なかなか楽しげなCMですよね
もう見ました?
いや、よくやりますな。
こんなになることってあるんですかね?
MacでもWindowsでもなく、ましてや「だったらUNIX(Linux)でしょ?」なんてススメてくる輩には「バカなの?」と言いたい、いわゆる「パソコンに詳しくない(そう、私のような)人」が普通に使えるもう一つの選択肢。
それがGoogle Chromebook。
Chromebookに対する私の認識はそういう感じ。
ええ、異論は認めます。
2011年に最初のChromebookが発売され、今年ではや7年目。
デジタルガジェット好きな私ですが、なぜかChromebookは一度も買っていないんですよ。
いや、触ったことすらありません。
というか、実物を見たことすらありません。
いや、最後の項目については言い換えましょう。
「存在を認識したことがない」と。
もっとも、他人が使っているノートPCをいちいちチェックしたりしてないので認識できていないのは当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。
ひと目でわかるMacBook系は別にすると、Windows搭載のノートPCの場合、よほどの特徴がないと製品の特定なんて不可能です。少なくとも私には。
よほどの特徴というと、そうですね、GPD WIN2とか、KINGJIM PORTABOOKとかなら特定できる気がしますが……。
ChromebookはWindows搭載ノートPCではありませんが、「パット見」はなんらかわりませんので「その他大勢」に紛れてしまいます。
よってそのステルス性は高いわけです。
「本当に使っている人がいるのだろうか?」と思えるほど。
いや、私が認識していないだけで、極めて失礼なお話でした。すみません。
◎Chrome osは「劣化android」?
そんな認識不足の私がつい先日までイメージしていたChromebookとは、「ネット接続環境前提の、ブラウザベースのweb閲覧専用PC」というものでした。
敢えて書いてしまうと「劣化android」
まあ、webにはYutubeなどの動画コンテンツも含んでいます。
つまり「制約が多く使いづらそう。つまり私には無用の長物」だったのです。
そもそもほぼ同じOSが搭載されたandroidタブレットがありますから、なんでわざわざでかくて重いノートPC型のandroid端末を買う必要があるのだろうか? という理解です。
そもそもキーボードがほしければ、そういうandroid端末もありますからね。
実は私もかつてそういうの(android osベースのノートPC)を1台買いましたっけ。
短いですが、記事を数本書いています。
もっとも私が買ったandroid版YOGA Bookのキーボードは物理キーボードではなくタッチキーボードだったのでノートPCとしては近未来的……というより変わり種なので正当な評価ではないとは思います。
要するにその時の私の評価をざっくりまとめると「androidはノートPCのosとして使うもんじゃない」というものでした。
なのでそれ以降、android系のクラムシェル型PCなど買おうとも思いませんでした。
その流れで、android osより更にめんどくさそうなChromebookも「android同列もしくはそれ以下」扱いして見向きもしなかったのです。
◎そんな私がChromebookに興味を持った理由
上述のように、「その程度の理解」でChromebookを勝手に評価していた私ですが、先日ひょんな事からChromebookの「実物」を認識する機会がありました。
それは仕事中、とある外部業者を交えた打ち合わせの席でした。
定例の報告会のようなつまらない打ち合わせだったので、私の意識の殆どは考え事、つまり妄想の世界(異世界)を彷徨していたわけです。
ただし、残念ながら長らく目を閉じるわけにも行かず、網膜には周辺の状況が写っていたわけです。
そして考え事への集中力の波の中で、参加者が広げていたノートPCのマークに意識が覚醒したわけです。
(ん?)
ディスプレイの背面にメーカー銘やメーカーのアイコンがあるノートPCはもはや普通ですが、それとは別に、見たことのあるアイコンが貼られていたのです。
丸い、数色からなるそれはGoogle Chromeのアイコンでした。
そこで私は考え事モードから覚醒しました。
(ひょっとしてそれって、「あの(どの?)」Chromebookってヤツじゃ?)
そして
(初めて見た!)
未知との遭遇じゃないですが、それは感動の瞬間でした。
この世に存在する「らしい」のに、一度も見た(認識した)ことがなかったモノ、それが今目の前に存在しているのですから。
(Chromebookって、本当にこの世に存在していたんだ)
そんな事を思った瞬間でございました。
そういうわけで、休憩時間に持ち主を捕まえてちょっと見せていただいたのです。
というか、インタビューをした、が正解です。
「どうなの?」
「私、もうコイツで3台目ですよ、Chromebook」
「ほほう。その心は?」
とまあ、そんな感じで私とChromebookの運命のファーストコンタクトが行われたのでございます。
◎改めて、Chromebookの特徴とは
ほんの数分のインタビューで、私のChromebookに対する固定観念はガラリと変わりました。
「劣化Android PC」から「もはやノートPCはChromebookでいいのかも」へ。
そりゃまあ、劇的な変わり身ですよ。
言ってみればずっとジャイアンツファンで生きてきたのに、気がついたら黄色と黒のハッピを羽織って「六甲おろし」を大声で歌っているようなものですからね。
何にせよ中途半端な知識や思い込みでChromebookを過小評価していた私は、リアルユーザーの生の声とジツブツを前に、考え方を改めたというわけです。
では、インタビュー(と一部実演)を通じて私が「ほほう!」と膝を打ったポイントを交えながら、Chromebookの特徴を説明していきましょう。
○クラウドベースで運用するPC
Chromeとは要するに大昔に提唱された「Thin client」の一種です。
Thin clientはクライアント側にストレージはおろかOSすら持ちませんが、Chromebookはその点は現実的。
ストレージもOSもクライアント側にありますが、扱うデータやアプリは基本的に「あちら側」です。
ストレージについては、基本的にGoogle driveというクラウドストレージを利用します。
つまりデータはクラウドにあります。
新規作成した書類の保存はHDDではなくクラウド側に保存され、作成済みのデータを編集する場合はクラウドからメモリへ展開する、という考え方でだいたい合っているのではないかと思います。
クライアント側に保存出来ないわけでもないので完全にそうなっていると考えるのは正しくないかもしれませんが、まあ、そういうふうに理解するほうがChromebookの本質に近いと考えます。
同様にアプリもクライアント側にあるわけではありません。
アプリのアイコンはクラウドにあるプログラムを動かすためのショートカット、つまりurlだと考えるとわかりやすいかもしれません。
リクエストしたアプリはメモリ上で展開して一応クライアント上で動いている、という感じ。
もちろんこれも例外はあって、クライアント側に本体が保存されているものもあります。
が、まあ、これも基本的には、という事で理解しましょう。
要するにChromebookとはクラウドストレージにあるデータをwebアプリで使う操作盤みたいなものなのです。
○android用のアプリが使える
私がChromebookについて最も誤っていたのは【Chrome OS ≒ android】という認識です。
だってandroidアプリも使える、という話でしたからね。
でも実際は「Chromebookはandroidアプリを使えるようになっている」だけで、違うシロモノだということです。
ただし、豊富なandroidアプリが使えるのはユーザーとしてはメリットなので、別にOSの仕組みがどうのこうのと考える必要はないのかもしれません。
もちろんChromebookというかChrome OSで使えないandroidアプリも多々あるようですが、それはandroidでもVersionが古いと使えないアプリがある、的な考え方でいいと思います。
エンドユーザーがOSの仕組みを深く知る必要などないのです。
というか、そういう必要がなく使えるのがChromebookなのですから。
○セキュアなPCである
OSのアップデートと同じ、いやもっと頻繁にアップデートされるのがセキュリティソフトですよね。
何しろウイルス定義のデーターベースは頻繁に更新され、その都度ダウンロードとインストールが行われます。大抵はバックグラウンドで行われていますが、能力の低いPCだとその間、動作が重くなったりることもあります。
そもそもそうやってダウンロードしているファイルがどんどんPCに溜まっていきます。
そういうのをクリーンナップするツールなどがあり、上級者はそういうのやあるいは手動でそれらゴミファイルを削除して掃除するわけですが、Chromebookの場合、そういう手間はまったくありません。
そもそも構造的にセキュリティソフトが不要。
というのも、ストレージはGoogle Driveですから、Googleが鵜の目鷹の目でチェックしまくりです。
アプリも同様、Googleの監視下にあります。
100%安全だ、とは言いにくいものがありますが、世の中に100%なんてありません。
どちらにしろセキュリティソフトをインストールしているWindowsと比べてもそれだけで段違いにセキュリティが高いのです。
言い換えると、Chromebookはセキュリティソフトを入れなくてもWindowsなんかより断然セキュリティレベルが高い=ユーザーがいちいち気にする必要はない、という事になります。
android OSとの違いですが、そもそもOSのアップデートがメーカー任せであるandroidと、Google任せであるChromebookとは対応の速度が圧倒的に違います。
というか、比べ物になりません。
その点でOSはAppleにお任せのiPhoneはandroidよりChrome OSに近いと言えますが、アプリやデータをクライアント側で保持する仕組みである以上、Chrome OSより脆弱であると考えられますよね。
○動作が速い
この「動作」というのは本体の電源をいれての起動やシャットダウンによる終了を含めた全般的なもの。
スリープからの復帰については最近のWindowsPCやMacも早くなりましたが、電源ONから実際に使えるまでを考えると、まったくもってChromebookの敵ではありません。
実演してもらいましたが、起動10秒、終了5秒と言ったところ。
まあ、Windowsノートはいちいち終了とかせずにスリープで使いますから実質的な差はないのかもしれませんが。
あとはアプリ系。
これも使い込んだWindowsPCなどでは起動自体にけっこうな時間がかかるヘヴィ級のソフトがけっこうありますが、Chromebookのアプリは要するにブラウザで動くプログラムなので「起動」という概念がちょっと違います。
デモしてもらったいくつかのアプリについてはどれもサクサクと動いていました。
それから基本的なブラウザもタブを十数個開いても動作が重くなるような素振りもなく、WindowsハイスペックPCにメモリ32GBくらい積んだノートPCより速いかも? などと思ってしまいました。
○作業(アプリ)ファーストなPC
これは「OSを気にしなくていい」という意味です。
具体的にはOSが勝手にアップデートしてくれるので、ユーザーはOSの事など気にする必要なく、目的(アプリ)にだけ目を向けていればOKなのです。
この点、いわゆるPCやMacはOSのアップデートやセキュリティパッチなどが配信される度にインストールする必要があります。Windows10の場合など、場合によってはシャットダウンしようとすると「電源を切らないでください」的なアラートが出て、早く持ち出したいのに動かせない、みたいなストレスの貯まる「あるある」状態が頻発します(敢えて書こう「頻発する」と)
Chromebookの場合も当然Chrome OSのアップデートはあるわけですが、全て自動的に行われます。Windowsも自動的に行われるのですが「電源を切らないでください」というアラートが出てコーヒーを数杯飲める時間その場所にフリーズする必要がないのです。
長く使っているとこれが地味にありがたい。
なんだかんだでOSのアップデートとかソフトのアップデートとか、地味に「人生の損失」じゃないですか?
というか、一部のマニアの方々を除くと人生にとって最も不必要な時間だと言っても過言ではありません。
それがなくなるだけでも生産性が高いノートPCだと思いませんか?
要するにブラウザの向こう側が世界の全てと言っても過言ではありませんから、ブラウザのベースになっているOS部分なんて見えないようなものなのです。
「ああ、なんて清々しいんだ」みたいな?
○コストが安い
と思ったんですが、いろいろと考えてみるとそうでもないかも……とも思っているところです。
この辺は実際にChromebookを買って運用してみると実感するのでしょうね。
ということで、Chromebookとの遭遇編でございました。
次回はいよいよ? 「機種選択編」でございます。