趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★花粉にはまけるけど新しいタイヤで走り出す弥生三月【Continental Grand Prix 5000S TR】

自転車

やっはろー!(^^)!

三月といえばハナミズキ

花水木?
のんのん、鼻水月と書いてハナミズキと読みます。
今年は(も)花粉多め。
しかし3月はロードバイクシーズン本番。
UCIのサイクルロードレースツアーも本番で、クラシックレースもいよいよ始まります(ミラノ-サンレモはもう終わりましたけどね)。

というわけで鼻水たらしながら走っております。

無職なので平日・週末お構いなし。
朝練目線(?)で見ると、実は平日より土日祝の方が走りやすい感じなんですよね。
理由は目が血走っている(知らんけど)通勤車やトラック・ダンプといった車両が少ないからです。
その代わりなぜかカーブで、しかも間隔をあけずにギリギリで抜きにかかってくる頭が悪いとしかいいようがないオートバイ連中が増えるのが危険でもありますね。
皆さん、お互いに安全運転で行きましょう、いや生きましょう。

◎タイヤ換えました

購入してからそろそろ5年になるわがMadoneですが、最近は特にこれといった話題がございません。
が。
2024年のシーズンが本格的に始まるタイミングでタイヤを交換することにしました。
自動車におけるタイヤ交換って、だいたいタイヤの残り溝が減ったタイミングで交換することが多いですよね。
基本的には自転車の場合もその理由で交換する人が大多数だと思いますが、我が家の場合は違います。
タイヤが減るより先にマテリアル、すなわちゴムの劣化の方が早いんですよね。
我々の年間総走行距離なんてたかが知れてますのでタイヤ交換というとどうしても表面のひび割れなどによる劣化が原因になるんです。
自動車と違って自転車のタイヤは劣化が速く、モノにもよるのでしょうが、私が使っているコンチネンタルのモデルの寿命はだいたい3年です。
表面、とくにサイド部分にひび割れができてきて、それがどんどん深くなってくる感じです。
最悪の場合はバーストしますからケチらずに交換するのが吉です。

◎今回のタイヤチョイス

タイヤは今回も同じモデルにしました。
ContinentalのGrand Prix 5000S TRというタイヤで、サイズ(幅)も同じ28cというタイプです。

Grand Prix 5000S TRは2色から選択できます。用意されているのは普通の?黒と最近はやりのサイドウォール部分が飴色になっているもの。

同居人はDomane SLRをカスタマイズする際にデフォルトの32CサイズのBONTRAGERタイヤから納車時にこのGrand Prix 5000S TRに換えてもらいました。28Cから32Cだと鈍重に感じるかもしれないと思い、サイズも30Cにしてもらいましたっけ。

ということでサイドウォールが飴色のもなかなかいいんですが、ホイールのハイトがタイヤ込みで高く見える方がかっこいいかな、と思ったので従来通り黒をチョイスしました。

◎今回もGrand Prix 5000を選んだ理由

そっすねー。
実は私、チューブド・クリンチャー(いわゆる中にチューブ入れるタイプ。ママチャリをはじめ以前のロードバイクの多くがこれだった)時代からContinentalのGrand Prixシリーズを使ってまして、気に入ってるんですよ。

チューブド時代はいろいろとタイヤを変えて違いを楽しんでいたのですが、ContinentalのGrand Prix 4000というタイヤに出会ったことで「これはいいなあ」とファンになりまして、以降基本的にはContinentalのGrand Prixシリーズを履いておりました。
例外はMadone SLRを購入した時。
オーダー時にチューブドやチューブレス、タイヤ幅とかいろいろ選べるんですが、タイヤメーカーはTREK純正(100%子会社)のBONTRAGER。
BONTRAGERをリプレイスする際にGrand Prixに戻し、現在に至ります。

◎現在のGrand Prix 5000

実はGrand Prix 5000、モデルチェンジしておりました。
名称はGrand Prix 5000S TR。
というか、前回タイヤを入れ換えてすぐ新作が発表されていたのでした。
今回は現行の、つまりその新作にチェンジです。

前回のモデルチェンジは4000から5000に一気に1000も上がりました。
それは単純に構造などがパワーアップするだけではなく、初めてチューブレスタイヤがラインナップに加わるということでフルモデルチェンジとあいなったのでまあ妥当な感じですね。

今回はマイナーチェンジらしく5000に「S」が加わりました。
ただしチューブレスモデルの場合はさらに末尾がTL(チューブレス)からTR(チューブレス・レディ)に変わりました。
ちなみにTRという末尾がないGrand Prix 5000Sはチューブが必要なタイプです。

◎TLからTRに変わったわけ(個人の想像です)

TLからTRに変わった理由を説明する前にチューブレスとチューブレス・レディの違いについて理解する必要がありますね。

TL、チューブレスとは文字通り「チューブいらんよ」という意味です。
この場合はチューブレスタイヤに対応したホイールを使う場合に限りチューブレスタイヤとして機能します。

翻ってTR、つまりチューブレス・レディとは何ぞや?というと女性版のチューブレスタイヤ……という意味ではございません(女性の場合はRじゃなくてLですもんね)。
ladyでなくready、すなわち準備ができている状態という意味。
tubeless readyということですからこの場合のreadyは副詞ということでよろしいか?(誰にきいているんだか)

「いやそれ、チューブレスとどこが違うん?」と思いますよね?私も思います。
でもよく考えてください。私も考えました。「準備ができている」ということは「まだ【それ】をしていない」ということです。
例えばlunch readyというと昼食の準備ができている状態であってランチにはまだ手が付けられていない状態を表しています。
つまりチューブレスの準備はできているけどチューブレスそのものにはなっていないという解釈でいいのではないでしょうか?

「え、それってどゆこと?」って思いますよね?私も思います。
意味の話はさておき、ロードバイク界隈(?)でいうところのチューブレスとチューブレス・レディの違いは「タイヤシーラントが必要か必要でないか」という違いを表しているんです。
つまりチューブレス・レディと表記されている場合、シーラントというパンク修理材であるところの液体を少量タイヤの中に入れて「隙間封じ」をしてくださいね、と。
ご存じのようにタイヤシーラントを入れておくとごく軽微かつ単純な穴あきパンクなんかだと瞬時(ってわけでもないでしょうけど)に穴をふさいでくれて、慎重に走ればしばらく走行可能だぜ、みたいなヤツです。

「えー、なにそれ。チューブレスでいいじゃん。進化じゃなくて退化してるじゃん」と思いますよね?私も思います。
が、しかし。
上でちょっと説明しましたけどチューブレスタイヤをチューブレスタイヤとして運用するにはチューブレスタイヤ用に作られたホイール(リム)を使う必要があるんですよ。

「そんなの当たり前なんじゃね?」と思いますよね?私も思います。
が、しかしここでまたロードバイク界隈?の話というか闇を暴くと、我々がチューブレス対応だと(勝手に)思っているホイールの多くが実は「チューブレス・レディ」ホイールなんです。
私のMadone SLRについているBONTRAGERのAEOLUS 3 Proってホイールもチューブレス・レディ。なのでたとえタイヤがチューブレスタイヤであったもホイール側がシーラントを要求するモデルなわけです。

もちろん精度や相性などの問題で「いや、オレのホイールはチューブレス・レディだけどシーラントなしでチューブレスタイヤつけても空気抜けはないぜ」なんていう人も多々いらっしゃるでしょう。
それを言っちゃうと「チューブレスホイールにチューブレスタイヤをつけてるんだけど、結構空気が抜けちゃうんだよな」なんていう人もいますからアレです。
つまりメーカー側としては「レディ」にしておくほうがいろいろと都合がいいんですよ。
チューブレス仕様にはしているけど、クレームが来たらアレだからレディにしとくか。みたいな感じだと思えばOKです。

◎5000 TLと5000S TRの違い

いろいろ書いてきましたがタイヤメーカーがTLからTRに後退?する場合、実はメリットがあります。そしてそのメリットは我々ユーザー側にも恩恵が受けられるものなのです。
それは「軽量化ができる」からです。
チューブレス化のためには空気が逃げにくい構造にする必要があります。つまり内側に空気を通さない幕的なものを構造の一部とせねばならず、耐久性を持たせるとそれなりの厚さになるのではないでしょうか。
一方でreadyの場合はシーラント運用が前提ですから、その部分を薄くすることができる……というのが私のシロウト考えです。

両者の重さを私が使っている28C(700×28C)同士で比べてみました。

5000 TL:345g
5000S TR:280g

ニューモデルは65gも軽量化できてます。予想以上の数値に私はびっくらコキました。
もちろんその「幕」的なものを薄くしたなんていう単純なモデルチェンジではないのでアレでしょうけど、ContinentalがTLをやめてTRにした理由の一つは構造的に軽量化が容易だからであろうと私は確信しております。

あとはまあ「理想と現実」を知ったってやつでしょうか。

Continentalは競合他社にくらべてチューブレス化が遅れていました。それはおそらく「出すなら完璧ですごいやつ出してやるぜ」的な意気込みで満を持して「どうよ?」って感じで世に出したのでしょうね。
Continentalの努力は報われ?製品自体はすこぶる評判がよく、よく売れました。
ただ、市場からはこんな声が多く上がっていました。
「いいタイヤだけど(他社に比べると)ちょっと重いんだよな」
その後Grand Prix5000シリーズは「ちょっと重いけどいいタイヤ」という定評がついたのです。
ロードバイク界隈ではたとえ1gであっても軽さにこだわりますからね。

そしてContinentalはもう一つの事実を知ることになります。
・チューブレス完全対応ホイールの数が少ない!
・チューブレス完全対応ホイールを使っているのに空気が漏れるってクレームが来る!
みたいな?(想像ですよ?)

ある日のこと、Continentalの中の人はランチをとるために社食に行くと、同期入社のコンラートに声をかけられます。

「やあ、久しぶり。元気にやってる?」
「ああ、まあ。ボチボチだな」
「ところでお前のところの自転車タイヤ、GP5000だっけ? アレいいよな」
「おー、使ってくれてるのか」
「もちろん、週末サイクリングのチームの仲間も、何人かが早速使ってたよ。評判いいぜ」
「それはよかった。ところで使っているのは無印?それともTL?」
「TLさ。時代はもうチューブレスタイヤだろ? 最近はホイールごとチューブレスに変えた仲間が何人もいるんだ」
「TLは頑張ったからなあ。それはうれしい話だよ」
「耐パンクもいいね、でもこの間クギ踏んじゃってさ。さすがにパンクしたけどシーラントのおかげでサイクリングを続けることができたんだ」
「なんだ、せっかくのTLなのにチューブレス・レディのホイールを使ってるのか?」
「もちろんチューブレスホイールだよ。でもシーラント入れるのは常識だろ?」
「え?」
「みんなそうさ。チューブレスだからってシーラント入れないやつなんていないよ?」
「まじか……」

(チューブレス対応ホイールのユーザーですらほとんどシーラント使っちゃってるなら、チューブレスタイヤとかいらなくない?)
「世間の実際」ってやつを知ったContinentalの中の人はブチ切れました。
「もうヤダ。TLタイヤにするために、せっかく頑張って頑張って頑張って幕のテストを死ぬほど繰り返したのに……。だったら次のモデルはチューブレス・レディでいいんじゃん」

以上、Continental Grand Prix 5000S TR誕生秘話でした。

◎インプレッション

まだ大した距離を走っていませんが、漕ぎだしが軽くなったような?
あと、乗り心地も【ムニュッ】から【ムニッ】に変わったような?

もともと5000シリーズは乗り心地の柔らかさと耐久性の高さが売りですし、私のような貧脚サイクリストでも、いや私のようなエンジョイすちゃらか系だからこそ乗り心地の良さはありがたいわけで、おすすめでございます。

旧作の5000 TLも流通在庫があるようですが多少の価格差があっても軽いし新型を選ばないという選択肢はない気がします。

以上、タイヤ替えたぜ、というお話でございました。