(初出:2010/10/24)
さて、LX5の話です。
前作のLX3は、確か2年前?
私はLX3とそのライカヴァージョンを買って、デザインの問題でライカの方を残したけど、結局そっちえもズーム倍率が低かったのと、レンズキャップ脱着の手間ヒマとストレスに耐えられなくなり手放しました。
そのLX3の後継にあたるLX5も伝統と歴史に則って、正しく? ライカヴァージョンも出ているようです。
が、そのライカヴァージョンを見ても、今回はピクリとも食指が動きませんでした。
まあ、要するに
「どうせすぐイヤになるに決まってる」
そう言い聞かせたわけです。
私も大人になったものです。
というか、ED気味?
それはさておき、LX5は例によってレンズキャップ方式です。
頑なですな、Panasonic。
ま、f値稼いだカメラ、というコンセプトのせいでレンズ(というか、ガラス部分)でっかいし、キャップ式にしないといけないのでしょうね。
この点でG11やP7000とは違う道を歩んでいるってやつです。
言ってみればGX200路線。
でも、リコーは頓知を効かせてきたのに、Panasonicはなすすべなし。
相変わらず芸のないレンズキャップのみ。
「真似した」電器なんだから、真似すればいいのに、と思う私は口が悪い人間です、はい。
ライカの真似はしてもリコーの真似は死んでもするな、とエライさんが言っているのでしょうね。
まあ、そういうわけでLX5はそう長く使えないでしょう、私は。
キャップ式大嫌いですから!
一眼レフのレンズはフード付けるのでいいんです。
でも、こいつ、フードとか付けられないでしょ?
いや、付けられても付けませんから。コンパクトカメラはコンパクトじゃないと!
そういうわけで、画質とか使い勝手とか機能以前なんですよね、LX5。
じゃあ、なぜ買ったのか?
そのストーリーはこうです。
・年末に行く海外旅行に持っていくカメラをどうするのか考えていた。
・コンパクトカメラはS90の後継機、PowerShot S95で決まりだな、と思っていた。
・でも、購入した私のS95はフリーズ現象が出て、不良個体っぽい。
・じゃ、S95はオミットだ。修理に出すのもめんどくさいし、別のカメラを考えよう。
・そういえばこの秋はハイエンドが各社からでてたっけなあ。
・その中じゃ、LX5が比較的コンパクトじゃない?
・(調べてみる)
・お、ズーム倍率上がってるんだ。それでもf値はがんばってるなあ。
・なんと、GF1のEVFがそのまま付くんだ。ラッキー?
・んじゃ、行っとく?
・でも、レンズキャップ式だぜ?
・あ、その気になれば、今は怪しい中国製の偽物LC1/2のLX5専用品があるじゃん。必要ならそれを買えばいいさ。
・ポチ。(最近はネット通販で買っています)
で、いざ箱から出して使ってみると……
わかっていた事とは言え、やっぱりがっかり感がかなりあるんです。
1)Lのマーク
2)Lのマークの色
3)Lのマークの書体
4)Lのマークの光り方
5)ストラップのアイレットが特殊すぎる
6)レンズキャップ!レンズキャップ!!レンズキャップ!!!
7)安っぽいモードダイヤル
8)SILKYPIX!SILKYPIX!!SILKYPIX!!!
勿論いいところもあります。
1)電源スイッチがレバー式(くたばれ、ボタン式)
2)本体デザインはライカに似せてがんばってると思います。
ディテールがダサいけど、富士のアレとかよりよほどいいと思います。
3)撮影レスポンスの良さ。これは七難隠します。
3つか。(^^;
で、しばらくじっくり使って見た感想なんですが……
これ、画質がイマイチじゃないですか?
画質というか、レンズ性能というか……。
私の目が節穴?
普通に写ったらいいやって思ってたんですが、私の要求水準である「普通」に届いてないんですよ。
あれ? って思って念のためにGXRとS10ユニットのコンビを引っ張り出して撮り比べると……。
古ーーーいGX200の使い回しでしかないS10ユニットの方が断然(断然です)いいんですよ。
リコーの絵って、実はあんまり好きじゃないんですが、そんな私がS10カメラユニットの方がいいって思うくらい、LX5の絵にはがっかりしました。
色合いとか高感度ノイズの有無とか、どうでもいいんです、私。
描写です、レンズの。
それがなんというか……かつてCanon D30に(D30です)銀塩時代に設計されたままの17mm単焦点を付けて撮った時のガッカリ感に近いものがあります。
20万返せ、とかそう言うガッカリ感です。
使い心地が実にいいカメラなだけに、私の好みとPanasonicのチューニングの相性が悪いのが残念でなりません。
レンズのシャープネスとクリアネスが全然ない!
なので、たぶんこれはなんというかここまでアレだときっと不良個体なのでしょう。
明らかにLX3より描写が悪いです。
レスポンスはとても良くて、AFも速いしサクサク撮れます。
LX5とGXR+S10をとっかえひっかえ使ってるとS10のトロさにイライラします。
何度地面にたたきつけて足でガシガシ踏みつけてやろうと思った事か。
ええ、ケチな小心者ですからそんなことしませんけど、実は心の中ではGXRとS10カメラユニットは何度も分子レベルまで粉砕されています。
LX5で特にいいのは、追尾AFですね。
これにしておけば、ほぼ万能AFだと思います。
普段は中央一点AFとして使いつつ、必要に応じて多点AFっぽく使えます。
もっとも追尾ターゲットをロックオン出来ない事が多く、ロックオンしてもコイツがかなりの浮気性で、思わず吹き出すところにAFポイントが飛んだりと、なかなかお茶目なんですが、そもそもカメラとしてのレスポンスがいいので、失敗したら普通の半押しAFロックで対処すればいいだけ。
追尾AFのターゲットが小さくできるのも美点です。
追尾力? 自体は、このLX5やGF1などに搭載されているPanasonicのそれより、オリンパスの方が断然上なんですが、オリンパス(この場合の例はPEN E-P2)はAFターゲットがでかすぎるという「からくり」があるので実際はどうなんだかわかりません。それでも、現状は追い続け力? はオリンパス。かなりバカなのがPanasonic、という感じでしょうか。
でも、追尾AFはなれるときっと使いやすいので、まだ使っていない食わず嫌いなLX5ユーザーは是非試してみて下さい。
ズーム倍率が上がったのは普通にありがたいというか、活躍するシーンが増えるのでなかなかいい事だと思いました。
ただ、その分レンズにしわ寄せが来ているのかなあ。本末転倒というか、残念というか。
私がかなり気にする広角側での歪曲ですが、予想していたより大きいです。
正直に言うとちょっとじゃなくて「かなり」がっかりしています。
デジタル補正してこれですから、もうちょっとがんばってほしいなあ。
光学補正だけでこれなら絶賛するところですが、デジタル補正ありなら、もうちょっとがんばれと思いませんか?
マルチアスペクトが選べるのもLX5ならでは。単なるトリミングじゃないところがすばらしいですね。ゼイタクなセンサーの使い方というか、お大尽感を味わえます。
GF1ではできないのでLX5の方がエラい?
アスペクト比とAFモードはレバーになっていてレンズの鏡胴についてます。
これ、いいんだか悪いんだか……。
S95みたいなカチカチリングにして、一つの機能だけ割り当てられるようにしてもらった方が、私はいいなあ、って思うんですが。
マクロモードとか、ボタン一発でトグルする方が便利だと思うんですよ。
AF/マクロAF/MFを鏡胴にあるレバーで動かすのはかえって面倒というか時間かかるなあ……。
レバーの動きにイマイチ節操がなくて安っぽいのが操作性を悪く感じる一因になっているのも確かですが……。
レンズキャップとLバッヂにめをつぶる>_<と、結構小型でf2.0スタートのレンズを持ち、ハイレスポンスなこのカメラは充分魅力的だと思います。
追尾AFはデフォルトにして使うとスルメのようにいい味がでますし、EVFが取り付けられるのは、メインカメラとして濃厚につきあいたい人には朗報だと思います。
あとは画質(レンズ性能?)が気に入れば、オッケーなんじゃなイカなあ。
私はダメですが。
という事で、旅行に持っていくカメラとしては×、という結果でありました。
再来年のLX7に期待しますよ、Panasonicさん!
次は是非、Lのバッヂは外してね。