その効果の大きさ・派手さ・わかりやすさから例えれば、ACCはEVOQUEのような存在でしょうか。(初出:2014/10/17)
対して今回ご紹介するBLISはXC60のような地味な機能ではあります。
が、しかし。
実際には普段のドライブにおいては、殆どのドライバーがACCよりもBLIS(とLCMA)の方によりお世話になるはず。
そう、多くの中学高校生が、グラビアアイドルよりも学級委員長にお世話になる機会が多いのと同様です。というか、グラビアアイドルにお世話になるってどういうこと? というツッコミを自らしつつも敢えてそれには触れない私の奥ゆかしさに乾杯。(・∀・)
で、BLIS。
これ、ACCなどよりよほど歴史は古く、XC60納車までの代車としてお借りしていたV50にも装着されていました。
いや、ちょっと語弊のある書き方でした。代車のV50には装着されてはいませんでしたが、同じ時代、世界には装着されているV50が存在していた、ということです。
さらに分かり難い書き方で恐縮ですが、説明書には記載されていて実車にはなかったということです。要するにオプションなりグレードの違いなりで装着されているモデルもあった、という事でしょう。
そういうVOLVO的には歴史あるサポートギミックのBLISですが、地味子のそれはさらに進化した最新型でございました。
どう進化したかというと、それまでのXC60のBLISはセンサがデジカメだったのですが、ミリ波レーダーにセンサを変更した、という事です。
センサの場所もサイドミラー下部から、リアバンパーに変更されました。
リアバンパーにレーダーセンサを取り付けたことで、付加機能が発生。すなわち
「頭から突っ込んで駐車したような場合、バックで出ようとすると近くにクルマや人や自転車がいないかをセンサが見張ってくれる」
という機能です。
私は通常の駐車はバックで入れます。従って頭から突っ込んでの駐車を行う事は基本的にありませんが、入った店の指示が「前方駐車(といういい方がスタンダードなのかは知りませんが)でお願いします」であれば、それに従いますので皆無というわけではありません。
なのでこの機能の恩恵に浴する可能性はあるし、一度でもお世話になればそれはそれでもう感謝しちゃう機能でしょう。
話は変わりますが、この駐車事情(方式?)ですが、私の大まかな記憶によると、関西ではバック駐車がデフォルトですが、関東では結構頭から駐車する人が多いと認識しております。
アメリカ人はバック駐車なんて器用なことができる人が少ないので、そもそも頭から突っ込むロジックの駐車場が多いようですね。
理想は頭から突っ込んで、そのまま頭から出られるメリケン方式ですが、メリケンでも全部の駐車場がそうなっているわけではなくて、結局頭から突っ込んでバックして出る、というパターンは日常的のようです。
私の知っているアメリカって、ほぼハワイイなのですが、ハワイイでレンタカーを借りて買い物や観光すると、私のクルマだけ反対を向いて駐車している、なんてことがザラで笑っちゃいました。
郷に入れば郷に従うべきなのでしょうが、ついついバックで駐車しちゃうんですよね。
脱線ついでに書いちゃいますと、私の理想のガレージは「リフト付き、ターンテーブル付き」です。あ、リフトとターンテーブルは別の方がいいです。
ガレージのアプローチにターンテーブルがあって、ガレージのフロアにリフトが設置されている、と。
頭から突っ込もうがナナメに突っ込もうが、ターンテーブルで向きを変えれば出る時に楽だし、これ最強ですよね。以前スイスだったかベルギーだったかの豪邸で見かけてうらやましくおもったものです。
ええ、我が家といえばマンション住まいで、そういう環境とはとんと縁がございません。
駐車場なんてマンションの駐車場が殆どオープン機械式で、そんなところに入れるくらいなら、とマンション敷地ではない、一般の駐車場に平置きしております。ええ、もちろん青空で、ターンテーブルなど存在するわけもなく、狭い通路で切り返しながらバックで自分のこれまた狭いブースに入れる毎日でございます。
ああ、ターンテーブルのあるガレージのある(あるが多い)生活! あこがれますな。
あ、スウェーデンハウスでお願いします。VOLVOユーザーなので。(・∀・)
話は戻ってBLIS。正しくはBLind spot Information Systemは、その名の通り自車の左右の後方死角に他車がいると知らせてくれる仕組みですが、これは一般道、というか走行速度が比較的低い時に役に立つ機能で、高速道路ではBLISではなくLCMAだと思われます。
私自身、BLIS、BLISといっていたこのLCMA(Lane Change Merge Aid)は同じセンサを使った、「急接近車両警告機能」の方だという事が今回理解できました。
BLISが後方死角、つまり極近距離にある見えていない敵(敵?)の存在を知らせる機能なのに対し、LCMAは文字通りさらに死角よりずっと後方にあって、どんどん近づいてくる敵の存在を知らしめるものです。
具体的にはVOLVOの場合、3.5秒後に並ぶ、もしくは70m後方のどちらかに敵が入ってきた時にBLISと同じインジケータでそれを知らせる仕組みです。
とはいえ、ドライバーはBLISとLCMAの違いを意識したりすることはなく、シームレスに作動しているこれらの機能が「レーンチェンジの安全性を高めている」のだと考えれば良いと思います。
今までBLISやLCMAなどが装備されているクルマを所有したことがなかったので、この機能がどれだけドライバーの精神に余裕をもたらせるかを知る由もありませんでしたが、この機能を使ってみるとマジで車線変更のストレスが減ることがわかります。
アラートのインジケータがAピラーの付け根にある為、ナナメ後にクルマがいるのか、はたまた近づいているクルマがあるのかが、視線を動かすことなくわかります。インジケータが赤く点っていればドライバーは覚悟を持って次の行動に入れますし、インジケータがなければ余裕を持ってミラーの後方確認→ウインカー出し→車線移動という一連の作業をスッと行えます。
誤解しないでいただきたいのはインジケータが点ってなければそのままウインカーを出してとっとと車線変更してもいいよ、という事ではありません。言葉にしてしまうと分かり難いし、どちらにしろやること自体は同じなのですが、心に余裕があって行うのと、緊張下で行うのとでは疲労の度合いが違う、ということが言いたいわけです。一度や二度ではアレですが、これが何十回と続いていくと無意識であってもそういうストレスが蓄積されていき、疲労へと繫がっていくのです。
BLISが光っているとクルマがいる事がわかりますので、これまたリラックス度が違うのです。
「あ、近づいてるクルマがあるからその後にしよう」とか、そういう準備する気持ちが生まれるだけでこれまた蓄積疲労が断然違います。
「来るかな? いるかな?」と思ってルームミラーやサイドミラー、時には目視を使って様子を窺う前に「居る事がわかっている」のですから「どう言う状況にあるのだろう?」という俯瞰した気持ち(分かり難い言い回しですみません)で客観視できる気がするのです。
BLISとLCMAはそういう客観視支援システムとでも呼びたいところです。
もちろん「よし、ここで車線変更しておこう」と思ってステアリング操作をする気満々、ウインカーに指をかけようとしたときにインジケータの灯りが目に入って「おっと」という本来の? 効能もあるわけで、どちらにしろドライバーにとって悪いデバイスではありません。
というか、ACCは基本的に街中徘徊では使いませんが、BLIS系は四六時中お世話になる機能と言えるでしょう。
あとはぶっちゃけ、人間にはミスがある、という所をちゃんと突いている点でしょうか。
・後方確認をしたつもりが、うっかり。
・後方確認をうっかり怠った
何てことは私だけでなく誰にでも可能性としてあるミスだと思うのです。
さいわいにして私はまだその手のミスで事故に至ったことはありませんが、正直にいってヒヤっとした経験は数回おぼえがあります。
そういう「ギリ」を防ぐという意味でも、今後各車に標準装備されるデバイスではないでしょうか。
というか、一回でもその「ヒヤリ」が回避されたら、そのクルマはもう「元が取れている」と私は真剣に考えております。つまり言い換えるなら「元が取りやすいクルマ」それがBLIS付きのクルマという事になるのでしょう。
インジケータの場所もVOLVOと他社では違うようで、VOLVOは申し上げた通りAピラー付け根ですが、たとえばRANGE ROVERやGLAなどはサイドミラーの外側の端に埋め込まれています。
どちらが優れているのかという評価はしませんが、確認の為の視線移動はAピラーの付け根にあるよりも物理的に大きくなりますし、窓の外にありますから、雨が降っている時やドアやミラー表面が曇っているとき、雨滴や雪などが表面に付着しているときなどは見づらくなるのは普通に考えてもわかります。また夜間は窓の外のイルミネーションに紛れたように錯覚してしまう可能性も考えられます。
シロウト考えですが、おそらくミラー方式の方がコストが安いのでしょう。
走り比べたわけではありませんが、VOLVO方式の方に一日の長がある様に思います。
派手なACCの影に隠れがちではありますが、BLIS(とLCMA)は頼れるアシスタント、という感じです。
ACCもそうですが、BLISのないクルマにはもう、乗りたくなくなりました。
なので。(・∀・)