趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★PARC Audio DCU-F121W

オーディオ系

100時間……とはいかないまでも、48時間程エージングした上での感想。(初出:2017/02)

の前に、言い訳というか、能書き。
同じエンクロージャーを使って違うスピーカーユニットを鳴らして優劣を語るというのはある意味非常にアンフェアなジャッジですな。
とはいいつつもアンフェア上等。
だってこのエンクロージャーに合うユニット探してるんだもん! みたいな見地からのレビューです。

因みにエンクロージャーは小型のバックロードホーン。
基本的にFOSTEXの10cm用。具体的にはFE103Enを基準に設計されたものです。
小型とはいってもバックロードホーンとしては小型、という意味で、コイツはデスクトップに置いて聴くようなサイズではないんですけどね(というか、よほど袖が広いデスクじゃないとそもそも作業ができないんじゃね?)。
最初に買ったFOSTEXの10cmバックロードホーン用エンクロージャー「かんすぴ」シリーズP1000-BHより2回りほど大きいです。サイズはざっと40cm(高さ)×20cm(幅)×30cm(奥行き)です。
(P1000-BHは、それぞれざっと 34cm×14cm×22cmです)
ネットで物色しているうちに見つけた木工職人さんモノです。素材はMDFの15mm厚。仕上げはさすがプロ。いくら時間を掛けても私では到底ムリというレベルです。もちろん無塗装の地肌そのままです。

届いたエンクロージャーにP1000-BHから取り外したそれなりにエージングが進んだFE103Enを付けて聴いてみると、これが望外にいい。
「これは!」ってんで、今度は新品のFE108EΣを取り付けて見ると……!
「うっひょー!」レベル。エージングしてない新品のユニットなのに!

実は個人的にはエンクロージャーも最初に買ったFOSTEXのかんすぴシリーズ、P1000-BHでオッケーだったんです。
でも、もう少し低域が欲しいかな~なんて欲が出て、同じFOSTEXの上位機種、FE108EΣに載せ替えてみようと考えて購入したものの……。
P1000-BHにはFE108EΣは物理的に取り付けが出来ませんでした。
理由は2つあって、まず穴にマグネット部分(後ろ側)入らない。
同じ10cmユニットなのに、実は後ろ側、つまりマグネット部分の直径がみんな違うんです。
「まあ、入るだろう」なんていい加減に考えていた私のなんていい加減な事。
まあ、穴は広げたらいいかな? なんて思ったのですが、よく見てみると、穴に入っても、今度はエンクロージャーの奥行きが足りないんです。FE108EΣの場合、後ろ側、つまりマグネット部分ががかなり出っ張ってます。よく見るとFE103Enでもギリなので、2cmくらい長いΣでは物理的にムリ。
そこで私は考えました。
「コイツに合うバッフル板作って、それをスピーカーに貼り付ければいいんじゃね? だったら穴を広げる必要も無いし」
そしてさっそく簡単な設計図を作り、ネットの木工屋さんにバッフル板の注文をしようとしたのですが……。
「いやいやいや。そんな事するより、FE108EΣが入るエンクロージャーを作ろう」ということに。
で、色々物色し、色々(エンクロージャーを)発注してしまった、と。
これはその中で一番早く手元に届いたモノです。在庫があったんですね。あとのは全部注文制作でもっと時間がかかりますので、それらが届くまではコイツと遊ぶ感じです。

という感じで、このエンクロージャーの鳴りっぷりにすっかり気をよくした私は、サイズも手頃だし、コイツをいきなり暫定メインスピーカーに登用することにしました。
FOSTEX FE108EΣでオッケーだとは思いつつも、私にもっと別の音を聴かせてくれるスピーカーユニットがあるんじゃないか? なんて妄想しつつ、この(気に入った)エンクロージャーを使って好みの10cmフルレンジスピーカーをチョイスしようって感じでの聴き比べです。

さて、本題の感想です。
が。
その前にちょっとだけこのPARC Audio DCU-F121Wというユニットの解説を。
まず、PARC Audioというメーカーですが歴とした日本のメーカーです。
とは言いつつも大きなメーカーではなく、いわゆるガレージメーカー的なスタンスなのかな、と思います。
もともとビクターの人で、その後SONYに移籍、その間ずっと音響畑にいた人が起こした会社です。
個人の思いや正義がさっぱり製品に反映されず、ただ「売れる製品」を追求する大企業の歯車という立場にに見切りを付け、普通のメーカーではできないスピーカーを作りたい、という熱意から産み出されたスピーカーを設計・販売するファブレス・メーカーです。

工場は(他のメーカーもそうですが)中国なので、ブツはメイドインチャイナですが、仕上げを見ると、その値段が信じられないほどの造りで、実物を見た時、私はちょっと目頭が熱くなりました。某有名お大尽超高額スピーカーに付いているユニットでも、よく見るとベゼルがプラなんてことはアタリマエにあるんですが、これはフレームがずっしりした合金です。ライバル? のFOSTEXなんかでも同じ価格帯のはせいぜい鉄板プレス品ですから、「いい物感」が段違いです。
そしてこのスピーカーはそのコーン部分のマテリアルが個性的です。
ご覧のとおり、ウッド、つまり木なんです。
コーンの素材は色々ありますが、主流は紙です。
もちろん単なる紙じゃなくて各メーカー色々と紙に細工をしてスピーカーの音を追求しているわけですが、取りあえずこのスピーカーは木です、木。
そういうわけで、私も見た目のインパクトで買いました。
目には目を。木には木を、です。木のエンクロージャーですから木のコーン(キノコーんではない)っていいよねっていうノリです。

とはいえ、はっきり言ってこのユニットの音については全く期待していませんでした。
詳しいことは省きますが、スペックを見るとバックロードホーン向きの設計ではないと思ったからです。
とはいえ、それはあくまでもスペック上の話。私は現物主義なので、他の誰もがダメだと言っても私が気に入ればそれでいいわけですから。

そうはいいつつもあまり期待はせずに試してみると……。
まさに「期待しない」という期待通り!
ダメっすね。(・∀・)
高音も解像度がイマイチで、低音もあんまり出ない。
FE108EΣなんてとてもとても。ベーシックなFE103Enにさえ全く届きません。
FE108EΣが10点満点だとすると、3点くらいかな(FE103Enは7点)。
ということで、残念ながらコイツはオミットです。
ルックスはいいので、コイツの本来のステージ? であるところのバスレフ式エンクロージャーを用意してあげるか考え中です。


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