趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

☆ダイニングテーブルの化粧直し

暮らし

我が家にソファがやってくることになったので……

というわけではなく、むしろ新居への引っ越しというきっかけが引き金になって、結婚以来、長らくお世話になっているダイニングテーブルの化粧直しを行いました。

我が家のテーブルは、結婚前に同居人が東急ハンズで偶然見かけて一目ボレをしたもの。
しかしその一目ボレをしたダイニングテーブルセットは東急ハンズのイベントで展示しているワンオフもの……というか、ディスプレイ用に作られた非売品でした。
まあ、タフ・ネゴシエーターであろう同居人がものすごいムリを言って譲ってもらったものでございます。
最終的にはイベント期間を終えて撤収後すぐに発送していいなら、ということでOKをもらえたものです。
要するに発送は無効の都合で、受け入れるこちら側は相手に合わせて、到着予定日には家にいないといけないという状況でした。当然平日です。
というか、まだ結婚前で、部屋の鍵を受け取れるか受け取れないかというギリギリのラインでした。
鍵を受け取る前に発送されたら、軽トラックあたりをレンタカーで借りて、引っ越す予定の新居の前で受け取って私の実家に運び込んで保管しておこうとまで覚悟しておりましたが、ギリギリで間に合いました。

今でも忘れません。
カーテンもなにもないガランとした新居にただ一つ置かれたダイニングテーブルのあの存在感。
あと、配送は玄関前まで。マンションなどの場合でもエントランス前までしか運ばないという約束だったので、当然テーブルは建物の前。
荷物の受取を担当したのは私でしたが「なあに、たかがテーブル一つ、私一人で楽勝でしょ」なんて思って待ち受けていたのでした。
が、どこぞの運送会社のトラックから二人がかりで降ろされたそのテーブルはを持ち上げようとした私は途方にくれました。

私達の最初の部屋はかつては「公団」と呼ばれたところのいわゆる団地でした。
五階建ての団地の4階だったと思います。
一人で持ち上げることすら困難な重さ、大きさなのに、それを抱えて4階まで階段を登るとか……。
途方にくれた私は近くに住む友人にSOSの電話を入れ、搬入の手伝いをしてもらったのです。
いや、腕力にはちょっと自身があった私ですが、4階までこのテーブルを運び入れるのは二人がかりであっても本当に辛かった事を覚えています。
そもそも団地の階段って引っ越しで家財道具を搬入・搬出することなんて考えていないほど狭いですからね。

いやあ、思いだしても懐かしんどい。(^_^;

ちなみにこのダイニングテーブル、同じデザインコンセプトで作られた椅子4脚がセットでディスプレイされていたそうですが、テーブルだけで予算を大幅に(というか何倍も)上回ってしまっていたこともあり、さすがに椅子は(高価過ぎて)なくなく諦めたとのことでしたっけ。

それからずっと愛用してきたこのテーブルですが、さすがに表面が汚れて来たこともあって、この引越を機に、そして新しい大物家具のソファがやってくる事もあって徹底的にきれいにすることにしました。

もともとオイル仕上げの白木のままのテーブルだったので、化粧直しと言っても基本的には作業は単純です。
全体をサンドペーパーで磨いて表面を削り落とし、オイルを塗って仕上げるのみ。

うん、簡単ですね。
簡単ですが……ダイニングテーブルをまるまるサンディングするとか、さすがに簡単じゃない。
作業場は?
ベランダでやる?
木くずとか周りに飛び散って迷惑じゃん!
部屋でやる?
いやいやいやいや。

ということで、コレまた知人がやってる工務店に頼んで、プロにやってもらいました。
私達がやったのは真っ白な新品(同様)に仕上がってきたテーブルにオイルを塗るという、こちらは比較的簡単な作業のみ。

作業前に写真を取り忘れ、かと言って真っ白の時の写真にいいのがないので比較できないのが残念ですが、オイルを塗るとご覧のようにちょっと飴色になりました。
サンディング前はこういう色だったので違和感はありません。

オイルはドイツ製の人に安全な成分でできているヤツを使いました。
リボスのメルドスという針葉樹用の自然塗料。
「クリア 浸透性ハードオイル」ですって。
クリア?
それなりの飴色になりますがね。

ちなみにこのリボスのメルドスですが、よく伸びて使いやすいと思います。
難点を挙げれば、ニオイでしょうかね。
なんとうか、アレです。ちょっと傷んだ天ぷら油のニオイがします。
しばらくは風を通してニオイを逃しました。

塗布後はざっと12時間使用禁止。
その後も一週間くらいは全体にテーブルクロスを敷いて表面を保護せよとのことでしたので、絶賛実行中。

このテーブルの材質はいわゆる米松と言われているやつですね。
なので針葉樹用オイルを選びました。
そう言えば我が家のリビングにあるチェストもパイン(こちらは欧州パイン)で、我が家のパイン含有率たかし?

そうそう、余談ですが、このテーブルとセットの椅子が高すぎて買えなかったという事は既に書きましたが、じゃあ椅子はどうしたのかというと、近所にあったイズミヤというスーパーが当時取り扱っていたオリジナル家具があったんですが、「同じ針葉樹系の材質だし、色味が合うし、デザインもシンプルだし、当座はこれでいいんじゃね?」という感じで意見があって、二脚を購入しました。
今でも覚えています。間伐材を活用したエコ系の家具シリーズという触れ込みで、シンプルで安いのが魅力でしたっけ。
ええ、1980円(一脚)という、当時からしても破格の安さ。
しかもその1980円の椅子、未だにずっと使い続けております。
いや、この椅子は素晴らしいんですよ。作りが堅牢で堅牢で。表面なんかはもうそれなりの経年変化とか傷なんかがあるんですが、マジでビクともしません。
踏み台にはこれ、って感じの安定性と剛性感。
ある意味テーブルよりよほどいい買い物だったような気がしますが、それは同居人の前では言えません。

なお、このダイニングテーブル。
無垢の木でできている関係で手触りもいいし、木目もきれいで見た目は非常に好みで気に入っているんですが、実際にダイニングテーブルとして使って見ると、「ああ、これは(家具の)シロウトがデザインしたテーブルだな」ということを実感しました。

表面の仕上げは中央部こそ工場の大型カンナ的なもので平面を出しているようなのですが、テーブルの四辺のフチ部分が斜めになってるんです。しかも大きな彫刻刀……じゃなくて槍鉋(やりがんな)的なもので仕上げたような不均一な仕上げでした(今回のサンディング加工の際、なめらかにしてもらいました)。
これが地味に不便なんです。
なんというかじわじわ聞いてくるボディーブローみたいな?
だって手前に湯呑とかコップとか置いたら不安定、というか倒れるんですぜ?
写真だと分かりづらいかもしれませんが、つまり見た目の面積より平面というか有効面積はかなり狭いんです。

自分たちは慣れたからいいんですけど、ゲストさんはやらかしますね、そりゃもうことごとく。
「なんじゃ、このテーブルは!」
ってなもんですよ。
それからこのテーブル、写真ではわかりませんが、作りがものすごいです。
ええ、悪い意味で。
なんというか、本当にディスプレイ用途で突貫で作ったというか「テーブルの形になっていればいいでしょ?」的な作り。
脚とかは見た目はいいんです。そこそこ太めの真っ直ぐな脚と、それをつなぐ補強材。
それはいいんです。問題はその脚を天板に取り付けるロジック。
なんとL字型の金具ですよ、金具。それをボルトをぶち込んで固定してるんです。
で、脚と天板との間には隙間さえあるという。
せめてもの慰めは、このテーブル、なぜか完璧に水平が出ていることでしょうか。
たぶん東急ハンズの担当者は水準器マニアか水平オタクだったにちがいありません。
まあ、助かってますけどね。

おまけに両短編には引き出しがあって、同居人はどうやらその作りに惚れたようなのですが、その引き出しが全然狂っている(最初だけなんとか使えましたが、使っているうちにスムーズさがなくなるどころか思いっきり引っ張ったり叩き込まないと出し入れ不能な状況に)。

とそんなわけで裏側を見ると「天然木で作りました」「金具どめかよ」というツッコミどころのあるシロウト丸出し的な仕上げのダイニングテーブルですが、それでも我が家のリビングの顔として、愛着があるのでございます。

そうそう、天然木のオイル仕上げなんて、アレですよ、アレ。水をこぼしただけでシミになりますからね。
コップとか湯呑の輪染みとか取れませんからね。
今回、そういう無数の「歴史」をサンディングでリセットしたのですが、はてさて、この美しい状態がいったいどれくらい保つことやら。(^_^;

いっそウレタン塗装してもらえばよかったなあ、などと考えなくもありませんが、一度この肌触りになれちゃうとああいう(ウレタン塗装で堅牢な表面の)テーブルは木のテーブルに思えなくて……。

ちなみに購入したソファの木製フレームですが、そちらも天然木、オイル仕上げで「輪染み上等!」仕様です。
蜜蝋くらいぬって多少水に強くしておく手もあるんですが……うーん。

ということで、我が家のダイニングテーブルにオイルを塗ったというお話でした。
いやあ、引っ越しっていろいろと先延ばしにしてきた大物系に手を付けるきっかけとしての口実になってしまって本当にめんどくさ……いろいろと目先が変わって新鮮な気持ちになりますね。