(初出:2010/06/06)
(GF1/LEICA DG 45mm)
三脚穴。
穴の有無はともかく、雲台の設置面積が少なすぎる事。
そして雲台との間の滑り止めに相当する部位が存在しない事。
つまり、これはまっとうな三脚穴とは言わないよね。
まあ、それを論ってNEX-5ダメダメじゃん、と言うつもりはありません。
そもそもがコンパクトネスを最優先にしたパイロット・モデルみたいなものなのですから。
「三脚穴とか、コンパクトカメラでも似たようなものでしょ?」という判断はアリだと思いますし、そんな事は百も承知でシレっとやっているのでしょうから、1ユーザーがいくら指摘しても意味はないと思います。
そんな事より、AFカメラとしての資質はどうよ? と私は言いたい。
いろいろいじって、NEX-5の最大の弱点はAFだと、現時点で結論を出しておきましょう。
おそらく、同じ家電メーカー、同じミルクス(MILCS=Mirrorless Interchangeable Lens Camera System)メーカーであるPanasonicのAF速度が目標にあったとは思います。
「遅い」と言われない為に速くした。
でも、速度が速ければいいのか? という点には目をつぶったのだと思います。
決してAF精度が悪いわけではなくて、NEXは「AFが不得意」なんです。
光がたっぷりある場所なら全然オッケー。AFは速いし、精度も充分。
レフのある位相差AFの一眼レフより128倍は精度が高いと思う。
でも、少し暗くなると、あっという間にフォーカシング作業を放棄する性格はいただけないでしょ?
あきらめ、早すぎ。
「あ、オレ、それ苦手だし」
「はいはい、パスパス」
そんな感じですぐにフォーカスエリアでのAFを放棄するんです。
そりゃもう「え? ここで? これで?」みたいな感じではっきり言って開いた口がふさがらない感じ。
こらえ性のないいわゆる「イマドキのワカモノ」とか「イマドキのキレやすいロージン」が自分達に似せて作ったらこういうAF出来ました、みたいな。
いえ、私もこらえ性はないんですがね。
同じような場所を、同じようなf値のレンズ使っても、GF1とかE-P2はちゃーんとAFが利きます。
特にGF1なんてアタリマエのようにサクっと合う。
もちろん、コントラスト式のAFだからそりゃあもう正確です。
NEX-5は「あ、ダメっす」と言う感じで全面ミドリ枠みたいなのがでて、極めていい加減な感じで「合ってるかも」的な報告を行った上で基本的にそのまま放置。いや、放棄。
これ、画質がいいとか悪いとか操作性がいいとか悪いとかそういう話をする以前の問題だと思いますが、その点はいかがなものなのでしょうか? SONYさん。
三脚穴問題はある意味どうでもいい? かもしれませんが、これははっきり言って「酷すぎる」と思います。
特にNEX-5の場合は、内蔵ストロボとか取っ払ってオッケーと豪語するほど高感度に自信があるカメラなんでしょ?
その高感度に自信があるカメラが、ちょっと暗いとAF利かないって、「おいおい、そりゃないでしょ?」って思いませんか? 普通思いますよね?
でも「普通じゃない」SONYさんは思わないんだろうなあ……。
私がこのプロダクトのとりまとめしてたら「いつまでテスト機作ってんだよ!」ってなもんで、絶対突っ返すと思います。
なんかね、社内規定にパスしているのでオッケー、みたいな感じで「自分で写真は撮りませんけど、仕事でカメラ作ってます」ってな感じがするんです。
広報がこのカメラをアクセサリ感覚でイメージ戦略するのは大いにけっこう。雰囲気とかフィーリングとかお洒落とか言うキーワードで営業展開してもらって全然オッケー。
でもね、カメラとしてまっとうな足腰はちゃんと備えたものを売って欲しいわけです、カメラですから。
「ハイファイ」のソニーはいったい何処に行ったんでしょうか。
(GF1/LEICA DG 45mm)
そんなチャラいNEX-5と硬派なアンプのツーショット。