(初出:2012/04/23)
◆Nikon D800E ショートレビュー その4
「ファインダー」
D800のファインダー視野率は「約」100%になった。
ミルクスだと100%なんてアタリマエ、あまつさえコンパクトカメラやケータイだって100%の時代なので「何を今さら」みたいな事が一眼レフの世界ではいまだにニュースだというのだから、要するにこの方式は旧態依然と言って過言ではないと改めて思います。
この値段になってやっと100%をおごれるコストをブチ込めるというのはいかがなものか? と思う。
あのペンタックスは半分の値段のカメラでこれをやっているわけで、Nikon程の会社ならD3200クラスから導入して欲しいところ。
もっともプリントはラボにL版で、のユーザーが多いと100%なんて、と思うマーケティング担当がいるかもしれないけど、何度も言うけどケータイだって100%なんだから、もう100%が常識の時代だと思いますですよ。
で。
奇しくも我が家のD800Eの相棒であるα900は、その光学ファインダーが「売り」のカメラ。
当然こうなるわけで。
「見せてもらおうか。D800EのOVFの性能とやらを」
見せてもらいました。(・∀・)
これはもうね、官能評価です。
好みの世界です。
そもそも同じレンズを装着しないと比較にもならない気がします。
いえ、気がするんじゃなくてそうなんでしょうけど。
でも、それでも差はあるんです。
あるように感じるのが人間のとんでもない感覚ってやつなんです。
評価しましょう。
★α900を100点とした場合の相対評価
・85点
いやあ、90点あげてもいいかなあ、なんて最初は思ってたんですが、取っ替えひっかえ、覗いてみて、さらによく考えたらサードパーティだと全く同じレンズ(と言っていいかはまあアレですが)がある事を思い出して、それを付けて色々比較しちゃいましたが、だんだんアラが見えてきてちょっとだけ点数下がりました。
何と言いますか、
・α900 = WESTONE 4R
・D800E = WESTONE 3
な感じなんですよ。
今、そういうわけで4Rを使ってるんですが、まさにこんな感じ。
言葉で表現するといきなりチープな感じになるんですが、D800はα900と比べると、間に二枚くらいベールがあるように感じます。
あと、着色感があってスッキリ度が低いんです。
まあ、官能表現ですから、3より4Rの方がいい音だ、なんて言う人が居ても全然驚きませんし、それはその人の真実なのでしょう。
でもまあ、アレです。
相対的な比較でああだこうだいうのはまあナンセンスでしょう。
充分に、いえ、とてもいいファインダだと思います。
少なくともD700はもう使いたくない、というくらいはいいです。
◆Nikon D800E ショートレビュー その5
レンズ選びに悩む の巻
本題に入る前に、まずは作例? を見ていただきましょう。
それぞれ一辺500ピクセルの等倍切り出し画像です。
※ただし、Jpegから切り出し>Jpeg保存なので常識のある方はご存じの通り、本来の画質ではありません。
切り出しだけでなくオリジナルのサイズの画像を見たいという物好きな方向けにurlを記載しておきます。
クリックするとflickr上のファイルからオリジナルサイズに辿れます。
これは何かというと、D800Eで撮影した画像です。
E-M5で撮影した画像を拡大したものではございません。
いや、今さらですが、撮影したカメラを書き忘れていたので。
あ、レンズも書いてませんでした。
Ai AF Nikkor 24mm f/2.8D です。
ええ、古いんです。基本設計が。(・∀・)
で、です。
解像はともかく、絞らないと光が反射している高輝度部分が、まるでビームサーベルみたいにビカビカに輝きまくっています。
f4.0位まで絞ると、私的には気にならない感じです。
f3.5でもいいかな、とも思えますが、f2.8はさすがに等倍鑑賞するにはまだ苦しいかなあ、と。
もちろん、こういうのは被写体に依ります。
何が許せて何が許せないのかなど人によっても違うでしょうし、もちろん同じ人間でもその時その時で違ってアタリマエですよね。
ここまでが前振りです。
ようやく本題です。
白状しますと、本題忘れてました。(_😉
D800Eを使って室内を試し撮りしているだけでも、何と言うか「こいつはすごいぜ」感がひしひしと感じられるわけです。
それはE-M5の手振れ補正を体感した時に感じた「こいつはすごいぜ」感とはまた違う、何と申しますか、例えるなら体重150kgのデ○……じゃなくて体格のいい人に有無を言わしていただく事なく? 押し倒されたような理不尽さを伴う暴力的な「オラオラ」感に置き換えてもいいような、そんな「こいつはすごいぜ」感だったわけです。
実は当初、私はこういう風に考えていました。
「一通りのレンズが揃っているα900の汎用システムがあるので、D800Eは『今日はこの一本』カメラにしよう」
具体的には、
24mmと35mmと50mmと85mmの単焦点専用でどうだ?
という目論見です。
85mmは実は方便?でして、望遠系の一本と読みかえてもらって結構です。
なぜなら私は、
24mmと35mmと50mmならば、防湿庫の肥やしを持って居るからです。
笑っていただいても結構ですが、50mm f1.4なんて、DとGを一本ずつ(まあ、一本ずつで充分ですが)持ってます。(´д`)
f1.8とf1.4ならまだしも。
さらに、間違った期待されている方がいらっしゃるとイケマセンので先に書いておきますが、24mmも35mmもNikkorです。NIKKORじゃないです。
つまり、Gじゃないんです。
Dです、D。
私の防湿庫の肥やしとはすなわち、
Ai AF Nikkor 24mm f/2.8D
Ai AF Nikkor 35mm f/2D
Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
です。
昔のレンズはNikkorで、最近のレンズはNIKKORなんです。
昔は普通だったのに、最近はドヤ顔なんです、ニッコール。
まあ、50mm f1.4のDとGにどんな差があるかなんていう話はともかく、昔ながらのコンパクトなD系単焦点レンズを付けて、遊びたいなあ、というのがD800Eを予約したきっかけというか理由です。
いや。
さらに白状しましょう。
ボディなんてなんでも良かったんです。
防湿庫のNIKKORとNikkorを見る度に「Nikonのボディを一個遊び用に持っておくか」とずっと頭の隅に課題を抱えていたわけです。
思い出した様に、考えていました。
二束三文で売ってるD40とか(売ってない売ってない)、
値段がこなれてきた売れ残りのD3000とか
いやもう、ここは30000円くらいになったD5000とか!
でも、その度に「そんなボディ買っても、3秒で飽きるだろ?」と心の声(理性)が歯止めをかけてくれていました。
そこにD800/D800Eの発表、というわけです。
そうです。私はD5000の身代わりとしてD800Eを予約しちゃったというわけでございます。
でも、実物を手にして実際にDレンズを装着して見て思ったわけですよ。
「こいつはすごいな」
って。
D5000だったらそんな事は思ってなかったんだと思います。
「たまにはニッコールで遊ぼう」
とまあ、当初の思惑通りにユルく遊んでいたと思われます。
でもまあ、D800Eはユルーい水鉄砲じゃなくてウェポンだったわけで。
D700もずいぶんマジなカメラだったと思っていましたが、D800Eを使ってしまうとあれはモデルガンだったんだなと気付かされました。(D5000は銀玉鉄砲?)
そうなると私の中のファシズムがこう叫ぶわけです。
「ウェポンにはウェポンを!」
そうです。
私は夕べ、ニコンのサイトでニッコールレンズを吟味しました。
24mmと35mmと85mmです。
もちろん、NikkorではなくてNIKKORです。
ついでにズームレンズも再チェックです。
「F2.8通し」のズームを!(・∀・)
そして沸騰する頭のまま、D800Eを激写しようとLEICA DG45mmを装着したE-M5を手にした時、私から何かが抜け落ちていくのを感じました。
ええそうです。
憑き物が落ちたのです。
E-M5を左手に持った私は、机の上に置かれたD800Eを右手で持ち上げました。
そうです。
私はもう、賢者だったはず。
危うく何度も踏んだ轍をなぞるところでした。
私は肩の力を抜いてクスッと笑うと、二つのカメラを机の上に置き、防湿庫からNikkorを一本取り出してD800Eに装着しました。
Ai AF Nikkor 35mm f/2D
それを付けたD800えを鞄にそっとしまうと、ゆったりとした気分でベッドに向かいました。
そろそろとりとめなくなってきましたので、まとめに入りましょう。
1)D800Eを使ってみると、どうしてもより良いレンズ、より明るいレンズ、より高価なレンズ、結局でっかいレンズが欲しくなる。
2)私はもはや135フルフレームの全方位迎撃可能なシステムを組むつもりはない。
3)と言うか、より高性能なレンズにはもちろん興味はあるものの、それを装着したでかくて重いシステムを、もう持ち歩く気にはならない。
4)今ある防湿庫の肥やしレンズは、本当にD800Eが役不足だと思えるようなレンズなのだろうか?
5)いやいやいや。そんな事ないって事は室内試写だけど、既に実感ずみ。
6)だったら、D800Eだからっていきなり我を忘れたりしないで、とりあえず当初の予定通りに使ってみたらどうだろう?
7)小さな単焦点レンズとの組み合わせなら、鞄に入れて持ち出す気にもなれるけど、14-24mmとか付けたD800Eを持ち出すだけのテンションはたぶんないと思う。そんなものを持ち出すくらいなら、9-18mmとE-M5の方がずっと楽しそうだし。
8)そもそもα900のシステムを見ろ。出番は本当に少ないじゃなイカ? D800EにはSTFもCarlZeissもないのだから、もっともっと出番が少なくなってしまう可能性があるぞ?
9)ホラホラ、D Nikkorで、とりあえず遊ぼうじゃなイカ。
ちょっと古いNikkorと、最新のD800Eを。
という事で、ともすれば重厚長大に走りたくなるけど、作例を見る限り、今日の少なくとも35mmf/2Dは絞れば充分シャープで、D800Eがすごい解像力を持っているっていう事もちゃんとわかるし、等倍チェック遊びでも充分楽しいなあ、と。
D800Eだと35mm f/1.4Gじゃないと、なんていうのは事実であっても真実ではないな、と思うのです。
で、結論です。
「じゅ、重厚長大超弩級レンズには、興味が無いんだからねっ」
いや、真面目な話、ミルクスを使い慣れてくると、私のカメラライフ的には軽さと大きさは画質より正義です。
カメラは使ってナンボなので、所有する満足感とはまた違う次元の話になるんじゃないかと。
もちろん両方を兼ね備えたものがあれば幸せになれるのでしょうが、重いカメラの方が幸せな人もいるでしょうし、こればかりは正解は一つではないのでしょう。
私はD800Eに、幸せの形が複数あるのだということを教えてもらった気分です。
α900一台ではわからなかった事が、D800Eが加わることで知り得た審理! というと大げさですが、少なくとも防湿庫の肥やしを持ち出すモチベーションとして、D800Eという「理由」はD3000やD5000では得られない満足感の高い者なのは確かです。
という事で、E-M5をメインに、α900をサブに、NEX-7を予備に、そしてD800Eをお遊び用にしてしばらく楽しめる態勢が整った気がしている今日この頃です。