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★アイドリングストップ機能が実用平均燃費に与える影響に関する一考察

VOLVO XC60

我がVOLVO XC60 T5 SE Drive-E(MY2014)ですが、五月に入って納車後7ヶ月、ざっと8000km走ったので、ここいらで実用燃費のまとめなど。(初出:2015/05/08)

燃費はガスを満タン補給したタイミングで計っていますが、この間

最低平均燃費 7.0km/l (市街地100% 平均速度19km/h)
最高平均燃費 17.7km/l (高速道路93% 平均速度86km/h)

というような結果になりました。
因みにJC08データは、13.6k/lなので、最低でも51%は確保されているという感じです。反対に高速道路だと130%もの値を叩き出す事もある、と。
まさに高速番長(ただし燃費)。

というわけで、高速道路ではどんなに踏んでも12km/lを下回ることがない優秀なクルマなんですが、市街地オンリーの場合も、EVOQUEより1.5km/l以上いいんだけど、なんというかもう少し頑張って欲しいなあ、なんて思っておりました。

実は上記のデータは「標準モード」で記録したものです。
実はXC60 T5 Drive-Eにはさらに燃費を改善する装置が2つついてます。
一つは「Eco+(エコプラス)」モードで、これはダッシュボードのボタンを押すだけで燃費を約5%改善しちゃうぜ、というモノ。
そしてもう一つがいわゆる「アイドリングストップ」機能です。

今までこれら2つの燃費改善ギミックをあまり使用してこなかったのにはわけがあります。
Eco+モードにすると、出足がスポイルされます。細かいところではしふとあっぷのタイミングやらアクセルレスポンスやらのプログラムラインが違うようなのですが、要するに
1)出足が遅い(といってもEVOQUEとトントンくらいです)
2)高速道路での追い越し加速がかったるくなる
3)時速7km以下になるとアイドリングストップしてコースティング走行する
くらいが誰でもわかる差で、後の細かい部分はまあ、言われたらそうかな、くらいな感じなのです。

最初のうちは少しでも燃費を稼ぎたかったので使っていたのですが、Eco+モードって、エンジン切る度にOFFになるんですよ。
つまりデフォルトではOFFなんです。
なのでついつい忘れてしまい、ONにするとせっかくのXC60の出足の良さがスポイルされちゃうのでそのうち使わなくなってしまいました。
まあ、高速道路で順調に巡航出来るシーンではONにするかもしれません。覚えていれば、ですが。

さて、問題はアイドリングストップ機能です。
コイツはEco+モードと違って、デフォルトがONなのです。
なので忘れる事は無いのですが、実は納車直後にちょっと稼働していただけで、その後はうんともすんとも言わなくなりました。
それはバッテリの容量が一定以上の、要するに元気バリバリ状態じゃないと働かないという制限の為です。

なぜ納車後すぐに働かなくなったのか?
それは、オンボードカメラ、要するにドライブレコーダーの「駐車撮影モード」の為です。
これはエンジンを切ってもバッテリから電源供給して監視録画を続けるという機能付きのもので、バッテリが一定以上低下するまで録画し続けるぜ、的なヤツだったんです。
なのでいくらバッテリが元気になろうが、エンジン切ってもエネルギーは常に飢餓状態になっていて、とてもアイドリング駐めてエアコンとかヘッドランプとかに電気を使う状況になかったのです。

そういうわけで一時は自分の車にアイドリングストップ機能が付いているという事実を完璧に失念してしまっておりました。

だがしかし。
長距離ドライブなんかでバッテリが充電されると、出先でアイドリングストップしてくれるわけですよ。
信号待ちでストンとエンジンが切れて「あれ、エンスト?」なんて思った直後に「ああ、アイドリングストップか、あったね、そんな機能」ってな感じで。
稼働しない理由はわかっていたのですが、アイドリングストップとかあっても大した燃費貢献はしないだろうし、別にいいかな、なんて思っていたんです。
タカを括っていたわけですね。

でも、ある日ちょっと考えました。
「実際、アイドリングストップ機能がフルに働くと、燃費はどれくらい差が出るのだろうか?」
と。
考えたと言うより好奇心ですね。
そう言うわけでドライブレコーダーのバッテリ電圧低下パラメータを上げ、殆ど駐車録画をしないモードに変更し、常時アイドリングストップ機能が働くようにして、しばらく燃費の違いをチェックしてみました。

さあ、長い前振りの後の本題です。
アイドリングストップ機能、ありとなしではどれくらい違うのか?

・平均速度19-20程度の片道3kmの市街地走行の繰り返し、という我が家の平常運転なモードで比較しました。

1)無しの場合 平均7.3〜7.6km/l
2)アリの場合 平均8.5-9km/l

いや、マジですマジ。
MY2013のEVOQUE Coupe Dynamicで5.5km/l程度のこの通常運転なモードが、XC60 T5 SE Drive-Eのアイドリングストップ入れちゃうとそれほどまでいい数字を叩き出しちゃうんです。
まあ、いかに「停止」している時間が長いモードなのか、という証左でもありますね。

というわけで、アイドリングストップ機能は市街地走行だとヤバい、というお話でした。
あ、もちろん高速道路では殆ど意味ありませんよ。ACCだと自動的に解除されますしね。

蛇足ながらアイドリングストップ機能のいわゆる「動き」がイライラする、という理由で嫌う人も多いと思いますが、私の車のそれは本当にスムーズで全く気になりません(もちろんさらにさらに改善してほしいですけどね)ので常時ONです。
もちろん「あ、これは停止した瞬間発進するパターンだな」的なシチュエーションでは発動しない方がいいので、そう言う場合はATセレクタをコクっと外側に押し出してスポーツモードにするとストップ機能が解除されますので、一瞬で無効化できますし、全くもって問題無く使っております。

いやあ、最初から使っとけば良かったな、というお話ですね。

245ps、35.7kg/mを叩き出すハイチューンな2リッターのターボエンジンで、1.8トンもある重いタイヤを履いたSUVを引っ張ってるのにこの燃費って、10年前くらいからするとオーパーツですね。
しかもムリヤリ燃費に振ってるわけでもなんでもないんです。事実動力性能も全然犠牲になってなくて、0-100km/hが7.2秒。このサイズのSUVとしては充分でしょう。
これはEVOQUEより0.4秒も速いわけで。
それを考えるとその辺のヤツが運転するマニュアルよりトルコン任せの方が燃費が良かったりするのはもはやアタリマエですし、トランスミッションの進化というやつには目を見張ります。