ちゃろー(^^)
今シーズンは一度も雪道を走りませんでした
我がクルマ人生(なんだそれ?)を振り返ってみると、実はこれ、かつて無いシーズンだと言えます。
※雪が写っている写真はすべて昨シーズンのものなので、タイヤはPIRELLI ICE ASIMMETRICOではなく、XC60からキャリーオーバーした(XC40にとってはオーバーサイズの)YOKOHAMA GEOLANDAR i/T-Sです。
◎そもそも私は「ムダに雪道を走りたい」人間なんです
まあ、過去形ですけど。
学生時代は、ほぼ毎夜。
社会人になってからは、週末になると「わざわざ」雪がある地方までドライブして、純粋に「雪道走行」を楽しんでいたものです。
いえ、スキーのついでとかじゃなくて、ただ雪道を求めて、雪上(あるいは氷上)ドライブのみを楽しんでいたんです(色々限界も試したので、正確には「苦しみを楽しんでいた」フシがある)。
1シーズン1万キロくらいは走ってましたっけ。
おかげさまで雪道チュートリアルは十分やった、という自信もできましたし、事実として走行経験やとテクニックはほとんど雪が積もらない地方の住民の中では平均以上のものをもっていると自負できるまでにはなったのですが……さすがに「ヘンタイ」的な行為であったことは今では自覚しております。
その後はスキーの行き帰りに雪道を走る程度。それも年齢を重ねるに従って社会人的な忙しさにアクティブなハート?は蝕まれていき、スキー回数はどんどん減っていくわけですが、それでもさすがに冬の間一度も雪道を走らなかった事はありません。
そんな伝統?が、今シーズンついに失われることになりました。
いや、もちろんまだこっち(大阪北摂地域)に雪が積もる可能性はあるでしょうけど、少なくとも私は雪が積もったらクルマにのりません。
なぜか?
それは2月初めに「今年はスキーは無理だな」と判断したと同時に、既にサマータイヤに履き替えてしまっているからです。
新型コロナウイルスの蔓延防止にともなう自粛要請もありますが、同居人の会社でも陽性者が複数でてくるなど、ひたひたと近づく「足音」が聞こえてきたこともあり、「今シーズンはやめておこうと判断したのでした。
スキーに行かないことが決まれば、雪国でもないマイホームタウン界隈をスタッドレスタイヤで走る意味は皆無です。
幸い自動車通勤をしているわけじゃありませんし(というか、無職ですからね)、ありがたいことに車がなくても徒歩圏で全て完結する生活環境なので「雪が降ったらクルマにのらなければいいだけ」なのです。
そんなわけで、先延ばしにしていたスタッドレスタイヤの最初で最後のインプレ記事を書いておこうと思います。
◎走行距離は400km弱、雪道ゼロ
正確な走行距離は不明ですが、360kmから380kmの間くらいであろうと思います。
昨年、早めにスタッドレスタイヤを履いたんですが、その後はほとんど走ってないんですよ。
もともと年間走行距離は5000km未満ですが、世間の風潮もあって、スキー行きがなければこのくらいに収まってしまうくらい。
ガソリンも昨年末、つまり2021年12月21日に満タンにしたあとそのまま。
つまり1月も2月もガソリンいれてないんです。
それどころかまだ燃料タンクには半分以上残ってます。
タンク容量が少ないXC40ですからこの2ヶ月半くらいで25リットルも使ってないってことになります。
そう。
PIRELLI ICE ASIMMETRICOに対する私の感想は一言で表すと「もったいないことをしてしまった」です。
しかもなぜかトチ狂って新車をオーダーしちゃいましたので、もう二度と使うことがないわけで「もったいない感」の加速を止めることができません。
こうなることがわかっていたら、わざわざ新品スタッドレスタイヤなんて買ってないわけですけど、こうなることなんて誰にもわからないわけで、つまり「どうしようもなかった」のですけれどね。
「(XC60で使っていたお古を)もう1シーズンいっちゃってもいいかな」とチラっとだけ思ったこともあったんですが、あの悪魔の囁きを受け入れるべきだったな、と思う一方で、もしキャリーオーバーしていたら、新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威をふるうこともなく、普通にスキーシーズンに雪道走り回って、古くなったタイヤのせいでえらい目にあっていたかも知れませんし……まあ、新しいスタッドレスタイヤのおかげで今シーズンも無事に過ごせたと思えばシアワセなのかもしれません。
◎というわけで、サマータイヤとしての評価
冬の季節なのでサマータイヤとしての評価というのはちょっと違うかな、とは思いますが、サマータイヤと同じ様に使ってみた感想、という感じでお読みいただければ幸いです。
○乗り心地
標準のコンチネンタルより明らかにいいです。
もっとも基本的には単純な乗り心地が良くならないとおかしいのです。
なぜって、スタッドレスタイヤはインチダウンしているサイズからです。
私のXC40 B4 R-Designの標準サマータイヤは19インチです。
一方のICE ASIMMETRICOは18インチ。
タイヤ幅は同じ235mmですから、サイドウォール部分が1インチ高いことになります。
サイドウォールが高いということはショックを吸収する部分が大きいという意味ですから、単純に考えて「柔らかい」乗り心地になるというものです。
もちろんサイドウォールの硬さとか、空気圧とか、乗り心地にはいろいろと別の要素も関係しますけど、一般的に考えるとそいういう方向にある、と言うことです。
なお、これはスタッドレスタイヤとサマータイヤの違いではなくサイズの違いにより起因するものであって、サマータイヤ同士でもインチダウンすると乗り心地が良くなります。
サマータイヤ同士であえてインチダウンする人は少ないですし、逆にスタッドレスタイヤを選ぶ場合はインチダウンすることが多いので「スタッドレスタイヤにしたら乗り心地がよくなった」的に感じる人が多いということなります。
次に踏面の違いがあります。
これはサマータイヤとスタッドレスタイヤの差が明確に出るところです。
サマータイヤはスタッドレスタイヤに比較すると硬い、つまりスタッドレスタイヤはサマータイヤより「当たり」が柔らかいわけです。
当たりがやわらかく、ショック吸収力が高いわけで、ここでも乗り心地がよい方向に行くのが見て取れます。
乗り心地の違いについてわかりやすくかつ具体的なシチュエーションを例に挙げましょう。
道路上にある大きめの段差(や段差的なもの)を乗り上げた際のフィーリングですが、ここの体感がICE ASIMMETRICOの方がゴムマリ感が強いです。
対してサマータイヤであるコンチネンタル Eco CONTACT 6(VOLVO承認版)の場合は外側がスポンジで覆われたゴム球の感触です。
わかりにくい?
ではもう少し例えをわかりやすくしてみましょう。
ICE ASIMMETRICOは空気圧を60psiにした700×28cのチューブレスタイヤ。
Eco CONTACT 6は空気圧を90psiにした25cのチューブドタイヤ。
これくらいの違いを感じます。
というわけでインチダウンと踏面の硬度がからみあって、一般的にスタッドレスタイヤはサマータイヤより乗り心地が良くなる傾向にあります。すなわち私のICE ASIMMETRICOも1インチダウン&スタッドレスというコンビネーションにより、サマータイヤより明らかに乗り心地が良くなっていましたという結論です。
とはいえ……。
もともとXC40はけっこう「アタリ」については柔らかめのサスペンションセッティングになっていると思います。Eco CONTACT 6自体も初期のたわみは柔らかめに許容する構造ではないかと思われます。
何がいいたいかと言うと、もともとXC40は乗り心地がけっこういいSUVだけに、スタッドレスタイヤを履くと、人によっては「足回りが頼りなくなった」と感じる人もいるのではないかとおもうのですが、ICE ASIMMETRICOの場合はそれでも「きっちりと芯がある」フィーリングなので、サマータイヤと比較してもさほど違和感なくすぐに「なれる」ので、あまり心配することはないでしょう、ということです。
○ロードノイズ
最近のクルマは騒音規制が激しくなっていることもあって、エンジン音や排気音はかなり押さえられています。いい傾向ですね。
それに加えてある程度の値段のクルマは遮音性が高まっていることもあって、昔に比べると室内は本当に静かになりました。
そうなると、いわゆるメカニカルノイズ系以外でまず気になってくるのがロードノイズです。
タイヤのノイズにも2種類ありますが、まずはいわゆるロードノイズについて。
これはタイヤが回転することによって道路(路面)と接触し、それによって生じる振動が車体を通じて伝わってくる音です。
一部のプレミアムカーはこれをほとんど気にならないレベルに抑えていますが、それは重量とのトレードオフです。
わかりますよね? 防音材、防振材をどれだけ使ったかで勝負が決まるんです。あと、一定の周波数とは共振しないようにボディの補強をどれだけやったか、というのもありますけど、こちらも基本的に車重に関係してきます。
話は脱線しますけど、EVってこういう静音についても有利ですよね。
エンジン車の場合、エンジンや排気音に対するノイズ対策をしつつ、タイヤからのロードノイズも減らさないといけません。コイツラは相互に干渉してきたりしますので、「音」の対策って本当にコストがかかると思います。
DセグメントやEセグメントなどのいわゆるアッパークラスのクルマが高額なのは、ここの開発が徹底的に行われており、そのコストが上乗せされているのも要因の一つです。
その点EVはロードノイズと、あと風切り音くらいしかノイズ対策はありませんから開発は(内燃機関搭載車と比較すると相対的に)単純化されますし、その部分はコストダウンされるということになりますね。
もちろん「モーター音」とやらも発生するでしょうけど、多くのピュアEVは後方にモーターを置いているので対策は極めて容易。既存のプラットフォームを使いまわしているフロントモーター車もエンジンより小型でドライバーからの距離も取れますし、そもそもボリューム自体がエンジンにくらべたらたいしたことがありませんから問題はならないと思います。
そのうちIHM(インホイールモーター)がアタリマエになってくると、ロードノイズと同時に処理しちゃえばいい、みたいなことになるでしょうね。つまり対処は更にかんたんです。
閑話休題。
で、ICE ASIMMETRICOのロードノイズですが、これもたいして気にならないのですよね。
市街地にいたっては全くといっていいほど気になりません。
むしろコンチネンタルのサマータイヤ、Eco CONTACT 6 の方がうるさいかもしれませんが……とっかえひっかえして比較できるわけではないのであやふやな人間の感覚レベルの話として各々フィルタリングしていただけると幸いです。
つぎにタイヤ関連ノイズのもう一つ、実は高速道路ではこっちのほうが重要なのですが、それは「パターンノイズ」です。
いわゆるロードノイズはかんたんに言っちゃうと路面とタイヤが連続的に接地する事によって発生するノイズなので理解しやすいですし、わかりやすいですよね?
一方のパターンノイズは何かというと、これはタイヤのトレッド面にある「溝」にあるエアが路面に接地することによって圧縮された空気が、タイヤの回転によって連続的に排出される際に発生するノイズの事なのです。
私の説明は上手ではないかも知れませんが、なんとなくわかりますよね?
溝の大きさやカタチ、数によって圧縮される空気は様々ですし、同じタイヤ(パターン)であってもクルマによって重量が違います。加えて当然ながらタイヤの回転数でその圧縮された空気の排出量や方向?なども微妙に変化していきます。
つまり人間にとって気になるパターンノイズというのは、多くの場合ある一定のタイヤ回転数(つまり速度)で「耳につく」ことになります。
ここ、実は重要なんですよね。
純正タイヤは当然ながら、VOLVOにおけるVOタイヤ、ポルシェにおけるNタイヤなどのメーカー承認タイヤについては開発時にこのパターンノイズ対策がされている(事が多い。世知辛い話ですが、対策の度合い、有無などはもちろん車の値段によります)のです。
なので「サマータイヤだと気にならなかったのに、スタッドレスタイヤに履き替えたら、高速道路で100km/h付近で走っているときになんかうなり音が車内に入ってくる」なんてことが結構はっせいするのです。「あるある」といってもいいでしょう。
さて、ICE ASIMMETRICOの場合はどうでしょう?
これについては鈍感な私的には「皆無だった」と言い切っておきます。
ただしこれは上述の通り「私のXC40にICE ASIMMETRICOを履かせて、冷間時(たぶん15°くらい)で空気圧を240psiに設定し、2人プラスアルファ(荷物ね)の積載状態で高速道路を制限速度内外で巡航した場合、顕著なパターンノイズを認識するに至らなかった、という、あくまでも1つのケースです。
あ、当然ながら標準のVOマーク付きサマータイヤ、コンチネンタル Eco CONTACT 6でも皆無です。
これ、以前履いていたYOKOHAMAのGEOLANDAR i/T-SはXC60だとあまり気にならなかったんですが、XC40だと特定の速度域で結構ひどかったんですよね。
なので「相性」はあります。
こればっかりは「結果論」でしかないので、つまりはスタッドレス選びというのは「博打」といってもいいかもしれません。
○剛性感
私が過去に履いていたスタッドレスタイヤでこの項目に関して最悪だったのがブリジストンの確か名前はブリザックVRX2とかいうタイヤです。
一般路ではそれでもまあ我慢できる範囲だったのですが、高速道路では不安を覚えるほど頼りないフィーリングでした。
私はずっとMICHELINを使っていたのですが、その年は新車用のスタッドレスタイヤの購入が出遅れてしまい、既に該当サイズが売り切れていたんです。
なので仕方なく「じゃあ、めっちゃいいと評判のブリザックを試してみるか。国産メーカーにお金を落とそう」と思って選んだわけですが……初めて高速道路を走った時はMICHELINとの圧倒的な差に「ああああああああああああ失敗したあああああああああ」と叫んだくらいです。
命の危機さえ感じました。
まあ、そんなスピード出すほうが悪いって言われそうですが、いやいやいや、そんなに出しませんよ、私。
もうね、ランプウェイを駆け上がる時点で「このタイヤはダメかもしれん」って思ったくらいです。
そもそも直進安定性が怪しいタイヤでした。
それが中央道のカーブが連続する場所で追い越しをかけた時に「あ、このタイヤはマジでやばい」って感じたのですよ。
すみません、ブリザックをディスっているわけではなく(ディスってますが^^;)、私のクルマとの相性もあったのでしょうし、そもそも私の感覚とは最悪の相性だったのでしょう。それに結構前のブリザックの話ですし、あまり気にしないでください。
で、ICE ASIMMETRICOですが、ここも十分でしょう。
Eco CONTACT 6を10とすると、7.5といったところ。
特に不安なく高速道路で巡航ドライブが可能です。
ちなみに私の感覚ではVRX2は3、いや2.5くらいですかね。
まあVRX2を履いていた車はセダンですし、そもそもFR。クルマサイズも車重もあまつさえ駆動方式自体が違います。つまり何もかも違う同士なので単純に比較すんな、って話ですよね、ハイすみません。
◎PIRELLI ICE ASIMMETRICO+VOLVO XC40 B4 R-Design、まとめ
私が使った範囲では「いいタイヤ」としか言いようがありません。
雪がない路面だととても普通に走りますから、比較しなければサマータイヤとして十分です。
そうそう、大雨の雨中走行は経験していないので、排水性については不明。
でも制動性能はどう考えてもサマータイヤより悪いので、サマータイヤとして1年じゅうう使うのはおすすめしない。
というわけで「雪道を走りたかったよおおおおおお」という叫びを総評として、記事の終わりとしたいと思います。