趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★パリ・ブレスト・パリへの道 その2

自転車

復活した18年前のMTB、TREK Y3に、たぶん16年何ヶ月ぶりに乗った私は感動していた。(初出:2015/07/16)

「お、重い……」

そう、重いんです。
もともとMTB、しかもフルサス(前後サスペンション付き)なので重いんですが、重い重いと思っているBROMPTONよりさらに重い。実測したら、約15kg弱でした。BROMPTONが12kgちょいなのでそりゃ重いですよね。

もっとも、「お前はF-1マシンか?」と思える程ハイギアードなBROMPTONと「アンタはバンか?」みたいな極めてローギアードなY3なので、坂道は楽ちんです。BROMPTONの場合、ローにしても乗り手の脚力が要求され、走り出して数百メートルで引き返したくなる、いつもの「あの坂道」も脚力じゃなくてケイデンスで楽に登れてしまいます。まあ、かなりのローギアなので回しても回しても風景が変わらないので時間かかるんですが。
でも、脚がパンパンになって坂の途中で力尽きることはありません。時間さえかければ到達するのです。
つまり、BROMPTONよりも楽なサイクリングが出来るのは間違いありません。
しかも乗り心地が最高です。

ここで備忘録的に、Y3に施した「最低限のパーツ交換」の中身について書いておきましょう。

1)カセット(スプロケットのこと)

2)タイヤ(ゴムで出来た黒くて丸いヤツ。バイクの場合、たいていは前後に2つ在る)

3)チューブ(夏といえばチューブ)
4)チェーン(金曜日とかによく使われるのもこれ)
5)各種ケーブル(ブレーキ、変速系ワイヤ-&アウター)

6)ブレーキシュー(Y3はリムキャリパーブレーキなので、ブロックは前後併せて都合4つ交換)

以上です。
なお、MTBなのでもともとはブロックタイヤが着いていましたが、私は新車の時からずっとそれが気になっていて「スリック(というか普通のタイヤ)に変えたいなあ」と思っていたのですが、今回当然ながらそのスリックタイヤに変更しています。
音も乗り心地も本当に改善しました。
いやあ、見た目だけでMTBを選んだ私は最初からそうすべきだったのですね。

意外に少なくてOKでした。まあ、まさに最小限。
ショップのお兄ちゃん曰く
「状態が極めて良好で、ブレーキも変速系も全く問題ありません。クランクやハブなどの回転系も全く問題がなく、これでしばらく走ってもらってグレードアップする場合は相談して下さい」
みたいな?
問題は前後サスなのですが、リアは問題なさそうですが、フロントはいわゆるダンパー性能が劣化していて「競技とかはムリかも」
らしいですが、そもそも競技しませんからね。
ちょっとタメしてみましたが、普通に走る分には特に問題ありません。というか私にはフロントサスが正常なのか劣化しているのかは全く感じませんでした。
多少前が柔らかくなったかもしれないとは思いましたが、そもそも16年以上前のフィーリングなんて覚えている方がおかしいですよね。
タイヤのせいで、むしろフィーリングは好印象、という感じでした。

という事で「Y3復活。これからはこれでライドイベントとか行っちゃうぜー」みたいな予定調和で締めくくるはずだったのですが……。

「むふふ。カンノンダレのロードバイク買っちゃった」
親友Aが突然そう言ってきました。

ビアンキかって1ヶ月経ってないよね? みたいなタイミングです。
つか、またグラファイト系かよ!(色でバイクを決めている模様。彼は今、グラファイトに夢中なのだ)
因みに友人Aがカンノンダレを発注した、というのはY3納車前の出来事でした。
なので、
「Y3直ったら、一緒に走ろうぜ」
みたいな話になっていたわけです。

そして直ってきたY3。
試走する私。
湧き上がる決意。
「私もロードレーサー欲しい」
なんでやねーん!ヽ(*`Д´)ノ
でも、そんな感じ?
そして
「親友Aとチームを組んで、ツールを制覇だ(二人でか!)」

そう。
まさに、
結果論ではありますが、Y3は私がロードレーサーを買う為の当て馬だったのです。
「大義である、Y3よ」
みたいな?

いや、Y3にも乗りますよ(たぶん)。
今見てもデザイン、カッコいいと思いますもん。
復活したY3で万博記念公園の外周のサイクリングロードを走ってるとき、私を追い越したロードレーサーのお兄ちゃん、「え?」みたいにこっちを振り返ってましたもん。
近所のガキんちょが「あの自転車、かっこえー」って言ってくれましたもん。(・∀・)
変えたタイヤがちょっと太すぎたかな、と思ってますけど、それでも愛してますよ、Y3。

復活してますます可愛く思えてきましたからね。
なんか、私にはポジション的に狭い(フレームが小さい)な、ということも思い出しましたけどね。
でもこれ以上シートチューブ上がんないんですよね。

で、ロードレーサーですよ。
でも、アレです。
こちら側に戻ってきたのはざっと20年振りくらいで「あの頃」とは様相が一変していて、まあある意味浦島太郎状態なわけです。
電動アシスト自転車の登場で「人間がペダルを踏んでクランクを回さないと自転車は坂道を上らない」という物理の法則すら危うい状況になっていて、所有している昔の常識ってやつが瓦解しつつある今日この頃です。
名称からしてよくわかりませんよね。

「シクロクロスとクロスバイクってどう違うの?」
とか、
「ロングライドとエンデュランスってどう違うの?」
とか、
「そもそも昔はロードレーサーっていってたのに、今はなぜロードバイクっていうの?」
とか。

だいたいロード(道)を入るバイク(自転車)って、そもそも全部そうでしょ? MTBだってTrackレーサーだって道走れますし実際走りますよね? つまり全部ロードバイクじゃん。今の奴らって何言ってんの? バカなの? ミルクスのことをミラーレスなんて言っているのと同じレベルじゃん(ケータイのカメラもミラーレス。というか、一眼「レフ」以外はみんなミラーレス)。
というわけで、どうにもロードバイクという呼び方に違和感を覚えまくりなのですよ。
そのうち頭の弱いそのロードバイクというおかしな呼称もきっと慣れてしまうのでしょうけれど、最初くらいは抵抗してみたいお年頃でございます。

タイヤ一つとってもなんか違うんです。
私が知っているロードレーサーは基本的にチューブラータイヤを履くものでした(チューブラー・ベルズではありませんよ、そっちの人(・∀・))。
チューブを使うのはスポルティフと呼ばれ、ややランドナーに向けたバイクが使うモノであってロードレーサーにチューブタイプのホイール使っているのは外道というか異端でした。
そんなアタマですから、自分のバイクがパンクした時の準備をしようとしたときにアレ? となるわけですよ。

クリンチャーって何? クリンとしたお茶?

つか、21世紀はロードレーサーはチューブなの? それが主流なの?
え? チューブラーもまだ健在?

うーん、W/O(ワイヤードオン)とクリンチャーは違うの?(注;クリンチャーはワイヤードオンっす)
というか、700cのロード用だとスペアチューブ用意したらいいのかな?
だとしたら予備チューブは何を用意すればいいの? 系は700cでも太さのサイズってあるよね?
などと混乱の極みです。

予備チューブのマテリアルにも色々ありますね。
ブチルゴム? 高強度ブチルゴム? ラテックス? テフじゃなく?(←わかる人はクスっとする事)
レース専用? 専用? 一般路で使うと破裂すんの? というかレース専用以外はスタンダードって、段階粗いな、おい。
え? ガタガタ言わずに販売店で聞け?
そりゃそうですけど、私が電話するタイミングだと話中なんですよね。タイミング悪いというか。
あと、私って電話で話をするの嫌いなんですよね。

そ・れ・か・ら、
予備チューブもそうだけど、今悩んでいるのが靴です、靴。英語で言うとシューズ。スペイン語だとサパートスです。
何を悩んでいるのかというと、アレですよ、アレ。
SPDというかSPD-SLというか、クリンチャーじゃなくてクリートというか、ビンディングというか、バインディング的な潮流にどう漕ぎ出すか、ですよ。

レースするわけでもなし、マイペースライドがモットーだし、だったらフラットペダルにスニーカーでいいよね、みたいな感じで斜に構えていた私ですが、復活したY3をまたいで最初の数メートル走った時点で体が、というか足先がトゥクリップとストラップを覚えていて18年の時を超えて蹴返しをチョンと弾いてススっとクリップに足先を滑り込ますという一連の作業をほぼ無意識に完了するのを意識して、思いました。
ああ、やっぱり拘束具はなんだかんだで必要だな、と。

ええ、やっぱり全然違いますね。
私は引き足云々ではなくて、ちゃんとした位置でペダルを踏めることが重要だと思っています。脚力も体力も心肺能力もイマイチですから引き足だのどうのこうのだのの話はちょっと先になると思っているのですが、ペダリングの効率化は初心者だからこそ必要だとも思っております。
要するにバインディング機構は使ってみようと考えているということです。

そうするとまたぞろ悩むのがそのバインディングの方式ってヤツです。
チネリがいらんモノを発明した、というのは風の噂で知っておりましたが、「ンなもんスキーじゃないんだから流行るか、ボケ! 危ないワ!」と思っていた日が懐かしいです。
いや、そうじゃなくてチネリのブレネリさんがヒネリだしたバインディングペダルの機構ですが、50年近く経ってもまだバインディング方式が統一されていないという事実に愕然とするわけです。オコです。オコなのでツネリますよ? みたいな?

色々ネットを見渡してなんとか理解しつつあるんですが、さて、私は何の靴をかったらいいんでしょうか? みたいな感じでまたもや途方に暮れています。
ロードレーサーとの親和性を考えるとどうやらSPD-SLというSHIMANOのヤツに載っかるのがいろいろと思考停止できて楽なのは何となく理解しました。
でも、ソレってちょっとマジ入りすぎでは? と私の立場では思うわけですよ。

いや、レースは当然として、ライドイベントとかブルベ参加とか、そう言う時はSPD-SLと歩けない、はしれないSPD-SLシューズで全くもっていいと思うんです。スキーする時はスキーブーツですからね。
でも、普段のサイクリング、それもポタリング用途でも使おうと思ったり、長距離のツーリングなんかで使おうと思った時にスキーブーツでいいのか? と思うわけです。
もちろんスキーブーツだって歩けますし、第三者視線からだと笑っちゃう格好でしょうけど走れなくもありません。
でも、装着した人をナチュラルにタップダンサー化させるあのシューズ(というか音がするのはクリート)をそういう用途にはちょっと使えないんじゃないかなーと思う私は「なにかもちがってますか?」

クリートカバー?
いやいやいや、イチイチ填めて外してって面倒くさすぎるでしょ? 荷物増えるでしょ?

歩くときはフォールディングのスニーカーを使う?

いや、イチイチ履き替えるとかさらに面倒くさすぎるでしょ? 荷物もっと増えるでしょ?

混乱してきましたので整理しましょう。
私が言いたいのは、「SPD-SL方式を使いたいけど、靴はツーリング用途であって欲しい」ということなんです。
「ロードレーサーの靴といえば、SIDIだよねー」
と思い込む昔の価値観(ロードレーサーは、チネリ、ビアンキ、デローザ、コルナゴでしょ!的価値観)の私ですから、最初にSIDIのラインナップをみましたよ?

次にSHIMANOのラインナップみましたよ?
でも、なさそうっすねえ。

方式を決めると選択肢がなく、靴主体で選ぶとSPD-SLは使えない(同じ意味ですね)。
そういうわけで消去法でSPDになってしまうのかな、と。
SPD-SL方式でもツーリングに充分使えるよーなんていうスニーカーあります? クリートがアレでは基本的に音はどうしようもないのでしょうけど。
うーむ。

取りあえず手元にあるペダルはSHIMANOのSPDとフラット面のリバーシブルタイプ(MTB系)なので、それに合わせて最初は素直にSPDでいくのがベストな判断なのでしょうけど、なんというかどうせSPD-SLにしたくなるに違いないし、たぶん一度SPD-SLになれちゃうとSPDには戻れないだろうし、それを考えるとなんかムダだなあ、なんて思ったり。

で、フト思い出したのですが、Y3を買った時に、一緒にMTBシューズも買ってたんですよ。
SHIMANOの。
そうだったそうだった、と思って押し入れの奥から引っ張り出してきたら、案の定SPD対応ペダルでございました。クリートも附属してました。
長期間経っているのに加水分解もなく特に劣化しているところもなく、履いてみたらちゃんと履けちゃうわけで、つまり「当座はそれで練習しろ」という神のお告げかもしれません。

でもなあ。
そのシューズ、冬用っぽいんだよなー(注;メッシュあるので春〜秋でした)。

うーむ。
因みにSPDって「島野 ペダル ダイナミクス」の略だそうで。
マジか?(・д・)

パリ・ブレスト・パリへの道 その3「このまま流れでロードレーサーを買っちゃうのか? 篇」につづく