にゃんぱす~(^^)/
愛してるぞー! XC40!!
前回の「次のクルマ」探しでは候補にすら入っていなかったXC40。
それが試乗一発。
「あ、これにするわ」
そんな感じでほぼ一目ぼれでお迎えしたわけですが、意図しない展開により短期間で乗り換えることになってしまいました。
ここ数台はトラブルが原因で乗り換えていたのですが、XC40についてはトラブルがらみでの乗り換えではなく、とても気に入っていた状況で手放したこともあり、「餞」というわけではありませんが、最後に「総括」記事を書いてきちんと締めくくっておきたいと思います。
◎まずは総括
これはもう、自信を持って言えます。
「めっちゃええクルマやったなあ」
です。
いや、マジでとてもいいクルマでした。
我ながら語彙力のなさ、ハンパ無いっすね。^^;
そういうわけで次項からは「どこがどうだったのか」つまり各論をダラダラと書きなぐっていくことにします。
◎デザイン
デザイン、とっても気に入ってます。
購入前より購入後にどんどん気に入っていきました。
これ見よがしなところはないのに、それでもひと目で(いい意味での)「異文化感」がぷんぷんしてわくわくする感じは日本メーカーのデザインとは一線を画すところです。
VOLVOは欧州車らしくデザイン言語にアイデンティティがあります。フロントグリルだけでなく、ボディ全体、あるいは内装にかんしても確立したデザインの上に構築されているところが日本車とは少し違うところだと思います。
このデザインが気に入っていたから買ったわけですが、XC40は顔も横顔も後ろ姿も全部かっこいいし可愛い。
個人の感想なので異論は認めません。(^^;
最後の日、つまりMacanを受け取りに行く日も駐車場に佇んで私たちを迎えてくれたXC40を見て、「うーん、マンダム」……じゃなくて「うーん、やっぱかっこいいなあ」と惚れ惚れしたりするんですから、なんかもう「デザインで元はとった」みたいな気分です。
個人的な感想ではありますが、XC40のリアビューはそれを肴にして酒を飲めますが、Macanのリアビューはその用途には向いていないようです。
それくらい、XC40のリアデザインが好きでした。
◎キャビン全般
VOLVO車はみんなそうなのですが、XC40もドアを開けてシートに身を沈めて目の前に広がる景色を眺めた瞬間にホッとするんです。この感覚については「居心地がいい空間」という言葉が一番ぴったりはまる気がします。
単純に「北欧デザイン」なんて一言で片づけちゃう場合が多いですが、私はそうではなくて「VOLVOのデザイン」だと思います。
モダンでクリーン。
変に主張するような、つまり視神経を刺激するような主張の強い造形や色彩が視界に入らないので、ドライバーは自然と好戦的な気分にならないようになっています。
シンプルとはいっても一部のドイツ車に見られるようなビジネスライクな無機質感はなく、安心感のある造形とたたずまいで自然にリラックスできるような、そんなデザインだと思います。
シートもまた、昔からずっとVOLVO車の美点の一つと言っていいでしょう。世界に先駆けて医療分野の専門機関と組んでシートの設計をとことん追求したと言われていますが、長時間乗車しても体のどこにも違和感を覚えない事実を知ると、なるほどなと思わざるを得ません。
これまで乗ってきた車の中で、一番快適だったシートはVOLVOのXC60のシートでした。XC60のシートでロングドライブに出かけた際、その前に乗っていたレンジローバー EVOQUE Coupe Dynamicのスポーツシートがいまいちだったことを痛感したものです。
XC40のシートもその伝統を継いでいて快適ではあるのですが、残念ながらXC60のソレと比較するとワンランク落ちる感じは否めません。
もっともこの辺りは車格が違うのでコストの問題が反映されているのであろうと思います。
具体的にはシートバックの大きさとシート自体の「厚み」感が薄いところがわかりやすい差と言えます。
シートバックの大きさは座れば即わかりますが、シートの厚みなんてわかるわけありません。そこは「路面からの入力をシートがどれくらい和らげている感」の違いというか、要するに感覚的なものです。
蛇足ながら現時点での「過去最高のシート」は現在の愛車、Macan GTSのスポーツシートです。
なんというか、上には上がいたという感じです。
誤解のないように書き添えますと、Macan GTSのシートは「スポーツシート」側にベクトルが向いているのでXC60のコンフォート系ベクトルシートと単純に比較するのは難しいと思います。
ここは「私の好みのベクトルが、Macan GTSのスポーツシートに近い」ことによる加点が大きいと考えていただければ幸いです。
XC60でやったような「大阪-仙台」ノンストップドライブ(SAストップはしましたが)みたいな「超」長時間のドライブはまだ行っていませんが、予感としてはXC60以上に快適に過ごせるのではないかと思っています。
◎ウインドウ・ウォッシャー(フロント)
XC40の装備の中で特に「先進性」を感じた物の一つがこれ。
この方式のウォッシャーは初めて体験しましたが、現状では最も合理的かつ経済的なウォッシャーではないかと愚考します。
どうなっているかというと、そう複雑なものではなく「発想の転換」ともいえるもので、要するにボディではなくワイパー側にノズルをくっつけた、というものです。
これにより得られるメリットはいくつかあります。
1.ノズルがめだたない
ボンネットにウォッシャー駅のノズルが見えるのって、カッコ悪いと思うのは私だけでしょうか?
VOLVOでいうと、V40なんかはそういう構造でした。せっかくかっこいいデザインなのに鼻の孔のようなウォッシャーノズルのおかげで「画竜点睛を欠く」感が拭えませんでした。
最近はボンネットではなく、フロントウインドウの下側にワイパーを隠すようなくぼみを作って、ウォッシャーノズルも目立たないようにそこに設置している車がほとんどですが、ワイパー自体に埋め込むとさらにステルス感は増しますね。
2.ノズルとフロントウインドウの距離を最短化できる
これによりウォッシャー液がワイパー払拭範囲以外に飛び散ることがなくなります。
同時に「すぐそこにある窓」に吹き付け、吹き付けたと同時に「すぐそこにあるワイパー」が拭いてくれるので、ウォッシャー液の無駄が最小ではないかと思います。
3.転ばぬ先の杖となる?
ワイパーの機能というより二次的なメリットとしては、ウォッシャー液が後方に飛び散りにくいので、晴天時にうっかり後続車にウォッシャー駅を浴びせかけていらぬトラブルになるような場面も減るのではないかと思います。
ただし噴射時に飛沫が後続車に飛ぶことはほとんどありませんが、ワイパーで拭われたウォッシャー液が飛び散るのはノズルの位置とは別の問題なので、こちらは防ぎようがありません。
つまりノズルの位置にかかわらず、晴れている時に使用する場合は周りの状況を把握してから使用するほうがいいにい決まっております。
デメリットもあります。
単純なワイパーアームではないわけですから、ワイパーアーム自体を交換する必要に迫られた場合はけっこうお高くつくんじゃないかという気がします。
ちなみにMacanは面白みがない……じゃなくて普通にフロントウインドウ下の「黒いへこみ」部分にウォッシャーノズルがあるタイプで、「いや、これが普通なんだけど、それでもなんか古臭い感」を覚える今日この頃です。
◎使いやすいラゲッジスペース
XC40だけでなく、VOLVO車のワゴンは伝統というか同じ哲学によってラゲッジが設計されています。
すなわち「開口部とラゲッジ床面の高さが同じ」なのです。
多くのクルマは開口部は山の頂のようなもので、ラゲッジは山の無効に広がる谷あいの平野、みたいなイメージです。
その点VOLVOのワゴン系は山頂から向こうは同じ標高の台地が広がっているイメージです。
これは荷物の積み下ろし時に無理な姿勢で力を入れる必要がなく、非力な人ほど、あと私のような「人生カウントダウン」組の人が体をいたわるためにも本当にありがたい作りなんです。
ロードバイクを一台だけ平積みするときとか、本当に楽ちんなんですよね。
考えて見てください。
想像してください。
スーパーで12オンス缶(350ml)のビールを箱買いした時のことを。
駐車場までビールの箱をカートに積んで持ってきた後、それを抱え上げてラゲッジに積むわけですよ。
その際、ラゲッジの入口にちょっとひっかけたら、あとはスーッと奥に押すだけで済むXC40。
自宅についてビールの箱を持ち上げる際も、ラゲッジの「ヘリ」までは段ボールを滑らせるだけ。あとは「ヘリ」からちょっと引き出してそのまま抱えるだけ。
これがMacanのような「谷底方式」だとどうなるか……。
わかりますよね?
前方に上体を傾けた姿勢で重いものを持ち上げないといけないんですよ。
とまあ、こればっかりは実際に比べたら身に染みてわかると思います。
Macanを買うと決めた時からこの部分については「覚悟」はしておりますが……ぎっくり腰にならないといいんですけどね。
◎フルフラット化するラゲッジ
これも例外はありますが、VOLVOのワゴン系のラゲッジでは伝統のユーティリティです。
そのためにリアシートの構造や形状にある程度のしわ寄せが行っている……のかもしれませんが、リアシートに乗らない私にはわかりません。
それよりもフラットになることのほうが重要です。
VOLVO以外のSUVの多くはリアシートを倒してもフラットにはならず、けっこうな段差ができてしまうんです。
国産SUVの中には、どう見ても段差あるし、そもそもかなり傾いているのに「フルフラットになりまっす」なんていけしゃあしゃあとカタログに書いてあるモデルもあるくらいで笑っちゃいますけどね。
一方XC40は優等生です。きちんとVOLVOの伝統を受け継ぎ、リアシートを倒すと「だいたいフラット」といっていい使い勝手を提供してくれておりました。
これについては使い方や使っている人によってはメリットを感じない場合もあるでしょうけど、フラットにならないよりなったほうがいいのは考えたらわかることではないかと思います。
ロードバイクを平積みする際、段ボールの箱を奥に積みむ際なんかに「ああ、フラットでよかったなあ」って思うのです。
Macanは実は、ここについてはかなり「VOLVOちっく」で十分実用的です。
というか、試乗車で「これなら使える」とチェックした上でオーダーしたのですが。
ロードバイクを積む関係で、ここがどうしようもないと大きな壁になっていたと考えます。
まあ最後は購入優先、つまり「仕方ない。Macanにロードバイクを積むときは前後輪をばらして細かくしてから乗せよう」という判断になったと思いますが。
◎リアシートの可動式ヘッドレスト
これもVOLVO伝統のシステムです。
リアシートに人を乗せていないときはヘッドレストは前方に倒れこんで後ろの視界を最大化してくれます。
しかも倒す時はセンターコンソールにあるスイッチ一つで遠隔操作が可能(ただしもとに戻すのは手動のみ。後席の乗る人がやればいいので実害は皆無)で、このスイッチを押すのはVOLVOオーナーのひそかな楽しみの一つでした(たぶん)。
XC90からこっちは物理ボタンではなくセンターディスプレイの中のアイコンボタンに変わっちゃいましたけど、それでもこの方式の美点はかわりません。
Macanは……。
Macanの設計陣は後席の視界を確保する為に何か工夫をしようなんて、1mmも考えていないようです。
◎走る 曲がる 止まる
〇出だしはややもっさりか
XC40はノーマルモードでのスタンディングスタートについては「ややもっさり」した感じです。
これはドライブ・バイ・ワイヤの信号のセッティングが「燃費を稼ぐ系に振られている」からでしょう。
加えて1750kgという乾燥重量が「よっこらしょ感」の原因であるとも言えます。
ここに関しては人によって感覚が違うので何とも言えませんが、燃費を稼ぐためのセッティングがなされているのは確かだと思います。ある程度転がりだしてからのトルク感にはストレスをまったく感じません。
「よっこらしょ感」を改善するには最初から深めにガスペダルを踏むかダイナミックモードで走るかでしょうか。
あとは社外品である「スロットルコントローラー」、いわゆるスロコンを導入するか、です。
スロコンで好みのモードにすると出足問題は間違いなく改善されますが、トレードオフとしていくばくかの燃費低下は否めません。
個人的にはスロコンを導入するくらいなら自分好みの発進に対応するガスペダルの踏み代を学習したほうがいいんじゃないかと思います。お金かからないし、クルマに対するインタフェイスというか反応の理解度も深まりますからね。
私はスロコン否定派ではありません。
たとえば夫婦で使う場合なんかで相方から「ちょっともっさりしてるんだけど」みたいな意見が出たときは解決策としてイージーな方法の一つだと思います。
我が家の場合は同居人がクルマとの対話の中で理解を深めるのを楽しむタイプなので不要でした。
〇イメージ以上に俊足
VOLVOの2リットル・ガソリンターボエンジンは低回転域からけっこうトルクフルで、いったん動き始めたあとはかなり活発に走ってくれる印象です。
そもそも0-100km/h加速は8秒を切っているので、通常のドライブであればガスペダルを踏み込みさえすれば十分以上の加速力を得られます。
高速道路の加速レーンはもちろん、よく使う80-120km/hという中間加速力も十分で、「トロいなあ」と感じたことは一度もありません。
〇意外に?スポーティなハンドリング
SUVというと、知りもせずに「あんなゆさゆさ揺れてどんくさい車」と決めつけちゃっている「知ったかぶり」さんが多い今日この頃ですが、XC40でワインディングを走れば一発でそれが「思い込み」だとわかるはず。
それくらい十分なスポーティなドライビング・プレジャーを得られます。
外から見るとどうなのかはわかりませんが、ドライバーの感覚としては上屋の揺れや傾きはほとんど気になりませんし、常軌を逸した速度を出さなければ、ハンドリングもクイックではありませんが、穏やかな中にもきちんと引き締まったフィーリングがあって好感が持てますし、基本的に素直でカンに触る部分がありません。
〇乗り心地
XC40のサスペンション形式は何の変哲もないスチールのコイルスプリングと、電子制御でも入れ子方式でもない普通のダンパーによる、いわゆるコンベンショナルタイプです。
乗り心地については「やや固め」でしょうか。
インスクリプションと乗り比べたことがないのでR-Designだから、とは言い切れませんが、XC60と比較するとやや「締め上げ感」があります。
段差などの入力が大きいシーンではドシンという突き上げはありますし、ユサっと揺られますが、ダンピングが効いているので収まりが早く不快感はありません。
高速道路でもピッチングなどの不快な挙動が出ることもなく、おおむね快適です。Cセグとは思えない重厚な巡行性能は、上位のXC60と比べてもそん色がないと思います。
〇ブレーキ
XC40のレポートでも力説? しましたが、XC40 B4 AWD R-Designのブレーキは、XC40の白眉の一つです。
踏力に応じて効く性格のブレーキは、非常にソリッドかつ感覚に対して効きがリニアで、かつ効きに関しては当たり前ですが、普通に走っている限り不満を覚えるところはありません。
つまりタッチに関してはかなりお気に入りのブレーキでした。
タッチに関してだけの話になりますが、XC40に比べると、Macanのブレーキはスポンジーな感触です。
ポルシェオーナーの中には「ポルシェのブレーキは世界一」といった、いわゆる「ブレーキ信仰」がありますが、ことタッチに関しては見た目フツーの片押し式ブレーキのXC40のほうが2ランクくらい上だと思います。
Macanのそれは踏んだ瞬間に「ああ、サーボ効いてんなあ」っていう「倍力感」がペダルから伝わってきますが、XC40は踏んだ瞬間に反力を感じるようなブレーキで、誤解を恐れずにいうならば、ノーサーボブレーキに近い(あくまでも普通のブレーキに比べたら「近い」ですが)感触で、両車のタッチにはかなり差があります。
ウソではありません。
ちなみに私、過去に1台だけノーサーボのブレーキを搭載したクルマを所有しておりましたので感覚的なものには自信があります。
◎ADUSのうち、主にACCとレーンキープアシストなど
これらについてVOLVOは他社の先駆け的な存在でしたが、時を経た現時点においては制御面でトップグループに小さくない差をつけられていると思います。
ACCについては、設定速度以下で追随走行中に追い越し車線に入ったり、あるいは前車の車線変更等で前方が急に開けたりすると相変わらず「待ってました」とばかり急加速するし、前方が遅い、あるいは停止している場合は減速態勢に入るのが2テンポくらい遅く、恐怖に耐え切れずに?先にドライバーがブレーキを踏む、というシーンがけっこうあります。
この辺りは癖を把握した上で、それこそ能動的にドライバーが不得手な部分を手動(足動?)で補うなどして「使いこなす」必要があると感じます。
XC40に限らず、不得手な部分はドライバーが補う関係だと判断して付き合えばいいと考えられる人にとっては欠点ではないかもしれません。
レーンキーピングアシストについては、はっきりと「×」だと考えています。
というのも極端な左寄りでキープしようとするのです。
当初はディーラーに相談すると調整してもらえると思っていましたが、そういうものではないそうで、結局この機能はつかわなくなりました。
機能自体もいわゆる「手放し」運転には対応していませんし、そもそもステアリング操作をしているかしていないかの判断が感圧式かつ、ステアリングにある程度のトルクがかからないと「手放し」だと判断されきちんと両手を添えていても「ちゃんとハンドル握れや!」アラートが出てしまうのもストレスでした。
◎燃費
私が今まで乗ってきた輸入車の中では、このXC40が最も燃費がいいクルマになりました。
XC40の生涯燃費は11.70km/Lで、10km/Lを大きく超えてくれました。
前車のXC60の生涯燃費は10km/Lをギリギリ切るくらいなので個人的には悪くない燃費だと考えていましたが、XC40はそれをかなり上回ってくれました。
ちなみに両車の車両車重は車検証上では全く同じ1750kgです。
さらに補器類や制御などの世代は違いますが、基本的にはXC60とは同じエンジン形式です。にもかかわらず大きな差がついた主な原因は、XC40がマイルドハイブリッドシステムを搭載していたからだろうと思います。
高速道路燃費については気筒休止システムやマイルドハイブリッドによるサポートがある……と考えて期待するほど大きな差はなかったのですが、これは(知りませんけど)XC60のほうがロングボディ(つまりロングルーフ)で、かつ造形が流線形だったので空力面では上だったのかなあ、などと愚考しております。
大きく違っていたのは市街地走行です。
XC40はマイルドハイブリッド用のバッテリの存在が功を奏して、アイドリングストップ状態が長くホールドされるのが地味に効いているのと、アクセルバイワイヤによる燃費に振ったエンジンマッピングも関係しているのでしょう。
◎限定的なら使える音声操作
今のクルマだと大体ついているコレ。
ステアリングにあるボタンを押して操作するアレです。
「全然使えねーよ」
って決めつけて、文字通り「全然使っていない」人が多いと思いますが、私はこの機能、「めっちゃ便利やん」ってな感じで日常的に使っています。
この辺りも「クセ(限界性能というべきか)を知った上で付き合う」というスタンスです。
具体的に言いますと、私が使っていたのはエアコンの設定温度の変更とメディアソースの変更。
「え、たったそれだけ?」
そう、この2つです。
まず、車載カーナビなどのコントロールについては「使えない」と判断してからは使うのをやめました。
でも上記の2機能については誤認識もなくほぼ完璧に仕事をこなしてくれるんです。
発話ボタンを押して「熱い」とか「寒い」というと1℃単位で変更してくれます。
「エアコンを22.5℃にして」という感じで温度を直接指定することもできます。
メディアですが、私が使うのは「FMラジオ」と「USB(音楽)」の2つだけ。
選局や選曲、ボリュームなどはステアリングのボタンでやったほうが早くて確実です。
エアコンの温度調整やメディア選択などは一瞬以上、視線を前方から外すことになります。
特に多くの制御をタッチパネル上で操作しないとならないXC40などの場合は視線を外す時間が一瞬ではすみません。
なのでタッチパネルに操作を押し込んだ系のクルマは必ず音声コントロールが搭載されているはずですから、できる部分は音声コントロールに任せてしまうのが安全かつ快適なドライブにつながるのではないかと思います。
私はきちんとした音声コントロールがついたクルマはXC40が初めてだったので「けっこう使えるじゃん」と思っております。
ちなみにXC40と比べると設計が古いMacanですが、こちらも多くの制御をタッチパネルに押し込んでいますので音声コントロールがついています。
が。
XC40より「お馬鹿さん」なので、「バッカじゃないの、お前」「何度言わせんだよ、ボケ老人か!」などと罵る場面が多く体力を使います。
◎純正カーナビ
「〇」なのは純正カーナビのナビ性能ではありません。
素晴らしいのはVOLVOのカーナビは「走行中でもフルコントロールできる」点です。
あまたある欠点も、この機能のおかげでけっこう許せたりしております。
多くのクルマは走り出すと使える機能は限られます。
安全運転を担保するための仕様ですし、それは当然であろうと思います。
が。
操作したい時ってあるじゃないですか。
そもそもすぐには止まれない高速道路走行中とか。
いや、ドライバーが操作するわけじゃないのですよ。
助手席の生体ナビが車載ナビをコントロールできないと不便なことってけっこうあるじゃないですか。
「安全」至上主義であるVOLVOが、なぜ走行中であってもフルアクセスを許しているのかというと、そこをちゃんとわかっているから。だと思います。知らんけど。
これは本当に便利です。
とはいえ誤解しないでください。
ドライバーが操作するのではなく、コ・ドライバー、つまり助手席の人が走行中にフルコントロールできることが重要で便利なのです。
ドライブの途中で思いついて「そうだ、あそこに寄っていこう」なんてなった時に行き先変更とか立ち寄り地登録とかするわけですが、いちいち止まらずに設定ができるのは地味ながら本当に便利です。
我が家的には日常的にやってますからね。
これ、特に「ちょっと停まって設定する」がやりにくい高速道路走行中なんかが特に便利です。
android Autoとかにつなげておけば「OK google」とか「ヘイ、尻」とか言えばいろいろ設定できるのでしょうけど、私はメーター内のMapに連動している純正ナビを優先的に使うので、非常にありがたい仕様なのです。
XC60に乗り換えてカーナビがフルコントロール可能なのを知ったときは快哉を叫んだものです。
新世代のXC40はさすがに無理かな、と思っていたのですが可能だったときも快哉を叫びました。
ちなみにMacanではムリでした。
走り出していくつかの項目がグレーアウトされた時は「うん、知ってた……」と沈鬱な気分に陥ったものです。
◎ドライビングポジション
一言、いや一文字で表現しましょう。「×」です。
具体的にはペダルの配置が悪い……のでしょうかね。
そのペダル配置に違和感をおぼえるのは主にガスペダルです。
ブレーキペダルに違和感を覚えたクルマは……今の所記憶にありませんね。ブレーキペダルってそういうものだと思います。
大体のクルマって、いざってときはちゃんとブレーキペダルは踏めます。
そもそもブレーキペダルってガスペダルに比べたら踏んでいる時間はほとんどないに等しいじゃないですか。特に最近のクルマはブレーキホールド機能なんてついちゃってますから、「ペダルを踏む」といえばそれはガスペダルのことでしょう(言い過ぎですが)。
問題のXC40のガスペダルですが、よくある「右ハンドルなのでペダル類が左寄りだ云々」とか、そういう話ではなく、前後位置、もしくは上下位置の問題ではないかと愚考しております。
XC40の前に乗っていたXC60(初代後期型)では感じていなかった違和感……というか、長時間ゴーストップをしていると足が吊りそうになる……ってなことはいっさいありませんでしたので、やはり私とXC40とのマン・マシン・インタフェイスがうまく噛み合っていなかったのであろうと思います。
そう、これは「XC40が×」という話ではなく極めて個人的な相性問題であろうと思うわけです。
なんてったって「安全おたく」を標榜する天下のVOLVO様が「普通に運転してたら足が攣る」なんてクルマを設計をするわけがない……ですからね。
まあ、「あ、あくまでも左ハンドルの場合の話ね、右ハンドル仕様のこたあ知らんけど」と思ってるかも知れませんが。
このポジションの違和感については納車して初めて長時間ドライブをして気づいたことなんですよね。
試乗時に「あ、これはなんか合わないな」と思ったら絶対に買ってませんから。
私って足首の関節が極端に硬いというか柔軟性がない方なので、そこも原因の一つのような気がしています。
どれくらい足首が曲がらないかというとですね……実は私、いわゆる「ヤンキー座り」ができないんです。やろうとすると後ろに転びます。
いやホンマ。^^;
そういうわけなので、それからしばらくはポジション出しに苦労しました。
どの位置なら足が攣らないのか……。
ステアリングのチルト&シフト機能はもちろん、シートの上下左右(嘘、流石に左右はないね。^^;)前後、リフト、等々本当に順列組み合わせ無限大ってな選択肢の中からいろいろ探りをいれていったのですが……。
「何をしても合わない」という結論に達した次第です。
実は……。
今だから白状しますが、「あー、これは長くは乗れないな」と思っていました。
最長3年。できれば1回目の車検を待たずに次のクルマに乗り換えたいと思っていたのです。
とはいえ、さすがに1年を待たずに次のクルマを決める羽目?になろうとは考えておりませんでした。
候補車を色々と試乗してみて、同じ様にポジションに違和感を覚えないクルマを見つけようと腰を据えて選ぶつもりだったのです。
脊椎反射的にMacanの注文書にハンコを押したのは本当に「出会い頭の事故」のようなもので、当然ながら完全に想定外。
予定では「今年(2022年)中に車種選定」「2023年初頭に発注、そして車検を半年以上残して乗り換え」という思惑だったんですけど……。
話をもとに戻しましょう。
順列組み合わせ無限大とはいえ、きちんとしたドライビングポジションを取ることが大前提ですから、実のところ何百通りも組み合わせがあるわけではありません。
そもそも私は視点が高いほうが好みで、頭髪がルーフに触れても気にならないぜ、みたいな「高いところが好き」な煙体質(?)ので、あまりシートを下げる事は好みません。
つまり私の許容できるポジションの範囲では、アクセルペダルの位置は合わなかった、ということになります。
そんなこともあって「オルガン式のペダルだとこういうことはないかもしれない」と思ったりしたわけです。
なので「次はオルガン式のBMWかMercedesにするかな」などと方向性は定めていたんですが……。
結局買ったのはMacan。
残念ながらAudiやVWとプラットフォームを共用しているMacanとCayenneは、オルガン式ペダルを採用する他のポルシェ車と違いXC40と同じく一般的な吊り下げ式でした。
そのMacanのペダル配置はどうだったか、ですが……。
もちろん大丈夫でした。というか、ドライビングポジションはシートの高さをいろいろ変えてもビタっと快適に決まってしまうのにはちょっと驚きました。
Macanはここ数十年で最も自然かつ個人的にしっくりくるポジションがとれて感動したくらいです。
◎XC40のトータルコスト
最後にコスト的な話を。
「1㎞走るのにいくら使ったか」っていうヤツです。
計算方法は、XC40の購入金額から下取り金額を引いたものを「車両価格」として、それにアクセサリや用品、消耗品、燃料代、有料道路代金、駐車場代、税金などXC40に関係するコストを全部ぶっこんで、総走行距離で割りました。
結果。
320.25円/km
でございました。
ちなみにMacanですが、現時点で計算すると17,940円/1kmです。
XC40と違って現有車なので売却した差額が存在しておりません。つまりその分高額になるわけですが、まずはXC40の金額を下回るのを目標に掲げることにしましょうかね。燃費が悪いから難しいかなあ……。
というわけで以上、「愛するXC40に捧げる賛歌」でございました。