ちゃろー(^o^)
今こそ日本人のすべてのGARMIN Edgeユーザーに問う。
Climb Pro、使っていますか?
実は日本のGARMIN Edgeユーザーは、大きく分けて3種類に分類されます。
カテゴリーA:Climb Pro非搭載のEdgeユーザー
彼らはこういうでしょう。
「使いたくても使えねえよ!」
ごもっとも。m(_ _)m
カテゴリーB:Edge 530/830ユーザー
彼らについて想像するのは簡単です。
「使っている人は使ってますし使ってない人は使ってないでしょう」
アタリマエですね。
問題は次のカテゴリーCに該当するEdgeユーザーなのです。
カテゴリーC:Edge 1030ユーザー
彼らはカテゴリーAやBの人達と比べると、ちょっと複雑です。
なぜならEdge 1030ユーザーは、更に4つに細分化されてしまうからです。
第1グループ:Climb Proを知らない
第2グループ:Climb Proは知っているけど、自分が使えることを知らない
第3グループ:Climb Proは知っているし、Edge 1030で使える事も知っているけど、使ったことはない
第4グループ:Climb Proは知っているし、もちろん使った事がある(使っている)
実はEdge 1030ユーザーにはもう1グループあるのですが……。
第5グループ:Edge 1030をまだversionアップしていない人
さて、今回の記事はEdge 530/830の発売後、半年ほど遅れてEdge 1030に実装されたClimb Proを実際使ってみた、カテゴリーCの第4グループに属するEdgeユーザー記事でございます。
なので「第5グループ」に属しているけどClimb Proが気になった人はversionアップして楽しんでくださいませ。
◎そもそもClimb Proとは?
昨年(2019年)に発売された最新のGARMIN Edgeシリーズ、530/830に搭載された機能です。
字面だけを見ると「上りのスペシャリスト」「クライマー」「上り坂で飯食っている人」が使う機能みたいなイメージですが、半分、いや1/100以上は当たり判定です。
とはいえ、私のような「斜度が5%を超えると10km/h以下になる」貧脚でも楽しめましたので、おそらく多くのサイクリストに役に立つ(かもしれない)機能なので、まだの人は試してみない手はないと思います。
で。そのClimb Proですが、ざっくりとした説明をすると「今登っているこの坂のプロフィール(平均勾配などの情報)を表示してくれる機能」なのです。
なんというか、アリそうでなかった機能といえるのではないでしょうか。
◎Climb Pro画面で表示される項目
で、その「今登っているこの坂」の具体的な表示情報は次の通り。
・現在は(本日というか登録したコースの)いくつめのクライムコースか
・山頂(ゴール)までの距離
・ゴールまでの残り獲得標高
・ゴールまでの残り平均勾配
・現在位置(クライムコース全体の自車位置表示機能)
・総上昇量(現時点までの総獲得標高)
・高度(現時点の標高)
で、具体的な画面はこれ。
◎Climb Proは自動的に表示される!
んですよ、奥さん!(^^)
実際はこんな流れです。
1)Climbコースが開始始地点の約150m手前くらいから「あと○○m」という距離的カウントダウンが始まり「お、Climb Pro、仕事してんな」という感じで存在を主張し始めます
2)Climbコース開始地点に到達すると「Go!」という煽り文字が^^;
3)そしてサイコンがClimb Proの画面に自動的に変更に
「Go!」なんて煽られても私のような「スチャラカサイクリング」をしている貧脚は「そんな安い挑発には乗らないよ」ってな感じでマイペースで重いペダルをえっちら漕いでいつものように淡々と登るだけなのですが(挑発に乗りたくての乗れない、が正しい)、ヒルクライムのタイム計測をしているようなストイック系の競技志向のサイクリストって挑発に乗りやすい(個人の感想です)と思うので「Go!」って文字を見ると「鼓舞されている!」と感じて「よしっ」という気分になるのかもしれませんね(しらんけど)。
まあ、挑発云々はどうだかわかりませんが、Climb Pro的な「上り区間スタートしました」という合図としてはわかりやすいし、会ってしかるべきだと思います。
◎Climb Proを使うには?
じつはこのClimb Proという機能は我が家的には既知のもの、というか同居人は既に使える環境を手にしておりました。
というのも、同居人は去年、それまで使っていたEdge 1000Jを新発売のEdge 830に買い替えていたのです。
とはいえ830を選んだのはClimb Pro目当てというわけではなく、長年使っている1000Jのバッテリの保ちがホノルル・センチュリーライドを走るには心もとなくなった為でした。
1000Jの後継機種である1030ではなく下位グレードである830を選んだのは、確かに画面が広大ではあるものの、CPUなどの足腰部分が最新の530/830に比べて旧世代になってしまったにも関わらず価格が高額なままなので「今1030を買うのはどうなの?」と手が出せなかったから、です。
もともと同居人はMAPを見ませんし(私が1030で見ればいい)、私のように妙に凝った画面も好みではなく、シンプルな表示でOK。つまり画面サイズにはこだわりがないのです。
そもそも1000Jは私のお下がりで使っていただけですから、830のサイズは問題なし。
むしろ小型軽量化され性能・機能がアップするのですからウェルカムな変更でございました。
何よりバッテリの保ちが飛躍的にアップしてモバイルバッテリーを持たなくてもホノルル・センチュリーライドを余裕で走りきれるバッテリーライフが素晴らしい。
ちなみに530と830の選択ですが、同居人のバイクがTREKなのでduotrapというケイデンス・スピードセンサーがフレーム側に埋め込まれている為、Edge側のセンサ類は不要。なので本体のみで販売されている530が合理的ではあったのですが、530はボタン操作のみという点で拒絶反応があるため、830に落ち着いたのでした。
TREKに限らず、Edgeは買い替え需要もけっこうあるでしょうし、いい加減センサセットはやめて欲しいですな、GARMIN様。
というわけで、我が家的にはいつでもClimb Proを体験する環境は整っていたのですが、実は試していませんでした。
なぜか?
それは「Climb Proを使うためには、事前準備が必要」だからです。
そうなんです。
気楽に使うというかんじではなく、この機能を楽しむにはちょっとしたハードルがあるのです。
そして我が家のサイクリング事情がそのハードルを超えてまでClimb Proを「敢えて使ってみる」「使ってみたい」という気にさせないわけです。
だって「いつも走っているコース」しか(ほとんど)走らないからです。
「今登っているClimbコース」のプロフィールなんて知ってますからね。
どの辺の道が荒れているのか、穴があるのかまでわかってます。
なので「あえて」めんどくさい事前の準備をしてまで、あまつさえ同居人のサイコンを使ってまで試してみようとは考えていなかったのです。
加えて「すぐにファームウェアのアップデートで1030でも使えるようになるだろう」とよそうしていました。だってGARMINだってフラグシップの1030で使えない状態にするわけにはあ行かないだろう、と考えてましたので。
「もともとEdge 1030には「今まで走ってきたルートのプロフィールマップを作成する機能」がありますので、Climb Proってつまりはその進化版でしょ? ソコをちょちょっとイジった機能だろうし、アップデートとか簡単じゃん」みたいに浅く考えてました。
で、予想通り使えるようになったので、さっそく試してみることにしたのです。
もっとも、私の予想よりはかなり遅れて実装されたのですが……。
(予想では830発売後、1,2ヶ月で使えるようになるとたかをくくってました)
◎Climb Proを使うための準備
世の中、うまい話には裏があるように、このClimb Proを表示させるにはそれなりの条件、ハードルが存在します。
何も考えずにClimb Pro画面を呼び出せば、いつでもどこでも今登っている坂道の事を表示してくれる……だったら素晴らしいんですけど! そうじゃないんです。
だって、GARMIN Edgeはただのサイクルコンピューターで、神様ではありません。
だから「私が走るルート」をEdge側で予知することなどできるわけがないのです。
すなわち、そんな神業は不可能です。
もちろんあまり深く考えずに「今走っているその道の頂上までの勾配を表示すればいいじゃん」なんて思っちゃいますけど、その道に分岐はありませんか? で、Edgeはその分岐で私がどっちをチョイスするかなんて予測できませんよね。
「だったら直近の分岐まででいいから」なんてことも考えないでもありませんが、分岐がやけに多い道だったりすると「分岐まで」のデータが細切れ過ぎて頂上までの全容がさっぱりわからない状態になります。
もちろん、頂上までひたすら一本道みたいなルートだと使える機能になりますけど、汎用的なトレーニング用としてはどうでしょう?
○走行ルートをインプットしておく
というわけで、走行するルートをあらかじめEdgeに登録しておき、それを呼び出す必要があります。
要するにClimb Proというのはナビ機能の一つと捉えるべきなのかもしれません。
ルート設定をしている場合はルート上の直近のピークまでのデータを、そして特にルート設定をしていない時は、直近にある分岐をゴールとしたデータを表示、なんて感じに機能してくれるとベストでしょうね。
たとえ次の分岐までであっても距離や勾配がわかると「よし、分岐まで頑張って、そこで補給食を取ろうかな」なんていう目標ができますから、それはそれでありがたい気がします。
◎Climb Proのクライム区間と「私が考えているクライム区間」は同じではない
次の問題はこれです。
字面だけでは何のことかわかりにくいとおもいますが、こういう事です。
私は西田橋から勝尾寺までを(勝手に)「いつものクライム区間」だと思っているわけですが、Climb Pro側では違います。
Climb区間スタートはもっと下の方から。頂上は勝尾寺ではなくその西側のピークがそれになります(勝尾寺折返しのルートを取っていたら勝尾寺がゴールですが)。
もう少し違う表現をすると「STRAVAなどのいわゆる【セグメント】とClimb Proの区間とは重ならない」ということなのです。
○Climb Proは何をもってクライム区間と認識するのか?
基本条件は次の通りだそうです。
・距離が500m以上ある
・その区間の平均勾配が3%以上ある
それ以外にも条件があるのですが、知っているコース、というかいつもの朝練コースで試したところ、区間取りは納得できるものでした。
まあ、我が家の朝練コースは上りと下りしかないのでわかりやすいのでしょうけれど。
そういうわけでSTRAVAのセグメントとかそういうのに一切興味も関係もない? 我々的にはClimb Pro様の教えについては特に疑問も文句もありません(今のところは)。
画面を見ていただくとわかりますけど、結構カラフルです。
これは斜度の大きさを色で表示してくれているのです。
緑:0-3%
黄色:3-6%
オレンジ:6-9%
赤:9-12%
紫:12%超
とまあ、こんな法則です。
私的にはオレンジ以上の部分が絶望的な斜度だということになります。
◎Climb Proを使ってみて
「そもそもそんな情報、必要?」
そう思う人もいるでしょうし、
「マジで欲しかったんだよ、そういう機能」
と小躍りする人もいっるでしょう。
私は後者です。まあ、小躍りまではしませんけど。
だって、機能、情報は多いほうがいいじゃないですか。
使う、使わないは人それぞれ、使う人も使うときもあるし使わないときもある。でも使えないのと使わないのとでは意味が違うのです。
自分が使わなさそうだからといって機能が増える事を否定する人って結構いますけど、文明の敵と言っていいでしょう。
この機能が普及したからと言って使用者や周りに迷惑が及ぶわけではないのですから。
今登っている坂道はいったいあと何百メートル続いているのか?
コース全体のしんどさの指針ともいえる平均勾配はどのくらいなのか?
そもそもこのペースだとあとどのくらいの時間でゴール(ピーク)にたどり着くのか?
そういう走行中にチェックできるデータって、無いよりあったほうがいいと思いませんか?
必要ない人は見なければいいだけですし、あって悪い機能ではないですよね?
勾配が2%にもなると、平坦時の1/2のスピードの維持もままならない私のような貧脚ライダーにとって、こういう「目安」は覚悟を決める為のツールとなります。
まだまだ先が長い、もしくは平均勾配が結構きついルートだとわかれば「ここは無理せずカメの歩みでもいいからとにかくしのごう」などとペース配分を考える余裕が得られるし、もうあと少しで頂上だとわかれば「ここから頂上まではちょっと頑張ってみるかな」なんてチャレンジ精神が芽生えるかもしれません。
いつ現れるかもしれない頂上をただ恋い焦がれるだけではそのうち心が折れてしまうでしょう。というか、貧脚なので先に脚がなくなってしまう事でしょう。
なので今登っている坂をある意味俯瞰することができる機能は主にメンタル面にプラスとして働くに違い有りません。
まあもっとも、「随分登ったけど、頂上まではあとどれくらいだろう?」なんて思ってClimb Pro画面を表示させたら「頂上まであと10km」なんていう衝撃の事実が判明したりすると、それはそれでむしろ絶望への招待状のようなものですから、心が折れて足も止まってしまうかもしれませんが……。
まあ、両刃の剣なのでしょう。^^;
◎Climb Proが光り輝くシチュエーションとは?
既に書いたとおり「いつもの道」ではあまり有用性がないと思います。
未知の道、初めて走るルートこそClimb Proが必要でしょう。
我が家的には勝手知ったる北摂の山道を走るのには特に必要性がありませんが、ライドイベントなどに参加する時には頼りになると思います。
とはいえ、勝手知ったるいつもの道でも、Climb Proを表示させるとそれなりに楽しいのも確か。テクノロジーの勝利に触れている感があるというか……。
◎だがしかし
まだ一回しか試していないので結論というにはいささかサンプル数がなさすぎますが、その一回使っただけでわかった問題が一つあります。
それは……
「斜度、盛りすぎ」
です。
西田橋から勝尾寺までの上りコースで「目的地までの平均斜度」が9%とか出てたんですけど?
もちろん画面を見て「ンな訳ねーだろ?」と即ツッコミを入れさせていただいた事は言うまでもありません。
あと、能勢妙見へ登る途中でも「目的地までの平均斜度12%」とか出たんですけど「ンなわけねー!」という感じです。そんなにあったら私が登れてるわけないじゃん。
そんな体たらくで、つまり表示斜度はかなりのインフレ気味。ざっと3~5割増しという感覚です。
アップデートを続けていただいて、精度を上げて欲しいものでございます。