趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★LEICA X2 いい加減レビュー

カメラ

(初出:2012/08/16)

「こういうチョイスもアリだよね」 その2,というかエピローグ


正直に言うとG1Xにはとても興味があるけれど、コンパクトというには大きすぎるし、なによりデザインがビジーで、つまりはゴチャゴチャしていて見ているだけでめんどくさくなってしまう。
そもそも「寄れない」という根源的な欠陥(敢えて言う)を補ってあまりある突き抜けた魅力に欠けるカメラだと思う。

まあ、そういうわけで妙なタイミングで何かをムリヤリ買う必要もないなあ、と賢者である私はそんな結論を出した。
結論が出れば善は急げ。
何しろそんな「おいしい話」を引き延ばしては相手に申し訳ない。
私と違ってX100を欲しいと思っている人にその権利を譲るのが人としての道だ。
なので丁重にお断りする旨のメールを出すつもりでrMBP(に接続しているThunderbolt Display)に向かった私は、すぐにメールを出さず、その時出ていたブラウザに誘われるようにいくつかのニュースサイトをチェックしていた。

そこで、まさにその日配信されたばかりの記事に何気なく目をとめた。
その時だ。
私の脊椎に稲妻が走った(ような気がしたりしなかったりした)。
「そうか」
私は思わず声に出していた。
(その手があったか)
という部分は心の中でつぶやいた。

私は逸る気持ちを抑えて、おそらくは提灯記事であろうその商用ニュースサイトのリンク記事に飛んだ。
二〇一二年八月八日に掲載された、それがこの記事

「そうか」
というのは、
「すっかりその存在を忘れていた」という意味。
(その手があったか)
というのは、そのプロダクトの存在を全くしらなかったから出た言葉。

LEICA X2。
そう。
その、予想通りかなり薄っぺらい、そしてある意味どうでも良い内容の記事を読み終わった私はしかし、その記事に掲載されたプロダクトの写真を眺めながら腕組みをしていた。
(この選択肢は「アリ」なんじゃないか?)
その時の私は、記事の内容よりもなによりも、そのプロダクトを選択するという一点について素直にそう思った。

X1が出た時の事は覚えている。
購入する可能性もあったけれど、要するにあのスチールシルバーの色とデザインの組み合わせが私の食指の動きを止めた。
スペックのお粗末さを補うはずのデザインに今ひとつ心が動かされないのであれば、あんな(失礼)カメラを選ぶのは論理派の私にはアリエナイ選択なわけで。
そしてその後2年半程度、私は「その」存在を忘れていた。

そこへX2の記事。
X2という後継機が発売されたことを私は全く知らなかった。
だからX2の写真を見て驚いた。
白っぽいシルバーのX2は、とてもハンサムだった。
ああ、ライカってこういう格好良さが唯一の売りだよね。だからこれ(X2)は、かなりいいなあ……
そう思って記事を読み進むと、そこに衝撃的な画像を発見した。
つまりはその画像が決め手、になったといっても過言ではない、と思う。

その画像は外付けEVFを装着したX2の3枚の画像。
これを見て再び脊髄に衝撃を受けたような気がした私は、この時点でX2の購入をほぼ決めてしまっていた。
ただし、一つだけ条件付きで。

なぜEVFの写真で購入を決めたかって?
だってその外付けEVFを、私は「既に持っている」から。
しかもかなり前から。
そう。
所有者なら一目でわかる。
どう見ても、OLYMPUS PEN E-P2用に発売されたEVFそのものだったから。
つまり、一つある条件は、手持ちのOLYMPUSのEVFがX2と互換性があるかどうかという、その一点。
わざわざ両者を使えなくするような面倒でコストのかかる事をあのLEICAに出来るはずもないとおもいつつ、Webでチェックすると、想像通り「問題無い」という記述を発見。

そういうわけで、

1)APS-Cサイズの撮像素子を持つ
2)フィクスドレンズのコンパクトカメラ

を買ってみたというお話し。

X2とX1は、まるでE-P2とE-P1と同じように造型デザインだけを見ると「1」の方が断然良い。
理由はEVF装着の為にアクセサリシューの出っ張りがその佇まいに影を落としているからだ。
でも、あのEVFが使えるのであれば、2.7インチ/23万画素というイマドキ「書き間違いでしょ?」と思える程ショボい液晶を補えるわけで。
しかも私の場合は追加投資無しでEVFを手に入れられるわけで。
純正を買うと鼻が出そうな値段を払う必要があるけど、手持ちならタダでEVFもゲットできる。
今はE-PM1に付けっぱなしにしているEVFの新たな嫁ぎ先がこれで決定。
PM1はアタマにのっているお荷物を降ろして、ミニマムなμ4/3機として頑張ってもらう事に。
(E-PM1も背面液晶がショボいのでEVFを付けて使っていました)

ちなみに色は黒をチョイス。
個人的にLEICAは黒でしょ、と思い込んでいるから。
もっともX2の場合、あの白っぽいシルバーもけっこういいなと思いつつも、パーツの安っぽさが目立ちそうだし、ここはまあ無難な黒に。

そうそう。
仕様を見るだけでX2の欠点はすぐにわかる。
それは「寄れない」こと。
レンズ先端から30cm。
それが最短撮影距離だそうな。
ぜんぜんダメレベル。
APS-Cだから仕方ない、という言い訳はユーザーなので聞かない。
ユーザーが聞き分けが良いとテクノロジは進歩しない。
しかも残念ながらデジタルテレコンもない。
LEICAにはオリンパスほどの画像処理技術はないだろうから、これはまあしかたがないところかもしれないけど、残念なのは確か。

とはいえX2がX100と違うのは、それら欠点を補ってあまりあるアドバンテージがあるということ。
それはもちろんデザイン。
長円型のフットプリント。
シンプルなボタンやダイアルデザイン。
私が好ましいと思っているLEICAの造型デザインの文法をそれなりにちゃんとコンパクトカメラの中に纏めている一点で、30cmの最短撮影距離という欠陥!を許そうと思えるわけで。

いや、許そうと思ってはいるけど、どこまで我慢できるかは使ってみないとわからないけど。

もちろんX100の造型の方がLEICA X2のそれよりも断然上だと思う人が60億人いても、それはそれでいいと思う。
私がそう思っていない、というだけで。
X100よりGX1のほうが私は何倍もいいデザインだと思うし、つまりはこういう官能部分の話は同じ土俵で議論できないのだから。

というわけで、X2。ボチボチと使っている。

意外にサクサクとれるレスポンスとシンプルでほとんど弄る事のないパラメーターの選択肢の少なさ、さらに言えば動画撮影機能がないという私好みの潔さに、けっこう好感をもっている。

jpegの色は……なんというかこれはちょっと変だと思うんだけど、それは他メーカーでも言える事だし、個性だと思ってスルーするのがオトナ?
まあ、色以外はさすがの大型撮像素子と専用レンズの組み合わせ。
基本的に、ほとんど文句のない描写をしてくれます。
高感度のノイズも私はあまりきにならないのでバンバンISOを上げて取れる。
手振れ補正が電子式という出自の卑しさから使えないと決めつけているので、それも欠点といえば欠点だけど暗所には別のカメラをつ買えば言いやと言い聞かせつつ、どのくらい我慢ができるのか、自分を観察してみようかな、と思わせるカメラかもしれない。
それから値段。
内容だけをみれば、それこそ59800円程度の価値しかないと思う。
だから、価格対効果比という言葉はX2の場合、無視する必要がある。
そもそもそんな価値観でチョイスするカメラではないのも確か。
興味とデザインに対するシンパシィが理性を上回った時に選ばれるカメラなのだから。

あ、そうそう。
レンズキャップ方式というのもいただけない。
でも例の中国製自動開閉キャップがX2用にもちゃんと存在していて、それを使えばそのネガもつぶせる。
ただ、結構気に入っている純正のケースに入れようと思うと自動開閉キャップが使えない。

そこで純正のレンズキャップを見ていると、フト手持ちで似たようなものがあった事を思い出して填めてみると……。

そんなこんなで、μ4/3系パーツとの互換性がけっこうあるというお話し。
(X2純正レンズキャップは無くすと入手がめんどくさいので、入手が容易なLUMIXのものを最初から使う事にした)

とまあ、そういうわけで、X100のお誘いメールがX2に、つまり1/50になってしまったというお話し。

全ての民に重くのしかかるレンズキャップ方式の呪われたカメラ、それがX2。

なので。

アクセサリ取り付け用のアダプタを想定して、レンズの外側がねじ込み式になっているX2は、実はこの「いつもの」自動開閉レンズキャップを取り付けてもあまり分厚くならない事を発見。

なんと、試す前から諦めていた純正の縦型ケースにそのまま入ります。
これは嬉しい誤算。

デザインは例によってこれを付けると台無しになるんだけど、「この利便性の前には造型などもはやマスターベーションに過ぎぬ」と思うが勝ち。(・∀・)

いやでも見てもらうとわかる通り、ねじ込み式なのでヒンジの頂点?がちゃんと揃わないのがなんともはや、というか、もうどうでもいいや、という破れかぶれな気持ちになって潔いかもしれません。