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☆ホノルル・センチュリー・ライド(HCR)に備える アイテム編 その2【Cinelli NEO MORPHE】

ホノルル・センチュリー・ライド

「疲労低減カーボンハンドルバー」(初出:2017/08)

先日のこと。お盆休みの炎天下に敢行した「湖北100kmライド」でHCRを想定したアイテムをいろいろテストしました。
今回からしばらくはそのアイテム群の評価です。
なお、評価の為に準備したアイテムは次の通りその1:日焼け止め「アグレッシブデザイン Sun Protect”Fighter”」(既報)
その2:疲労低減カーボンハンドルバー(今回)
その3:チューブレスタイヤ&ホイール
その4:シートポジションの変更
その5:インカム
その6:盗難防止装置&ウインカー
その7:モバイルバッテリー
その8:その他今回は「その2:疲労低減カーボンハンドルバー」です。

さて、皆さんはどうだか知る由もありませんが、私は自転車に長時間乗っていると必ず手がしびれてきます。
片方ではなく両手ともにしびれます。我ながら偏りがありません。(・∀・)
しびれる部位も決まっていて、掌の端(小指側)一帯です。側面も含む感じ。

このシビレは基本的に血の巡りが悪くなる事によって起こる現象のようで、ハンドルから手を離して手をブラブラしたりして血の巡りを戻すと一時的に収まります。
ただし、一度しびれ始めるといったん血の巡りを戻してもすぐにまたしびれる、という繰り返しになり、ロングライドだと中盤からはずっとこのシビレとの戦いになってきます。
ただでさえ筋肉疲労や心肺の疲労があるのに、しびれも加わり、もともと少ない気力がゴリゴリと削られてヘトヘトになってしまうわけです。

もちろん痛みや不快な項目はつぶすに限りますので、当初からコレについてはいろいろと対策を施しました。

・ポジションを換えてハンドルバーのいろいろなところを持つ
→ 一カ所を圧迫しない為だが、実際はなぜかあまり効果無し

・しびれたら手をブラブラさせる
→ 当然ながら一時的には回復するが要するにただの対処療法

・タイヤ交換(23c → 25c)
→ 全体の乗り心地は多少改善するも、しびれには効果無し

・第一回ハンドルバー交換(アルミ製コンパクトタイプcc(芯芯)40cm → アルミ製コンパクトタイプcc42cm)
→ バイクのハンドリングの過敏さは緩和されるもしびれには効果無し

・ステム交換(アルミ製→カーボン製)
→ ステムの振動吸収力に期待したが効果無し。ちなみにたいした軽量化にはならず

・第二回ハンドルバー交換(アルミ製コンパクトタイプcc42cm → カーボンエアロタイプcc42cm)
→ カーボン素材が保つ振動吸収力に期待したが効果無し。ただしエアロハンドルにしたためフラットな部分が出来てパームレストとしてはある程度の緩和策となった。ただしフラット部分のパームレストとしての効果については期待に反してして気休め程度であった。

とまあ、1年ほどかけて以上のような変更を行いました。
要するに愚考を重ねただけで大した改善にはなっておらず、手のしびれについては継続中です。
ちなみに「肘を突っ張って思いっきり体重をかけたフォームで乗っているから血流が悪いんだぜ。ついでに呼吸もダメだからしんどいんだぜ」というご想像はハズレです。さすがに高校時代でその辺りは一通り矯正されていると思われます。

さて。
そんなこんなでいろいろと情報を漁っていて、辿り着いたのが1本のハンドルバーです。
その名はCinelli NEO MORPHE(チネリ ネオモルフェ=ケーブル内蔵型のフルカーボン製ハンドルバー)。

普通のハンドルバーと何が違うかというと、ぱっと見てわかるその形状です。
写真のように下ハン部分がグニグニと曲がっていますので、誰が見ても「ヘンテコなハンドルバーだな」と思うはず。
てもってバー自体も○断面ではなく凸凹しています。そうかかと思うと上面はフラットだったりして、まあ「ヘンテコ」という表現がぴったりなハンドルバーではないかと思います。
ヘンテコな形にはアタリマエですが意味があって、普通のドロップハンドルより多めのポジションをとれるように工夫されているハンドルバーなのです。
あとまあ、指圧的なアレ(グリグリ)ができるというか、ざっと言うとそんなハンドルバーです。

これでハンドルバーはもともとバイクについてきたものをいれて4本目です。
うちカーボンハンドルの二本がケーブル内蔵型。
普通のハンドルバーと違い、ケーブル内蔵タイプのハンドルバーっていうのはバイクを校正する他のパーツと比べても相対的に交換作業は「ハードルが高い」震いに入ります。なんというか、交換にはものすごいエネルギーと、そしてけっこうコストがかかります。総合的にストレスが発生する作業なんですよね。

その理由はいくつかあるのですが、具体的にはこうです。
◆バーテープのまき直し(これは内蔵型とか関係なく発生する)
◆シフトケーブル前後の引き直し作業
◆ブレーキケーブル前後の引き直し作業
加えて、私のバイクに限らず最近のアルミやカーボンバイクフレームは空力と見た目の問題でシフトケーブルやブレーキケーブルは内蔵式になっています。これもまたけっこう面倒なんです。

コスト面ですが、まずは細かい事ですが、ハンドルバーを換えるとだいたいはラインが変わってしまうことになります。そうで無い場合もありますが今回は変わりましたので、ケーブル類、主にアウターの交換が必要になります。短くなる場合は流用できますが長く必要な場合はコストが発生します。
さらに言えば、大概の場合はケーブルの末端を短くカットして末端処理のキャップを被せている関係で、インナーケーブルの流用はアウターケーブル以上に難しい場合が多いのです。
ちなみにケーブルのコストですが、アウターとインナーがセットでDura Aceグレードで3000円/1セット。ですから全部換えるとケーブル代だけで3000円×4で12000円程かかっちゃいます。

実はこのケーブル総取っ替えを私は合計3回やってまして。最近は短期間で連続2回もやってます。今回を入れると短期間で3回です。
なので今回はいろいろと考えて「一辺に全部交換する」事としたのです。
・ハンドルバー
・ステム(ステムが変わるとケーブルラインの取り回しが変わる事があるのでタイミングを合わせた)
・STIレバー(R8000系メカ版)
・フロントディレイラー(R8000系)
・リアディレイラー(R8000系GSタイプ)
ここまで来るとさすがに3回目はDura Aceのケーブルを~なんてのはやめました。新型アルテグラのSTIレバーを買ったらケーブルが付属していたので、アルテグラで充分じゃん、ということでそれを使う事にしました。

そういうわけでケーブル内蔵型のハンドルバーはすっきりして見た目がいいのですが、勢いで買っちゃうとその先には深い闇というか面倒な作業ががあるよ、ということでございます。

さて、グダグダと導入編を書いてまいりましたが、結果は簡潔にまとめようと思います。

◆Cinelli NEO MORPHEは手のしびれに対して効果はあったのか?
→ 効果絶大。100kmのロングライドで、ほとんどシビレを感じる事はなかった。これは古い表現を借りると「山田かつて無い出来事」であった。

そうなんです。なんというかウソのように手のしびれがなくなりました。
ライドの後半、微妙に軽いしびれが出ましたが、いつもの手ブラブラで一度リセットした後は再発しませんでした。
なんか鼻をつままれたというか、騙されているんじゃないかととか、手がしびれる呪いがかかっていたのがこのタイミングで偶然解けたのかとか、プラシーボ恐るべし、とかいろんな事が頭の中を駆け巡りますね。
この手の問題には個人差がありますし、かなり病理的な部分に踏み込んだ問題であるような気がします。なので「Cinelli NEO MORPHEは手のしびれの特効薬である」などと大きな声で言うのははばかられますが、少なくとも私には効果があったとだけ報告させていただきたく。

ちなみにその後、二度のライドを行いました。週末朝練の27kmと46kmのですが、いつもの私だと27kmの最短コースでもアタリマエのように出るしびれが、二回ともまったく顔を出しませんでした。
つまり「もう普通のハンドルには戻れない」という、Cinelli NEO MORPHE信者になってしまったということをご報告して今回は終了したいと思います。

「ありがとう、チネリ! ネオモルフェ、サイコー!!(・∀・)」