趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★beats BT OV STUDIO WIRELESS 1st. Impression

オーディオ系

総合的に考えるとSONYが賢者の選択です。(初出:2014/09/03)

というか、私は賢者ではない。
聞き比べて一番気に入ったから、と言うしかないわけですが。
正直に白状すると、beatsってAppleが買収したっていうニュースが流れた時に初めて認識したようなブランドだったわけですよ。モンスターケーブル傘下の時代から知ってはいましたが、それはまあイギリスのATOMっていうクルマを知っているか? と言われてどう言うクルマかをイメージできる程度の認知だったわけです(いやまあ、ATOMは環境が許せば欲しいクルマですが)。
そういうわけで聞く前には先入観が確立したブランドだったのも確かです。ATOMに載ったことがない状況でATOMのドライビングを妄想しているようなものですね。
その印象とは「難聴のガキ用hip-hop専用ヘッドホン」です。
いやあ、我ながらひどい先入観ですね。でもそんな自分が嫌いじゃないです、ハイ。
閑話休題。

売り場で色々見たのですが、今回は単純な無線ではなくて、Bluetooth接続に絞りました。
TVのアンプを通すの専用であればヤマハとかATとかそっちのでもいいのですが、BTにした方が「ツブシ」がきくというか、PCやMacやスマートフォンやタブレット、Vitaのようなゲーム機にも繫がるわけで、汎用性重視ってことで。
そもそもビデオもPC経由で見られますから。
で、単純にアンプから聴く時は多少不便だけどケーブルさせるヤツならOKだな、と。
ま、それも面倒くさくなったらBT飛ばせるアンプをバイパスさせてもいいかな、と考えたわけです。

で、色々聞いていく中で最終的には当初目星を付けていたSONYのMDR-1RBTMK2とこのbeats Studio Wireless(の新型)で迷った、と。
BOSEもちょっと考えたんですが、なんかゆるゆるで下向いたら落っこちちゃうほどの装着感のルーズさ(個体差かも)と、そもそも聴いてみるとBOSEらしくない音質で個性がない。まるでパイオニアの安いヘッドホンみたいでした。だったらJBLの方がいいんじゃ? とか。
あと、BOSEはiPhoneを色々隠したりすると音飛びが簡単に発生してました。

結局、SONYかbeatsかで最後まで迷いました。相当迷いました。
総合的に考えるとSONYが賢者の選択です。
でも、音質は完全にbeatsが私の好み。
「好みの音だったら迷わなくていいんじゃね?」とお思いかもしれませんが、そこはホレ、フツーのサラリーマンですから値段の問題が立ちはだかるわけですよ。
具体的に言うとbeatsはSONYより1万円以上高いんです。
そもそも「休日の午前中リビング用ヘッドホンなので、そんなに高いものは買わない」と思っていたわけで、SONYのMDR-1RBTMK2ですら予算オーバーで「実際に聴いて脱帽したら清水の舞台から飛び降りるつもり」で買うかも、という、言わば上限だったんです。
それが……安っぽいプラ丸出しで、チープなガキっぽいデザインのこのトイザラスで売っている幼児向けなーんちゃってヘッドホンのオモチャみたいなbeatsのコレに4万円?????
とか考えてしまうわけです。

そうなるとSONYの良いところを色々抽出してSONYにする事を納得させようとする賢者の私とヘッドホンは音の好みで選ぶべきだろ? コレまで使っていたオーディオテクニカのDJヘッドホンだった十数年つかったんだから、日割りにしたらたいした金額さなんてないだろ? 算数も出来ないのか、このチキン! と煽る物欲悪魔とのせめぎ合いです。
SONYが勝っているのは、
・ノイズキャンセリング能力
・信頼性
・デザイン(まあ、これは好みですな)
・質感
・イイモノ感(質感とはちょっと違うんだなー)
・株主優待割引有り
・高音、中音、低音など、音のバランスの良さ(特に大編成管弦楽ではSONYの分解能がいい)
・音場の広さ
という感じ。
一方beatsの良さは
・低音重視ながらも高音・中音の解像度が相当高い
という一点のみ。
ならばここはSONYを選んで、ソース側のイコライザで好みの音にすれば良い、と考えるのがシロートの赤坂見附(死語?)。
イコライザなどまやかしです。偉い人にはワカランのです。
私はイコライザブーストが大嫌いです。少なくともアンプ搭載のイコライザとか、iTunesのイコライザとかは全然ダメです。あれ、フラット以外で音域ブーストとかすると他の部分が引きずられて歪む感じがして脳がそれを高速で保管しているのかどうかわかりませんが、聞き疲れしちゃうんですよね。
もちろんiOS用の高音質アプリなどではその辺もちゃんとできるヤツがあるのでしょうが、家でわざわざiOSの音楽を聴きませんから。
アウトドア用にはちゃんとインイヤーのヘッドホンを持ってます。

SONYのアドバンテージであるノイズキャンセリングですが、これはなんというか私の場合は全然必要の無いモノなんですよね。むしろ音質的にはない方がいい。
今回は「リビング用」ですから。ノイズキャンセル必要ないんスよ。
まあ、真夏の蟬シャワーとかはキャンセルして欲しいかも知れませんが。

で、個人的にリファレンスにしている曲で聞き比べると、やっぱりbeatsの方が曲にのめり込めるし、乗れるんです。
私が基準にしている女性ヴォーカルの息継ぎの生っぽさもSONYよりエロい、というか吐く息の湿気まで感じるような「気がする」わけで。

という感じで延々悩んだ挙げ句「SONYを買ったら多分beatsが気になって仕方なくなるだろうな」と思い至り、ムリしてbeatsに決めました。
昨日今日と聞き込みましたが、充分満足いくシロモノでございました。
まあ、見た目は980円ですけどね。

にしても、コードのないヘッドホンって素晴らしいッスね。