で、X-E3のタッチパネルですが、ただのタッチパネルではありません。
なんというか個人的には「その手があったか」というか「FUJIFILM、はっちゃけたなあ」というか。
というのも、このタッチパネルに十字ボタンの補完をさせているんですヨ。
そう、上下左右にフリックして、今まで十字ボタンに割り当てていた機能を呼び出すという仕組みです。
これはよほどタッチパネルの制御に自信がないとできない事だと思うのですが、思い切ったなあと素直に感心してしまいました。
その使い勝手ですが、実に快適です。
画面をさっとなぞるだけでいいので今まで十字ボタンを押していた自分がバカみたいです。
というと褒めすぎですね、はい。十字ボタンでも操作性としてはまったく問題無いと思います。
ただ、フリックも問題ありません。なれると他のカメラでもつい液晶ディスプレイをフリックしてしまいそうですが。
もちろん呼び出し機能はカスタマイズ出来ます。
私は今のところデフォルトで使っております。
ただし。
この機能、完璧かというとさに非ず。
というのも、タッチAFやタッチシャッターを設定している場合、この機能との両立というか、折り合いがけっこうセンシティブです。
つまり機能を呼び出すために画面をフリックすると、AFターゲットが移動しちゃう、とかシャッター切れちゃう、とか意図しない事がおきてしまうとう感じです。
これ、完璧に使い分けが出来ているゴッドフィンガー(と呼びたくなるくらい個人的には難易度が高いと思ってます)の持ち主ってどれくらいいるんでしょうね。
私はタッチAF、タッチシャッター系を殺してフリック機能優先としてうんようしております。
つまりこの使い方であれば「非常に快適」です。
この手のEVFがあるカメラって、EVFを覗いて撮影する事がほとんどなので、タッチAFよりフォーカスレバーの方が断然使いやすい事が第一の理由。
タッチAFやタッチシャッターをOFFにしていても、必要に応じて機能呼び出すのにさほどストレスを感じないという操作性が比較的いい事が二番目の理由です。
液晶ディスプレイにタッチ系の切替タブが常時表示されていて、それをタッチするだけなので。そしてタッチの反応がとてもいいのでストレスフリーといってもいいくらいです。
普段はなんだかんだでフォーカスレバーを使った方が便利ですし、この運用で今のところ私はまったく文句はありません。
ということで、ファンクションボタンのフリック化については、プラス10点差し上げたいと思います(持ち点はあと110点)
・Bluetooth(FUJIFILM初?)
これについてはアレです。ちょっとでも期待した私がバカでした。
私の環境ではブチブチ切れるわ転送が始まらないわ遅いわでほとんど使い物になりませんな。因みにタブレットとスマートフォン、合わせて5台でチェックしましたが全部一緒。
これについては個体差かもしれませんが改善求む。
で、Bluetoothどころか純正ソフトからして「やってられない」って感じなので、他のカメラと同様、速度もそれなりだし通信が安定しているFlashAirベースで画像の転送したりしてますです、はい。
転送はFlashAirで事足りるとして、コントロール機能は専用アプリに頼らざるを得ないのが難点です。NFCくっつけるだけで強固に連携してくれて、あとはアプリ側を操作するだけでサクサク使える環境を手に入れる事ができるのはいつの日でしょうか。ぼやぼやしていると元号変わっちゃいますよ、FUJIFILMさん。
もっともカメラ連動アプリは他社の、たとえばRICOHとかPanasonicもロクなもんじゃないんですが……。
(私の環境だとなぜかLEICAとOLYMPUSアプリは比較的安定しております)
これについては「仏作って魂入れず」なのでマイナス10点(持ち点はあと100点)
・USB充電
X70ではOKだったのにX-Pro2では非対応だったFUJIFILM。
なので「ようやくかよ」感は拭えませんが、取りあえずUSB充電ができるようになったことは朗報です。
このUSB充電機能は個人的にはほぼ使いませんが、「使うか、使わないか」は問題ではなく「使えるか、使えないか」が問題なので。
USB充電が常態の人は「買わない理由」が一つなくなりましたね。
そうではない私の様な、つまり複数のバッテリを交換して運用する充電器派の人でも「ありがたやUSB充電機能」と感謝した経験が一度や二度はあるかもしれません。ならばこの機能がある事による電源的安心感はプライスレス。
ここは素直にプラス10点です(持ち点はあと110点)。
・Cポジション
さあ細かい話になってきました。(・∀・)
これもX-Pro2で搭載されたもので「最初からこうしろよ、FUJIFILMめ!」と「感謝しつつもプンプンっ」的な反応をした機能です。
「信者だけでは食っていけない、一般の人にも使ってもらわなければ」という理由ではないでしょう。私をはじめとする「めんどくさい独立ダイヤル操作とかいいから、ファインダ覗きながら操作できる普通のカメラ方式で(露出補正を)させろ!」という声に応えた感じでしょうね。
えっと。
今さらですがCポジションとはなんぞや? と思われている方のために(居るのか?)簡単に説明しますと、FUJIFILMの中位機種(X-T二桁ラインとX-Eライン)以上のボディには、天面に独立した「露出補正ダイヤル」がデデーンとデカイ面して居座ってます。
「フィルムカメラからのユーザーはこれじゃないと」
「一目瞭然でわかりやすい」
「なんかオッシャレー」
等々、この「デカイ面」を肯定する人もいますが、使いやすいのは断然コマンドダイヤル操作でしょう。あと主にダイヤルの大きさ(文字をプリントする面積)の問題で、露出補正幅が限られます。
最近でこそようやく±3EVまで刻まれていますが、以前は平気で±2EVでした。
フィルム時代はそれで良かったんです、2EV程度で。
でも、デジタル時代で現像焼き付け代を考えなくなってくると、普通の人達でも「無茶」、つまりトライアンドエラーをして、表現の幅を広げる事ができるようになりました。思いっきり飛ばすとか思いっきり黒っぽくするとか、もうフツーの表現手法。つまり±2EVなんて「はあ? ふざけてんの!」みたいな。
じゃあ±3EVだといいのか、ということですが、個人的には全然足らないと思ってます。
±3EVなんて全然足りないぜ的な無茶な? 表現方法をとる人は、迷わずこのダイヤルを「C」に合わせましょう。
すると±5EVまでコントロールできるようになります。
いや、±5EVで足りるのか? という議論もあるでしょうが、±3EVよりはマシなのは確か。言い方を変えると表現の幅は広い、という感じ。
ダイヤルを「C」に合わせる事で、露出補正はフロントコマンドダイヤルにコントロールが移譲されます。
これでEVFを覗いたままでも回しやすくなりました。というか普通のカメラの露出補正ロジックになったというわけです。
私はX-Pro2はもちろん「C」に固定でしたので、X-E3でもここは「C」に固定です。
この「C」ポジションですが、個人的には露出補正ミスを防ぐモードでもあります。
ダイヤルで露出補正を行う操作方法のカメラだと「一度やった露出補正のまま」でとり続けてしまう、という失敗がよくあるんです。もちろん注意深くてクレバーな「ダイヤル露出補正大好き」的な皆さんはそんな失敗はしないのでしょうけど、そもそも露出補正はコマンドダイヤルやるのがくせというかそういう体? 指? になっている私の露出補正シークエンスは
1)露出補正をする
2)撮影する
3)画面のパラメータを見ながら補正を元に戻す
という感じなのですが、ダイヤルで補正するボディの場合、(3)がどうしても抜け落ちるんです。EVFや画面を見ながらゼロにしにくいものが多いし、そもそもめんどくさいのでついつい忘れちゃうという感じです。
というわけで個人的な事情も含めて「祝!Cポジション搭載」って感じです。
でも、他社ではアタリマエの事なのでプラスはなし(持ち点はあと110点)。