で」なんて思ってても「なにそれ?」という話になるじゃないですか。
値段のリサーチも重要なポイントなのです。

未定とはいえ、ざっくりした予算は無きにしもあらず。
それは基準になるものがあるから。
すなわち、今の愛車より1ランク上くらいかな、というもの。
今の愛車は税込みで28万円くらい。
なので今回は30~40万円くらいまで、というイメージでしょうか。

◎SLとSLR

ドマーネにもエモンダにも、それぞれいろんなお値段のモデルがラインナップされています。
最近のTREKはそのへんのグレード名が整理されていて、カーボンモデルの場合はフレームの違いでSLとSLRとに別れています。
SLが普及モデルで、SLRがトップモデルです。
以前は3グレードくらいあったのですが、今はシンプルに2グレード。
そしてSLやSLRにそれぞれリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルがあって、あとはセットアップされているパーツのグレードによって数字が付与されていて、数字の大きいほうが高級パーツモデルということです。
つまりSL5というモデルはSL6とフレームは同じだけど、パーツが1クラス下、という感じです。
そして説明を効くとSLとSLRは見た目こそ同じですが、どうやら別モデルであることもわかってきました。
もともと使っているカーボンのグレードが違う、ということは予備知識としては知っていました。
SLRはSLより軽いカーボンで作られている=高いという理解です。
でも、説明を聞いているとそういうマテリアルの違いという単純なものではなく、もはやそれって別モデルじゃん、といっても過言じゃないほど違うものだということがわかってきました。
もちろん見た目が同じなので方向性自体は同じです。

違いを車に例えると、同じモデルで、方やFF、方や4WDといった違いに近いではないでしょうか。
自転車は駆動方式に違いはないので、むしろ片方は「1.5リットル3気筒自然吸気エンジン」で、もう片方は「3リットルV6ターボ」みたいな明らかなエンジンの違いがあると言ったほうがいいかもしれません。
いや、いっそ同じデザインで「ガソリンエンジン」と「電気自動車」くらいの違いがあるのかもしれません。

ま、ちょっと大げさですがSLとSLRはグレードの差とい単純な言葉だけでは表せない違いがあるということです。
それを知っただけでも相談した甲斐があったというものです。
で、予算はどうなの? という話です。
それは要するに「SLにするのかSLRにするのか」というチョイスを迫られているという話にほかなりません。
で、実はここが悩みどころでして……理由はもちろんSLとSLRの値段差は小さくないのです。
そりゃそうですよね。小さかったらみんなSLR買いますよね。

それから、SLとSLRの関係ですが、
SLR=最新
SL=旧式のリニュアル
という感じらしいのです。
店長ははっきりと祖おっしゃっているわけではありません。これはあくまでも私の解釈です。
TREKはまず上のモデル(SLR)でフルモデルチェンジを行い、下のモデルはフルモデルチェンジっぽいけど、中身は実はマイナーチェンジ、みたいな感じが多い模様。
ちなみにエモンダはSLとSLRでフレームデザインが全く別ものです。

これがギミックのないエモンダであればさほど違いを感じないかもしれませんが、ドマーネのようなギミックが売り? のモデルの場合はよく考えて、理解してから選ばないと後で「え、そうなの?」とがっかりする可能性があります。
ドマーネはSLRとSLでは見た目は基本的に同じで、フルモデルチェンジしたように見えます。
が、そのギミック自体が、SLは旧世代のキャリーオーバーで、SLRは新生代のもの。
つまりほぼというかデザインが似てるだけの別物といっていい関係です。
ええ。これもSLRを買っておけばいいって話ですけどね。

◎リムブレーキか、ディスクブレーキか

グレードの他にも今時のロードレーサー選びにはけっこう悩ましい選択項目はあって、それはブレーキ方式の違いです。
タイトルの通り従来のようなリムブレーキモデルにするか、ようやくその波がロードにも押し寄せているディスクブレーキモデルにするか。

これも「次に買うならディスクブレーキ」と漠然と決めておりました。
理由は「雨の日に制動力の低下がない(少ない)」「疲れて握力が低下しても楽に扱える」などなど、安全性を考えると絶対ディスクブレーキでしょう、という理由からです。

しかし、そんな私も最近は考えがちょっと変わってきました。
ディスクブレーキが持つ上述のメリットは理解しつつも、「自分の遣い方では必須とはいえない」からです。
そもそも雨が振りそうな日は走りませんし、普段は大した距離を走ってません。
途中で雨に出会ったら雨宿りするし、雨中走行だとわかっているならスピードは極端に落としますからね。
疲労だって160kmとかロングライドの後半くらいの話になるでしょうし、実は今まで終盤で握力不足を感じたことはありません。そもそも速度出さないですし、出ないですから普通にリムブレーキで全く問題はなかったという経験があるからです。

そう考えると、ディスクブレーキモデルのデメリットの方に目が行きます。
そう、現時点では、まだリムブレーキに比べるとディスクブレーキ仕様になるとバイクは重いんです。
単純にブレーキ系パーツ一式が比較すると重い、ということもありますが、ディスクブレーキに対応するにはフレーム、特にフロントフォーク周りの剛性を高めないといけない関係でそもそもディスクブレーキモデルはフレーム自体が重くなっているからです。

そんなわけでその手のギミックで重くなるなら、現状のリムブレーキで問題ないなら軽いほうがいいんじゃないか、という派に転向しつつあったのですよ。

更にいえば、個人的な事情でリムブレーキのほうが何かと都合がいいのです。
特に輪行バッグ。
今使っているシーコンのエアロコンフォートという輪行バッグは、リムブレーキ用なのです。
これがディスクブレーキになるとクイックレリーズではなくなり、スルーアクスルというホイール固定方式に変わります。つまりディスクブレーキを選ぶとシーコンの輪行袋を最新モデルに買い換えないといけない。現状ではただでさえディスクブレーキモデルのほうが高価なのに、さらに追加コストが発生してしまう、というわけですね。

◎とりあえず、まとめ

最初に結論を書きますと「保留」です。
今回は店長のアドバイスもあり、この初夏に発表される(予定の)「新モデルを見てから決める」をチョイスしました。

・順番的に、今年はドマーネがフルモデルチェンジする(かもしれない)。
→下位グレードのSLが現行のSLRのギミックを継承する可能性がある(フルモデルチェンジ)
→上位グレードのSLRからディスクブレーキモデルはなくなり、さらなる新基軸ギミックが搭載される可能性がある(フルモデルチェンジ)

・エモンダには大きめのマイナーチェンジの可能性がある。
→上位グレードのSLRはディスクブレーキのみになるかも。あとフロントフォークが変わるかも(現行エモンダのディスクブレーキモデルはワイヤーが外付け→内蔵式に)

・TREKは今後、ディスクブレーキモデルを中心にラインナップする予定。リムブレーキモデルは新規開発せずマイナーチェンジ版に残す感じ? →廃盤へ
・TREKってなんか色が地味だよね →新型になると変わる可能性がある。
・現時点ではSLRは予算オーバーっぽい →新型が発表されると在庫が割引になる(かもしれない)。

などなど、どうなるか一切わからないものの、選択肢が増えるのは間違いないわけで、情報が出揃うまで待って損はないだろうということに相成りました。
例年6月下旬から7月上旬までにはショップに情報が入ってくるそうな。ツール・ド・フランス前、ということですね。
しばらくはそれを楽しみにしながら、4年間お世話になってきた今の愛車をせいぜい可愛がってやろう思います。