趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★FUJIFILM X-Pro2 初期レポート 

カメラ

その2(初出:2016/03/04)

 ということで、取りあえずちょっと使ってみてわかった「○」について。

○ コントロールダイヤルで露出補正ができるようになった(私の命令に従ったか(・∀・))
○ AEロックとAFロックのボタンがそれぞれ独立している(こうでなくては!)
○ SDカードスロットが独立している(バッテリと同居というのは個人的に大嫌い)
○ SDカードスロットが2つ(ダブル)ある(トリプルでもいいんじゃよ?(・∀・))
○ 画素数が上がった(ロジカルな画素数アップは大歓迎)
○ AFがけっこう速い(気がする)
○ メイド・イン・ジャパンであること(カネは日本に落としたい)

そして何より!

◎ フォーカスセレクトレバー!(・∀・)
これが便利。
いわゆるジョイスティックです。
昔、これを搭載していたケータイやカメラもあって、すこぶる付きに使いやすかったのですが、耐久性やコスト等の問題で姿を消しましたっけ。それが復活です。
あ、一眼「レフ」の世界では現役みたいですが(一眼レフの世界など知った事ではないですが)。
この専用レバーのおかげで、十字キーにダイレクトフォーカスセレクト機能を割り当てる必要が無く、ファンクションボタンとして利用可能です。
タッチ液晶でないというネガが、このジョイスティックで幾分か和らぐわけで、ある意味でX-Pro2購入を決心した私にとってのキーデバイスでもあります。
とは言え、もちろんタッチ液晶の方が断然速いんですがね。

各論は別途書くとして、今回は総論を。

まず「X-Proはこうあるべき」という設計陣の思いと私の好みは乖離しているということが改めてわかりました。
たかだかX-Pro1を作っただけなのにX-Pro2に於いて「X-Proの系譜」みたいな設計陣のマスターベーションを見せ付けられているようできわめて不快なカメラ、それがX-Pro2です。
その象徴が「まったくと言っていいほど変わらない大きさ」(デザインではない)であり「固定式液晶ディスプレイ」です。
X-Proの最大顧客は日本人ではないので、日本人の好みは無視されているのでしょうね。
大柄な外国人にとってX-Pro2は充分コンパクトな(MILCS=Mirrorless Interchangeable Lens Camera System)ボディなのでしょう。ガイジンに阿った臭いがプンプンして鼻をつまみたくなる大きさです。
レンズがでかくて重い?
その為のTシリーズでしょ?
その為の後付けグリップでしょ?
というか、小さくする技術力が無いのかもしれません。

ミルクス(MILCS=Mirrorless Interchangeable Lens Camera System)を見渡してみると、液晶でタッチパネルじゃないハイエンドモデルといえばSONYのアレですね。あそこも頑なですな。
でも、チルト液晶です。さらにボディ内に手振れ補正入れてきました。135判フルフレームなのに!
その意気や良し! でありますな。
タッチパネルでもなく稼働もしない液晶とか、もはや昭和プロダクト。前世紀の遺物と言っても過言ではないでしょう。
ガイジンは嫌いなんでしょうかね? 不器用そうですもんね。
「チルト液晶? すぐ壊れるからいらないよ。 タッチパネル? ちっちゃなポイントとかタッチできないだろ?」
みたいな感じでしょうか。
ここでも日本人を無視されている気がします。
いや、実際は可動液晶と今回取り入れた「防塵防滴」が両立できなかったのでしょうね。この辺りも技術力の無さが垣間見えます。

もちろんメーカーの人は口が裂けても「うちはオリンパスさんやPanasonicさんのように技術力がないので防塵防滴で可動液晶とか作るのムリなんですわ」とは言いませんよね。その代わりに
「X-Proというカメラには必要無いものだと考えております。ポリシーです。フィロソフィなのです」
とか言うのでしょうね。
「固定液晶でレンジファインダー風の外観を持つ不便なカメラ。それがX-Proなのです」
という感じでしょうか。
まあ、商品企画としてはそれでもいいと思います。
どうせこんなカメラを買うのは老人だけでしょうし、昭和のフィルム時代の価値観というかヒエラルキーを引きずっている老害相手だと、モダンなテクノロジを「敢えて使っていない」なんていうと「わかっているな、富士フイルム」とか賞賛されるのでしょうね。
露出補正やシャッターボタン、アイリスなどが全て予め物理的なダイヤルに設定済みというのもそこでしょう。1/3段が選べないシャッターダイヤルに何をこだわっているのやら。1/3段にすると-3EVまでが限度。もはやデフォルトとなっている設定範囲である-5EVにしようとするとものすごくでっかいダイヤルにするしかないわけで。
いちいちレンズ鏡胴を回してアイリス設定?
左手はレンズ保持に使いたいのに、設定変えるのにイチイチ構えなおすとか勘弁して欲しいんですけど。
というか、責めてオートの位置にロック入れろよ! じゃなきゃクリック強くしとけよ!
富士のレンズくらいですよ、ちょっと触っただけですぐ動いてF16とかに移動するの。
どうせ動くならAの位置を開放側にして欲しい。F16とか使わねーよ(私は(・∀・))。

とと。
各論は別途といいながら、総論で熱くなるところでした。

とまあ、大きなマスターベーション・コンセプトには反吐が出ますが、富士フイルムのXマウントのカメラの中では、私の知る限り「もっともマシな操作系」を手に入れたモデルだと思います。
ミルクスというモダンなカメラの中において操作性はかなりヘボですが、X-Proの後継機として見た場合は「相当な進化」を実感できました。
レガシーというかプリセットなダイアル類についてさんざん文句を言いましたが、露出補正については普通のカメラと同じ操作「も」可能なように柔軟性を持たせるなど、老害の価値観だけでなく、合理的な操作性との融合を模索している部分が感じられて光明すら見え始めた気がします。
タッチパネルを導入しなかった事にたいする免罪符として、AF測距点移動の為にジョイスティックを搭載した事もその一つの表れだと思います。

文句ばかり言ってますが、いいところはちゃんと評価もしているんです。
例えばX-Pro1で当時最底辺だったAFの能力がここへ来て他のミルクスと比べても遜色のないレベルに達している点は評価できますし、少なくともX-Pro2のAF性能なら、私のスタイルだと充分納得出来る仕上がりになっています。少なくとも速度は充分快適ですし、測距点であっても抜けや手前にピントが来る、なんて事はほとんどなくなりました。
意外に雲にも時々ピントが合います。これはX-Pro1ではあり得なかった事ですから相当な進化と言えるでしょう。
シャッターのフィーリングも良くなっています。この手のフォーカルプレーンシャッター機の場合、シャッターフィーリングがいいと撮影していて楽しくなりますのでこの辺りはミルクスの中でもトップクラスだと感じました。ボディの大きさ、重さも功を奏しているのかもしれませんが、手に感じるショックも少なめで、かつ短めです。
個人的にOVFはどうでもいいと思っているのですが、それでも敢えて評価すると、X-Pro1のOVFとは光学系をリファインしたのか、まったく別物に感じます。
具体的にはコントラストがあがり、見やすくなりました。
OVFシンパの人の話を聞いていると「OVFならなんでもいい」ような人が多いのですが、コントラストが低くて黄色い色がついた、歪んで安っぽいOVFを除くくらいならPanasonicのDMC-GM5の額縁EVFの方が100万倍クオリティが高いと思います。
でも、X-Pro2のOVFなら「こういうOVFが好きなんだ」と名指しで言われたら「なるほど」と納得できる仕上がりになっています。
むしろEVFのチューニングにもう少し力を入れて欲しい感じです。少なくともオリンパスのE-M5 Mark2のレベルには達していないと言わざるを得ません。色が違うとかそういうレベルではなく、見ていて疲れないEVFにして欲しいところ。

おっとっと。
また各論に走ってしまいました。
なので総論は短くまとめます。

・X-Pro1とX-Pro2はまさに似て非なるモノ。進化の度合いを考えるとX-Pro3か4と言っていいかも。
・操作系を理解すれば、そこにはデジタル一眼レフユーザーもそれなりに使いやすい懐の深さがある。
・でも、これでまた4年待つのはチト苦しいかも。

では、気が向いたら各論を書くろん。(・∀・)