趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★氷菓(視聴感想)

(初出:2012/05/23)

「氷菓」

珍しく現行アニメの中間感想など。

昨日、第五話を見ました。
これで一応一つの大きなエピソードに区切りが付いた感じです。
タイトルの「氷菓」エピソードという感じ。

で、特にその第五話を見ていて「すごいアニメだな」と思ったわけです。

理由その1 オープニングとエンディングがない
理由その2 登場人物が極端に少ない
理由その3 動きや場面転換があまりなく、ほとんど会話だけ

・オープニングとエンディングがない
もちろんOPとEDのテロップはオーバーレイされて流れますが、歌がないんです。
当然というか、氷菓にもOP・EDとも普通に存在しています。
でも、放映率が少ないわけです。
よくあるパターンとしては、
第一話はOPがなくて、EDにOP曲を持ってきたりする(もしくはEDは流す)
最終回にはOPがない場合が多い。
物語の山場の回にもOPがなかったりする
山場に「続く」の話にはEDがなかったりする
んですが、氷菓は第五話なのにこのOPやEDが抜けすぎのような気がするんです。
特に第五話は両方なくてびっくりです。
もちろんエピソードの完結篇という山場の回だったので最終回っぽい作りになっていたので有りだと思うのですが、OPとEDを流したくないのかな? なんて穿った見方をしたりして。

ちなみに氷菓のOPは楽曲はともかく^^; エフェクトなどの出来が良く、アニメーションのクオリティも高くて秀逸なものです。OPだけの純粋な比較なら、今期でダントツです。(個人の見解です)
ちなみに楽曲は並の上という感じ。歌手がもう少し上手だったらよかったかな、と言うレベルです。(なお、OPの出来映えの良さに敬意を表して初回限定版を予約購入しました)

EDは……
なんというか、EDはあざといファンサービスという感じで個人的には評価できません。
アニメーションのクオリティ自体は高いので、萌え系ちょいエロ入ってます、というシーンを楽しむ分にはいいのかもしれませんが、まあ、要するにサービスカットです。
楽曲は声優ファン向けのもので、評価に値しない出来映えです。
敬意を表したかったのですが、こちらは購入を控えさせていただきました。

・登場人物が極端に少ない
基本敵に「古典部」の四人だけです。
もちろん完全にそれだけでは話は進まないので他の人も出てきますが、毎回一人出れば良い方です。
これも探偵もの、しかもコナンの様にほとんどアクションバトルもののようなものとは違い、純粋に資料と会話で解答を紡ぎ出す様式なので、登場人物が四人でも多いのかもしれません。
というか、実質二人でOKだろうと思われます。
でもそれじゃあ、人気は出ないでしょうし、キャラのバリエーションを作って、そこに恋愛感情や人間関係などの風味をまぶす事で視聴者を飽きさせない工夫がある、という事なのでしょう。

・動きや場面転換があまりなく、ほとんど会話だけ
これも探偵というか推理ものなので、そうならざるを得ないのでしょうね。
京アニはよくアニメーションとして作り上げたと思います。
私のような凡人は「無理だよこんなの。ジャニーズのタレント使ったら、ファンか見てくれるんじゃない?」と考えたに違いありません。

ということで、相当に地味なアニメですが、既に述べたようにアニメーションとしてのクオリティが高く、良質なドラマとして楽しめます。
普通の役者が演じる実写よりはよほどリアリティがあるように思えるのがすごいです。
微妙に萌え系のキャラなのですが、そうじゃないと思えばそうじゃないとも思ってもいいかな、と妥協できる絶妙な「萌え程度」を抑えている感じです。
人物だけでなく背景が美しいのもこのアニメーションの特色です。(ロケ地は飛騨高山付近っぽいです。よく行っていた場所なので、知っているところもあります)

見所はストーリーが第一ですが、殺人事件などという物騒で派手なものではなく、日常に潜むミステリーですから、要するに地味です。
その地味なストーリーの中で、視聴者(特にお年頃の男性)を飽きさせないように「これでもか」というくらいに女の子の魅力的な仕草をプッシュしているところに頭が下がります。
第五話ではヒロインがみんなの昼食用におにぎりをこさえるシーンがあったのですが、その際、邪魔になる普段はストレートロングの髪を無造作にポニーテールに纏めているショットがあって、そのシーンが特に私の印象に残っています。
カメラは後方からポニーテールに纏めたヒロインの、つまり普段は髪で隠れているのに、その時だけ露わになったうなじをチラッと写すわけです。そのシーンが「清潔なお色気」に溢れていて「上手い」と思ってしまいました。ほんの一秒くらいなのですが、第五話の白眉と言える部分です。
こういうのも、もう実写では無理な表現手法なのでしょうね。
ハリウッド映画ではそもそも望むべくもない日本的な様式美じゃないかと思いました。ええ、日本でももう忘れ去られている気がしますが……。

というわけで「氷菓」の謎解きが終了して、次のストーリーに入る、というところで中間評価をしたくなってしまうほど、ヒロインのうなじのシーンにクラっときた、というお話しでした。

なお第五話で氷菓の謎が明らかになるのですが、謎解きとしてはやや不満が。
だって、最初に誰もが思う事をムリヤリ最後に持ってきたわけで。
我が家でもフーフ揃って最初のところで「○○探して直接聞いたらえーんちゃうの?」とツッコミを入れていたくらいなので、ちょっと強引すぎるな、とは思いました。
氷菓の意味も途中でわかっちゃいましたし、どんでん返し的なものはなかったのが残念。

という事で、氷菓は改めてオススメだというお話しでした。