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★鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星(視聴感想)

アニメ・マンガ

(初出:2012/02/26)

ブルーレイを見ました。

ロードショウはスルーして、ブルーレイが出るのを待ってから、自宅でじっくり見ようと思って、忙しさにかまけて視聴し忘れていたもの。

私は「鋼の錬金術師」は原作のマンガの大ファンです。
「合わせ月の夜」のプロットを完成させていなかったら、無意識のうちに影響されちゃってたかもしれないくらい、ストーリーと設定に感服しながら読んでいました。
女性作家らしからぬ、というと語弊がありますが、線の太いダイナミックな絵と、それに似合った骨太なストーリー展開に、女性らしい? フトした表紙に垣間見える細やかな描写に感動しつつ、つい先日の最終回を迎えたわけです。


鋼の錬金術師はご存じの人が多いと思いますが、アニメーションが二種類存在します。
私が「鋼の錬金術師(以下、ハガレン)」を知ったのは、何を隠そうその第一期のアニメがとっくに終わった後だったので、原作が面白かったので、アニメもぜひ、ということでDVDを全巻購入して一気に視聴しました。
ご存じの通り、この一期のアニメは原作とはまったく違うストーリーです。
まったく違うというと語弊がありますが、同じなのは前半のエピソードだけで、中盤から後半にかかると、そもそも登場人物の名前すら違うようになって、「まったく違うハガレン」として終了しました。
いや、正確には最終回が劇場版アニメだったというおまけ付きですが、そっちも勿論見ました。

私は原作とアニメは違う作品だと思っていますので、ストーリーがまったく貝って言った事については違和感を覚えつつも、それはそれで認めているわけですが、いかんせん、第一期の監督によるオリジナルストーリーははっきり言って「イマイチ」でした。
特にラストは個人的には評価出来ません。
ハガレンじゃなければ途中から見てないと思います。

で、その後一昨年だったと思いますが、第二期が制作されました。
最近のアニメーションとしては珍しい4クール、つまり一年以上続いたアニメで、こちらは原作をなぞったもの。
アニメーションと原作の最終回がだいたい同じ時期だったような気がします。
私はコミックスが出てから講読する読者なので最終回が載った雑誌が売り切れて、読者からの苦情が殺到、翌週にもう一度最終回を載せる、という異例の手段がニュースになった時にはびっくりしました。
漫画史上でも珍しいんじゃないでしょうかね。よく知りませんが。

で、二期のアニメはストーリーは原作通りなので動く原作として楽しめるはずだったんですが……。
こっちは演出が稚拙すぎて、ただなんとなく原作をなぞっているだけ、という出来映えで、満足度60%くらいでした。
盛り上げ方は一期の監督が断然上手でしたので、一期の監督の演出で、原作通りのストーリーを作ると良かったんじゃないかなあ、などと上から目線で思ってしまいます。

二期は、なんというか中途半端に声優を変えてしまったのも個人的にがっかりした部分です。
「ロイ・マスタング大佐」
大佐ラブな私は、一期の声優さん(誰か知りませんが)がドンピシャだったと思うんです。
どうせ変えるなら全員声優は総取っ替えにしてほしかったなあ、と。
これも個人的な好みですが、ボクロミさんのエドはクドくてウルサくて嫌いでしたので二期ができると聞いて、変えて欲しいなあ、なんて期待してたんですがね……。

で、このブルーレイは独立した外伝……というか、オリジナルストーリーです。
実は劇場公開前に佐官に流れていたPVを見て、イマイチだろうな、という先入観があった事を白状しておきます。
背景が美麗なのに、キャラの作画がイマイチなのです。崩れてるシーンもあったり。(PVなのに!)

で、ようやく感想です。
ネタバレ嫌いな人はお読みになりませぬよう。

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うーーーーーーーーん。
です。
ボクロミさん、エドの声をもう出せなくなってるんでしょうかね?
最初は「誰、このチビ?」みたいな違和感がありました。
それから、作画。
背景は本当に美麗です。
でも、それで力を使い果たしたのかどうかしりませんが、キャラがちょっとひどい。劇場版でしょ? 劇場版の方がTV版より簡易な書き込みってどうよ?
という感じでした。

キャラクターデザインは、テレビ版よりも原作に近い感じで、それは個人的に好感が持てました。
ただ、ヒロインがまったく違うアニメからコラボで参加した、みたいな感じで、これはどうなのか、と。
強いて言えば、「侵略!イカ娘」に「ガンダムAGE」のキャラがコラボで入っている、みたいな?

ストーリー自体は大筋で楽しめました。
とはいえアクションの連続でじっくりとストーリーを追うというものではありません。とはいえ短い時間の中で完全なオリジナルストーリーを起承転結させるのは難しいのでしょうから、これはこれで充分○だと思いました。
ただ……
これはなんというかハガレンではないような気がします。
錬金術というハガレンの世界観は、それなりに「ルール」があって制限事項等をトンチでどうするかなんていうのが楽しい部分なのですが、この「ミロスの聖なる星」はただのエスパー同士のバトルです。
それが延々続く感じなので、単調さは否めないところです。
(まあ、原作も最後の方はそんな感じですが)

で、一番言いたい文句は

「大佐が全然活躍してない!!!!」

たぶん、エドより大佐の方がファンが多いはず!
アムロよりシャアの方が人気があるのと一緒で!
星飛雄馬より花形満の方が断然人気があるのと一緒で!
スペクトルマンよりゴリの方が断然……って、どんどん古くなってるし。(。・ω・。)

大佐の声は相変わらずイマイチ好みじゃなかったし、ウェンリーは「誰、ソレ?」みたいな面変わりだったし、細かい事を色々言いたくなるけど、ハガレンファンなら見れば? という感じです。
純粋に一本のアニメーション作品としては、凡庸な出来映えと言わざるを得ません。
最近の流行なのかどうかわかりませんが、最後の方のバトルシーンのアニメ技法は、個人的には大嫌いです。

なので!