趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★RICOH GRⅡについてちょっと語ってみる

カメラ

GRについては色々書いた記憶があるんですが、GRⅡについてはちゃんと感想を書いていない事に気付いたので、ダラダラとまとまらないまでも、感想なんかを書き連ねてみようかと。(初出:2016/02/16)

まあ、今朝初っぱなにGRⅡを巡る事件? があったから思い立ったんですけどね。

さて、まずは質問。
「君は今から世界一周の冒険に出かける。ついては一台だけ好きなオートバイを選んでいいよ」

そう言われたらどうします?
私は迷わずホンダのスーパーカブを選びます。

そして
「ついでに、好きなカメラを一台だけもって行っていいよ」

そう言われたら何を選びますか?

こちらも私は迷いません。OLYMPUSのSTYLUS Tough TG-4を選びます。

え?
GRⅡの話は?
そう、残念ながらスーパーカブで行く世界一周の旅のお供としてはGRⅡはちょっと力不足。主にToughさと防水性で。
まあ、それは仕方ないところでしょう。GRⅡは万能カメラというよりはかなり尖ったカメラなのだから。

でもね。
「カメラは二台まで」

そう言われたら、二台目はたぶんGRⅡを選ぶと思います。
GR Digital時代であれば、二台目にも選ばなかったと思いますが、GRになってからは二台目の地位を得た気がします。
言ってみれば私にとってGRⅡってそんなカメラなんです。

GRⅡって、不思議なカメラだと思うんですよ。
理由を一言で言い表すのはムリなのですが、なんというか
「好きだけど、人には勧められないカメラ」とでもいいますか。
いや、別に勧められないってわけじゃないんですよ? 手放しでは勧められないという意味なんです。

例えばこんな感じ。
「そのカメラ、いつも持ってますけど、いいですか?」
なんて訊ねられるわけですよ。時々。というか今朝訊ねられたわけですよ。
で、私は応えるわけですよ。
「ええ、まあ」
そう言う聞き方をしてくる人って、カメラに興味があるんですよね。でも詳しくない。でも興味はある。安くていいカメラだったら勢いで買ってもいいかな、なんて思っている感じです。
で、カメラに詳しそうな人がしょっちゅう使っているのを見て「いいカメラなのかな」と考えるわけですね。で、声をかける、と。
でもね、アレですよ。
「いいですか?」
なんて聞かれてもね。
いえ、昔は「いいですよー」なんて応えてましたよ、私も。でも、それはまずいということがわかってきたのでこっちも構えてしまうようになりました。
なので、「ええ、まあ」的な曖昧な回答をしちゃうわけですね。
で、曖昧な応えの後、私からは何も言ってこないので、しびれを切らして? さらに聞いてくるんですよ。
たぶんね、色々説明してくれると思ってるんでしょうね。
するかってーの。(・∀・)
で、もう少し具体的な質問をしてくれるわけですね。

「使いやすいですか?」とか。

私が使いやすくてもお前が使いやすいかどうかなんてわかんねーよ。
そう思いません?
だって、嬉々としてスマートフォンのカメラ機能を使っているような人ですよ?
スマートフォンのカメラ機能が使いやすいとか思っているなら私とはもうまったく文化圏が違いますから価値観のすりあわせのしようもないって感じなんですけど。
なので、

「クセがありますから、好みに合えば使いやすい……かも?」
的ないい加減でこれまた曖昧な答えしかしないわけですよ、私ってば。まあ、意地が悪いですからね。

「画質、いいですか?」とか。

ああ、これは簡単です。
「スマートフォンのカメラよりいいと思います」
でOK。
ウソじゃないですしね。
でも、相手はこう答えられるとイラっとするようですな。
「ンなことわかってんだよ!」みたいな?
いや、だって画質の善し悪しなんて相対的な話でしょ?
なので「あなたが知っているカメラ」であるところのスマートフォンを引き合いに出した私は正しいというか、最良の答えを出したと思うんですけど?
そしてまあ、こう食い下がってくるんですよ。

「スマホとはやっぱりかなり違いますか?」

かなり、か。
うーん。かなり、か?
この辺で私も心が折れてくるわけですよね。
なのでこんな感じの答えになってくるわけです。ええ、面倒くさくなってくるんですね。

「違うと言えばかなり違いますけど、それは画質じゃなくて物理的な描写力の差ですね。何をもって画質というかによっても評価は当然違いますけど、例えば色味とかは最近のスマートフォンの方がいい場合もありますし、このカメラには手振れ補正とかついてませんから、手振れ補正がついてれば、スマートフォンのカメラ方がぶれずに写りますから、ブレてないだけ画質はいいって事になりますね。それからこのカメラはピントが合う範囲が狭いので、全体をビシっと写したいときはスマートフォンの方が簡単ですし、自分撮りなんかはスマートフォンの独断場ですしね。あと、言っておきますけどこのカメラ、ズームとかないので画角は固定。望遠とかできませんよ」
等々、テンション低く語っちゃうわけですよ。

ここで相手は「だったらなんでそんな不便なカメラを使っているんだ?」 なんて思っちゃうんですよ。
だいたい、カメラに詳しくないこういう人って、いいカメラ=高倍率で超望遠もオッケー、みたいな価値観の人が多いんですよ。
なので「単焦点」という概念がわからない。スマートフォンの多くのカメラも単焦点なのに、です。
でもスマートフォンのカメラ、簡単にズームできちゃいますしね。画面に「ズーム」とかいうバーがついてたりしますから、多くのスマートフォンカメラユーザーは自分の(スマートフォンの)カメラはズーム付きだと思い込んでます。
ええ、間違いではありませんが、そう言う人に光学ズームとデジタルズームの違いを説明しても時間の無駄ですからね、経験上。
つまり彼らは単体としてのカメラであれば、スマートフォンで出来るズームの限界をこえた、さらなる望遠域が使えるに違いない、と考えているわけです。思い込みが悪いわけではないので誰も責めらません。カメラに詳しいベテランユーザからして「ミラーレスカメラ」とか「一眼カメラ」とか意味不明な事を言ってますからね。スマートフォンのカメラ機能だって一眼だし、ミラーレスだってーの。低脳め!(´д`)

いや、その辺の話は語り出すと熱くなりそうなので話は元に戻しましょう。

私の話を聞いたその人はこういう感じの感想を言ってきます。
「けっこう不便なもんですね」
いやあ。
私に言わせればスマートフォンのカメラ機能の方がよっぽど不便だと思うんですけどね。でもまあ、そこは文化圏が違うというかお互いに宇宙人みたいなものなので言っても仕方ないんですよね。

「これはまあ、そう言うカメラなんですよ」
そう言って、こう付け加えます。
「なので普通の人にはあまり勧められませんね」
私とすれば、これで突き放したつもりです。そして駄目押しでこの一言を付け加えます。
「カメラを買うなら、これよりもっと便利なのがもっと安くで売ってますから、そっちの方がいいでしょうね」と。
ここで「じゃあどんなのがおすすめですか?」と聞かれると「カメラ屋さんで相談された方がいいですよ。色々見比べたり触ったり出来ますし」と答えるのが最近のパターンです。そこで会話が終わるのでやれやれ終了、という感じですね。

いや、以前は親身になってカメラ選びと相談に乗ってたんですよ?
でもね、相手の要求や予算を聞いて、よかれと思って勧めたカメラを買った人から文句を言われたらね、さすがにもう凹むわけですよ。

「もっと軽いのがよかった」とか。
→選定している時に、軽さのプライオリティとかなかったよね?

「もう少し(オカネを)出したら、もっと望遠が出来るカメラがあったんじゃないですか」とか。
→予算はギリギリで○○円までって事だったよね?

「やっぱりメーカーは一流じゃないと」とか。
→機能と価格のベストバランスカメラなんですけど、NikonかCanonというロゴが欲しかったなら最初に言えよ、というか相談してくんな!(´д`)

「お前に言われて買ったカメラ、すぐ壊れたぞ」とか
→それ、私のせいかよ!

「お前が勧めたから買ったけど中国製じゃないか!」とか
→おいおい!

まあ、そんなこんなでカメラとかPCとかの購入相談はもうコリゴリなんです。
特にPCの相談で、「予算内だとこれは掘り出し物!」っていうノートPCを勧めて買わせたら、それが初期不良でして、その事についてネチネチとすごい文句を言われつづけた事で頭にきて、基本的にその後は相談を断ってるんです。
マジでやってられませんからね。
とかく親切な人が損をする世の中なんですよ、今は。
だから「それ、いいですか?」なんてバイヤーズガイドに繋がりそうな会話には構えてかかる私なのですよ。

因みに今回は今朝の話です。実話。
で、私がイマイチ話に乗り気ではない事を察したその人はなんとなくGRⅡが自分の思っていた理想のカメラではない事は悟ってくれたようなのですが、まあ最後にお約束の質問をしてきました。

「ちなみにそれ、おいくらですか?」
「もうずいぶん前に買ったので正確には覚えてませんけど、10万円くらいだったと思います」

ポイントはここです。
ここでその人「信じられない」という顔をするんですよね。
「10万円? ホントですか?」
「私がウソを言っているとでも?」とは言いませんけどね。
「はあ。今はかなり値下がりしてて、たぶん8万円くらいじゃないですかね(調べたら私の買った初回セットでそれくらい。本体のみだと7万円くらいでした)」
「どこのメーカーですか?」
GRⅡ、表側にはメーカー名書いてませんからね。この手のスナップカメラでこれ見よがしに書いてるのはナル入ってるメーカーです。まあ、ほとんど入ってますけど。

で。
その人に背面液晶の下にある小さなRICOHのロゴを見せると眉間に皺を寄せるわけですよ。
「リコーって、カメラ作ってるんですか?」

要するにそれくらいの認識の人との会話な訳です。
ちょっと頭がおかしい(と、その人が勝手に思っている)私と会話のキャッチボールが成立するわけがないのですよね。不幸な事に私はその事を充分認識しているけど、相手はそういう状況であることを理解出来ていないんですよね。

「ライカとかじゃないのに10万もするんですよね」
クルマに興味がなくてもロールスロイスくらい誰でも知っているのと同じようなイメージで、カメラに詳しくなくてリコーがコピー機だけじゃなくてカメラを作っている事を知らずとも、ライカというブランドは知っているんですよね。でも、ロールスロイスにどんな車種があってそれぞれいくらか知らないその人はライカにどんなカメラがあってどのくらいの値段なのかも当然知りません。

「ああ、ライカにも似たような性格のカメラがありますけど、これの3倍くらい大きくて3倍くらい使いにくいのが3倍の値段で売ってますね。トリプルスリーですね」

結局今朝のその人とはそれで会話が終了したわけですが、最後までじーっとGRⅡを眺めていました。なので、ひょっとしたら私がデタラメを言っているのかどうか、あとでPCで検索とかするのかもしれませんね。いや、してくれた方が説明する手間が省けていいんですけどね。

で、ここまでが前振りです。
その人と会話をしていて、改めて思ったわけですよ。
「このカメラをなんで人に勧められないのかな?」って。
で、○と×です。

さっそく×から。
最初に書いておきますけど、私、GRⅡって大好きなんですよ。
GRについては文句ばっかり書いているので、嫌いなんじゃないかと勘違いしている人が居るようですが、そうじゃないんです。大好きなカメラです。
そうじゃなければ初代のGR Digitalからこっち、新型が出るたびに全て買い替えてませんって。
対して代わり映えしないGRとGRⅡでさえもリプレイスしちゃうくらいですしね。
好きだから、ダメなところを見過ごせないだけなんですよ。
GRって特殊なカメラで、いわゆる「信者」の存在がそれです。
GRだったらなんでも正儀、正しくて素晴らしい。世界一。唯一無二、みたいな?
要するに宗教です。
私はそう言うのが大っ嫌いなのです。
明らかに欠点や欠けている機能を、「それは○○だからいいんだ」っていう人と会話が成り立つわけありません。
宗教ですからね、信者、とくに狂信者と言われる人には理屈は通らないんです。
キリスト教がいい例ですよね。地球は動いてない。天が動いているんだ。地動説を唱えるヤツは異端だ、異教徒だ、悪魔だ、みたいな事を平気で言っちゃってたのに、今でもシレっと世界の価値観の標準みたいな顔してるじゃないですか。
GR教もそう。
入信していない私なんかは「手振れ補正機能付けろやー」って言い続けてますが、信者の意見は違います。
「GRに手振れ補正などいらない。手振れ補正機能がついたGRなどGRではない」
ですから。
理由は
「28mm(相当)の広角に手振れ補正など必要無い」
というもの。
まったく意味がわかりません。いまだに。(´д`)
で、GR Digital Ⅳでようやく手振れ補正機能が付いたわけです。
信者はもちろん「GR DigitalⅣはGRではない」なんて言いません。
当初は「つけて欲しくなかった」なんて言う人もけっこう居たようですが、結局シレっと「最新のGR」はGRであるという事になっているわけですね。
あ、GR Digital Ⅳの手振れ補正機能ですが、私は今でもⅣにそんな機能がついていたとは信じてません。まったく聞かないんですからね。あれはカタログの誤記じゃないかと思っております。

あとはAWB。
「GR使いはAWBなど使わないとか」とか
「GRはプリセットWBで撮るものだ」とか
「GRはデイライト固定でとるものだ」とか
「GRの真髄はモノクロだから関係ない」とか
「RAWで撮るから関係ない」とか
もうね、素直にAWBのおかしさを欠点と認めたがらない。
最強のスナップシューターはその場でイチイチ白紙を用意してWBをセットしてから撮影するんですかね?
最強のスナップシューターはRAWなんですかね?
最強のスナップシューターはモノクロしか使えないんですかね?

トップの写真が後処理(というかWBを整えたもの)後、下の写真がAWB。

それから個人的に大嫌いなのが、あの長円がたのシャッターボタン。
アレこそがGRだそうです。
単にオリジナルのアイコンとして使っているだけじゃないの? バカみたい、というと、
「バカ、あれが押しやすいんだよ。GRはそこがわかっている」
「あれこそGRが他のカメラと決定的に違う使いやすさの理由」
だそうで。
長円型のシャッターボタンが本当に使いやすいのなら、今頃全てのメーカーが採用しているってーの。
そもそもリコーだってGRにしか採用してないじゃん?
この辺ももう、宗教としか思えませんね。
スカイラインのテールランプは四連丸形以外認めない、とかいうスカイライン信者と同じレベル。
アレなんてもともとフェラーリのマネから始まっただけなのにスカイラインGTRのアイコンだなんて言っちゃって鼻白むしかないっすよね。そもそもGTRは四連丸形じゃなかったですし、途中から採用してそれが象徴みたいになっちゃって、自らデザインの自由度をスポイルしたと私は思ってます。
どんどんひどいデザインになっていったと。
でも、クラウンがマネをしたときは「さすがモノマネのトヨタ。なんでもありですなー」とか思うくらいのアイコン化には経緯を表しますが、ゴーン社長がきてからようやく呪いから解放されましたっけ。私は四連丸形時代より今の方がテールデザインはカッコいいと思います。

リコーも社長をゴーンさんにして、GRⅢではシャッターボタンを長円から円にしてくれませんかね。

おっと、また文句ばっかり書いてしまいました。
いいわけですが、ここまで文句を言い続けるっていうのはそれだけGRに思い入れがあるってことなんですよ。
GRにオリンパスレベルの手振れ補正が付いてくれたら、本当に感動モノでしょうに。
GRのAWBが普通になったら、どれだけマックでの後処理の手間が減って楽になることか。

言い換えると手振れ補正機能未登載とアホなAWB以外に、コレという欠点がないということなんですよ、GRⅡ。
細かい要望はありますよ。

・プログラマブルなFnボタンをもっと増やして欲しい、とか(最低後1個、できれば後2つ欲しい)、
・Ⅱの売り物のはずなのに実際は詐欺のような出来のWiFiアプリを平均レベルにアップデートして欲しいとか、
・液晶をタッチパネルにして欲しいとか、
・本体充電機能はいいんだけど、専用USBジャックを汎用にして欲しいとか、
・スイッチをちっぽけな押しボタンじゃなくてレバー式にして欲しいとか、
・暗所AFを現代の平均レベルまで引き揚げて欲しいとか、色々です。

とは言え、GRⅡの良いところは変えて欲しくない、いやさらに良い方向に変えては欲しいわけですけど。

ということで、GRⅡの○の話です。

GRⅡの何がいいって、ユーザー個々に違うこたえがあるかもしれませんが、私は起動・終了がストレス無く行えることを一番に挙げたいと思います。
スイッチオンで即撮影体制に入れるというのがスナップカメラの基本骨格だと思うんです。
その点でGRⅡは充分合格点です。
これがOLYMPUS PENのE-P5なんて撮影可能になるまで待っていると「何してたんだっけ?」みたいな記憶喪失状態になってしまうほど遅いわけで、デザインや性能はいいんだけどE-P5を長く使い続けられない理由になってます。
ということで。

次にレンズです。
撮像素子の小さなGR Digital時代から、GRのレンズは広角レンズでも歪曲収差がない(ないわけはないんですが)事が最大の美点だと思っていました。街中で建築物を撮っても気持ちよく撮れるのがGRレンズだったわけです。
名称がただのGRになり、APS-Cサイズの撮像素子を採用したことによりレンズが大きくなったわけですが、ここでも歪曲収差はかなり抑えられています。明るさとのトレードオフなのですが、下手にF2.0やF1.8なんかにして歪曲収差バリバリなレンズにするよりは100倍いいと思います。まあ、明るくするとレンズがでかくなってそもそもムリ立ったんでしょうけど。

ただ、さすがにGR Digital時代のように「ほぼ気にならない」というレベルには達していませんでした。
これもGR信者が「さすがGR。レンズにこだわっていて当然歪曲なし」なんてブログに書いてたりしますが、「ンなこたあない」と思います。狂信者になってはいけません。
GRのレンズは歪曲をよく押さえてますし、これでも充分だと思いますが、GR Digital時代ほどではないんだよ、という事は理解しておくべきでしょう。
場合によっては歪曲を感じてしまうことがある、ということです。

デジタルテレコン搭載の英断
デジタルカメラならではのズル、それがデジタルテレコンだと思います。
誰が何と言おうとズルなんです。
でも、これはいいズルだと思っています。
光学式以外は頑なに認めようとしないピューリタンの方は自分が使わなければいいだけで、人が使うのをとやかく言って欲しくないんですよね。
「もうちょっと拡大したい」「もうちょっと画角を狭くしたい」なんて時には私は積極的に使ってます。
というか、これがあるとないとでは使い勝手がずいぶん違うと思っています。
特に28mm相当の単焦点レンズ、しかも大して寄れない(とは言えレンズ前10cmまで寄れるので立派なもんなんですが、どうしても100mm相当で1cmまで寄れるTG-4を普段から使っていると、ねぇ?)、となるとこのデジタル拡大機能は重宝するんですよ。主にテーブルフォトとかですけど、「所詮トリミングである」ということは理解しておけば、これほど便利な機能はないと思ってます。フィルムカメラには逆立ちしても出来ない芸当で、デジタルカメラならではの性能なのですから、各メーカー、これを簡単に使えるようにして欲しいところですね。
デジタルテレコンと似て非なる機能にデジタルズームというのがありますが、個人的にはあれ、いりませんね。
デジタルテレコンで充分。足りなくなったからイチイチズームレバーで倍率チョイスとか面倒なんですよ。
普段は光学ズーム。どうしても足りない時のドーピングですから、ダラダラとズームさせるんじゃなくて、スパっと×2とか×1.4とかをボタン一発で選べるようにして欲しいんです。
個人的には×1.4とか中途半端なのはいらないので、×2だけで充分だと思ってます。複数あるとボタン押す回数が増えます、ムダです。
残念ながらGRⅡのデジタルテレコンは35mm相当と47mm相当で×2まで届きませんが、単焦点レンズのGRⅡなので、単純なテレコンというより、35mmのGRⅡと47mmのGRⅡをシミュレーションしている、ということなのでしょう。その考えはもちろん理解出来ますが、私が欲しいのは47mmモードのみ。でもそのモードはないのがちょっと残念です。
※35mmモードか、35mmと47mmモードの併用のみ。つまり47mmを使いたい時は
PCで後処理すればいいだけの話といえばそれまでですが、カメラ内というかとった瞬間に処理が完了している方がいいに決まってますからね。
これはGR Digital時代からの機能でして、デジタルならでは、ということでこの機能を搭載してくれたことには本当に感謝してます。
因みに私はこのデジタルテレコン機能をセルフタイマーボタンに割り振ってます。

最後にサイズの件。
小型軽量な事がまず素晴らしい。
もちろんGRⅡより小型軽量なコンパクトカメラは山ほどありますが、APS-Cという撮像素子を持つカメラでこのコンパクトさのカメラがいったいいくつ駆るのか? となるとGRⅡのメリットがわかるはず。
むしろこのメリットがわからない場合はGRⅡを使う意味はないと思います。それこそレンズ交換式カメラにして、もっと明るくて描写にこだわったレンズを使って撮影する方が幸せじゃないかと。
これまた信者叩きをして恐縮ですが、GRⅡって別に「世界一の28mmレンズを搭載している」わけじゃないと思うんですよ。
「このサイズにあの描写のレンズをまとめている」事がすごいのであって、描写自体は「いいレンズ」レベルだと思います。その辺は冷静に評価したいところです。
そして「絶対付けるぜレンズバリア」的ないい意味でのポリシーを感じる点に拍手を贈りたいですね。
レンズキャップ式というだけで「スナップカメラ」とか思いません。少なくとも私は。だからライカのX2とかクソカメラの範疇でしたっけ。描写は大好きでしたけど、パッと撮りだしてさっととる用途には使えず、いつでもネックストラップで首からぶら下げておかなければならないカメラってことで、加齢臭漂う感じでしたっけ。
いや、X2の悪口はいいんです。
GRⅡはそれだけ軽やかな高画質カメラだって事が言いたいだけなんですから。

スイスアーミーナイフ的なカメラがTG-4だとすると、GRⅡはストーブの上に置いて使う、エスプレッソマシンみたいなカメラかもしれません。いろんな場面で役に立つのは当然アーミーナイフだけど、アーミーナイフでエスプレッソは淹れられないですからね。
荷物がギリギリなら仕方ないけど、余裕があるならエスプレッソマシンを忍ばせておきたいじゃないですか。
GRⅡって、なんかそう言うカメラかな、と思う今日この頃。