趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★JBL Paragonを買ったお話

オーディオ系

知る人ぞ知るJBL D44000(以下Paragon)。(初出:2015/04/10)

オーディオファンなら当然皆さんご存じでしょうが、そっちに堕ちていない人、つまり普通の方々ではまああまり知られていないんじゃないでしょうか。
ただし、造形というかインテリアの一部としてそっち側で小物的に使われることもありますので「見たことがある」レベルだともう少し「既知」の輪が広がるのではないかと思います。
少なくともParagonの100倍は売れたであろうけど、ただの黒い直方体であったYAMAHAのNS-10Mシリーズよりも一般の人の認知度は高いのではないでしょうかね(日本人視線での話)。

例えるなら、そうですねぇ……Paragonはモンティベルディ ハイ。NS-10Mはプジョーの504という感じでしょうか。
クルマ好きを標榜するなら誰もが知っている(よね?)希有な名車、モンティベルディのハイ。欲しかったなあ……。
Paragonを例えるのにフェラーリのデイトナとかランボルギーニのミウラとかを考えるのもいいのでしょうが、それらはホラ、クルマ好きじゃなくても結構一般の人が知っていて、要するにかなりの有名人であって、ポジショニングはParagonのそれでも認知度という点ではありすぎます。
Paragonは知っている人は知ってるけど、知らない人は何それ? みたいな落差のあるプロダクトだと思うんです。
なので結構なクルマ好きでないと知らないモンティベルディ ハイなんかが値段も含めてピッタリじゃないかと思うわけですよ。
というか、私が大好きなだけですが。
ええ、ヨーロッパの貴族向けの車ですから極東の島国の一般庶民には実物なんて買えないのでミニカー買って愛でてましたっけ。

因みにParagon、日本で最初に売り出した時の価格は168万円だったそうです。
現時点でも168万円のスピーカーなんて普通の人は買いません。つまり現時点でも普通のオツムの人には「アリエナイくらい高い」価格ですが、発売は1965年ってんですから、おおざっぱに言うと10倍のお値段ですね。
現代だと1680万円です。

何が言いたいかというと、JBLのParagonって超お高いスピーカーナンスよ、というコトです。
以前ピュアオーディオの水際あたりで溺れていた事のある私は、幸運な事に複数のParagonの音(年代によりユニットとかニス? とか色々違うらしく音も違う)を生で聞いた事があります。もちろん自宅に所有なんてことはありません。
一度は聞いておきたいParagon、的なノリで聞きたかっただけなのです。

JBLのParagonといえば「いい音」が出るに違いない。
それはもう、自分のシステムなんかとは次元の違ううっとりしたサウンドの世界にみちびいてくれるんだろうなあ、と思って楽しみにしてイザ実際に聞いてみた感想はというと……。
「正直にいって全然たいしたことありませんでした」
です。
音の広がりはないし、当然ながら高音のクリアさはビミョウだし、定位重視のそれなりのシステム、というレベルで、とてもとても現時点での1680万円を払う価値のあるスピーカーとは思いませんでした。
こう書くとたぶんオーディオマニアの方からはお叱りを受けるのではないかと思うのですが、例え80億人がParagonの音サイコーって言っても私は「いやいや。全然たいしたことないッス。今の我が家の安物セットの方が断然いいッス」と答えると思います。
ええ、きっと私は耳が悪いのでしょう。
それでかまいません。
と言うかですね、実はあまり知られていませんが、Paragonの設計は別に音の良さを追求したも井野ではないのです。むしろ音とは全く関係のない造形で、「遊びで作ったら(当時としては)結構いい音がなったので売り出した」みたいなノリのモノなのです。
しかもそのノリっていうのが設計者が友人達と酒を酌み交わし、下ネタで大いに盛り上がった際に仲間から「エロいスピーカーをつくってみろよ」みたいなノリでそそのかされて図面を引いたというのが真相です。
私なんてその話を知っているので実の所、Paragonと言われると、あの特徴的な断面図しかアタマに浮かばないんですよね。なんというかもう、現代ではもはやセクハラですよね、あの設計図(断面図)。
で、女性を侍らせつつParagonを前に、ニヤニヤしてエロい気分になる、というのが本来のParagonの使い方なんです。
オーディオマニアが「良い音だ~」なんて言っているのを天国の設計者は舌を出しながら笑っている事でしょうねえ。
※(嘘だと思うならネットでParagonの図面を検索してみて下さい。ただしこっそりと)

なので私にとってParagonとは「大した音じゃないけど、デザイン最高!」なスピーカーである、という事なんです。
欲しいか? と言われれば「欲しい」と答えます。
で、いくら払えるか? と問われれば
「死ぬほど頑張って50万円くらい?」と見栄を張ります(実は払えるのはせいぜい30万円くらいかな、と思っている)。
まあ、デザイン最高だけど、大金払ってまでチェストを買う余裕はない、という所でしょう。
とは言え、Paragonという名前を聞くと心は弾みます。「そっち側」に居た人間として。
で、車に置き換えると
「いつかはポルシェ」
「いつかはフェラーリ」
「いつかはマクラーレン」
「いつかはケーニッグゼグ」
みたいな存在かというと、実の所上記4つの車に関しては
「いつかはParagonを手に入れたい」
よりもモチベーション的には低いです。
というか、まあ実用車に近いポルシェは別にして、フェラーリとかランボルギーニとか、あの手の工芸品の世界と融合しているような車は所有したいと思わないんですよね、私。
だって維持出来ませんから。庶民ですしね。
買おうと思えば買えますが、それを何年も維持するとか不可能です。そもそも青空駐車場しかありませんから保管用駐車場を用意して~なんて話になりますもんね。
なので外から「かっこいいー」と眺める位が一番楽しい車という感じでしょうか。
その点でいうと「いつかはParagon」の方がよほど現実的なんです。
なので、モチベーションはParagonの方が上、ということになります。
もっとも見栄で50万までって言っている時点で本気度は低いわけですが。
だいたい中古でも程度がいいと最低でも500万くらいしますもんね。300万円台とかの安いのはポンコツでしょうし、手を出さない方が賢明だと思います。
っていうか手は出せませんが。

だがしかし。
さあ、ここからがようやく本題です。
レプリカなら、ミニチュアなら、手が出るかもしれませんよ、というお話なのです。
そして私が手を出したのがこれ。

Paragonのレプリカはいくつもありますが、本家JBLが販売しているお墨付き? 製品は殆どないんじゃないかと思います。
しかもなぜか? 日本製。
というか、Paragon信者なんてほとんど日本人なので、日本(三条市あたりかな?)製でPremiere感をあおり、ホンモノの発売当初の価格である168万円にちなんで168台限定でシリアルナンバー付き、というホレホレ感で発売されたミニチュア。
私と言えば「そ、そんな事言っても私はぜ、絶対に釣られないんだからね!」と顔を背けながらも体はポチっと……。

そう言うわけで先日無事に納品された1/13スケールのParagonです。

スピーカーとしての性能はありません。
ただの穴のあいた置物でして、ご覧のようにスマートフォンなどの外部スピーカーの音を拡大するだけの、いわばハンドメガホンのようなシロモノでございます。
本体はホワイトメタル。要するに錫です(スズ合金でしょうけど)。
これで念願のParagonが我が家に。(・∀・)
というお話でした。

音?
いや、ただのハンドメガホン的なものなので音を語るようなシロモノじゃありませんよ。
そもそもモノラルですし。

でも、本体が重くてホワイトメタル製で密閉性が高いのが幸いしてか思っていた以上に良い音だったりするんだな、これが。(・∀・)
少なくともスマートフォン単体で聞く音とは段違いです。
ということいで「おすすめか?」と問われたら「手放しでおすすめしたい」とお答えしておきましょう。
あ、iPodに10万円クラスのアンプ噛ませて5万円クラスのヘッドフォン(イアフォン)使って音楽聴いている人はヘッドフォンより安いからと言って手を出さない方がいいと思われます。
「絵が上手い」といっても保育園のお絵かきレベルでの優劣なので。

と、珍しくオーディオネタ? でございました。