趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

 ★FUJIFILM X-T10 その2

カメラ

しばらく使ってみての感想を備忘録として。(初出:2016/03/19)

お気に入りのいつものレンズ、もしくは「今日はこのレンズ」と決めたレンズでブラブラと撮影をするわけですが、それでもそれなりに「あ、ここはあのレンズで」と思う事は多いです。たぶんそれは私だけではないはず。
なので普通は「ズームレンズ」を装着するのが「賢い人」。まあ「賢い」と言うと色々と語弊がありそうなので「合理的」という言葉に置き換えてもいいですかね。多少のネガ要素を加えるなら「モノグサ」という言葉も当てはまらないわけではないかもしれませぬ(どっち?)。

私自身は全てのレンズはズームレンズであって欲しいと思っております。
というかズームレンズが大好きです。単焦点レンズなんて画角固定というだけでアホかと思います。
「このオレ様が、なんでお前に画角を決められなくちゃならないんだよ!」
みたいな?
でも、ほとんどズームレンズは使いません。
いえ、ウソです。
使いますけど、あまり持って出ません。
ボディに装着しているのは、ほとんどが単焦点です。
面倒で不便で、基本的に好きじゃない単焦点レンズを使わざるを得ないからです。
なぜか?
理由は実に明瞭。

・イメージサークルがカバーするフォーマットは4/3からせいぜいAPS-CまでOK。
・画角は全周魚眼から(135版換算で)200mm程度をカバーし、
・当然全長変化のないインナーズーム、
・特別明るくなくてもいいから、全域固定のf/2.0くらいの明るさで、
・パンケーキサイズでせいぜい200gまで
・全ての焦点距離で描写・補正力は単焦点レンズと同等で
・頑張ればパパのお小遣いでなんとか手が届くプライス
・おっと、当然ながら寄れるのは大前提。換算100mm時で最大撮影倍率は1くらいだと使いやすいかな。

というレンズが存在しないからに決まってます。
まあ、アレです。
存在したら怖いッスね。(・∀・)

でも理想でしょ?
レンズ固有の収差による光学的な欠点を「味」として楽しむ、という目的の人を除くと、そんな夢のレンズが出たらそれだけでオッケーなはず。もちろんより望遠域を望む人もいるでしょうけど、そんなレンズが存在する世界だったら100-2000mm f/1.8 みたいなのがエビスビールの12オンス缶程度のサイズで存在していると思います。もちろんインナーフォーカス・インナーズームで。
早くそんな時代になって欲しいと心から思う、モノグサな私です。

たぶんそんなレンズが出たらほとんどの人はもうそれでオッケー。
なのでほとんどがレンズ固定式カメラになっちゃいますかね。
それはそれで私は全然オッケーです。
私はレンズ交換がしたいからカメラを使っているわけじゃないので。
現状では「仕方がない」からレンズ交換式のSLR(一眼レフ)やMILCS=ミルクス(レンズ交換式ミラーレスカメラ)を使っているわけです。

でも、そんなレンズができてしまうと、だからこそ「欠点」を「味」「個性」と言い張る、いわゆる「レンズグルメ」が今より増えるに違いありません。
つまり「レンズ交換式」カメラはいつまで経っても「完成系」になどならないのではないかと思うわけで。

存在しない夢のレンズを妄想するのはこれくらいにして現実を見つめる事にしましょう。
そういうわけなので理想のズームレンズがない現状では、ズーム好き、単焦点嫌いの私でも、背に腹は替えられませんので、例えそれが親の敵であったとしても、単焦点レンズを使わざるを得ないのが現状です。
少なくとも「明るいズームレンズ」っていうのがf/2.8程度とか笑わせます。
あと、その「笑わせる明るさのズームレンズ」とやらは泣く子も黙る巨漢揃いですから。
なので「便利」であるズームレンズは暗くてもいいから小さく軽いモノを選ぶのが最近の私のスタイルです。「描写重視」なんてストイックなスタイルを貫いていたのは遠い昔の話です。
そう、ズームレンズ「なんて」それでいいや、と思うんです、現状は。

そこで単焦点レンズです。単焦点レンズはf/2.8が「暗い」と言われる世界なので明るさ(F値)にガッカリする事はまずありません。いろんな収差補正を含めて描写力でも、同じF値で撮り比べたら、基本的にズームレンズ以上であることはあまり疑わなくてもいいという安心感もあります。
さらに同じF値であれば、単焦点レンズはズームレンズより小型で軽量です。

他の人は知りませんが、私の場合は今のズームレンズでも、基本的に使うのは「テレ端」と「ワイド端」の2つの画角のみ。もったいないというかアホというか。
普段はワイド端で撮っていて、切り取りたい時はテレ端で撮るわけですね。
中途半端な画角はあまり使いません。物理的に撮影位置を変えられない場合、つまりズーミングでフレーミングするしかない場合を除いて、ほとんどそういうスタイルです。

いえ、これでも昔はやってたんですよ?
「今のは28mmの画角だったから、今度は35mmの画角で撮ってみよう」みたいなこと。
でも、私の標準画角は135判換算24mmなので、28-75とかのズームだと28mmでも狭いんですよ。24mmスタートで標準。
つまり24mmの単焦点でほとんどオッケーというか。
でも、画角変えたい時とかあるじゃないですか。
「これは35mmだな」なんて事は私の場合ほとんどありませんが、「これは50mmがいいな」と思う事はあるんです。あと28mmも慣れているので嫌いじゃありません。
マクロレンズが使いたい時もけっこうあります。
あと、ズームレンズで便利なテレ端での切り取りなんかもやりたい場面はそこそこあります。

つまりですね。
単焦点レンズだとレンズ交換を行いたいときが絶対ある、ということをいいたいのに長々と文字を連ねてきた、と。(・∀・)

さて、単焦点レンズなのでレンズ交換したいときはレンズ交換するしかありません。
いや。
果たしてそうか?
そこで「予備ボディ」の登場です。
だってレンズ交換したくないでしょ? 面倒でしょ?
ゴミ落とし能力については圧倒的な信頼を置いているオリンパスやパナソニックのボディならいざ知らず、それ以外のメーカーのカメラを使ってて外でセンサ面晒してレンズ交換とか、想像するだけで発狂しそうじゃないですか?
え? 「オレはf/4.0以上絞ることはないから問題無い」ですか?
そりゃ問題なさそうですね。(・∀・)
そんな異常性癖の人はともかく、私はノーマルなのでゴミは写って欲しくない。センサのクリーニングとか、昔はやってたけどさすがにもう面倒くさくて勘弁して欲しいですしね。
まあ、ゴミが付いちゃうときは付いちゃうのですが。

センサにつくゴミの話ばかりしてますが、問題はそこだけじゃないんですよ。レンズ交換をするというのは相当なリスクなんです。だって落としちゃったりしそうじゃん!
ツルっやって「あっ」なんて経験、ありません?
私はあります。(・∀・)
なのでできれば「その場でのレンズ交換」はやりたくない。
やるとしたら落ち着いた場所で、しっかりとテーブルなんかが確保された屋内がいいんです。

なのでレンズ交換じゃなくて「カメラごとレンズ交換」、つまり予備機こそ便利。
一番いいのはまったく同じボディをもう一台、全く同じセッティングにしておいて別のレンズを付けておく、という状況です。
プロの方はこういう感じじゃないでしょうか。仕事で撮影している時って。
レンズ主体の撮影だとボディは同じ方がリズムが崩れずいいでしょうし。
いや、レンズが変わると「そのレンズにあったボディ」みたいな事まで考えるのがプロかもしれませんね。もしくは違うセッティングしたボディとか。

私の場合、「その辺撮影」なのでそんなに細かく突き詰める事などあり得ませんので、X-Pro2の予備機は単純にX-Pro2がベストなわけですが、シロウトなので同じボディより違うボディを使う方が「楽しい」と思っちゃうんですよね。
あとなんだかんだいって、予備機ですから「結局使わなかった」なんてこともあるわけで、そうなるとタダの「重り」になります。つまりシロウトの私などがもつ予備機は軽い方がいいし小さい方がいいわけです。
ということで、X-T10。
そこはX-E1とかX-A2とかの方が「重り」としてはモアベター(小型軽量という意味。念のため)なのですが、ああいうのはパナソニックのGM5とかそちら側に任せたいと思います。
ということで、FUJIFILMとしてはX-T10が個人的にはベストなチョイスだと考えております。
まあ、そう考えているからこそ買ったんですけどね。

それからX-T10の場合、X-Pro2に欠けている機能を補完して貰うという意図もあります。
というか……「その意図があった」といういい方の方が正しい気がしております。いつの間にかメインがX-T10で、予備機がX-Pro2になっている現状を鑑みると。

なぜって、「X-T10は液晶がチルトする」からです。
普段からコレになれてしまっているので、X-Pro2を使っていると「ああ、そうだった」とガッカリしたりイラっとしたりの連続なんです。
なのでXF16mmを付けたX-Pro2からXC16-50を付けたX-T10にいったん変えると、そのままX-Pro2に戻らず、「もうこれでいいや」と、ずっと標準ズームで撮ってる自分がいるわけで。

まあ、そういうわけですからX-T10の事をもう一回書いちゃおうと思った次第。
前振り長いね(・∀・)

では、現時点で私が感じたX-T10の○と×です

○(X-Pro2に比べて)小型軽量である
○既述の通り、液晶が稼働する
○機能的なものはX-Pro2とほとんど変わらない
○エントリー系の小型軽量モデルではなく、機能の多さやプログラマブルボタンの多さなどは、他社の中級機以上
○写真より実物の方が質感がよくさほどプラスチッキーとは感じない仕上げ
○「AUTO」モードの存在は地味だけど便利でありがたい
○Eye-Fiカードの電波の飛び(抜け?)がいい(わからない人にはわからない利点)
○内蔵ストロボの存在。加えて調光制御が上手い富士フイルムの伝統を引き継いでいる点
○ブラケットセット×2とエフェクト×2があるモード切替ダイヤルは秀逸
○及第点のEVF。ピント位置拡大もワンタッチだし、これで充分。

×(感覚的な話で恐縮ながら)シャッターの「キレ」が悪い。あと音も大きく締まりが無い
×露出補正ボタンが固くて回しにくい(大半がボディに半分めり込んでる為つまみにくい)
×AUTOレバーのタッチが唐突なのを始め、電源レバーなどの立て付けが悪いなど全体に造りが安っぽい(AFモード切替レバーは悪くないのに)
×暗所になるととたんにEVFのリフレッシュレートががた落ちになる
×再生ボタンが左側にある

以上。
ただし「○」については動体などをいっさい撮らない、ダラダラととり続ける連写などしない私のスタイルに於けるものなので、何十ショットもの連続写真が撮りたい人はX-T10など検討せず、素直にX-T1を買うべき。EVFの倍率には充分妥協する余地があると思うけど物理的に「撮れない」ものは妥協のしようが無いので。

さらに加えるなら、これまた私には必須ではない「防塵・防滴」が絶対いる、なんて人もX-T10を選択肢に入れる事自体がおかしいと思われます。選択肢に入れるということは妥協出来る、ということなので妥協出来るなら個人的にはT1よりT10を勧めます。

こうやって○と×をみると、×はあまりクリティカルじゃないですね。というか、大した×はないと言っていいんじゃないでしょうか。手振れ補正機能が無い、と言いたいところですが、富士フイルムを選ぶということはそういう事ですし、現状はあきらめるしかありません。
X-T10にE-M10 MarkⅡ程度のボディ内手ぶれ補正機能とゴミ取り装置が付くといいんですけどねえ。

撮影していてキレのあるシャッターフィーリングのX-Pro2と比較しちゃうと「ああ、廉価版のフィーリングだなあ」なんて機械としてのあからさまな「差」を感じてしまうんですが、それは比較したらの話。EVFの倍率だってT1と比較すると狭く感じますが、ドッチの場合もX-T10単体で見れば特に不満はないんじゃないでしょうか。そもそもX-Pro2のEVFだってT1には敵わないですしね。

そんな事よりも、気楽にパシャパシャと撮れる「気」にさせてくれるフレンドリーさがX-T10にはありますね。小型で軽いという点もそれを後押ししている感じです。

予備機と思ってついでに買ったX-T10なんですが、そういうわけですっかりメインになりつつある今日この頃です。
私にとっては、2400万画素も1600万画素も大して変わらないのとX-T10が私の好みに合っていることもあって、X-Pro2、いらんかも、なんて。(・∀・)