趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★FUJIFILM X30 誰得? レビュー

カメラ

「今さらですが意外な事に気付いちゃいました」なんてことはよくある話ですね。(初出:2016/03/02)

たとえばクルマのメーターにあるガソリンスタンド(にある給油機)のアイコン。
あのアイコンには必ず附属する記号があるんですが、ご存じでしたか?
具体的には正三角形の記号です。
漫然とみていてまったく気付いてない人もいるのでは無いかと思いますが、あの三角形、必ず左右どちらかを「指」しているんですよ。
そうです。あの三角形は「給油口が左右どちらにあるのか」を示すアイコンなのです。
ご存じの通り、世の中のほとんどの(内燃機関で走る)クルマは、左右のどちらかに給油口があります。昔はテールのど真ん中に給油口があるクルマがあったりしましたが、最近はさすがにないと思います(もしあったら教えて下さい)。

利便性と安全性を考えて、給油口は「運転席とは逆側」に作るのが普通です。
意味はわかりますよね?
運転席と同じ方向に給油口があると、給油機とクルマの間にドアを開閉するスペースを空けなければらない=給油ノズルと給油口との距離が長くなり、届かない恐れが生じるので、まあそうやっているのが普通です。
「普通だった」というべきでしょうかね。
ここで「今さらですが意外な事に気付いちゃいました」という最初のお題です。
正三角形の記号が給油口の向きを示している、という事に気付いた、というわけじゃないんですよ。
そうじゃなくて
「日本車でも右側に給油口があるクルマがある!」
事に気付いちゃいましたよ、私。今さらなのでしょうけど。(・∀・)
いえね、昔はほぼ間違いなく(テールにある変なのは別にして)給油口は左側だったんですよ。
なので三角の記号表示とか必要無かったんですよ。
で、私が輸入車に乗り始めてからはずっと給油口が右側で「こういう所はどうしようもないなあ」と給油機とのスペースを空けられないスタンド(たまにありますよね)とかではとても不便に思っていたわけです。
でも、見ちゃったんですよね。
「あれ? 日本車なのに右側からガソリン入れてる??」

いや、日本のメーカーが日本国内より海外向けを重視したクルマづくりをする前に輸入車にのりはじめたので、まさか中味は実は左ハンドル向けで見た目だけ右ハンドルにしているクルマを日本メーカーが日本国内で販売しているなんて思っても見ませんでした。
事情通に聞くと、そういうクルマはブレーキサーボも左ハンドル用なのだとか。
ううむ。どうした、日本メーカー。
どのクルマとは言いませんが、たぶんそう言う車は「買ってはいけない日本車」なんじゃないかと思うんですが……いえ、個人の感想です、ハイ。(・∀・)
もっともブレーキサーボの位置の話は自分の目で確かめたわけじゃないのでアレですが。
とは言え、日本のメーカーが日本人をバカにしているのは確かじゃないかなあ。
いや、バカにしているんじゃなくて「チョロい客」だと思われているんですよ。
同じか。
どちらにしろ軽視されているのは間違いないですね。
これはアレです、アレ。
「おもてなし」
などと妙なスローガンを掲げて外国人観光客ばかりを優遇している業界と同じですな。
ヘタ名観光地とかお店に入ると、店員とかがガイジンばかり相手にして我々は放ったらかしにされる図というのがあるんですが、アレと一緒。
もうね、日本の観光とかしたくなくなりますよ、そういうメに遭うと。
海外からわざわざ観光で日本に来るような連中ですよ? 海外旅行に行く日本人でもそうですけど、要するに暮らしに余裕がある連中なんですよ。カツカツで生きている連中が物見遊山の海外旅行とかいくわけないでしょ?
なのに日本人には100円で売っているものをガイジン観光客には70円で売るのか?
ヨーロッパにいくツーリスト向けのユーレイルパスなどは有名ですが(お世話になっております)、JRのパスとかユーレイルパスなんてもんじゃないんですよ。「日本人をバカにしてんの?」みたいなディスカウント振りですよ。
なんか「オモテナシ」って言いだしはじめた頃から、日本は日本人の事をないがしろにし出したきがしてなりません。

SONYとかPanasonicもそうですね。
新製品は海外発表が先。
「日本の発売日? いやいや、日本で売るかどうかも含めて未定」とか平気で言ってやがりますからね。
ああいうのを見る度に
「バカにしやがってー!ヽ(*`Д´)ノ」
ってな気持になりません?
私だけですか?
そうですか……。

まあいいです。
では本題に入りましょう。
ええ、今までは前振りです、すみません。

「今さらですが以外な事に気付いちゃいました」
ですよ。
何をって、
「私って、X30の感想書いてないじゃん!」
いえいえいえ。IBMのX30じゃないですよ。あれは書きました。もうネット上にはないですが、熱くねっとりと語り尽くしましたっけ。
そうじゃなくて、もっと最近のプロダクトですよ、X30。
そう、X30といえば、FUJIFILMのX30じゃないですか。

いえね、私も存在は知ってたんですよ。
「防湿庫の奥にアレがあるな-」って。
防湿庫の奥には色々あるんですよ。言ってみれば人生と一緒ですな。
「人生、色々ありますよね」
「そうですな」
そんな感じで、皆さんも一緒でしょ?
「防湿庫の奥には色々ありますな」
「まったくです。○○には言えませんな」(○○は敢えて伏す)
「私なんか防湿庫は中が見えないようにしてますよ」
「それはかえって怪しまれますぞ?」
とまあ、そんな会話ですな。人生と一緒です?

そう言えば防湿庫の奥といえば私の場合、FUJIFILM率が高い。
FinePix REAL 3D W3とかね、知ってます?
ガイジンに見せるとウケるんですよね~、アレ。なので海外旅行にはウケ狙いの必携品ですな。
いや、今はREAL 3Dとかはどうでもいいんです。
X30です。
こちらは普通のコンパクトカメラですからね。変態さんのREAL 3Dとは違います。
何しろREAL 3Dは2眼カメラですからね。というか、アレってカメラ二台を一台のボディに突っ込んだような作りでしたっけね。
いえ、だからREAL 3Dの話はいいんです。
X30ですよ、X30。

私がなぜX30の事を思い出したかというと、それはX70を買ったからではありません。
いえ、もともとはX70がきっかけではあるんですが。
というのも、先日skiに行ったんですよ。
ここ4年ほど定番ゲレンデにしているのは戸隠スキー場なんですけどね。
私は学生時代から「スキーはマイカー(死後?)でしかいかない」というポリシーを掲げておりますので、もちろん今年もクルマで行ったんですよ。
理由は色々ありますけど、そのうちの一つが「荷物をいくらでも積んで行けるから」です。
もちろん家族4人で、とかそう言う前提だとクルマによっては積載の工夫をしないといけない状況でしょうからこの前提は当てはまりません。
とは言え、少なくともスキーバスとか列車で行く、あるいはスキー宅急便で荷物は宿に送りつける、というパターンよりは持って行ける荷物に余裕があるのは事実です。

まあ、そんなわけで私の場合は「カメラやレンズや機材を好きなだけ積んで行ける」ので、基本的に国内旅行=ドライブ旅行になるわけです。
特にスキーはゲレンデ用のカメラとか、友人達の滑りを写す用レンズとか、夕食のテーブル用カメラとか、ゲレンデのレストラン用カメラとか、宿の付近を散歩する時用のカメラとか、結露した時用の予備カメラとか、要するにいろんな事を考えてそれに対処出来るように色々持っていくわけですよ。
カメラ毎のバッテリやチャージャーはもちろん、三脚もしっかりしたやつからテーブル三脚まで。
外付けストロボ大小とか、コマンダーとか、LED照明とか、その予備バッテリとか。
パフパフ(ブロアの事です、念のため)やブラシは当然、クロス類も相当枚数もっていって、手入れもできるようにしておかねばなりません。
持ち出し用のカメラバッグの大小は当然です。
それに加えて当然ながらスキーやブーツ、ポール(ストック)は当然、ウェア類やヘルメット、予備のゴーグルとか着替えとか洗面道具とか、ノートPCとかタブレットとか予備のタブレットとか予備のケータイとか雑誌とか、ああ、向こうで食べるスナック菓子とか、SAやコンビニで仕入れたホットコーヒーを入れておくタンブラーとか、保温ボトルとか、車内で水分補給する用のミネラルウォーターとか、そうそう、駐車場でブーツを脱ぎ着したり準備する時用のベンチもいるよねー。あとウォッシャー液の補充タンクも6リットルくらい入れとく?
みたいな?

そうなると公共交通機関とかありえない訳ですね。
いえ、公共交通機関で予備のウォッシャー液とかフォールディングベンチとかはありえないでしょうけど。

でもね。
アレなんですよ。
年々、そういうのがおっくうになってきたというか、めんどくさいというか、しんどいというか。
というのも、ウチがマンションだからですよ。
全部の荷物を積み込むということは、かえってきたら全部の荷物をまた部屋まで持って上がるという手間が必要なんですよ。
加えて出かけたら最後、お土産とか買っちゃいますからね。
今年も果物やら食べ物類は当然として、蜂蜜やらスプレッド系、さらには信州ですから酒類もたっぷり買い込んでしまうと行きより帰りが大変です。
加えて、わかっていたんですが認めたくなかったので知らぬ振りをしていたのですが、カメラ関係なんて事実はアレなんですよ。
「そんなに機材を持っていっても、大半は使わない」
コレです。
コレを認めるべきなんです。事実と向かい合う日がやってきたのです。

そしてついに今年、私は決心しました。
「カメラ機材は最小限に留めよう」
具体的には「小振りのカメラバッグ一つに収まる事」です。
私は考えました。
そしてある決心をしたのです。
「今年はコンパクトカメラオンリーで行こう」と。
レンズ交換式カメラを持ち出すから交換レンズを「あれもこれも」と持っていきたくなるんですよね。
でもって交換レンズを複数持ち出すと「交換するのが面倒だから、予めボディにつけて置いて、それを交換しよう」なんてボディを増やすことになるわけです。
なので「レンズ交換式カメラ禁止」です。
さて、そうなるとどれを選ぶか、ですが、

1)ゲレンデ用。つまり防水カメラ
これは必須です。具体的にはTG-4
ゲレンデ落としても全然大丈夫ですし、雪に突き刺して三脚代わりにしてびしょびしょになっても全然オッケーですからね。

2)X70
これは個人的にもっとも旬なカメラなので、是非持っていきたいわけです。

つまりこの2台があれば基本的にほぼオッケーです。
X70は単焦点ですが、TG-4は25-100の4倍ズーム。デジタルテレコン(ズーム)を加えれば望遠側はさらに伸びます。マクロもこのカメラの右にでるものはない。むしろ簡易顕微鏡ですから雪の結晶とか撮れちゃいます。

だがしかし。
やはりせっかくの旅行。TG-4より大きなセンサを使ったカメラで、それなりの写真もとってみたい。だったらX70でいいじゃないかと思いますが、あれは単焦点。そして手振れ補正がない。
要するにTG-4はゲレンデオンリーと割り切り、ゲレンデ外をカバーする手振れ補正付きの高画質なコンパクトカメラがやっぱり欲しい、となったわけです。
そこで考えたのが、GM5と12-32ズームの組み合わせです。
GM5はレンズ交換式ボディですが、12-32だけ装着して、ズームレンズ付きコンパクトカメラとして見ればオッケーじゃね? という事でオッケーとしました。
GM5だったらEVFもあるしね。

そして荷造り当日。
ビミョウに悩む私が今した。
というのも、旅行にカメラを持って行く時って、予備バッテリを持っていきますよね?
そんでもって充電しないといけませんからバッテリチャージャーも。
これが、3種類のカメラになると予備バッテリも3種類×複数個、バッテリチャージャーも3個。
バッテリはまあ隙間に詰められるのでアレですが、意外にバッテリチャージャーがかさばるんですよね。
なので決心しましたよ、私。
「今回はバッテリチャージャーいらないんじゃね?」
と。
二泊三日程度ですからね。3台もあるわけですし全部のカメラで全部のバッテリを使うわけがない。
そもそもTG-4はゲレンデオンリーだから予備は1個あれば充分(1個は念のために肌に近いポケットで温めておき、交互に使う)。
残りも少し多め、具体的には予備三個くらい持っていけばオッケーじゃね?
とまあそんな感じです。

その時です。
私の脳裏に稲妻が走ったのは。
「X30って、X70と同じバッテリだよね?」
X70の予備バッテリが手元に複数個ある時点で気付くべきだったんです。X100T用のバッテリだとばかり思ってましたからね。
「そうだ、X30があるじゃん!」
ということで防湿庫の奥からREAL 3Dを……じゃなくてX30を撮りだした私です。
いえ、REAL 3Dでちょっと遊んじゃったのも確かですが。

X30。
28~112mm(なぜか)をカバーするズーム付きコンパクトカメラ。
F2.0(広角)~F2.8(望遠)で、意外に明るいズームレンズ。
センサは4/3のGM5よりは当然小さいけど、TG-4の1/2.3型よりは大きめな2/3型。
レンズシフト式の手振れ補正内蔵。
EVF搭載。
チルト液晶搭載。

1)24mmスタートではない
2)センサは4/3に比べると小さい

という二点を妥協すれば、バッテリ共用可能となります。
予備バッテリを探してみると合計6個ありました。
これで充分じゃね?
というかバッテリチャージャーも一個で済むなら持っていってもいいレベルです。

長らく使っていなかったX30ですが、まあもちろんそれには理由があります。
少し触ってみると、蘇るそのネガティブ思考。

・でかい(相対論なので比較対象に依る)
・重い(同上)
・レンズキャップが必要(フジツボフードは常識的につかない。ステップアップリングとか使ってむりやりつければつくけどね)
・AFが弱い(そもそも雲に合わない。あと得意・不得意の差が大きい)
・寄れない(寄れるのはワイド端のみ。ズームレンズのメリット活かせや!)
・操作性が気に入らない(露出補正ボタンの存在がイラっとさせるし、レンズ繰り出しで電源オンも勘弁してほしい)
・ちょっと変わった事をするとRAW同時保存ができない(出来る方が少ないけどね)
◆撮影に直接かんけいないけど、ちょっと壊れている

最後のは私の個体特有の問題なのでアレですが、修理に出そう出そうと思って放置、先延ばし、記憶から排除、という流れになっていた事を思い出しました。(・∀・)
アホか、私。(・∀・)
いや、アホなのは自覚しておりますが。

まあ、そういうわけでX70とX30に加え、TG-4と駄目押しでこっそりとSTYLUS 1sを携えてスキーに行きました。

結果、「切り札」であるSTYLUS 1sは起動せず。
TG-4はゲレンデ番長。濡れても濡れても落としても踏んでも? 元気でした。
ウェアのポケットにスルっと入る大きさ。でも、小さすぎない。薄すぎない。
手袋をしてても取り出せる大きさなのもいい感じでした。繊細に操作すればスキー手袋したままでもスイッチ入れて撮影可能ですが、イラっとしますから撮影時は手袋外しましたけどね。
この手のアウトドアカメラはガンガン使ってナンボなのでガンガン使いました。
で。
結局スキー旅行中で一番活躍したのがX30でした。
やっぱり手振れ補正の存在が大きいのと、散歩とかだと画角の自由があるズームレンズに甘えちゃうので出番が多くなるようです。
X70はというと、専らテーブルフォト。
暗くてもじっくり構えて撮れるのと、けっこう寄れる点。さらにISO6400までOKな高感度特性のおかげで意外に料理写真などに向いている事が判明。こういうシチュエーションだとチルト液晶が使いやすい。
X30は135フォーマット112mmまでのズームですが、デジタルテレコンを録画ボタン(赤ボタン)に割り当てているので224mm相当の望遠までカバーしていると考えると古いけど今でもけっこう使えるカメラだと再認識しました。
ただ、X70との棲み分けを考えた場合、欲を言えば広角は24mmスタートにして欲しいところ。

描写はさすがにいいです。
色は好みですが、レンズの望遠側の解像感がいいのは誰でも嬉しいはず。センサのサイズもありますが、さすがに112mm近辺の画質ではTG-4やSTYLUS 1sとはクラスが違う描写だな、と感じます。
L版くらいだとビミョウですが、27インチディスプレイで眺める限りはぱっと見て違いがわかるほどの差があります。
さすがに設計が古くなんだかんだいって小さなセンサなので高感度の粘りはX70などと比較するまでもありませんが、ISO1600までなら個人的に不満はまったくありません。

ということで既に生産終了。販売も流通在庫のみとなった現時点での「誰得? レビュー」でございました。