趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

★代車単発レポート【NISAN Note X 2WD】

クルマ

やっはろー(*’▽’)

NISSAN、頑張ってますねぇ!

いや、初めてNOTE e-power(以下、NOTE)に乗って強い感銘を受けました。
もちろん、いい意味で。

今回はMacanⅢ GTSを1年点検に出した際に借り受けた代車であるところのNISSAN NOTEの感想文です。

◎ほぼワインディングしか走っていない

ディーラーからNOTEを借り受け、簡単な操作レクチャーを受けたあと、私が向かったのは北摂の山道。
国道171に面したディーラーから走り出し、箕面の大滝に向かう道を経て能勢方面へ。
そのまま茨木方面に南下し、高槻に入って再び北上、再び能勢にタッチして適当に南下と北上を繰り返す、といったルートです。
この辺りをご存じの方はお分かりの通り、大阪の北部の山岳地帯は信号もほとんどないワインディングロードが網の目のように張り巡らされていて恰好のドライビング・ルートになっております。

というわけで、たっぷり3時間弱、NOTEでワインディングを堪能いたしました。
いや、ワインディングしか走ってません。
行もワインディング。検査が終わったMacanを受取に行くルートもちょっと遠回りしてワインディング。
混んだ市街地も高速道路も走っていないのでクルマの試乗レポート、特にNOTEのような生活用具的なクルマとしてはちょっとアレなのかもしれませんが、MacanⅢ GTSで普段端っているところを走ることで、違いが如実になりますし、個人的には学びが深まると判断しての愚挙でございます。

と、以上の使い方を念頭に置いたうえで、拙文をご覧いただければ幸いです。
それから念のために付け加えておきますが、「個人の感想」でございます。

◎NOTE X 2WD e-powerの概略

NOTEのことをよく知らない人、例えば私とかですね。
そんな人に概略を説明しておきましょう。
ええ、私、勉強しました。

NOTEを一言で表すなら「Bセグの生活ハッチバック」です。日本的に表現すると「5ナンバー(小型車)のハッチバック」ってところでしょう。
「生活○○」という表現はスポーツカーではなく、SUVでもない、最低地上高が低い、つまり舗装路で普通に使うことを目的とされた汎用車という意味です。

全長が4045mm、全幅が1695mm、全高1520mm、車重は1300km以下です。

NOTEで特徴的なのはパワートレイン。
EVです。
一般的なEV(BEV=バッテリーEV)はバッテリーを充電して、モーターを回して走りますが、NOTEはNISSANが誇るe-powerというシステムを採用しており、バッテリーでモーターを回して走るのはBEVと同じですが、プラグイン(充電器から充電すること)じゃなくて、発電機を車載しちゃっているという点がトピックです。
発電機の燃料はレギュラーガソリンで、要するに発電機とはICE(内燃機関)。つまり「エンジン積んでるけど、クルマは動かさずに発電機を回しているだけ」という微妙な?感じのEVなのです。
車載発電機搭載システムを使ったEVといえば、燃料電池車(以下、FCEV)が有名ですが、スタックの代わりにエンジンを、水素の代わりにガソリンを使った「仲間」と思うといいと思います。
水素よりガソリンの方が燃料調達性から考えると相当に現実的ですし、もし今後FCEVやBEVの世界になっていくとするとe-powerを積んだクルマはブリッジ・カーと呼ぶといいのかもしれません。
少なくとも今の日本ではBEVやFCEVよりストレスのないきわめて現実的なチョイスなのは間違いないと私は思います。なんといってもEV系よりイニシアルコスト(車両代金)が圧倒的に安いしね。

◎問:NOTEで走るワインディングは楽しいか?

答:楽しい!

少なくとも同じクラスのガソリンエンジン車よりは断然楽しいのは保証します。
なぜなら「出足」が1500ccクラスの凡百のエンジンとはまったくもって比較にならないから。
そこはモーター駆動車なら全般的に持っている特徴であってNOTEに限りません。0km/hから最大トルクが出ちゃうモーターと、燃費重視でセッティングされたこのクラスの生活車では全く話にもなりません。
燃費など重視していないMacanⅢ GTSですら0km/hからの発進直後ではNOTEにかないません。
ローンチコントロールモードを使ったMacanⅢ GTSだとどうなるかはわかりませんが、0-30km/hくらいの勝負だとNOTEにはかなわないかもしれません。
いや、真剣にガスペダルを踏み込んだらMacanⅢ GTSの方が加速力があるのかもしれませんが、Macanだとその場合、気合を入れてガスペダルを床まで踏み抜く感じになる可能性がありますが、NOTEだと「グイッ」くらいで充分。

加速力とか加速感もそうですが、一番の違いはそのフィーリングです。
一言では言い表すのが難しいのですが、ふわっと宙に浮き、そのまま強い風に乗ったような加速感なのです。
ICE車だとエンジンと排気音を目いっぱいがなり立ててフル加速していくわけですが、EVは無音で風に同化するような感じ。浮遊感を伴うスムーズ極まりない加速感はICEでは絶対に味わえない世界でしょうね。

もちろん絶対的な加速力について争うべき両車ではありません。さすがにNOTEクラスのモーターでは初動の加速感は同クラスのエンジン車ではまちがいなく得られはしない素晴らしいものがありますが、そのあとの「伸び」の部分は「それなり」であって、平和な生活ハッチバックの範疇を出ません。
とはいえ私なんかが小排気量車に感じる「かったるさ」「鈍さ」系の不満のほとんどは0kmからの発進加速に集中していますからNOTEだとその部分の不満は完全に払拭されます。
つまりNOTEの発進加速に関して私的には何の不満もないのです。
いや、それどころか信号待ちなどから発進する行為自体が楽しく感じるほどだと言えば、私のNOTEに対する評価のほどを誤解いただけるかと思います。

○ワインディングでのNOTE

EV、つまりモーターの低速トルクの強みは0km発進だけではありません。
今回の本題である「ワインディング」においてもそれはメリットになります。
ワインディングロードといってもいろいろありますが、細かい切り返しが続く上り坂などはNOTEの得意とするシーンじゃないかとおもいます。
いわゆるゴーストップ的なシーンでモーターのトルク感が生きてくるわけです。
もちろん目を三角にしてぶっ飛ばすような乗り方をする人の意見は不明ですが、充分な安全マージンをとってそれなりに流して楽しむような走り方だと、パワートレインについての不満はまずでないでしょう。むしろパワフルに走ってくれると感じるほどです。

それ以外の部分の話をすると、基本的なハンドリングがアンダーステア側に仕立てられているのと、足回り、すなわちタイヤなのかサスペンションの取付方式なのかわかりませんが、基本的に剛性感がなく、いつ腰砕けするのかわからないような手ごたえのなさを覚えます。
そもそもシートがスポーツ走行とは無関係な形状とクオリティなので、気持ちよく「飛ばす」速度はそれなりになるでしょう。

でもそれは言い換えると安全な速度でワインディングを楽しめるということなので決して悪いわけではありません。

◎問:具体的にNOTEの不満点とは?

e-powerというパワートレインについては後述。ここではそれ以外のポイントに関してNOTEというクルマについての個人的な感想を述べていこうと思います。

○ステアリング剛性

ゴム感が強く、中央部分の不感域も多めなので、リニア感が薄い。
ようするにハンドリングが楽しい車ではない。

○シート

100%独断というか個人の感覚の話で恐縮ですが、私のMacanⅢ GTSに付いているオプションのスポーツシートを100点とした場合、XC40 R-Designのスポーツシートだと70点くらいでしょうか。
翻ってNOTEのシートは同かというと、30点くだいだとおもいます。
この辺りはコストの問題なので「比べるな!」って話ですよね。

具体的に好みじゃない点を挙げると、クッション表面に張りがなく、だらしなく沈み込む感じなのに左右のホールド感はほぼなく、ファブリック(トリコット?)による摩擦力だけでホールドする感じが、昔からの日本車っぽい感じがしてダメなんです。
あと、サイズが小さいですね。

○内装

これも値段なりなので何をかいわんや、でございますね。


とはいえ特に気分が上がる内装でないことは間違いありません。

○乗り心地

ハイトがあるタイヤ、ブカブカしたシートクッション、遊び?が大きなブッシュ等々のおかげ?で乗り心地はわるくありません。段差を乗り越えてもガツンと脊椎に響くようなショックはなく、シャーシ自体もガチガチではないもののよくできていて、しなりはするもののミシリともいいません。
シャーシに関しては昔の日本車を知るものとしては感動ものです。

乗り心地関連でもう一つ気になったのは、ピッチングというか、速度と路面の関係でヒョコヒョコするシーンがありました。
個人的に高速道路の巡行でピッチングが出るのは大の苦手なので、それが出ない車であることを願いますが、さて。

○燃費

MacanⅢ GTSと比べるまでもなく、かなりいいんじゃないかと思います。
ほとんどワインディングばかりですが、私がそれなりに楽しむペースで走って20km/L以上行きますね。
写真は11km/h走った時点でのものですが、チェックするとこの時点で24km/L近く出ていたのでびっくりして思わず撮ったものです(ディーラーを出た時点でリセットしていますので私だけの走行データです)。


単純に比較はできないことは理解しつつそれでも同じ道をMacanⅢ GTSで走ると10km/Lを切るくらいなので2.5倍も燃費がいい計算です。

○音

ワインディングを走っているとけっこうエンジンは稼働し続けます。
「エンジン車に乗っているのに、走行フィーリングはEV」という何とも妙な感覚です。
そのエンジン音ですが、それなりに車内に入ってきます。ただ、エンジン車だと上りや加速時は「頑張っている」音がするわけですが、e-powerだと「エンジンが動いている」のはわかる、という感覚で「エンジンがうなりをあげている」という騒音とは無縁です。

エンジン音以外の走行音、主にロードノイズについてはそれなりにうるさく感じます。このあたりは「クラスなりといっていいのかもしれません。
高速道路を走っていないので何とも言えませんが、郊外路でもロードノイズはそれなりに耳につくので遮音性については期待しない方がいいと思い割れます。

◎まとめ

・e-powerには大満足。EVに行き急ごうとする「オツム」に活を入れてくれる「賢者の選択」というと言い過ぎか
・NOTEという車体は値段なりの出来か

○NOTEはオススメか?

NOTEについてちょっと勉強した、ということを上述しましたが、個人的にはNOTEはオススメしません。
というか「どう?」と言われたら「私なら買わない」と答えます。


そしてこう続けます。
「NOTEはオススメしないけど、いちどNOTE AURAに乗って、パワートレイン以外に不満がなければいい選択になるかもしれない」と。

内装や装備など、NOTEの上級車種として後出しされたのがNOTE AURA。
企業体力とかそういう面でいろいろ制約もあってNOTEの派生車になっていますが、本当は「高級なBセグ」として別車種として出したかったモデルなんじゃないかと思います。

個人的に4WDは大前提として、NOTEで不満だった「あまりにもそれなり」な感じを払拭した仕立てになっているようなので、AURAだったら不満点のいくつかは解消されていると思われます。
そう考えるとBセグのハッチバックで小型車特有の「非力感」とは無縁の世界に存在するAURAはひょっとすると自動車の未来図に「唯一無二」のポジションにプロットされているクルマなんじゃないかと考えます。

値段はもちろんNOTEより高いんですが、AURAはそもそも標準装備が豪華ですし、「小さな高級車」が欲しい層(けっこう多いと思ってます)がNOTEをオプションてんこ盛りにするくらいなら、AURAの方がリーズナブルに感じるんじゃないでしょうか。遮音に有利な「ラミネートガラス」なんて高級装備?がチョイス可能なのもAURAだけですし、コンフィグレーターを使ってじっくりチェックするとAURAがお得に見えてくるかもしれません。

どちらにせよ、NOTEを考えている人はAURAと両方に試乗することを強くお勧めして、この記事を終わろうと思います。