さて「PCオーディオに填まる」編のその後です。(初出:2017/02)
その後というか、現在進行形で人生を浪費しております。
惰眠が至高であるように、人生を浪費するという行為がいかに甘美なものかをしみじみと実感する次第でございます。これって宗教に傾倒して出家する人が感じる幸せと同じようなものなのでしょうかね。全く想像も出来ませんが。
というわけで、出口(スピーカー)の変更からはじまった人生の浪費活動ですが、出口が決まったら、まずは入り口(音源)ということで、「脱iTunes」を掲げて、結果として音楽ソースはFLACベースにする事を決めたというのが昨日のエントリでございました。
もっともFLACで行くと決めたからと言っていきなり今ある音楽ファイル(基本的にすべてALAC)をFLACに変換する、という力業を行うのは後回しにしましょう。
まあ、エンターキーを押して出勤して、帰ってきたら終わっているとは思いますが、FLACもALACも音の差はわからないし、そもそもFLACもALACも私個人としては聴く環境的にどちらでもいいわけなので、FLACへの移行は取りあえず後回しにしておこうと思います。
で、次はプレイヤーですが、これはもうある意味固定です。
MacはAudirvana Plus。
WindowsではMediaMonkey Gold。
MacではiTunes以外というか、FLACやDSD再生用のプレイヤーソフトというと、ほぼAudirvana Plusという事になるのではないでしょうか。
WindowsではALACに対応している方が何かと便利だったのでMediaMonkey Goldをチョイスしました。しっかり使えそうだったので、感謝も込めて有料版を購入しました。
ファイル形式とソフトウェアが決まったら、次はアンプへの接続方法です。
Macには標準で光のOUT端子がありますので、そちらを利用してアンプに接続すればいいわけですが、Windows PCだと光OUTを標準で装備しているものの方が少ないです。Soundカードをインストールするとか、カスタマイズは可能ですが、Macの場合はノートでも光OUTがあるのにWindowsノートだとちょっとどうしようもなくなります。
要するにWindowsPCを使う場合はイヤホン端子からノイズまみれのアナログデータを持ってくるか、アンプとの間にUSBのDACを挟む必要があります。
まあ、USBのDACを持っていて損はありません。Macでも使えますからね。
という事で、今回はUSB接続のDACのお話です。
DACの話に入る前に、AirMac Express(以下AME)と手持ちのUSB DACをWindowsに繋いで聴き比べた話を少し。
これについては以前のエントリに少し書きました。
すなわち
「Mac(Audirvana Plus)からWiFi経由でAMEにデータを飛ばし、光ケーブルかアナログケーブルでアンプに繋ぐ」
「Windows(MediaMonkey Gold)からUSB DACーRCAケーブルでアンプに繋ぐ」
上記2つの方式を聴き比べたところ、WiFiとAMEを使った方が断然音がいい、という結論を得た。
というお話でした。
「WiFi経由で鳴らした音がUSBで直結している音より良い音なわけがない」なんて考えて居る人はAppleをナメていると言っていいでしょう。
AppleのAirPlayという技術は何がどうなっているかわかりませんが、CDのPCMデータである16ビット/44.1kHzをフルカバーしています。要するにCDからリッピングしたWAVデータを全く劣化なく無線で送れるんです。
でもってレシーバー側のAMEには光とアナログの出力端子がある、と。AMEってただのWiFiルータじゃないんですな。もともと無線LANルータがあるのに、敢えてAMEを購入したのはAirPlayで離れたトコロで音楽を聴くためでした。つまりAMEはみえないスピーカーケーブルのようなものです。
とはいえ!
私も「そうはいってもUSB DACの方が音がいいでしょ?」とはじめは思っていました。
でも実際に聴き比べると「あれれ?」と思うくらいWindowsからのは音が悪い。そりゃもう私の駄耳でさえ音楽が鳴った瞬間から違いがわかる(具体的には音場のスケールがまったく違う)ほどなのでそうとう悪いと思われます。
という結果を受けて「Windowsなんて(PCオーディオの母艦としては)使うもんじゃないな」と決めつけていた私でございました。
すみません、全世界のWindows PCで音楽を楽しんでいる皆さん。でも事実なんです。
とまあいったん結論を見たわけですが……。
実は夕べ、帰宅してフト思いついた事があって試してみました。
まあ「魔がさした」的なひらめきですね。
リビングにあるZWIFT専用マシンと化している件のデスクトップWindowsマシンの背面側にまわり、USB DACをチェック。そして「ごにょごにょ」してから改めて音出しをしました。
すると……。
「おお!」
なんということでしょう。(・∀・) 今まで聞いたこともないような音場の広がり。エージングが進んだFE103Enの鳴りすぎる中音がまさに鳴りすぎる。
「ぼへ~」感がまだまだ残っていたはずなのに、明らかに違う。そしてこれはエージング云々ではなく、「モトが全く変わった」感じです。
そして「これってAME経由のMacの音より絶対いいよね?」
ということで、同じソースをAMEから鳴らしてみると、まさにその通り。
つまりWindowsPCからUSB DAC経由で繋げた音がはじめてMac系に勝利したのでありました。
因みにWindowsPC側は基本的にデフォルトのままです。WASAPI排他モードなどは設定していません。
では私は「ごにょごにょ」と何をしたか?
それは
◆USBケーブルを換えた
◆AMPへの接続を同軸ケーブル経由にした(実は既に同軸ケーブルで繋いでいると思い込んでいた)
の2つ。
両方一変にやってしまった&その後検証はしていないのでどちらが効果大だったのかはわかりませんが、おそらくはUSBケーブルが犯人だろうと思います。
ご存じかもしれませんが、デジタルデータを橋渡しするだけのはずのUSBケーブルでも音の違いがあるんです。
もう捨てようと思ってガラクタ箱に入れていたDACをWindowsに繋いだ時に使ったケーブルも、ガラクタ箱にあった妙に長い(2m)見るからに安っぽいUSBケーブルだったんですよね。
ちなみにガラクタ箱に放り込んであったDACですが、電源もそのUSBケーブルから取るバスパワータイプだったので、電源とデータの両方に音質を悪くする要素があったのだろうと予想しております。
その「怪しいUSBケーブル」をunibrainのUSBケーブルに換えたら、あら不思議、劇的に良くなった、と。
オカルト? いえ、事実ッス。私の駄耳でもわかるんですから、殆どの人にその違いはわかります。
という事で、ようやく辿り着きました。
テーマです。
「せっかくだから(?)いいUSB DACを導入しよう」
その心は?
「もう捨ててしまおうと思っていた安物の古いUSB DACでこの音が鳴るのだったら、最新のUSB DACにするとどれだけ良い音が鳴るのだろう? いや、それはもう素晴らしい音が鳴るに違いない」
とまあ、こういうロジックです。
まさに泥沼ですな。出口の性能以上の音なんて鳴るわけないってわかっているのに、脳内では天国的な音が響き渡るわけですよ。妄想的に。
因みに我が家には今USB DACはガラクタ入れて2個あります。
そしてどちらも古いんです。
とはいえ1個はガラクタ箱に入ってましたが、もうひとつは現役です。
もう10年選手ですが、そっちはMacに繋いで書斎のアンプも兼ねてます。
そう、アンプ内蔵のDACなんです。書斎のバックロードホーンを鳴らすにはそれでもう丁度良いというか、ニアフィールドのリスニング環境だとこれ以上の音は別にいらないな、というほど満足しているので、何の変化もなくそのまま使い続けております。
因みにそのパワーアンプ内蔵DAC、安いのにとてもいいモノでしたが、会社は既に倒産して今はありません。
価格を含めて良心的なものを作る無名の会社は倒産し、見栄えだけで中味はオンボロなのに、それにとんでもない値段を付けて売っているブランドメーカーは肥え太るという図式ですね。
イイモノが必ず売れるわけではないのが商売って言ってしまえばそれまでですが、正直者がバカを見るというのはもはや「それがアタリマエ」という感じがしないでもありません。
閑話休題。
今回は書斎のMac系は全く弄らず。つまりそのままです。だって「まったくもって満足している」んですから。
下手にいじると「前の方が良かったorz」という事にもなりかねません。オーディオ、とうか官能評価だけが判断基準の世界ってそういうモノですよね。
さて、今回の品定めはWindowsPCにぶら下げているUSB DACのリプレイス。
今ぶら下がっているガラクタ(箱に入っていた)のUSB DACですが、そっちのメーカーはまだ倒産していない、というか現存しております。
ONKYOというメーカーです。ちなみに「オンキョー」ではありません。文字で書く場合は「オンキヨー」です。読み方は「オンキョー」。フジフイルムやキヤノンと一緒ですね。
モデルはND-S1。
発売前の提灯記事を読んで「これだ!」とばかりに予約購入したような記憶があります。
要するにiPod(30pinのやつ!)をリビングのミュージックハブにしようとして導入したものです。
すなわち30pin端子のiPodなど使わなくなった → ガラクタ箱行きとなった、という顛末です。
でもこのND-S1、30pinの端子とスタンドが設けられていて充電機能もあり、まさにiPod専用と思いがちですが、意外に? 普通のUSB DACとしても使えるんです。出力もデジタル同軸ケーブルと光ケーブルの二系統対応。
なんとビデオ出力端子まであるという……。
プラスチック丸出しの仕上げなので見た目は超安っぽいんですが、中味は本格的といっていいでしょう。
特に同軸ケーブル対応とかオンキヨーの人は「わかってる」というか、個人的には目頭が熱くなる装備です。
あえてRCA端子を拝して「あくまでもデジタルですから」というところにこだわっているところが素敵です。
さてこの素敵? なND-S1の代わりになるUSB DACはいったい何がいいのでしょうね?
色々とチェックしているのですが、現在のところ候補として最右翼なのが写真のコレ。
KORG DS-DAC-10R。
コレの何が私を引きつけたのかと言いますと、DSD録音? 機能が付いているからです。
コイツを見つけた時は運命を感じましたね。なので思わずそのままポチっとしそうになってしまいました。
というのも、個人的な事情にピッタリ填まるようなシロモノだったからです。
事情について説明しましょう。
・マンションの抽選に当たったら、買い替えて引っ越しをする事になる
・引っ越しにあたっては、今ある家財を使うモノとガラクタにわけてバッサリと断捨離を行う
・ディストラクション委員会(要らないもの撲滅委員会)としては、もう全く使う事がなく、ムダに場所を取っているだけの大量のLPレコードを廃棄する事を決断した
・しかし! このDS-DAC-10Rがあれば、捨てる前にアナログのレコードをハイレゾ音源、つまりDSDのファイルとしてデータ保管ができる。
とまあ、そういう感じです。
数百枚のレコードが無くなるとスペース的にかなりスッキリします。
必要なものはCDで買い直したりしていますし、もう全く聴くことは無いレコード達ですが、CDになっていないものも多く、実はいちおう全部PCM録音してCDクオリティのデータとしては所有しているんです。
でも、DSD録音ができる環境がこの値段で手に入るとは!!
これは廃棄される運命にある私のレコード達の断末魔が呼び寄せた奇跡に違いない。「DS-DAC-10Rを使ってオレ達を電脳の世界で生かして欲しい」レコード達がそう言っているような気がしてなりません。
DSD録音はこの業界の標準であるMacだけでなくWindowsにも対応していますので、私の気まぐれでどっちを使ってもオッケーですし、そういう選択肢があるのも○。
じゃあ「とっとと買って即DSD録音をはじめるぜ! と行きたい所ですが、すんでの所で「ポチ」衝動を抑えているのが私の中で囁く天使(悪魔?)の声。
声はある法則を連呼するのです。そのある法則とは?
「目的の機能について、多機能機は単機能機に必ず劣る」
つまり、私の目的はあくまでも「高音質なUSB DAC」であるはず。たまたま見つけたUSB DACのスペックを調べているとDSD録音機能があり、目的がすり替わってしまっているというこの状態がいいのか悪いのか、というお話です。
確かに手持ちのLPレコードをDSD化できるというのは魅力的な提案です。
でも、ムダな? 機能を付けて、肝心のUSB DACとしての音質が値段相応ではないとしたら?
そんなわけで現在、けっこう悩み中。