もしくは「デジタル→デジタルでデジタルが変わるのか?」(初出:2017/02)
タイトルはけっこう具体的。対してサブタイトルの方は禅問答というか意味不明ですな。
まあいい。(・∀・)
という事で「能書きより結果」を座右の銘としている私ですから「要するに聴き比べてどうなん?」ということで、DACならぬDDCの違いをチェックしてみることにしました。
購入したのは身元不明(不明じゃないんだろうけど)の怪しい? DDC。
なんで怪しい、なんて形容詞を付けるのかというと、自分が認知していないメーカーだというよりも、その値段が理由ですね。
何しろ3000円ちょっとですからね。
基板のみでケース無しだと1000円以下のDDCもあったんですが、取りあえずケースありですぐに手に入るということで、Amazonで購入。これ。
「それってDACじゃーん!」
すみません、DACです。DDC機能付きで、今回はDDCとして比較するって事で許して下さい。
実は別途手持ちのDAC同士での比較もしたいなあ、なんて思い、1台に2役&安価なコレを「当て馬」として購入したっていう感じでして。
ま、細かい事は抜きにして比較です。
A:
と
B:ONKYO ND-S1
ちなみに今回比較対象用に使った音源は
ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意への試み」第一集 第一曲 第一楽章
ロベルト・ミケルッチ(vn.) イ・ムジチ合奏団
要するに「四季」の「春」の第一楽章ですな。
誰でも知っているアレです。
私はイ・ムジチの「四季」は3つ持ってますが、一番好きなのは実はコレじゃなくてより古いアーヨ版です。
これは2番目。ミケルッチはアーヨよりもなんというかストイックな感じがしちゃうんですよね、真面目っぽいというか。意味不明な言い回しをすると「カンタービレがやや不足」みたいな?
でもアイザック・スターンとジョージ・セル/クリーヴランド管が「四季」を演奏したらこういう感じかも? と思える程の完成度。実際にそんな録音はない(たぶん)のでアレですが。
というか、演奏の良さはアーヨ版と甲乙付けがたい(好みの差)のと録音時期の問題もあってアーヨ版より断然音がいいので、「四季」といえばついついミケルッチ版をきいてしまいます。
もう一枚持っているイムジチの四季はアゴスティーニ版ですが、なんというかその辺の楽団でも聞けそうなどうでもいい演奏でした(個人の感想です)。
イ・ムジチは室内楽としてのなんというかこざっぱり感というかまとまり感というか同調感? が曲の楽しさを生み出すような感じで実に好みなのですが、四季を協奏曲として捉えた場合、やや豪華さが足りないと感じるかもしれません。そういう向きには研ぎ澄まされ、かつ音が豪華な「アンネ・ゾフィー・ムター/ヘルベルト・フォン・カラヤン版」を買っておけば間違いないと思われます。
もっとも私に言わせれば、「四季」はアーヨとミケルッチを買っておけば間違いない。終了。
その上でもう一枚ちょっと違う四季を買いたいというのであれば、(またしても)ストコフスキーの四季をおすすめしておきます(Amazonでごめん)。
実に豪華。なんというか……アレはもはや室内楽ではない。(・∀・)
というか、ソリストはただのコンマス扱いで、オーケストレーション版四季という感じ。
ただ「はっちゃけた」演奏は今では色々あるので単なるイロモノを期待すると、あまりに音楽性が高いので拍子抜けするかも。
でも、フリーダムなテンポとコッテコテの節回し? は、やっぱり聞いていて実に楽しい四季なのは確か。
あと、演奏がメチャクチャ上手い。イムジチより明らかに合奏力としては格上だと思えます。
もっともストコフスキーの録音はどのオーケストラでもびっくりするくらい演奏がいいのですが、このCDも例に洩れずです。
因みにストコの四季を堪能した後にイムジチを聞くと「ああ、室内楽っていいなあ」「和むなあ」と改めて思えるので、四季の回春薬としても機能するかも?
ストコお得意のフェイズ4録音(だったはず。フェイズ4はピュアオーディオマニアには嫌われているが……)ですが、これがまたこの録音に合っている感じで音もいいと思います。
ま、おすすめです。
で、春の第一楽章における今回のチェックポイントはハンマーフリューゲル、もしくはハープシコード、あるいはチェンバロの音です。
ミケルッチ版はアーヨ版よりハープシコードの音は抑えめに録音しているようで、たぶんその辺も私がアーヨ版が好きな要因なのだと思います。
このハープシコードの存在感の差? をチェックという感じで聴き比べてみました。
結果。
ぱんぱかぱーん!(死語? でも私はドラムロールより好きだな、パンパカパーン)
音の違い、ありました。
Bの安物DACの方が好みでした。
全体に音場が広がり、ハープシコードはより明確に存在感を主張。
分析的に克明に聞き込むと、いわゆる解像感はND-S1の方が上かもしれません。
でも、油が抜けた干物のような感じで、比較すると音に色気がないんです。
もちろん解像感と音の豊さ? が伴っている方がいいのでしょうけど、そういう音がするのはもう少し値段の高いマジ入ったヤツなのでしょうね。
とはいえ比較すると怪しいDACの方が好みだったわけで、当分はND-S1の代わりにこの怪しいDACを使ってみようと思います。
次はDDCじゃなくてDACとして使い、手持ちのDACとの差をチェックしてみるつもりです。
いやあ、PCオーディオって本当に楽しいですね。
では、さいなら、さいなら、さいなら~。
写真の件。
因みに怪しいDACの下にあるのが、先日手配した自作スピーカー第二弾。
今のところ内部のコードとターミナルを取り付けたところで、これからスピーカーユニットの取り付けを行う予定。
たぶん週末に完成?
因みに発注したのは合計3つ。これ以外にあと2つが届く予定。
どちらもキットですが、組み立てまでやってもらっております。
自分でやってもいいかもしれませんが、色々面倒ですしね。
私は自作スピーカーは大好きですが、スピーカーを組み立てるのは実は面倒で嫌いなんです。木工ボンド乾くのをいちいち待ったりするあの時間がイライラしてストレスです。
なのでこちらの設計図(もしくは意図)通りであれば、組み立てまでしてくれるとマジでありがたいんですよね。
昔はそんなサービスなかった(知らなかっただけかも知れませんが)ので渋々自作してましたが、今はリーズナブルな値段のキットは星の数ほど。さらに頼めば(もちろん料金は上がる)エンクロージャーの組み立てまでやってくれるところもたくさんありますね。まさに天国。(・∀・)
因みに第二弾はFOSTEXのP1000-BHと同じ、10cmフルレンジ用の小型バックロードホーンです。
ま、詳細は試聴してからにします。
ということで怪しいDACはそれなりに使える、というお話でした。