趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

☆バイク(自転車)に乗る時のちょっとした悩みなんかを考えてみた

自転車

その3:●バインディング(ビンディング)について(初出:2016/07/05)

簡単に言っちゃうと「バインディングって必要なの?」という疑問ですね。
かつて「トゥークリップ&ストラップ」を使ってペダルに足(というかシューズ)を固定して自転車に乗っていた私ですから、「自転車リバイバル」に際して進化したトゥークリップ&ストラップとも言うべき「バインディングシステム」を使う事について、ほとんど疑問を持たず、事実ロードレーサー購入時から使用しているわけですが……。

1年ほどロードレーサーに乗ってみて、盲目的に使っていたそのバインディングシステムに疑問を感じるようになってきた、というお話です。

ロードレーサー乗りのほとんどの人は「何言ってんだ、コイツ」と思われたかも知れません。
いえ、それはもうごもっともな感想だと思います。
もっとも私はバインディングシステムを否定しているわけではないのです。
単純に「私に必要なのか?」と疑問を感じるようになった、というお話に過ぎません。

当初、ほぼ何の疑問もなくそのシューズとペダルを導入した私には確かに必要に思われたモノでした。
いや、少し違いますね。
言い換えましょう。
「必要であるはずだ」と思い込んでいた、とでもいいましょうか。
「思い込み」ではなくむしろ「妄想していた」といった方がいいかもしれません。
何が言いたいのかと言うと、「バインディングが必要でない人とそうでない人がいる」ということです。
むしろ「バインディングによる弊害の方が大きい人がいる」と。
私はその弊害の方が大きいライダーの一人じゃないかと、最近ようやく気付いたというお話なのですよ。
いや、ロードレーサーに乗り始めた時から薄々は感じていたのです。
「これって私に必要か?」って。
でも認めたくなかったというか、メリットだけを考えるようにして自分の選択が間違っていないと思い込みたかったのかもしれません。

ではその私が考えていた「メリット」とは?

◆カッコいい(だってロードレーサーに乗るならバインディングシューズでしょ?)
→ 言い換えるとバインディングシューズでロードレーサーに乗っていないなんてかっこ悪いという思いの裏返しがあるわけですが、そもそもそんな事を考える事自体がかっこ悪いと「恥を知る」べきなのでしょうね。

◆立ち漕ぎ(私は敢えてダンシングとは言わない)の時、強い力を込めてもペダルから足がズレない
→ 立ち漕ぎ時は大出力かけているので、ペダルから足が滑ったりするとけっこうな惨事になる

◆引き足が使える
→ 踏むだけでなく、引く力もペダリングに加わる(と考えていた時期がありました)
→ 片足を怪我しても片足でペダルを回せる(回しやすい)

◆雨天、泥汚れなどでもペダルから靴が滑らない
→ 滑ると危ないんですよね~。

◆高ケイデンスには必須
→ 異論無し

とまあ、ざっとこれくらいでしょうかね。
どれもたいていの人は「だよね」とうなずいてくれる理由ではないかと思います。
個人的には「カッコ」の問題が最大でして、ほぼ同列くらいに「立ち漕ぎ時の安心感」があります。
トゥークリップ&ストラップ時代の私は立ち漕ぎを多用していたので、あれがないと不安でペダルを踏み込めませんでしたからね。

で。
ロードレーサーに1年くらい乗ってみて、上記4つのメリットを改めて吟味してみたんですよ。

◆カッコいいか?
→ 正直いってかっこ悪い(自転車から降りた時)特にSPDのような二穴式じゃないシューズを履いて歩いている姿は哀れを誘います。
というかカッコいいかっこ悪いは主観なので、むしろカッコいいシューズかどうかの方が問題だと思います。

◆立ち漕ぎの時
→ 1年走ってわかった事の一つとして、今の私はほとんど立ち漕ぎなどしないのです。要するに必要無し。

◆引き足が使える
→ これもわかりました。まともなペダリングって、引き足とか使わないんじゃね? 少なくとも私は引き足使うようなペダリングは一切行わない。

◆雨天、泥汚れなどの時
→ これは一理あるけど、ほとんど雨天に走らないし、滑らないペダルと靴の組み合わせなら問題ない。

◆高ケイデンス
→ 何rpmをもって高ケイデンスというのかが問題になりそうですが、私の場合、そもそも高ケイデンスで走りません(はしれません)。そうやって走る必要が無いのでトレーニングもやりません。心肺能力が平均より劣っている事もあり、むしろ無理な負荷は掛けないように心がけておりますから、平均90rpmとかあり得ません。下り? いや、私は「(きつい)下りではペダル踏まない教」に入信しましたから。

っていうことで当初メリットだと思っていた事がほとんど「そうではない」という結果を突きつけられた状況です。

そうなると浮かび上がってくるのがデメリットです。
デメリットは各論を書くといろいろありますが、要するに一つです。

◆ペダルと靴が固定されて(しまって)いる

メリットでありデメリットであるこの一点からメリットをとるとデメリットしか残らないわけです。
ようするに「咄嗟の時」「うっかりしたとき」に、これはとんでもない文字通りの「足かせ」になってしまいます。

そして実際に経験して理解した事があります。
「街中ではそもそもバインディングからシューズを外している時間のほうが長い」
という事実です。
「街中」のレベルにも依りますが、信号ばかり、一旦停止ばかりの市街地ではそもそも止まっている時間が長く、速度も上げられません(むしろ上げちゃダメですな)。要するにそんな状況でペダルに靴をくっつけているメリットなどほぼ無いのです(私の場合、です)。
街中の場合、クリートを外す、装着するという作業に割く注意力があるなら、それを周りの安全確認に回すべきじゃないかと。

「そんなの(付け外し)は無意識にやってるから問題ないよ」とおっしゃる達人は大勢いらっしゃるでしょう。でも私の考えは違います。「そんなの」は無意識にやってはいけないと考えているからです。
意識して外す、意識して付ける。
そうしないと「うっかり」事故に絶対繋がると考えています。私は、ですが。
これはトゥークリップ&ストラップの時代から変わらない考え方です。
上手の手から水がこぼれる時というのは、必ずあるからです。
じゃなければロボです、ロボ。(・∀・)

私はこの1年、バインディングのクリートがらみでのいわゆる転倒は一度です。
その際も「外し忘れた」からではなく、「いったん外したのにうっかりペダルを踏んだ際にくっついてしまった」為にバランスを崩した立ちごけでした。
幸いな事に喫茶店の駐車場の敷地内での出来事だったので単なる自損で住みましたが、場所は対面といっても車線が非常に狭い旧街道で、あろう事かダンプが頻繁に行き交う、地域でも「危険な道路」でしたので、これがその路上で、右側に転けていたら、背後にダンプが走っていたら、と思うとゾッとしますよね。
「私に限ってクリートの外し忘れでの転倒などアリエナイ」と考えていましたが、再装着で転けるとは夢にも思いませんでしたので、今では早期にその体験? が出来たことを幸運だと感じています。
「意識して外せ、意識して装着しろ」という思いがさらに強まった事は言うまでもありません。
もちろんその事故からは「再装着に充分注意」する項目が加わり、防止策としてそれまで「下死点」でクリートを外していたクセを「上死点」で外すように改めました。「上死点」で外すと、そのまま足をペダルから下ろす形になりますのでうっかりペダルを踏んで再装着という可能性は低くなるという考え方です。

繰り返しますが、バインディングシステムを否定しているわけではありません。
あれはきわめて有用なシステムだと思っています。ソレにはまったく異論はありません。
私が言いたいのは子供をのせている「電動ふらっか~ず(あるのか?)」を漕いでるママはバインディングシューズにクリート付けて乗る必要は無いでしょう? という方向の話なんです。

いや、誤解を与えかねない表現でした。
言いたいのは機材というよりも目的だという話です。
電動ふらっか~ずでツクバ耐久8時間とかやるなら、むしろバインディング付けた方がいいでしょうしね。

この疑問がだんだん大きくなってきたのは、言い換えるなら自分の目的がだんだん明確になってきたという事でもあります。

・レースになど出ない
・速く走りたいと思わない(走れないし)
・坂道とか上りたいと思わない
・下りは怖い

何がしたいのかというと、のんびりと体にムリのないエクササイズ的な、レジャー的なサイクリングなわけです。
その一つとして、ライドイベントがあり、
休日の午前中に汗を掻くサイクリングロード走行があるわけで。
もちろん速く走れるに越したことはありませんけど、頑張って平均速度40km/h維持してアワイチ4時間切り、とかしたいとも思いません。そういう目標にはまったく興味が湧かないのです。
アワイチであれば、将来的には8時間以内に完走出来るだけの体力があれば「アワイチ」のライドイベントで完走かのうなので嬉しいですけど、それを6時間にしようとか4時間にしようなどとは思いません。そちら側はレース系の考え方で、愉しみ野一つとしては理解出来ますが私の興味はまったくひきません。
私は「自転車に乗っていて楽しいと思う時間」が欲しいのですが、その方向性が体育会系というか、アスリート系というか、そっち方面ではないんのです。
「自転車で遠くに行きたい」思いはありますが、一般路を延々何百キロも走りたくありません。
できれば気持のいいところだけを走りたい。だから遠くに行く時は車にバイクを積んでいけばいいのです。
つまらない移動の為の道路はワープして、景色が良くて走りやすいところだけを味わいたい。
だって、趣味ですからね。

達成感の考え方については人それぞれですが、ムリめ、高めの目標に向かって努力邁進する、という文字はどうも私の辞書にないようでして。
今のところ自転車が楽しいのは「気持ちよく汗をかきたい」的な欲求を体の負担が少なめに体験できるからでしょうね。
あと自転車って、下りとかで味わえる空走感が気持ちいいんですよね。
エンジンの音がしない。回転系の機械音だけがする中で体が進んでいくあの感覚。
たぶんですが、オートバイとバイクの違いって、飛行機とグライダーの違いみたいなものなのかもしれませんね。グライダーに乗ったことがないので単なる想像ですが。
いやあ、グライダーって一度乗ってみたいんですがなかなか機会がありません。機会は作らないとないのでしょうけど、まあそのうち是非乗ってみたいです。

話が逸れましたが、自転車で味わえる体験が好きで、でも自分をいじめて自転車能力を高めたいとはまったく思わないというのが私のバイクに対する気持というか心構えなのです。
つまり、そういう人間にとってバインディング・システムは必要ではないのではないのかな、と。
いや、必要か必要でないかなんて本人が勝手に決めたらいいことなのであれこれ理論武装する必要は無いはずなんです。
わかってます。
じゃあなんで書いているのかというと、必要じゃ無いけど、なんとなく取り外せないというか。そんな中途半端な自分を見つめ直そうとしているのかもしれません。

まあ、ぶっちゃけるとせっかく買った靴とペダルをムダにするのもなんかな~という思いがけっこう強いというところでしょうか。
でもほんと、メリットってあんまりないんですよね……。

あ、写真は例によってイメージです。LOOKさんから拝借しました。