今回はPlayer系のネタでもありますが、どちらかというとONKYOのハイレゾ楽曲配信(販売)サイトのいわゆる「ハイレゾ」音源疑惑について。(初出:2017/04)
ONKYOはe-onkyoというサイトでハイレゾ音源(楽曲)の販売を行っています。
DSDも多少ありますが、こと日本のポップスやアニソン系についてはFLACが主流です。
もっとも「ハイレゾ」を謳っているのでコンテナはFLACを使っているものの、CD音質の44.1kHz/16bitなどではなく、私がチラ見した限りでは最低でも48kHz/24bitのファイルを販売しているようです。
私も試しに5曲ほど購入・ダウンロードして楽しんでおります。
まず、このe-onkyoというサイトで販売している楽曲ののいいところは、DRMフリーである事です。
その音楽ファイルを再生できる環境であれば、どの端末でも、何度でもコピーして使えます。
iTunes music Shopで買ったDRM付きの楽曲はiTunesとかiOS端末でしか再生できませんが、e-onkyoで販売されている楽曲はそんなの全く気にせず何ででも再生できるのです。
まあ、こうあるべきですよね。
ただし、その分一曲あたりの単価が高いという欠点があります。
まあ、そうなるかなという感じはします。
私は従来、ダウンロード販売サイトでは曲は買わず、気に入った曲、欲しい曲がある場合は、その楽曲が入っているCDを購入しておりました。
理由はもちろん「圧縮音源にカネを払えるか!」というものです。
なので気に入った曲がアルバムにしか入っていなければ仕方なくアルバムを購入、シングル(というのか?)であればそれを購入し、気に入った曲をリッピングして楽しんでおりました。
シングルCDってたいがいカップリングがありますが、経験上、90%以上の確率で「ゴミ曲」です。
例外はアニソンの「期間限定版」とか「アニメ版」などと呼ばれるものにカップリングされている「TVサイズ」的なもの。
つまりopとかedで使われている楽曲はそれ用にだいたい90秒のshort versionが入っていて、それがボーナストラック的に楽しめます。
それらは単純に90秒でフェードアウトしているものは少なく、90秒用につぎはぎしてまとめていたり(歌詞が1番と違って一部二番を使っている、一番のサビをエンディングに変えているなど)、アレンジ自体が違ったり、テンポが速かったりと、フルコーラス版とは別に持っていても楽しめるモノが多いのです。
でもまあ、それ以外のカップリングが「ああ、これもいいなあ」と思う事はマレ。
さらに言えば90秒Versionを入れていないモノも多々あり、要するに一曲の為に最低でも1500円内外を支払っていたわけです。CDで聴くことは一切無いにもかかわらずリッピングする為だけのために。
そこでe-onkyoです。
ハイレゾ、つまりCDからリッピングするファイル以上の音質のファイルをDRMフリーで一曲毎に購入できるんです。
だいたい一曲540円くらいなので、物理的なCDを買うより断然安く付きます。
まあ、その代わりカップリングにいい曲が入っていて、「これはいいなあ」なんて「出会い」はありませんが、最近の歌い手さんの場合、ファンならコレクションとして集めてもいいかもしれませんが、私のような典型的な「その楽曲がいいのであって、全くファンではない」という浅いユーザー視点だと殆どそういうラッキーはありませんので問題はありません。
そう思って欲しいなと思っていた曲を5曲ほど試しに購入したみたんです。
ハイレゾ音源を、ハイレゾ対応のDAPであるGRANBEATことDP-CMX1で聴くと、CD音質とはひと味違うクリアさとか音の伸びとか高音域の広がりとか、そういうのがあるのだろうな、なんてお花畑的な期待をしていたのですが……。
結果としては「別段そういう感じはしない」でした。
というか、私の2500円の耳では、CDからリッピングした44.1kHz/16bitの音源のプレイリストの中から、5曲しかない96kHz/24bitの音源を「うん、違うね」なんて聞き分けることは不可能です。
というかハイレゾ音源にも「音、良くないよね」というファイルがあります。要するにもともとの録音(?)がイマイチなのでしょう。
というわけで、あらぬ期待をしていた私は期待外れだったわけです。
むしろ「e-onkyoの楽曲って、CDの44.1/16をアップサンプリングして、ハイレゾですって売っているだけじゃね?」という疑惑が生じてきました。
というか、たぶんアニソンとかポップス、ロックというジャンルだとそれをやっても全然違いがわからないと思われます。
まあ、疑惑というのはアレかもしれませんが、過度な期待はしない方がいい、というお話でした。
何度もいいますが、もともとの録音が悪い、あるいはミキシングが下手などの問題の方が普通の人にとっては音質的に重要なんだという事ではないかと。
そもそもCDの44.1kHz/16bitもあれば、平均的な人間の聴覚はカバーしているわけで、ハイレゾなんていうのは「ほんの一部の耳が超いい人向け」だと言っていいくらいです。
少なくともいくらGRANBEATでハイレゾ音源を再生していようが、SHURE SE215で聴いている限り、ハイレゾで聴いていないわけなので「意味があっても意味を成さない」というか、「CD音質で充分、そんな事よりバランス接続かそうじゃないかの方がよほど重要」って事になっております。
ハイレゾ対応の高音質イヤホンが1万円クラスに下りてきたら、その時改めてハイレゾとはなんぞや? と色々ほじくりたいと思っていますが、それまではCD音質で全く問題は無い派に所属しておこうと思います。
おっと、肝心な事を書き忘れておりました。
前回紹介した、音質に関わるジッターの軽減を追い込む設定、すなわち「ロックレンジアジャスト」機能とe-onkyoのダウンロードファイルについて。
追い込み過ぎると音飛び(音途切れ)が発生する、でもそれはファイル(曲)によって違う、と書きました。
で、どうしても発生するので発生しないところまで追い込みを緩めたよ、という話でした。
その後、色々設定を変えていて、ある事に気付いたんです。
それは、
「音飛びしているのはe-onkyoで買った曲だけ」という衝撃の事実です。
私がCDから単純にリッピングしたALACやFLACでは音飛びしないのに、同じ設定でe-onkyoで買った楽曲は音飛びしているんです(しないのもある)。
つまり、e-onkyoの音楽ファイルの方がCDから適当にリッピングしたファイルよりジッターが多い、つまり汚れた(おいおい)ファイルだという事がonkyo自らのハードウェアであぶり出されたというか……。
いや、よくわかってませんが、ハイレゾの方がジッター多い仕様なのか???
ちなみにe-onkyoで購入した楽曲が全部音飛びしないようにするには、normal状態以下にする必要がありましたが、リッピングものはSHARPから一段階normalよりにしておけば全曲音飛びフリーでございました