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★【FUJIFILM X100Fと愉快なライバル達】vs. Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark2

カメラ

実の所、私のメインスナップカメラがこのPanasonic LUMIX DMC-GX7 Mark2(長いので、以下GX7Ⅱ)と、Panasonic LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH.(超長いので、以下DG1517)の組み合わせです

というか、この組み合わせは私にとってのいわゆる「不動の四番」です。
まあ、ホームラン製造機というよりは安打製造機。四番というより三番って呼ぶ方がふさわしいのかもしれませんが、鉄板的に頼れる相棒なので四番の方がいいかな、と。
そこはホレ、野球に興味がない(すなわち知識が無い)人間のタワゴト的な感じでひとつ温かい目でみてやって下さい。

というわけで、135判換算の画角がX100Fの35mmに対してGX7Ⅱ/DG1517は30mmで微妙に違いますが、換算といってもアスペクト比が異なるので実質的におんなじくらいかな? などと思っております。

さて、こちらも結論から書きましょう。
画質を楽しむならもんくなくX100F。DG1517自体は素直でとてもいいレンズですが、物理的なセンサーの違いによる懐の深さはAPS-CのX100Fにあると思います。
もっとも意地悪い目で比較しなければGX7Ⅱの画質でまったく文句は在りません。
ただし、引き出しの多さでGX7Ⅱの方が「遊べるカメラ」なのは間違いない所。
なんというか「遊び」のベクトルが両者では違いすぎる感じで、これまた同じ土俵で比較するようなものではないのでしょう。
つまりX100Fはあくまでもスティルカメラとして色あいなどの違いを楽しむカメラ。
対してGX7Ⅱはムービーカメラとしての側面を持っているので、その機能を使ったまさにデジタルな特性を楽しむカメラという感じでしょうか。

では各論を。
一応フォーマットはLEICA Qのものに準拠することにします。

・ファインダー(EVF)

差についての表現に苦慮しますが、敢えて書くと、EVF同士で両者を比較するならX100Fの方が「カネがかかっている」見え味です。
もちろんGX7ⅡにOVFはありませんのでファインダーについてはX100Fの勝ちということで間違いないでしょう。

・背面ディスプレイ

こちらもX100Fの方が「カネかかっている」感じです。EVFもそうですがGX7の方はザラつきが感じられます。
ただし、GX7ⅡにはX100Fにはない「チルト液晶」があります。
なのでウムを言わさずその機能でGX7Ⅱの大勝利です。

・AFの操作性

GX7Ⅱも十字ボタンでダイレクト移動ができるとは言え、フォーカスレバーという飛び道具を有しているX100Fの敵ではありません。

・AEのロジック

いわゆるモードダイヤル方式のGX7Ⅱと独立ダイヤル方式のX100F。EVFを覗いたままで2つあるコマンドダイヤルを操作してパラメータを変えたりプログラムシフトをしたりという「自然」な操作感を持つのがGX7Ⅱ。ここは圧倒的にGX7Ⅱの勝ちでしょう。
ただしPanasonicはけっこうクラシカルな操作にも興味を持っているようで、いくつかのレンズではレンズの絞りリングを操作してアイリスを変える事が可能です。DG1517も絞りリングを持っているレンズです。ただしこちらの絞りオート用のAの位置は常識的な開放値の隣。最小絞りの隣にあるX100Fとは違ってこちらも使いやすいレイアウトです。

・AF/MF切替

ボディ側の使いにくいレバー方式のX100Fに対し、DG1517を装着したGX7Ⅱの場合はレンズ側に切替レバーがついてますので操作性の差は大きいです。GX7Ⅱ/DG1517の勝ち

・露出補正

コマンドダイヤル方式のGX7ⅡにX100Fが対等に渡り合うためにはCポジションが必要。というかCポジションにすれば同等の操作性になるので、ここは引き分け。

・撮影倍率と近接撮影

DG1517のカタログデータは「最短撮影距離:20cm。倍率0.2倍(135判換算)」というもの。コンパクトカメラのX100F方式だと「最短撮影距離:約15cm(レンズ中央部から)」という感じ。なので接写力はX100Fの圧勝。
もっとも近接開放域のレンズの収差の少なさではDG1517の敵にはなりえませんが。

・デジタルテレコン

レンズにあるリングを回すと50mm、70mmと画角が変わっていくX100F。元の35mmに戻そうとすると反対側に回さないといけないという煩わしさがほんと、ホビロン。
一方ボタン割当が可能で押すだけでポンポンと画角を変えることができるGX7Ⅱ。戻したいならさらにボタンを押せばいいだけ。操作性の優位は明らか。

因みにGX7Ⅱ、デジタルテレコン系の機能が実はは2つあります。
 1)EXテレコン
 2)デジタルズーム
ですが、細かい説明は省きますがEXテレコンはいろいろ制限が多くてめんどくさいんです。一方のデジタルズームにおける制限はRAW保存ができないというだけ。もちろんデジタルズームなので画質についてはお察しあれ、という事ですが、私は面倒が嫌いなのでファンクションボタンにEXテレコンじゃなくてデジタルズームを割り当ててます。なお「ズーム」という名称を使っていますが、実際は画角が2倍か4倍かを選ぶテレコン機能です。
つまりDG1517をデジタルズームで使うと、60mm、120mmという画角から選ぶ事になります。

まあ、どちらも面倒ごとが嫌いでないならフル画角の画像から切り取ればいいでしょう。

・AF

速い、快適、0.05秒の爆速AF、などと煽り文が目に付くX100Fです。実際にX100ファミリーとしては最速、最快適(?)、最爆速(?)であろうと思われます。
ですがカタログデータの燃費と同様で実際に使って見た体感的な速さこそ正儀。
で、どう考えてもGX7Ⅱの方が速くて快適でオマケに近接域ではあからさまに正確です。
また、X100Fが業務を放棄しようとするような暗所でもGX7ⅡとDG1517のペアはビシバシとピントを合わせてくれますので、これはもはや子供と大人の喧嘩レベルです。
実用上さほど問題にはありませんが、FUJIFILMさんにはさらなる高みを目指していただきたく。

・起動時間

これは両者特に問題無しです。
項目からは少し外れてしまいますが、両者には起動スイッチの違いがあり、スタンダードと呼べるX100Fはシャッターボタン同軸レバー方式。一方でGX7Ⅱはシャッター同軸ではなく、別のところに電源スイッチのレバーがあります(右手親指で操作できる位置)。
個人的な好みで恐縮ですが、シャッターボタン同軸スイッチが大嫌いな私は起動時にほっとするのはGX7Ⅱです。同様に「シャッター同軸の電源レバーなんて死んでも使わねえよ」というOLYMPUSの電源スイッチにたいするポリシーにもリスペクトをしております。

・書き込み時間

1Shotずつの撮影に関して、メディアへの書き込みに関してまたされるという感じは両者ございません。なので個人的にはこのご時世、もはやこの項目自体が意味のないものじゃないかとか考えております。

・手振れ補正機能

Qと同じで、手振れ補正がボディ側に備わってしまっているGX7Ⅱの勝ちです。しかもGX7Ⅱ、先代と打って変わって手振れ補正能力は地味に強力です。個人的な感覚ではOLYMPUSのE-M10mk2より効く感じです。

・画質

1クラス違うと思います。X100Fの勝ち。
ただし、比較しなければGX7Ⅱの画質に私は不満んどありません。上を見れば切りが無いと言うお話ですね。

・メニュー

FUJIFILM的には新メニューになったX100Fの方が整理されていてわかりやすいと思います。GX7Ⅱはどうでもいい(失敬!)機能が多すぎて全てを理解するにはマニュアルと首っ引きになって格闘する必要あり。で、理解して使いこなそうとするとメニューのどこにどれがあってどのようなパラメータが一体どういう風になるのか? などと混乱しそうです。
それからX100Fはデータのファイル名の先頭をカスタマイズ出来ます。これは同じメーカーで複数のカメラを使っていたりする場合、どのカメラで撮ったのかをファイル名で認識するのに非常に便利な機能で、フィルム時代から真面目にカメラを作り続けているメーカーの中級以上の機種にはだいたい備わっている機能ですが、Panasonicにはありません。この点SONYやPanasonicという家電系カメラメーカーがなぜずっと対応してくれないのか不思議でなりません。ずっと要望は出し続けているのですが……。
PanasonicやSONYのデジカメ部門ってミノルタの分家的な部分があるでしょうになんでわかっていただけないのか不思議でございます。

・スマートフォンアプリ

どっちもイマイチですが、富士の方がマシかな、というレベル。
主に接続の安定性で。まあ、どっちも不安定なので二度と使わないレベル。
なのでそういう意味では同等でしょうか。

・デザイン

高級そうに見えるのは圧倒的にX100Fです。
GX7ⅡはどちらかというとGRⅡ系の「ギア」的なデザインですね。色気がありません。
でも、その色気のないツルペタなGX7Ⅱの体型、私は好きですよ。化粧っけがないスッピンで勝負している感じですね、ハイ。
あと、DG1517をつけた場合、ここでもレンズ部分のデザインに関してはX100Fは完全敗北。
どうしようもありませんね。

・総合評価(画角は無視)

GX7Ⅱ/DG1517の426+115=541gに対しX100Fは469g(どちらもメディア・バッテリ込み)
軽さでも収まりの良さ(厚み)でもレンズ一体型のX100Fの優位は動かず。
ただ、使っていて感じるのはGX7Ⅱの密度感の高さによる「堅牢感」。いや、むしろX100Fが華奢に思えてきます。実際に強く握り込んでもきしんだり安っぽくたわんだりする事はいっさいないので単なるイメージなのですが、なんというかスカスカ感がちょっと気になるX100Fといったところ。GX7Ⅱは先代と違ってプラボディになってしまいましたが、それでも凝縮されたいい意味での「重み」があってなんとなく頼れる相棒という感じがするのです。
それだけに「オシャレさん」的ファッションアイテムとしての性能は有していませんが。
まあ、イケメンで仕事も出来て色気もあるデザイナーのX100Fに対し、どちらかというと野暮ったい風貌でそうは見えないけど実は有能な探偵助手という感じ?

p.s.値段

実売だとGX7Ⅱ/DG1517の方がちょっと安いくらいか、とんとん?