趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★X100のいい出物があるんだけど、買わないか? っていうメールが届いてから

カメラ

(初出:2012/08/14)

もしくは「こういうチョイスもアリだよね」 プロローグ

並行しつつ流れるいくつかの時空が奇跡のようなタイミングで組紐のように絡まり合った時、驚くべき結果が生じることがある。
それこそが人生の妙味だ、なんていうつもりは毛頭ない。
だからこれは、たぶんそうとうに馬鹿なお話しなんだと思う。

それは一本のメールから始まった。
要旨はこうだ。
「X100のいい出物があるんだけど、買わないか?」

X100とはもちろん、富士フイルムのコンパクト(でもないけど)カメラのこと。
ものは新品未使用品で、要するにキャンセル品と思ってもらえるとわかりやすいと思う。
それを価格コムの最安店舗に卸しても相当な利益が出るほどの値段で譲ってくれるというのだ。
この場合、「なぜそんな値段で?」というツッコミはなしの方向で。
なんというか、よくわからないけど、ネットワークが発達してくるにつれ、私には時折こういうお得な話が飛び込んでくることがある、と言う程度に軽く流してくれると嬉しい。

まあ、そういうわけでそのメールは私に一つの選択肢を突きつけたわけだ。
X100を買うか、
買わないか。

X100を機嫌良く、もしくは愛している方には申し訳ないけれど、ここで私の先入観を正直に書いておくと、私はX100にはこれっぽっちも興味がない。
敢えて言えばお金を出してまで購入するカメラだとは思っていない程だ。
いや、それは言い過ぎた。
59800になったら、話の種に一回くらい使ってみてもいいかな。程度に思っている。
つまり、その程度の評価しか持たない人間だと言う事だ。
それからもう一つ書いておくと、その安いX100を買って、第三者に売って利ざやを稼ごうという気もない。
まあ、口幅ったい言い方をするなら、私がそう言う事をしない人間だということを知っているから声をかけてくれたという事だと思う。

そんなX100を評価しない私だけれど、とはいえそのメールに「ンなもんいりませんよ」と即答はしなかった。
むしろそれまで全くノーマークだったX100に俄然興味を持ってしまった。
まあ、人間なんてそんなものじゃないかな、と自己弁護気味に言ってみたい。

興味を持った私は、X100のメーカーサイトをチェックして、改めてX100の仕様をじっくりと(いや、私の事だからかなりザル目に)眺めてみた。
何度見てもX100のデザインにはシンパシィが湧いてこないけど、フォームファクタには興味が出てきた。

X100のフォームファクタ。
それは
1)APS-Cサイズの撮像素子に
2)フィクスドレンズ
という組み合わせの事。

もともとX100が発表された時の興味はそのフォームファクタにあったわけで、それを改めて思い出したと言った方がいいかもしれない。

翻って、大きめの撮像獅子を持つコンパクトカメラが素敵だということはSONYの RX100が証明してくれた。
いや、もちろん単純に大きめの撮像素子の固定レンズカメラならなんでもいいのか、というとさに非ずなのはまちがいない。
RX100は固定焦点ではなくてあえてズームレンズをフィクスしたパッケージであの完成度のものを出したわけで、フォームファクタだけで売れているわけではない。
むしろフォームファクタではなくてRX100自体の魅力で売れていると言った方がいいと思う。

でも、やはりそこにある魅力の根底が大型の撮像素子に専用固定レンズの組み合わせにあることは確か。

RX100はいわゆる1インチの撮像素子。
それ以上のサイズを考えるとそこにはCanonのG1Xというコンパクトカメラが浮かび上がってくるわけで。
そうなると
「G1X、いっぺん使ってみようかな」
という流れになるのは至極ナチュラルな事ではないかと思うのだけど、どうだろう?

欲望の視線がそっちに行っているという話はそこでひとまず置いて、そのメールが届いた時の私の環境について言及しておこう。
簡単に言うと……
手持ちのカメラが増えすぎていた。
使わないレンズも結構あって、そろそろ整理・集約するタームだなって考えていたわけで。
要するに使わないカメラやレンズは全部売って、X100のようなカメラを購入する資金が手元にあったと思って欲しい。
つまり、
「何か面白そうなカメラとかレンズはないものか」
と思っていたところに、「X100の出物」の話が飛び込んできた。

とまあ、そういう前振り。

写真は、この物語?がいきついたモノで撮った、わが家のバジル畑(畑?)
機嫌良く育ってます。