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★【SONY HT-X8500】でATOMOS的サラウンド効果を試す

家電

はっぴーどっぺるげんがー(^o^)

たった一本の細長い箱はDolby ATMOSの夢を見るか?

もしくは~HT-X8500のサラウンド能力はリビングをホームシアターに変えてくれるのか?~

という感じで、本編記事に続くサラウンド体験の感想など。
本編?はこちら。

★「SOUND BAR」、悩んで選んだ【SONY HT-X8500】はどうだったか
えろえろえっさいむ~(^o^) 今こそSONYのサウンドバー、HT-X8500の使用感を正直に語ろう まあ、単なる感想文なんですけどね。 HT-X8500に至ったサウンドバー選びの記事はこちらです。 ◎総論 「最初からクライマックスだぜ」み...

◎Dolby ATMOS対応なんだぜ!\(^o^)/

正直に白状すると、ミーハーな私はこのスペックに誘われたというか期待してHT-X8500を買っちゃったといっても過言ではないかもしれません。
いや、違うはずだと思っているのですが、ちょっと自信がありません。
要するにそういう感じでかなり興味を持っていたのは事実です。
なので試してみましたですよ、Dolby ATMOS。

○ドルビーアトモスとは?

ご存じない方に軽く説明させていただきますと「ドルビーアトモス」というのは要するに最新のサラウンド効果だと思ってください。


今までは5.1chとか7.1chという表記のサラウンドがありましたが、それらは主に自分を中心とする水平方向の空間演出を目的としたものです。
要するに「前後左右から音が聞こえる」ってヤツですね。
ちなみに5.1chとか7.1の前の5とか7はスピーカーの数で、後ろの1はサブウーファーの数を表します。
5.1chの場合は、正面に1つ、正面左右に1つずつ、後方左右に1つずつ、というかんじで、7.1chになると5.1chに加え、左右に1つずつ増える感じです。
サブウーファーは前方のどこかに置いておきます。人間の感覚は極低音の音にたいしては定位能力がない(というか極めて低い)為に真正面とか左右に2つ置いておくとか、そういう必要はないとされています(センターからズレているとなんとなく違和感を感じる人は正面におきましょう)。
サラウンド方式とは、つまり自分を中心に複数のスピーカーをぐるっと配置して、それぞれのスピーカーから対応する音を出すことで囲まれ感が生じる仕組みです。

そもそもはモノラルだった音を左右に広がりをもたせる為に編み出されたのが2chという方式で、いわゆる「ステレオ」です。
人間の耳が左右についていることから、これはきわめて自然な方式で長く主流となっていました。
その後、極低音を1つのサブウーファーに受け持たせることで全体の音をリッチにするという手法が生まれ、2.1chと呼ばれるようになりました。
ここまでは主にコンサートなどを想定した音場づくりのための方式です。

その後は皆さんも御存知の通り、映像体験をさらにリッチにする方法として水平方向のマルチスピーカー方式が策定され「サラウンド効果」などと呼ばれるようになりました。
そしてコンシューマーレベルでも要求はエスカレートしていき、ついに「水平方向だけでなく、垂直方向にも音を広げよう」という事になり、天井部分にスピーカーを複数配する、5.1.2chや7.1.4chなんていう方式が策定されていったのです。
Dolby アトモスとは、「上からも音が聞こえまっせ」という方式なのです。

で。
Dolby ATMOS対応のHT-X8500はその5.1.2とか5.1.4とかの立体音場システムを一本の棒で再現してみせましょうという、マルチスピーカーに真っ向から喧嘩を売るような実に胡散臭い(失礼)スピーカーなのですよ。
要するに疑似音場というやつです。
ただの細長い箱を前に置くだけで立体音場? そりゃちょっと気になりますよよね?
まあ私も「ほんまかいな」って感じで相当気になったからHT-X8500を買っちゃったわけですが。

○「一方BS8Kは22.2chだぞ」っと

そうそう、NHKのBS8K放送の音声は22.2chという、もはや意味不明な3Dサラウンドフォーマットで録音、放送されているそうですぞ。そんな環境で聞いている視聴者って何人いるでしょうか。もしいたら一回体験させて欲しいものです。

って思ってたら、シャープから対応サウンドバー、8A-C22CX1ってやつが発売されてました。

8A-C22CX1 | シアターバーシステム・サウンドバー
シアターバーシステム 8A-C22CX1をご紹介。4K8K放送のMPEG-4 AAC 22.2ch音声入力に対応。立体音響が楽しめる、シアターバーシステム。

お値段はざっと8万円。DolbyATMOSにも対応しているので、将来に対する投資としては8万円なら安い……のかどうなのかもはやわかりませんな。^^; というかアタリマエながら22.2ch対応8Kテレビを買わないと意味ないですしね。

○Dolby ATMOSを体験する大前提について

そうそう、大事な事というかアタリマエというか大前提の話なのですが、スピーカーであるHT-X8500がATMOS対応であっても、HT-X8500に信号を伝える機材、今回の場合はTVがATMOS対応、つまりHT-X8500に対応する信号を伝える事ができるってことが大前提です。アタリマエの事です(大事なことなので二回書きます)。
さらに言えば、Dolby ATMOSの信号が存在しないとそもそもDolby ATMOS効果は得られません。これもめっちゃアタリマエのことです、というかこっちのほうが大前提かもしれませんね。^^;

これらを例えるなら……なんというか、アレですよ。
白黒テレビ全盛時代に、最先端のカラーテレビを買ったからといってすべての番組をカラー楽しめるわけではない、という事実と同じ感じです。番組自体がカラー放送じゃないとダメですからね。そういう事です。
つまりATMOS対応の音声信号がHT-X8500に流れていないとダメ。
その点、HT-X8500に音声信号を渡す側のSONYのBRAVIA KJ-65X9500HはATMOS対応TVです。eARC対応のHDMIポートも持っていますので、それにHT-X8500をつなぐことによってATMOS信号がちゃんと伝わるということなのです。

eARC対応のHDMIポートを持っているATMOS対応TVってヤツが、そもそも少数派(各メーカーのフラグシップクラスのみが対応しているような感じ)でしょうから、Dolby ATMOSっていうのはある意味「まだまだこれからの規格」といえるでしょう。
ホームシアターマニアはそもそもATMOS対応の最新AVアンプを使っているのでTVなんかは映像が映ればオッケーなのでアレでしょうけど。

さて、例によって前置きが長くなりましたが、早速視聴してみましょう。
これはそう、アレです。
「見せてもらおうか、Dolby ATMOSの実力ってやつを」です。
まあ見せてもらうというよりは聞かせてもらう感じですけどね。

○Dolby ATMOS対応番組を探す

そういうわけでまずはDolby ATMOSのソース、すなわち対応している作品探しです。
地デジはそもそもそんな音声信号に対応してませんし、BSやBS4Kなどにもなさそうです。というか放映されている番組から探すのは流石にムリがありますね。
だったらBlu-rayディスク……というわけにはいきませんね。
物理的な「円盤」をいちいち借りに行ったり買ったりとか、もうそんな時代じゃないでしょう。
なので調べてみました。Dolby ATMOS作品を配信しているサービスを。
というかNETFLIXで配信されています。実は知ってました。^^;
そして私はそのNETFLIXのプレミアム ULTRA HDというやつを契約しています。
なので早速対応作品をチェック。

が。
NETFLIXって「ATMOS対応作品」とかでは検索できませんね。
こういう検索方法って、需要あるきがするんですけどねぇ。ATMOSとか5.1chとか。
公式のFAQをチェックすると「ドルビーアトモス音声対応の作品を検索する方法は?」という項目が見つかりました。
でもそこに書かれていたのは……。

ドルビーアトモス対応のシステムをお持ちで、UHD 4K対応のNetflixプランに加入されている場合、ドルビーアトモス対応の作品には説明欄の隣にドルビーアトモスのアイコン(省略)が表示されます。

はあ?
これって「検索方法」じゃないよね? アイコンの説明だよね?
おい担当者、日本語について私と少し語り合わないか?
とはいえ語り合っても仕方がないのでネットで「NETFLIX ATMOS作品」みたいなキーワードで検索して、その中から適当に選んだのが「BLAME!」というアニメ作品でございました。
確かにATMOSのアイコンがありますね。

◎初めてのドルビーアトモス体験の感想

さっそく視聴しました。
……はっきりいいましょう。
「うーむ」と。
いえ、全然はっきりしていないのは自覚してます。
なんというかですね、ビミョウなんですよ。
いえ、サラウンド効果はかなりあります。
これについては素直に「最近の疑似技術はすごいな」と思います。
スピーカーの幅を大きく超えて左右方向にグンと音場が広がるどころか、真横から音が聞こえてきたときにはさすがに「これはちょっとすごいな」と感動したくらいです。
流石にこの作品に関しては後方から聞こえてくることはありませんでしたが。

というわけでHT-X8500がもつ水平方向のサラウンド効果には充分効果があることは認めざるを得ません。「ミュージック」モードなどとは根本的に違うのだということは1秒聴き比べれば誰にでもわかるくらいです。むしろ音が出ていなくても空間の広がりの違いが感覚的に理解できるほどと言っても過言ではありません。

でもはっきり言って上からの音ってあんまり実感出来ませんでした。
後方からの音もそうですが、これらはHT-X8500の限界なのか、音のソース側の問題なのかが不明です。
というか多分ですが、上からの音ってリアルでもあんまり認識しませんよね。
上空をヘリや飛行機が通るとか、あるいは校庭や中庭にいるときに、2階や3階の窓からクラスメイトに声をかけられるとか、もしくは2回のベランダにいるジュリエットと会話をするとか、そんなシチュエーションくらいではないかと。
つまり作品的にもはっきりとした上方から音というものを演出しにくいのではないかな、などと考えております。

それに導入してからあまり日にちが立っていませんので実のところDolby ATMOS対応作品を複数視聴しているわけではないのです。つまり聴き比べていない。
Dolby ATMOS対応のソースって、要するに映画です。ざっと一本90分。
要するにじっくり映画を見比べている時間がなかなか取れないってのが実情というやつです。
なので、しばらくして「これはまさしくDolby ATMOSじゃん。HT-X8500、やっぱすげえ」なんて感動したら、また記事にしたい思っております。
なので今回は現時点での感想を書いてまとめとしたいと思います。

結論:所詮、疑似は疑似である。しかし一本でここまでできるのはすごい。

確かに音場は広がりますが「サラウンド」という言葉にあまり過度な期待をもっていると肩透かしを喰らいます。本物のマルチスピーカーによるサラウンドシステムとはまったく別物だと思いましょう。
また立体感とのトレードで音の分離感と低位がやや下がります。
方向は強制的に定められているシーンもありますが(左右で対峙しているときなど)、それは定位とはまた違った別の問題です。
また、これは私が慣れていないだけかもしれませんが、そのサラウンド感?に対して脳が不自然さを感じるのか聞き疲れしてきます。90分の映画を視聴したあとは、ちょっとテレビの音は聞きたくない感じになりました。というか、NHKのニュース番組に変えたらなんかホッとしちゃったみたいな?^^;

ATMOSじゃなくて普通の5.1ch対応の映画もチェックしましたが、こちらも充分なサラウンド感が出ていると感じました。
そんなわけで本編?にも既に書きましたが、現状のサウンドバー選びにATMOS対応とかはあまり気にしなくてもいいんじゃないかなというのが改めての私の偽らざる本音です。

◎SONY独自のVerticalサラウンドモードについて

「ATMOS対応じゃなくても上から音が聞こえるような仕組みをつくったぜ」

それがSONYのVerticalサラウンドモードに関する謳い文句。
モコンの左上あたりにあるVERTICAL S.というグレーのボタンを押してオン・オフを切り替えます。
いやあ、すごいですよね。なんというか、もはやATMOSの立場がありません。
もちろん試してみました。

……。
感想を簡潔に述べましょう。
「劣化ATMOS」
確かに垂直方向へ音場が広がります。
むしろBRAME!より上から音(なにそれ?)がする気がしないでもありません。
だがしかし。
このモードの最大の欠点は音の立体感が無くなることです。
サラウンドモードなのに立体がないってどういう事? って感じですけど、つまり定位やクリアネスや分離性がかなり劣化するということです。
音場は広がるけど一つ一つの音の奥行きや独立性がかなりスポイルされる感覚です。
はっきり言ってかなり違和感があります。
10分も聞くと披露する感じです。

こちらはまだまだ未完成な技術なのだとおもいます。
でも、もしATMOSくらいのレベルになるなら……それはかなりきたいしていいのかもしれませんが、どちらにしろそれは少し、あるいは遠い未来のお話でしょう。
40点。

◎おわりに

さて、本編?にも書きましたが、ここでも「私がサウンドバーにDolby ATMOS対応を求める必要がないと現時点で思う理由」を列挙しておきましょう。

・対応作品があまりない(これから増えるでしょうけど)
・対応しているテレビがあまりない(これから増えるでしょうけど)
・ATMOS対応のサウンドバーはまだ少なく、普通のサラウンド対応を謳うサウンドバーは多い

つまり選択肢の問題ですね。
ATMOS対応にこだわるもよし、「だったら疑似サラウンド対応モデルでも充分かな」と考えるもよし、です。

以上、お粗末さまでございました。(_ _)