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☆今更ですが……初心者向け【ツール・ド・フランス】の楽しみ方 前編

自転車

残念ながら? すでに今年のツール・ド・フランスの総合優勝は決定しちゃいましたけどね

チーム・イネオスのゲラント・トーマス選手です。
したがって優勝争いを予想する楽しみはなくなってしまいましたので、ここではそれ以外の楽しみ方をお伝えしたいと思います。
※もちろんゲラント・トーマスがドーピング発覚、落車事故、はたまたペナルティなどでリタイアしなければ、という条件がつきますが。

というか、「自転車ロードレースがちょっとは楽しめるといいな」と思って記事にしました。

◎とある日曜日、早朝

ハイデリン第一世界「イル・メグ」の某所にて

早朝のチャッ友(チャットする友達、という意味。深く考えない方向で^^;)であるAさん(@UNICORN)と世間話をしていたとお考えください。
そこで自転車の話になったわけです。
※一部の方には意味不明な地名などが出てくるかもしれませんが、無視していただいても本編は普通に読んでいただけます。

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「ツール・ド・フランスの楽しみ方を教えてください」

その時、Aさんが私に投げたお題がこれでした。

「ふむ」
この極めて根本的な問いかけに対し、私はなんと答えたらいいのだろう?
なのでしばし考えました。

確かに私はツール・ド・フランスの実況を(生放送で)楽しく見ています。
つまりその「楽しさ」を言語化することができたら、また一人、自転車ロードレースファンを増やすことができるかもしれない……。
(この間0.3秒)

「わかりました。ブログの記事にします」

そんな経緯でかきあげたのがこの記事でございます。
長くなったので、今回は前編。
前編だけ読んでもそこそこ楽しんでいただけると思っています。

◎ツール・ド・フランスとは?

ツール・ド・フランスを楽しむ大前提として、まずはツール・ド・フランスが視聴できるかどうかが問題になります。
視聴できなければ楽しむなにもありませんからね。

日本で放映権を持っているのはJ Sportsなので、J Sportsの有料チャンネル(J Sports 4やオンデマンド)が見られるようにしましょう。
「面白いかどうかわからないのにカネ払えるか!」
ごもっとも。
しかし、人生は賭けの連続です。
面白かったら儲けもの、ダメでもせいぜい一月2000円までじゃないですか。
ここは騙されたつもりでポーンと行っちゃいましょう。

◎で、ツール・ド・フランスとは?

日本人の多くはご存じないと思われますが、実はこれ、世界4大スポーツイベントの一つです(と言われています)。
そもそも「世界4大スポーツ」なんて言うのがあるのを知っている日本人が少ないのではないかと思います。
知ってればツール・ド・フランスは地上波で無料で見られるはずですからね。

その世界四大スポーツですが、

・オリンピック
・サッカーワールドカップ
・F1
・ツール・ド・フランス

です。
そもそもツール・ド・フランスを頂点とするサイクルロードレースはヨーロッパではサッカー、F1に次ぐ人気のスポーツです。

「えー? なんでそんなのが超人気なの? 意味がわからない」
そうおっしゃるのも無理はありません。
ではヨーロッパの人に聞いてみましょう。
「えー? 日本人ってなんでフィギュアスケートとか大人気なの? 意味がわからない」
まあ、そんな感じ?

◎だからツール・ド・フランスってなんだよ?

こほん。
忘れてました。^^;

ル・ツール・ド・フランスとは?
(以下、ツール)
ざっくり言うと、100年以上の歴史を誇るフランス一周自転車レースの事です。
距離にして3500km前後、21日間で争われます。

第一回のツールは1903年。
途中、戦争などで中断があったので、今年のツールは第106回になります。

◎サイクルロードレースの見どころ

まずはツールを始めとするサイクルロードレース全般について。
ざっくりと。
というか、一言でいきましょう。
「サイクルロードレースは、最後の10分だけでオッケー」
これです。

レースごとに多少前後しますが、ズバリ言って面白くなるのはゴール前3kmあたりからです(ならないこともある)。
サイクルロードレースの詳しいルールなんか知らなくても、最後の10分、もしくは残り3kmくらいからならば、退屈せずに見られますし、おそらく誰が見てもそこそこ楽しめまるはず。まあ、競争ですからね。
それまでは素人目にはそれまではただの「おっさんたちの集団サイクリング映像」です。

なので、リアルタイムで見るよりも、録画しておいたものを早送りして、ラスト3kmくらいから見ればオッケーでしょう。
あとはまあ、時間の無駄というか、あのペテル・サガンも言ってますが、「見ていてこれほど退屈なスポーツはない」です。
だって誰がなんと言おうとほぼ全編に渡って「おっさんたちの集団サイクリング映像」ですからね。
ピチピチのうっすいジャージを着たおっさんたちの体が好物な一部のマニアにはたまらないかもしれませんが……。^^;

◎注目すべき選手とチーム

さて。
「録画しといてラスト10分だけ見ればいいよ」
ではあんまりかな、と思うので、もう少し幅を広げましょう。

どんなスポーツもそうですが、特定の選手やチームに注目したり、応援したり贔屓にしたりすると、より興味深く楽しめます。

とはいえ、全くの初心者はそもそも誰に注目すべきかなんてわかりませんよね?
そこでここでは独断と偏見で私が注目すべき選手とチームをいくつかピックアップします。
騙されたと思って? 注目しつつ応援していただければ(主に私が)嬉しいです。

○日本人ならチーム・ディメンションデータに注目……してもいいんじゃないかと

ここは別に優勝争いに絡むとか、見ていて面白い作戦をとるとか、そういうチームではありません。
誤解を恐れずに思ったことを書きますと、大したチームではありません。
じゃあ、なぜピックアップしたのか?

理由は「来年、チームNTTという名前になる」からです。
そうなんです。来年は日本企業のチームになるんです。
しかもいわゆるシングルスポンサーなので、他の雑音? がチーム名に入りません。
ピュアなNTTチームです。

NTTが親の仇よりも憎いなんて思っている人以外は、日本の唯一のUCIワールドツアーチーム(全世界で18チーム)となるので、注目しておいて損?はありません。
スマートフォンがドコモだったりする人は身近に感じるでしょうし、応援すると観戦に熱が入るかも。

来年チームNTTに日本の選手が移籍して来るかどうかはわかりませんが、実力はどうあれ、数名の日本人選手を擁して参加してくれると日本でツールの注目度があがるとおもうのですがね。
たとえ日本人がいなくても日本のチームってことで、このチームを軸にツールを楽しむのはアリじゃないでしょうか。

NTTになってからチェックし始めてもいいですけど、そもそもディメンションデータはNTTの子会社なので、実質的にチームNTTみたいなものです。なので来年より楽しむために、今年からチェックしているとチームの(メンバーなどの)変化もわかってより興味が湧いてくるかもしれません。
ユニフォームなんかもどうなるか楽しみです。

そうそう、このチームを応援する理由の一つにバイクを持ってくるのはどうでしょう?
「弱虫ペダル」ファン限定の話になってしまいますが、ディメンションデータの選手が乗るバイクはスイスのBMC。これは小野田坂道の愛車です。

なお、チームの国籍は南アフリカ共和国です。

○ペテル・サガン

次は選手です。
注目すべき選手はたくさんいますが、私の好みで二人だけ推薦しておきます。
派手系一人、地味系一人です。

まずはペテル・サガン。
「僕にとってはサイクルロードレースというスポーツは退屈きわまりない」と言い放ったセリフがあまりにも有名な問題児。^^;
発言も濃いけど、見た目も濃い。
まあ、イケメンと言っていいでしょう。

この人は相当実力のある選手で、ある意味「最強」属性をもっているのですが、実は総合優勝には絡んできません。
この選手の狙いはいつもひとつ。それは「ポイント賞」です。
ツール・ド・フランスでは「ポイント賞リーダー」の証である緑色のジャージを着ていますので、集団の中でも見つけやすいですし、コースによってはゴール争いにも顔を出しますので注目選手としてまずはおすすめです。

サイクルロードレースの全選手の中で一番高い給料を貰っているのがこのサガンだと言われています。
彼のステージであれば彼は強い。かつパンチャーという脚質なので、常にチームメイトに守られて集団でウロウロしている総合優勝狙いの選手などより見せ場も多い選手です。

来年開催される東京オリンピックのサイクルロードレースは、どう見てもコース的にサガン向きではないので、前回の五輪と同じくロードレースは捨ててMTB選手として来日する気がしております。
ちなみにMTBから転向してロードレースの選手になっています。

とりあえずこの人はいろいろと派手だし、そもそも実況解説などでもこの人の話題が出ない日はありません。なのでこの選手の話を軸にツールやロードレースの理解を深めるのはツール入門としておすすめです。

ボーラ・ハンスグローエ所属。
29歳、スロバキア人。

○トーマス・デ・ヘント

二人目はサガンとは対照的に地味系です。
サガンはまあ、誰でもいちおう推してくるメジャーなスター選手ですが、こちらはいわゆる「いぶし銀」「職人肌」系の選手です。
「無口でぶっきらぼう」な感じでたいして華もありません。

二つ名の通り、チャンスがあれば常に逃げ集団に入ってきますので、その場合はテレビに映る時間がながくなり、チェックしがいがある選手と言えます。
逃げに乗らない場合でもチームの先頭や集団の先頭で引っ張り役を長くこなしたり、チームのエースをがっつり守った走りをしたりと、フォア・ザ・チームに徹して黙々と与えられた仕事を要求以上のクオリティでやり遂げる選手です。
私が好きなのはそういうところなんですよね。
サガン系のイケメンではありませんが、私、デ・ヘントは男前だと思っています。
個人的にはサガンより好きです。^^;

私はスプリンターやパンチャー、オールラウンダーという脚質の選手より、クライマーやルーラー、特にルーラーがが好きなのでデ・ヘント先生のファンなのです。

そうそう、今年のツールでは既に第8ステージで大逃げして独走で優勝という、ド派手なことをしちゃいました。
地味とはいいつつ「逃げ」に入る時間が長いということは、決して逃げには入らないサガンよりもテレビに映る時間が長いわけで、これはある意味ではサガンより「目立つ」と言えなくもありません。
少なくともスポンサーはそんなデ・ヘントを大事に思ってかわいがっているいるに違いありません。

ちなみにこの人には有名な名言があります。
「逃げは乗るものではない、作るものだ」

さすが「逃げ職人」いや、もはや「逃げ名人」かも。

ロット・スーダル所属
32歳、ベルギー人。

◎バイクメーカーで選ぶ

ある意味王道かもしれません。
複数チームに機材供給をしているスペシャライズドやキャニオンという例外もありますが、他のツール出場チームはチーム毎に使っているバイクメーカーが違います。
なので、自分の持っている自転車のメーカーや、自分が知っているバイクのメーカー、はたまたちょっと書きましたが、アニメやマンガのお気に入りのキャラが乗っているメーカーの自転車を使っているチームに肩入れしてみるといいかもしれません。
ただまあ、残念ながらパナソニックやブリジストン、丸石といった日本のメーカーは現在は機材供給を行っていません。
「ブリジストン・アルベルト」なんて自転車で出ているチームがあると熱く燃えるんですけどね。^^;

私の場合は愛車のTREK MADONE SLRそのものを使っているトレック・セガフレードをいちおう応援しています。
まあ、トレック・セガフレードは個人レベルではけっこうなタレントがいるのですが、それをサポートするチーム力がかなり低いというか、監督がヘボなのか……まあそんな感じであまり応援しがいがないのですが、まあそこはTREKオーナーなので、自分のバイクがレースしていたら応援しちゃいますよね。
言ってみればホンダユーザーがマクラーレン・ホンダを応援していたようなノリですかね。^^;
「今回もダメだろうな」と思いつつもポイントをとったら嬉しい、みたいな?

そんなわけで、チーム名と使用バイクをまとめておきました。
※バイクのモデル名までは勘弁してください^^;

アージェードゥージェール・ら・モンディアル(AG2R La Mondiale) エディ・メルクス(Eddy Merckx)
アルケア・サムシック(Arkea Samsic) BH
アスタナ・プロチーム(Astana Pro Team) アルゴン18(Argon 18)
バーレーン・メリダ(Bahrain-Merida) メリダ(Merida)
ボーラ・ハンスグローエ(Bora-hansgrohe) スペシャライズド(Specialized)
CCC(CCC Team) ジャイアント(Giant)
コフィディス(Cofidis) クオータ(Kuota)
ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck-QuickStep) スペシャライズド(Specialized)
ディメンション・データ(Dimension Data) BMC
EFエデュケーション・ファースト(EF Education First) キャノンデール(Cannondale)
グルパマ・エフデジ(Groupama FDJ) ラピエール(Lapierre)
チーム・イネオス(Team Ineos) ピナレロ(Pinarello)
ユンボ・ヴィスマ(Jumbo-Visma) ビアンキ(Bianchi)
カチューシャ・アルペシン(Katusha-Alpecin) キャニオン(Canyon)
ロット・スーダル(Lotto-Soudal) リドレー(Ridley)
ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott) スコット(Scott)
モビスター(Movistar) キャニオン(Canyon)
チーム・サンウェブ(Team Sunweb) サーヴェロ(Cervelo)
トタル・ディレクトエネルジー(Total Direct Energie) ウィリエール(Wilier)
トレック・セガフレード(Trek-Segafredo) トレック(Trek)
UAEチーム・エミレーツ(UAE Team Emirates) コルナゴ(Colnago)
ワンティ・ゴベール(Wanty-Gobert) キューブ(Cube)

◎ツールの楽しみ方前編のまとめ

ということでまとめましょう。

・J Sportsに金を払ってツールが視聴できるようにする
・レースは録画して、見るのはラスト10分くらいでいい
・途中も見る場合は、サガンとデ・ヘントを私と一緒に応援しよう
・自転車のメーカーで応援するチームを決めるのもあり
・来年NTTになるチーム・ディメンションデータに注目しておいて損はない

こんな感じでしょうか。
後編ではサイクル・ロード・レース自体の楽しみ方についてもう少し語りたいと思います。