趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★憧憬のシンセミア 【SIGMA SD1】 I

カメラ

(初出:2011/06/10)


(SD15/70mm Macro)

ホビロン(Foveon)に中毒性があるとして
例えばそれがマリファナのようなものだとしよう
だとしたら、SD1は今までのマリファナとはちょっと違う
シンセミア100%

そんな感じ。


ここのところ麻薬とかマリファナとか不謹慎な例えばかりで恐縮です。
でもアレなんです。ようはそれだけ期待しちゃってる、という事ですね。

そんな過度の? 期待を胸に迎えた西暦2011年6月10の事。
「到着してる」という報を聞き、鬼気迫る表情で帰宅した私は、嬉々として、機器の入った箱を利き手で開けた……かったんですが、まずはゆっくりシャワーを浴びてほてった体をクールダウンすることから始めちゃいましたよ。

次いで遅い夕食をとりつつ、消化できずにレコーダーにたまっていく一方の録画番組の中から数週間前の「世界 ふしぎ発見」を一話(話?)だけ見てから、ようやくSD1の箱を開けました。
以下、SD1(命名「武藤さん」)と私の会話(じゃなくてまあ、独り言?)

私:「武藤さんって白いんだね」
武藤さん(以下、武):「いやあ、それほどでも」
私:「箱の話だよ」
武:「……箱かよ」
私:「だいたいSIGMAといえば有史以前から黒箱/赤帯のスタンダール・カラー(スタンダード、ではありませんぞ。念為)のはずだよね。お前、ひょっとしたら偽物なんじゃ?」
武:「有史以前に箱など無いでしょ。ってゆーか、誰が偽物よっ」
私:「なんかアレだよね? どうせ大した台数つくれるわけじゃないのに、わざわざ専用化粧箱とか要らないんじゃないの? そんなコストかけなくていいよ」
武:「いやいやいやいや。普通いるでしょ、専用化粧箱……」
私:「うーん、どうせならさ、無塗装の段ボールそのまんまで印刷も無し。手書きでそれもひらがなで『えすでぃーわん』とか書いてあったほうがらしくない?」
武:「そっちの方がよっぽど偽物くさいじゃないの!」
私:「でもそのほうがらしくない? 少数生産感あるじゃない?」
武:「ないわよ!」
私:「だったらその段ボールに社長が直筆で『いろいろごめん』とかマジックでメッセージとか入とくのはどうかな?」
武:「それって、ぶっちゃけ余計腹が立つんじゃない?」
私:「それもそうだね」
武:「馬鹿な事言ってないでさっさと開けなさいよ!」
私:「武藤さんって、なんか強気だよね?」
武:「仕方ないじゃない。そういう値段になっちゃったんだから!」
私:「お、なんかうまい事言ったつもり?」
武:「うるさいわね! 服ばっかり見てないで、さっさと中味を触りなさいよ」
私:「武藤さんって、ちょっとエロくない?」
武:「はああああ? って言うか、さっきから何? 何で武藤なのよ?」
私:「だって六月十日生まれだし」
武:「……単純過ぎ。つか信じらんない、なにその無個性な名前?」
私:「武藤さんさ、今、全国の武藤さんを敵に回したよ? 二万世帯以上いるんだよ? 戦ったら負けるよ?」
武:「私じゃないでしょ、っていうか、何で戦うのよ。 それより名字だけなの? 名前なし?」
私:「あるよ。フルネームは武藤トキ」
武:「ええ? トキ? 何それ、その年寄り臭ーい名前、最低。絶対イヤ」
私:「武藤さんさ、今、世界中のトキさんを敵に回したよ?」
武:「んなワケあるかーっ。絶対却下」
私:「仕方ないなあ。じゃあ、今風に武藤時子さんで」
武:「バカじゃないの! どこが今風なのよ!」

えっと……。
このまま10ページは行きそうなので、この辺でちょっと端折らせてもらいます。

私:「よしよし、ちゃんとモノは入ってるね。漬け物石じゃなくてよかった」
私:「お次は動作確認。フル充電のバッテリを入れて、と。SD15のバッテリが流用できるのは地味にありがたいね。これ、ミノルタが使ってたバッテリだよね。いったいいつまで使う気だよ? いい加減にしろよ、とはちょっと思うけど」
私:「お。電源が入る。アタリマエだよね。でもアタリマエじゃないのがSIGMAのカメラだもんね。何度血管が切れそうになった事か。思えばSD9はここで終わったっけな。SD10はすぐにフリーズしてキレたんだよね……よしよし武藤さんは今のところオッケーっぽい」

と言うところで開梱作業終了。
電源と簡単な(簡単過ぎますが)動作チェックも終わったし、今日は遅いから箱に戻してもう寝ることにしましょう。

私:「武藤さん、おやすみなさい」

え?
武藤さんのレポート?

勘弁して下さい。
今、何時だと思ってるんですか?
汝じゃありませんよ、何時ですよ。

SD1の真面目なレポートとか感想は、ネット探せば山のように、それこそ雨後の筍もかくやってくらい上がってくるでしょうから、そちらをご参照あれ。
私はいわゆるホビロン使いでもホビロン信者でもホビロンブースターでもなんでもない、ただの冷やかしですからね。
言ってみれば「通りすがりのホビロンつまみ食いyer」ですから、そういう細かい事とかはっきり言ってどうでもいいんです。

ISO感度ごとのノイズ乗りとか、
色相の変化とか、
ホワイトバランスの傾向とか、
そんなモノどーーーでもいいんです。

私、SD1でメシ食っているわけじゃないですしぃ、その時その時適当に気に入ったようにRAW現像すればそれで別にいいんじゃないの? って思ってるので、そういうマジ入ったレポートとか、関係ない人間なんスよ。
そういうテストはそういうテストが大好きなありがたい人達に任せておけばいいンです。
ええ、かくいう私はそう言うテスト自体にまったく興味が無いので見ませんけど……。

そんな事より私が興味あるのは、誰だってわかるレンズの歪曲です、歪曲。
ボディ側の描写力とか色傾向と感度とか、全然まったくこれっぽっちも関係ないんです。
どうせSPPがVersion upとかパワーアップすればどんどんかわっちゃうんだし。

偽色?
パープルフリンジ?
モアレ?
いや、マジでどうでもいいです。
ホントです。
神にでも悪魔にでも誓いますから!
後生だから、今日はもう眠らせて下さい。

作例?
いやいやいやいや。
皆さん、私の下手くそな写真とか見たくないでしょ?
だって下手くそですよ?
え? なんでもいい?
SD1の画像ならそれでいい?
だからもう夜ですから。
外、真っ暗なんですよ。

星の写真?
いえ、星の写真とか見て面白いですか?
って言うか星の写真の何が面白いんですかね?
星眺めてても腹ふくれませんし、そもそも首が痛くなるだけじゃないスか。
そもそも私、天体に限らず風景写真なんぞにはこれっぽっちも興味ないんです。
私が興味あるのはカツ丼とか天丼とか親子丼とか太陽の塔とかあんパンなんです。
ええ、そうですとも。そんな私は、きっとケータイのカメラで充分なんです。

ハードウェアの印象?
うん、ケータイより良さそうですよ。iPhone4とかシャッターボタンありませんからブレやすいんスよ。
その点SD1はシャッターボタン付いてますからね、イケてますよ。
手ぶれ補正はレンズに付いてたら付いてますし、付いてなければ付いてませんからシンプルです、はい。

ざっと言ってそんな感じです、第一印象。

グリップ?
かんべんして下さいよ、まだ聞くことあるんスか?
ええ、グリップありますよ、グリップ。
だから、XZ-1よりしっかり握れますね。
ついでにiPhone 4よりも。

液晶?
ええ、付いてますよ、背面液晶。
上部のパラメーターステイタス用液晶が無くなったようですけど、別にいいんじゃないですか?
だいたい軍艦部の液晶とか、あんなモノ要りませんよ。
私、SD14の上部にあるステイタス液晶なんか見た事ないですよ、たぶん。
昔ね、「こんなの要らないよ、故障の原因だから外せば?」ってSIGMAのアンケートに書いといたから、きっと無くしてくれたんでしょうね。
ユーザーの声が反映された美談ですよ。
そういうわけですっきりしてていいですよ、武藤さん。

え?
ああ、背面液晶ね。
まあ、何かいろいろ表示されるので、いいんじゃないですか?
46万ドットしかない?
あーた、SIGMAに何期待してんの?
どうせライブビューないんだから、だったらもうどうでもいいやって思うでしょ、普通。
だからもうどうでもいいんですよ、どうせ色もマトモじゃないだろうし何にも期待してませんから。
てか、マトモな色を出す液晶つけてるカメラとか未だに存在しませんから。
あったらそれはオーパーツですから。
背面液晶なんて映ればいいんです、映れば。
まともに映らないのがSIGMAとしては普通(私比)なんだから、新しくウチに来た武藤さんは立派なもんです。

ボディが防塵防滴?
あ、そうなんだ。
まあでも、どうでもいいです。私的には!
面倒だから雨降ったら出かけないし、
途中で降ったらとっとと帰るし、
砂漠にも行かないし、
花粉の時期には外に出ないし、
そもそも防塵防滴じゃないカメラで困った事一回もないんで。
ええ、だからそう言うのが気になる人はそう言うのが気になっている人のレポートを読んでいただければいいじゃなイカ? と。

そう言う事で土曜だけど私、明日も仕事なんですぉ。
だからこの辺で。
明後日?
作例?
どうしてもって言うならアレだけど、ちょっと色々用事もあるし、トーストとかヱビスビールの缶くらいしか写せないんじゃないかな。
そんなの見ても仕方ないでしょ?
いえ、私は好きなんですよ、トーストとかヱビスビールの缶写すの。
でも、それってきっとCX4で写したのと大して変わんないんじゃないかな、と。
ヱビスビールのpull-tab映像、ピクセル等倍でチェックして面白い?
いや、面白い人と思う人が居てもいいけど、そう言う人は箸が転んでも面白いんだろうし、わざわざSD1で撮ったヱビスビールのpull-tabの画像とかライ麦パンの焦げ目とかピクセル等倍で見なくても他に色々あるんじゃないかな。

レスポンス?
そんなの悪いに決まってるじゃん。
まだ使ってないけど、SIGMAだよ?
そんなの、触る前から決めつけていいレベルの会社が作ったカメラだよ?
SD9~SD15って全部買った私が言うんだから間違いないですよ。最悪に決まってるじゃん。
……たぶん。

IO類が貧弱?
HDMIポートがない?
無いね。うん、無い。
で?
そんなの家電屋のカメラにまかせとけばいいじゃん。

mini displayportがない?
そんなのアップルとかDELLに……って無いだろ、普通!
あ。
でもマイクロHDMIよりそっちのほうがいいね。
mini displayportじゃなくていっそのことThunderboltの方がいいよね。CFカードリーダ使うより断然速いよ、転送。

あ……そうそう。
思い出した!
そうだよ、SD1ってSDなのにCFなんだぜ!
おかしいだろ!! ヽ(`Д´)ノ
名前変えろよ!
CF1とかに!!
だいたいりによってSD1とか、名前が自己矛盾だろ!
ケッ。
ペッ。

あ、CFの事を思い出すと何かものすごく腹が立ってきた。

シグマの事だからきっと
「ファイルサイズがでっかくなったしぃ、SDだと書き込みに時間かかっちゃうしぃ、ここはやっぱ最速なのはCFじゃん?」
とか、そういう頭の悪い人が考えそうな理由でSDからCFに変えたんだろうなあ。
でもそれが本当だとすると、SIGMAってマジでホビロン。
時代に逆行すんな!
そこを頓知(叡智と読み替えろ!)で切り抜けてこそ、技術者ってもんじゃないのか?

HOYAのPENTAXの技術者の、もはやぶっ飛んだともいえるあの頓知の発揮振りとはまさに真逆の存在。
SIGMAってさあ、
そのうちさあ、
「演算速度を重視したら、今はこれしかありませんでした」
とか言って、AC常時給電じゃないと動かないカメラをいけしゃあしゃあと出してきそうな会社だよね。
「これはスタジオ用可搬カメラですから」
とか言って。
うん、あの社長ならすました顔で言い出しそうだね。
で、WiFiとかにも対応せず、PCとはコード接続だけ、とかいうボディになるんだろうなあ。
なにせスタジオ用ですから確実なケーブルでとか。
Foveon以外はなにもかも周回遅れですよねー。

と、怒りですっかり目が冴えてきたので、だったらせっかくだからテストすっか!
おお!
やるぜ!!
CFの!!!

えっーと。
最後に使ったCFカード機は、確かSD14とD700だったような気がします。
とってもレガシーですね。

SD1の発表で私が一番がっかりしたのはライブビューが無かった事でもボディ内手ぶれ補正機能がなかったことでもなく、実は対応メディアがSD(SDXC)じゃなくてCFカードに先祖返りしてしまっていた事です。
いっそのことxDピクチャーカードスロットとデュアルにしておけばよかったのに。
○○○○スのE-○みたいに!(ケムンパスじゃないよ)

まさかねー。
CF+SDの2スロットだろ?
書いてないだけだよな?
って現実逃避していた私の妄想はもろくも砕け散り、実物はどこをどう探してもCFスロットオンリーでした。
とまあ、そういう事で武藤さんのおかげでいったんほぼ処分したCFカードを改めて購入しないといけない羽目になったわけです。

マ・ジ・で・ム・カ・ツ・ク!

まあ、それはそれとして、実際問題、武藤さんのファイルサイズはでっかい。
違うサイズがでっかい方がいいのに。
……約50MB。
ウホ。
さすが計器だな!
カメラだと許されないもんね。
これでも圧縮しているそうだよ、ブラザー。
圧縮してなかったらどんだけ?

さて。
1ファイルが50MBだと聞いたら、マトモな人間なら次にきっとこう考える。
「なるべく転送速度の速いメディアを使わなければ!」
正解!
ピンポーン!
その通り!
単純で頓知力のないSIGMAも、間違いなくそう考えたのでしょうね。
正解かもしんないけど!
というか、ここにも大艦巨砲主義かよ!
力こそ正義、「オラオラぁ!」のごり押し体質のシグマの片鱗が見えるようです。

これはつまり、ユーザーに対して
「高いCFカードを使え!」
という事でしょ?

そうかよ!
わかったよ!
だから私は買ったよ!
安いCFカードを!!

だって腹が立ったんだもん。(>_<)
「てめえ(シグマ)のいいなりになってたまるか!」
そういう気持ちで。

つか、Eye-Fiでもなんでもない、ただのCFカードに3万円とか4万とか出してたまるか!
私にとっては質(速度)より量(容量)が正義の合い言葉。
稼働率が思いっきり低いと思われるSD1だけの為に「だけ」そんな贅沢してたまるか!
時代遅れのホビロンな存在のくせに!
もはや滅びの道を転げ落ちているCFなんていう恐竜的なプロダクトに金をかけてたまるか!!
そんな心意気ですよ。

そういうわけで、SIGMAに全面抵抗する態度を示す為に
1)UDMA対応で
2)入手が容易な
3)32GBの容量で
4)安い方から三種類
のカードを購入してみました。

おそらくSD1を買おうって言うくらいの人は私と違ってSD1のパフォーマンスを最大限に引き出してやろうと思っている、愛情あふれるユーザーだと思います。
使う前からSIGMAに反旗を翻して戦闘態勢とってるのは私くらいでしょう。
つまり!
要するに!!
私以外の武藤さんユーザーは、こんなケチくさくて貧乏くさい(ひどいな、おい)買い物はまずしないと思う。
それでも、ひょっとして全世界の武藤さんユーザー100人の中には二人くらいは同じ考えの人が居るはず。
いや、これからSD1を買おうかと思っている人には十人くらい同じ考えの人がいるかも。

「この先SD1買っても、出来たらCFにまでカネかけたくないよ、と」
そんな同士のために、ビンボくさい私のレポートが参考になれば幸いです。
安物CFがどれだけ使い物にならないのか?
あるいは実はそこそこ使い物になるのか?
そこのところを包み隠さず、かなり適当に行ったテストの結果をここでお伝えしておきたいと思います。
なぜならメディアに対する私の座右の銘はこれですから。

「上には上がある」

今現在、最速とか言われて買ってもですね、すぐにそれより速いものが発売されわけですよ。
その辺によくある最強のライバルがどんどん出てくるインフレ系バトルマンガみたいなものです。
それでも最速こそ自己満足、いや武藤さんを使う上での必須条件だというのなら、常に最速を追い続けるしかないわけで。
でも、それってあのダン(モロボシさんです、念のため)の言う

「それは血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ」

ってヤツじゃないかな。
マラソン嫌いの私は、だから適当なところで手を打つ事を選びます。
「適当」の落としどころが問題で、これはもう、要するに人それぞれだと思います。
私の適当があなたの適当かどうかは、あなたが判断すればいい事。
というか、最速クラスのメディアのレポートはたぶんいろんな人がアップしてくれるはずです。
なので、そっちのほうが意味があると思われます。
そもそも庶民の私は庶民的な値段のメディアにしか興味が無いですから、速いCFのデータなんてどうでもいいやってこころの底から思っております。
釣った魚にエサなどやってなるものか、うわっはっは。という価値観で生きてますからね、うん。

うーん、そうですね。
いい例えが見つからないけど、アレです、アレ。
700万円のメルセデスベンツ SLKは借金してでも買うけど、たかがワインに3千円以上は出せない。
そんな感じじゃないでしょうか。
私はそっち側の価値観を持つ人間なのです。

というか、異常に長い前ふりですね。
冗談抜きに何の役にも立たない能書きばかりで申し訳ありません。
イカ、テスト結果を淡々と書いておきますので「ふーん」「はーん」「へーん」程度に見ておいてください(ただし庶民用CFに興味のある方限定ですぞ)。

ってやっぱり、今日はここまで。
CFのテストは明日で。

ヘロヘロなので、寝まする。