ちゃろー(^^)
「通知表」でも「あゆみ」でもなんでもいいんですが……
要するに納車から6ヶ月経ったけど「今どんな気持ち?」的な?
◎ドライバビリティ
というわけで、まずは基本の「走る」「曲がる」「止まる」について。
○走る 5
よく走ります。
見た目よりかなり重い(1750kg)し、2リットルガソリンターボとしてはスペックにも特筆すべきところはない(下記参照)のですが、踏めば踏むだけグングン走ってくれる感覚で、個人的には一切の不満はありません。
私の地元は北摂の山間なので上り下りの山道ばかりなのですが、その山道の上りでもクルマに「頑張れ」なんて叱咤することは皆無。
基本的に私は非力なクルマは嫌いです。
「パワーはあればあるほどいい」派の末席を汚す程度には。
もっともそれは「ワインディングをガンガン責める」とか「シグナルブルーで車群を置いてけぼりにしたい」なんて野蛮な志向があるわけではなく、高速道路の加速レーンが短くても本線のクルマに余裕で並びかけられるなど、パワーがあったほうが安全だし結果としてストレスの少ない楽なドライブができると考えているからです。
「速ければ速いほうがいい」わけですが、じゃあその「速い」と「普通」の境目はどうなの? って話ですよね。
私の場合、0-100km/h加速を目安に判断しています。
具体的には0-100km/h加速が遅くても8秒台であって欲しいなという感じです。意外に低めの要求水準でしょ?
9秒台だと普通。10秒台後半になると「遅い」と感じます。
高速道路の合流や追い越しなどで重要になるのは0kmからの加速じゃなくて、実際は60km/hから100km/hまでといった中間加速が重要なのですが、0-100km/hの数値がよければ中間加速が極端に悪いクルマなど無いと考えていいと思います。
そもそも0kmからの加速が悪いクルマが「中間加速に関しては良さそうだ」なんて思えないでしょ?
なので8秒台は経験則からくる「目安」です。それも個人的な。
人によっては「4秒以下のクルマはオレの愛車にふさわしくないぜ」なんてドヤ顔する人もいるでしょうし、それは他人にとってはどうでもいいけど間違いなくその人にとってはそのとおりなのでしょうし、私の8秒台も全く同じレベルの話。このへんは個人の好みでしかありませんね。
私はこれを車選びの条件の一つにしていますが、全く別の切り口から、例えば「燃費がWLTCモードで20km/l以下のクルマはゴミ」と考える人もいるでしょうし、価値観なんて人それぞれ。
なのでいろんな価値観の人とクルマ談義をするのは興味深いというか異文化コミュニケーションの妙があるな、と考える次第です。
因みにドイツの「Auto Motor und Sport」誌のテストデータによると、XC40 B4 AWD Inscriptionの0-100km/hデータは8.1secだそうです。R-Designもほぼ同じだと思われますので数値的には個人的な水準を満たしていますし、実際の合流でも余裕で本線を走るクルマを追い抜けるくらいに加速可能(もちろん加速レーンで追い抜いて走行レーンのクルマの前に入るわけではありません、念の為^^;)。
注文があるとすれば普段使いでの0発進です。
オーナーになると常に「そのつもりで」運転するので問題にはならないのですが、それでも敢えて言わせていただけるなら「もう少し蹴り出し時にトルクが欲しい」のです。
XC40のBシリーズはBSG仕様のマイルドハイブリッドなので、発進時にはモーターがベルトを通じてクランク軸を回して「アシスト」してくれるわけですが、これがなんというか「お前はその程度か」くらいの効果しか感じません。これがISGだとモーターパワーを劇的に増やせるので「おおっ!!」というくらいのアシストが可能なのでしょうが、ベルトだとトルクを掛けすぎるとベルトの山が潰れちゃいますから「ごくわずか」しかアシストができない仕様なのですよね。
それでも前モデルであるXC40 T4と比較すると「あるとないとでは結構違う」のですが、それでも「あと一声」が欲しいのです。
なまじエンジンストップからアクセルONであまりにスムーズに動き出すので、そのスムーズさを0発進からの加速にも求めてしまうがゆえに「ちょっとした感覚的乖離」が発生するのだろうと思うのですが……。
もしくは、バイワイヤのアクセル信号が「エコ」寄りに振られていることによって感覚よりほんの少しズレてトルクが発生するマッピングになっているのかもしれません。
この辺はいわゆるスロコン=スロットルコントロールを導入したくなる部分です。しませんけど。
ファーストインプレッション時にも特記しましたが、VOLVOの2リットルガソリンエンジンは前車であるXC60後期型に搭載されていた初期型(ややこしいな。^^;)に比べるとかなり洗練されており、回転を上げてもあからさまに?雑味が押さえられていて、それがドライビングの質感を向上させていると思います。
もちろんエンジン単体が特に官能的であるとか、例えばBMWの6気筒のようなそういう官能に訴える地平とは無縁の存在ですが、エンジンフィーリングにおける雑味の多い少ないはロングドライブでの快適性に影響を与えるのは確かでしょう。
SUVらしく最低地上高が210mm確保されているのも普段遣いの安心感に寄与しています。
最低地上高が低ければ低いほどかっこいいと信じて疑わない人とはわかりあえない部分かもしれませんが、私は最低地上高は高ければ高いほどいい派です。
もちろん最低地上高が低い派にも限度があるように高い派にも限度はあります。高くても250mmあれば十分、300mmまではいらないかな、という常識派でもあります。
普段使いでは最低地上高が高い方が何かと便利なのです。というより最低地上高が低いと色々と気を使う場面があると思いませんか?
傾斜のきつい駐車場から道路に出る時に「アゴ」を擦ったり、駐車場に入ろうと思って左折したらうっかり歩道の縁石に干渉して下部を擦ったり、駐車場の車止めの高さが気になったり、荒天時の山道を走っている時、急カーブを曲がった先に道路いっぱいに落石が広がっていて絶望したり……そんな感じでド定番である雪道以外でも最低地上高が高いことで恩恵が受けるシチュエーションは多いと思っています。
もちろん高速燃費は悪くなりますし、クルマの重心は相対的に高くなるのでそれが嫌いだという意見も十分理解できます。
その上で「どっちが好きか」という話なので、これもまあ「好み」でしょうね。
実は次期FXとしてはSUV以外にもワゴンも視野に入れているのですが、最低地上高はほんと気になっております。なのでVOLVOだとV60やV90よりV60CCやV90CCですし、メルセデスだとただのEクラスワゴンじゃなくてオールテレイン、AUDIだとオールロード、VWだとオールトラック系をチョイスすることになると思うのです。
どうでもいい話ついでに……色々調べてみたのですが、実のところSUV以外だと最低地上高を表記していないクルマがけっこうあったのはびっくりです。
・XC40 B4 AWD R-Design 主要諸元
全長:4,425mm
全幅:1,875mm
全高:1,660mm
ホイールベース:2,700mm
最低地上高:210mm
車両重量:1,750kg
車両総重量:2,025kg
最高出力:197ps/4,800-5,400rpm
最大トルク:300Nm/1,500-4,200rpm
モーター出力:最大10ps/3,000rpm
モータートルク:最大40Nm/2,250rpm
○曲がる 4
SUVなのでハンドリング的な性能評価をするのもアレですが、SUVなのに主に都市部を走っている以上はハンドリング、いや「曲がる」のが億劫になるクルマはストレスになります。
その観点で評価するならば、XC40は意外にも「ワインディングが楽しい」クルマと言っていいと思います。
もちろん「マツダ・ロードスターよりハンドリングは上」とか「BMWのM3といい勝負」なんて毛程も思っていませんし同じ俎に乗せるのもおこがましい話ですが、それでも普通の速度でドライブを楽しむレベルにおいては十分(ワインディングを)楽しめるレベルにはあると思います。
もちろん下手くそが下手なハンドル操作をすればSUVの特性がネガとしてちゃんと出てきますが、丁寧に運転すれば十分満足いくコーナリングができるレベルではあると言い切れます。
なんというか、昭和の日本のセダンは全部XC40以下のハンドリングだと言いますか、それくらいのレベルにはあるんじゃないかというお話です。
この辺も個人の要求水準や好みの問題があるので個人的な意見として。
○止まる 5
ブレーキは普通に効きます。当たり前ですが。
ただし、一般的な「サーボガンガン効かせて楽させまっせ」的なブレーキとはフィーリングがかなり異なるので好き嫌いは分かれそうです。
我が家的にもここは意見が別れています。
私は「このブレーキタッチは大いに好み」ですが、同居人はサーボを効かせたブレーキの方が好みに合うようで、XC40 B4のブレーキタッチは好みではないというのが現時点での感想です。
もしこの記事を読んでいる人でXC40を考えている人はブレーキタッチが気にいるかどうかを吟味することをおすすめします。
ブレーキタッチはインタフェイスなので、ある意味エンジンの性能より重視すべきポイントかもしれません。特に普段遣いにおいては。
◎燃費 5
私は今までいわゆる「燃費がいい(燃費の良さが売り)クルマ」を買ったことがありません。
燃費がいいに越したことはありませんが、燃費を車選びの重要項目とすることはありません。
なので私の燃費評価は「そういうヤツの評価」としてバイアスかけて読んでいただけると幸いです。
で、XC40 B4。
2リッターのガソリンターボエンジンを積んだ重量車ということを考えると、けっこういい線いってんじゃないの?と思います。
少なくともここ最近私が買ったクルマの中では一番いい数値を叩き出してくれています。
2021年6月30日時点で積算計は4232km走りましたが、その時点までの平均燃費は約13km/lです。
ここまで高速道路成分が高めではありますが、それでも私が今まで購入したクルマの中では2番めか3番目にいい数値じゃないかと思います。
※私が過去に所有したクルマは「みんから」のプロフィールに記載しております(ハンドルネームは気にしないでください)。ちなみに過去最高に平均燃費が良かったのは、LOTUS ELISE(最初期モデル)です。5速MTで、かつファイナルが高くないので最高燃費は大したことはありませんでしたが、平均して15km/l以上は叩き出してくれてました。まあ、私がいかに安全運転しているかという証拠でもありますけど。
XC40 B4のAWDモデルはざっくりいって、市街地のみだと9km/lくらい。同じVOLVOのクルマでほぼ同じエンジン(ただしB4よりハイチューン版)、同じ車重の前車、XC60が同じパターンで7km/l台だったので、マイルドハイブリッドの恩恵は大きいのだなと感じます。
最後に満タン時に計算した平均燃費の例を挙げてみます。
最低:9.01km/h
最高:18.04km/h
詳細な燃費データは「みんから」の燃費データページにアップしているので興味がある方はご参照あれ。
◎ACCとADASについて
○ACCについて 4
ACC、いわゆる「前車追従クルーズコントロール機能」に関しては8年くらい前に発売されたXC60のソレと比べても大して進化はしていないというのが正直な感想です。
とはいえ加速・減速に関してはやや優しくなったのは感じられます。
なので進歩はしていますが進化はしていないというか、そんな感じです。
XC60が発売された当時のACCは、おそらくコントロール性能は世界一といえるレベルだったと思いますが、悲しいかな企業規模が違い過ぎてVOLVOが行うブラッシュアップより本気出してきた他社の開発力の方が遥かに勝っていて、今のXC40はライバルたちの後塵を拝しているのが現実です。
とはいえ。
比較すれば他社の他車の方がスムーズかもしれないけど、XC40単体でみれば(もともとVOLVOのACCは優秀だったので)特に不満など無い、というレベルにはあります。ご安心?ください。
○パイロット・アシスト 2(プロパイロット2ではない。念の為)
問題……というのは酷かもしれませんが、ADAS系で気になるのはVOLVOがパイロット・アシストと呼ぶ、いわゆる「車線維持支援機能」の仕様です。
・左によりすぎている
XC40のこの機能ですが、維持する位置が車線の左によりすぎていると感じます。
たしかに車線内は維持するのですが、目印にしているのは左側の白線のみなのではないかと思うほど左ギリを維持してくれます。
ギリ、というのは言いすぎかもしれませんが、自分(ドライバー)の位置が車線の真ん中を走っている前車の真ん中か、下手すると助手席の後ろにある、といえばおわかりいただけるでしょうか。
本人さえ良ければそれでいいのでしょうが、例えば高速道路を走っていたとして、前を走るクルマが妙に車線の左寄りだと「何だこいつ?」的に挙動が不審だと思われる気がしないでもありません。
また助手席に座っていると古い作りの(要するに狭い)トンネルを走っている時など壁が近くに感じて怖いんですよ。まあ、そんな古いトンネルの場合だとパイロット・アシストが勝手にキャンセルされちゃうことが多いんですけどね(例:恵那山トンネルの上り)。
VOLVOは多くのメーカーと同様に車線のどの位置を維持するか、つまり「真ん中・左より・右より」を任意に選ぶと設定はできません。つまりこの「左より」な仕様と延々付き合わないといけないということになります。
これ、皆さんは問題に感じてないのでしょうかね?
ひょっとして私の個体の問題?
ちなみに私はXC40に決める寸前まではCITROËNのC5 AIRCROSSを買うつもりだったのですが、実はあのクルマ、車線内の任意の位置を選ぶことができるのですよ。試乗は街中のみなので流石にためしませんでしたが……。
・トルク感知タイプである
XC40の車線維持支援機能ですが、基本的にはドライバーがハンドルを握っている事が前提です。
問題はその「握っている」事をクルマがどうやって認識しているのか、という方式がXC40の場合は古いのです。
感知方式はざっくりいって2種類あって、一つはトルク感知。もう一つが静電感知タイプ。
トルク感知型はたとえば15秒に一回くらいはある程度ステアリングを回す(押すとか引く、とか言ったほうがあっている気がしますが)ような力(回転トルク)を加えておかないと「ハンドルを握っていない」と判断されます。頭弱いですよね。
一方の静電感知型は指がステアリングに触れていればOKなのです。
XC40は前車のトルク感知型です。
私は車線維持支援機能付きのクルマはXC40が初めてなのであまり深く考えていなかったのですが、使ってみて「トルク型はないわー」と思い知りました。
本当にまっすぐ走っている時って手はハンドルに添えているだけ、みたいな感じじゃないですか。
でもそれだと「ハンドルを握りやがれ!」とお叱りを受けるのですよ。それも頻繁に介入しやがるのです。
その度に「握ってますやん!」と突っ込んでもダメで、下手に突っ張ってそのままにしているとパイロット・アシストが解除されちゃうのですよね。
むやみにクルマを動かしたくないので「そっと」力をかけてもダメ。結構「ちゃんと」回転トルクを与えてやらないと「握ってる」と判断してくれません。
対して「静電感知タイプ」だと不要なステアリング操作をする必要がないのでストレスは感じないに違いありません。
この「不要なハンドル操作を強いる」という仕様がストレスになってしまい、私は結局パイロット・アシストは使わなくなりました。
次に買う車は断然静電感知タイプがいい、と心に決めております。
◎自動パーキング機能 2
一言でいいましょう。
使い物になりませんな。^^;
というのも、何が気に入らないのかモードに入ってくれないことが多いのです。
もともと使うつもりは無いのですが、コレを楽しみに?している人はがっかりしているのではないかとおもいます。
もっとも色々ためしていけばこの機能を使いこなせるようになるのかもしれませんが……。
そもそも360度ビューシステムがあれば駐車に困ることはないような気がしますが、それ以前の運転レベルしかない人向けだとすると……結局不要ですね。まあオプションでつけたわけではなく標準装備なので損したとかは思わないのでいいのですが。
◎ドライビング・ポジション 3
実はこれも微妙にしっくりイカない点です。
XC60だと全くそんなことはなかったのですが、XC40の場合は長時間になると右足首に負担がかかる事がわかってきました。
これは短時間乗るだけでは全くわからなかったことです。
というか、最近発覚しました。^^;
というのも我が家は長距離ドライブだと休憩ごとにドライバーチェンジをするので、一人で長時間運転し続けるということがあまりないのです。もっとも高速道路の場合、そもそもほぼACCで走っているので足首に負担などあるわけないのですが。
そう、市街地走行が長引くと発生するのです。攣りそうになるときもあって危険でさえあります。
その時にもよりますが、だいたい市街地ばかりを1時間から2時間くらい、休憩無しでゴーストップを続けると発生します。
ポジションに問題があるのだろうとは思いますが、犯人を見つけるには至っていません。
シートとステアリングの位置関係、シートの前部の高低など精査する部分が多くてなかなかたどり着けない状況です。
ただ「ひょっとしたら……」と思うポイントはあります。
それはペダル配置です。
確かにXC60とは違うのです。車種が違うので当たり前といえば当たり前ですが、あえていうと微妙に窮屈になっている気がします。アクセルペダルとブレーキペダルの間が。もしくは前後バランス?高低差?
どちらにしろある意味で問題は私自身にあるので、この辺はドライビングポジションを微調整しながら様子を見ていくつもりです。
あ、シートは相変わらず素晴らしいできです。XC60より小ぶりになってしまいましたが、今の所快適性に不満はまったくありません。
◎まとめ
XC40くんの6ヶ月後の通信簿
総合評価 4(5点満点で)