趣味と暮らしにまつわる「モノ」に一喜一憂するブログ

☆2018 ホノルル・センチュリー・ライド総集編(後編)

ホノルル・センチュリー・ライド

前編からの続きです

◎第4エイド:スワンジー・ビーチ・パーク(カアアウ)

スタートから78.8km地点(160km折返しポイント)

ガソリンスタンド併設の第3エイド、セブンイレブンから折り返し地点までが、もっともハワイイ感に浸れるサイクリングコースとなります。
今までのコースは、この景色を演出する為の噛ませ犬……いや、当て馬……じゃなくてプロローグのようなもの、と言ってしまっていいと思います。
ようやく長い海岸に沿った道を走れるんですから。
右手には、すぐそこに海。そして広い、いや大きい空。
それはまさに紺とブルーと藍とインディゴ、水色とコバルト、バーミリオンやアズールたちが織りなす青のシンフォニー。
「ああ、ハワイイを走ってるんだなあ」と、はるばる海を超えてきた感慨にどっぷり浸れる18kmのパラダイス・コースなのです(個人の感想です)。
惜しむらくは、今年は青空こそきれいでしたが、雨が降ったことも影響してか、海の色が去年ほど明るく鮮やかではありませんでした。
いや、ノースショアはだいたいこんなもので、去年が快晴過ぎたのでしょうが。

途中、海の向こうに浮かぶチャイナマンズ・ハットと呼ばれる小島を背景に、なかなかいいビューポイントなどで止まって年賀状用の写真を撮ったりしつつ、のんびりと次のエイドを目指して走ります。


何しろ、10時30分の足切り関門を余裕でクリアしていますので、焦って早く走る必要はないのです。
特に上りでは今までより1枚ギアを軽くして足に負担をかけないようにちんたら走ることに努めました。
実はこれには別に理由があって、途中でサイクルコンピュータが使えなくなってしまったからです。
パワーメーターなど縁のない私ですから、平地では速度を、上りではケイデンスをペース配分の目安としているのですが、そのデータが全く使えなくなってしまったので、無理していない実感が得られる程度にペースダウンをしていたと思われます。
※GARMIN EDGE 1030脱落アクシデントについては別記事にて。

☆BONTRAGER ブレンダーシステムのガーミンマウント、折れるorz
いや、まさか折れるとは……っていうのが正直な感想です、ハイ。 なんといいますか、扉の写真がすべてです。 発生した時間や何キロ地点か、なんてのがすっごくよく分かる写真ッスね。 あと、動揺しているのか心拍が高いのも一目瞭然で恥ずかしい。 ...

ペース配分の指針を失って10kmほどすると、知っている場所が見えてきました。
ある意味でホノルル・センチュリー・ライド(以下、HCR)の目的地と言っても過言ではない場所と言えるでしょう。
100マイルの折返し地点、スワンジー・ビーチ・パークです。

ここにもセブンイレブンがありますが、エイドとは道を隔てた向かい側なので注意が必要です。
個人的にタイムにこだわって走っている人以外の多くのサイクリストがここでランチタイムをとるのではないでしょうか。
なので向かいのセブンイレブンのレジはHCR参加サイクリストの長蛇の列ができるのが通例です。
我々も微妙なおにぎりを求めて今年もセブンイレブンのレジに並びました。

このエイドではランチタイムにかかる場所ということもあってか、例の?「スパムむすび」が振る舞われています。
微妙なハワイイおにぎりよりよほど美味しいので(個人の感想です)、スパムむすびに抵抗がない人は、これで済ませるのもありかもしれません。

並ぶといえば、扉の写真の「100マイル折返し地点」の看板前での記念写真。タイミングによっては結構な長蛇の列になります。
ですが、そうは言ってもやはりここは押さえておきたい人が多いと思います。
まあそういう感じなので、結果的にここでは長居してしまうシステムになっています。

◎第5エイド:キープロジェクト

スタートから99.3km地点

残り半分でペースメーカーであるサイクルコンピュータを失った私は、残り50マイルを無事に走り切る戦術を練りました。
と言ってもたいしたものではなく、平地ではとりあえず楽についていける「人間ペースメーカー」を見つけてそのあとを走り、上りではペースメーカーなどおかず、ゆっくりマイペースでペダリングすることにしました。
ペースメーカーにする人は感覚的に「ちょっと遅いかな」と感じるくらいの速度の人を選ぶことにしました。

「帰路はのんびり走ろう」と考えていても、人間なんてしょせんは生物。機械のように正確にペースを決められるものではありません。
本人の知らぬところで気が急いているものです。
つまり、私のような貧脚サイクリストほど、帰路は知らず知らずにハイペースになってしまう人が多いんです。
頭では「充分間に合うからのんびりでいい」なんて考えていても、意識外では「早くゴールしたい」と思っているようなのです。
これは特にゴールが近くなるほど顕著になるような気がしております。

私にとってサイクルコンピュータとは、その為のブレーキのようなものなのです。
なので今回は「絶対に足を残すぞ」を合言葉に戦術として決めた上記のペースを守る事をミッションとして折返しポイントを後にしました。

流石に第三エイドを超えたところから、前後を走るサイクリストの数は減ってきます。
そして進むに連れ、先行するサイクリストを追い抜く事が増えてきます。
160kmくらい、鼻くそほじりながら5時間もあればオッケーでしょ? 的な人には全く理解不能でしょうが、目標が「160kmを完走する」というレベルのサイクリスト、つまり私のようなレベルの人だと、前半ペースを上げすぎたツケが回って、反対に足が回らなくなってくるのです。
アドレナリンに棹させると、その時は突然訪れるのです。
ましてや折り返し地点にたどり着いた、という達成感からくる安堵は、肉体に疲労を認識させる呼び水になるようです。

ビワイチでもアワイチでもそうですが、一度走っているとペース配分を体で学習できますので、二度目、三度目とチャレンジするたびに、楽になっていくものなのですよね。

そんな事を考えつつ、今度は左手に見えるハワイイの海と空を堪能しつつ、たどり着いたのが、第5エイドのキープロジェクト。
ここは第3エイドのセブン・イレブンとちょうど同じような位置にあります。
少し内陸部分に入り込んだ場所になるので真向かいではないのですが。

折返しのスワンジー・ビーチ・パークからは20kmも走らないうちにたどり着くエイドで、ここをパスする人も結構います。


が、我々はすべてのエイドで補給食をいただく、という事をミッションにしておりますので、ここでも一息入れました。
トイレ休憩をしないばあいはほんの数分の滞在時間ですが、それでも自転車から下りて体を動かすとリフレッシュできるものです。

ビロウな話で恐縮ですが、往路のカイルア・インターミディエイト・スクール(第2エイド)でトイレに行ったきりで、それ以降は尿意を催しません。
ほとんどが汗となって出てしまって膀胱に貯まる余分な水分がないのでしょう。
本当は汗も尿もどちらも排泄する事が体にはいいのではないかと思われますので、多分私たちは水分補給量が少なかったのでしょう。
エイド2つでボトル1本以上は空になっている勘定ですし、エイドごとに1/4カットのオレンジを2~3個は頂いています。なので、さほど摂取水分量が少ないとは思えないのですが……。

◎第6エイド:カイルア・インターミディエイト・スクール

スタートから111.9km地点

エイド間の距離が比較的短いのが嬉しいのですが、ここは往路の第2エイドと同じ場所。
なのでなんというか、新鮮味がないのが微妙につまらない気になります。
こんな事言うとバチがあたりますが、まあ正直な感想です。
往路との違いは、圧倒的に滞留サイクリストが少ない事でしょう。
トイレも並んでません(多分。行ってないので)

それから私のような貧脚ライダーは「まだ1/4以上(45kmくらい)あるのか」という感じで、疲れのピークに達する場所でもありますね。
去年走って感じたのは、「HCR最大の難関は、第6エイドから第7エイドの間である」ということ。なので、ここではビタミンC(オレンジ)を少し多めに取り、最後のドーピングを行いました(アミノバイタル・ゴールド摂取)。

◎第7エイド:ジェイムス~ゴール

(ジェイムズはスタートから140.1km地点)

第5エイドのキープロジェクトを超えたあたりから「へばっている」人が更に増えてきました。
へばっている仲間を励ますのはいいのですが、車通りが比較的多いところで並走されると抜くタイミングをはかるのに一苦労します。
こちらも健脚でもなんでもないですから、後ろからやって来るクルマに迷惑をかけないようにダッシュしてスパっと抜けるわけではありません。
いや、やれば出来ますけど、足を使うのでやりたくありません。
なので後ろを振り返り振り返り、クルマが途切れたタイミングを見計らって徐々に加速してウィーン、という感じで抜くしかないのです。
そしてそういう時にもサイクルコンピュータが使えない状況がダメージとなって神経を削ります。

理由は、そういう時の為のリアビューレーダーが活用出来ないからです。
後ろから迫ってくるクルマの有無をGARMINのサイクルコンピュータ画面で確認できる事が、どれほどストレスの軽減になっていたか。
通常でも後ろからクルマが来ることがわかるだけで相当なストレス削減になるのですが、追い抜きの時は本当に素晴らしい助けになります。
前半もそうですが、こういう追い抜きたいシーンなどではレーダーがクルマを捉えていない時にすかさず事を起こせます。

1.レーダーに車影がない事を確認。
2.左後方を目視してクルマがいない事を確認
3.左手を上げ後続に左にはらむことを知らせ、「左から抜きます(on your left!)」と前方に声をかけて追い越しをかける

この一連の作業が安全確実に、ムダなくできるんです。
しかしレーダーが使えないと、後ろからクルマが来ていないタイミングをはかるために何度も振り返る必要が生じます。
鉄壁のバイクコントロールと強靭な体感、そして理想的なペダリングをもつサイクリストではない私にとって、後方を振り返るというのはバイクのバランスを崩す可能性があるヤバい行動と言えます。
なので極力その回数を少なくしたいわけなんです。
ああ、私ってマジでサイクルコンピュータに依存してるんだなあ、と改めてに認識した次第です。

実は目視の数を減らすアイテムはレーダーだけでなく、別にもう一つ装備している私です。
それが、ハンドルバーのエンドに取り付ける、いわゆるバックミラーです。
私が使っているのはコレです。

もともとこれは後方を走る同居人の位置を確認する目的で装備したものです。
「ちゃんとついてきているかな」とか「今の信号、ギリだったけど引っかかってる?」など、振り返らなくても大体の事がわかるので非常に便利なんです。
もっとも、当初と違って今では同居人の方が私より健脚。特に上りでは私より確実にハイペースで走れるので「ちゃんとついてきているかな?」という確認用ではなく上り坂で「煽られている!」という確認用になってしまっています。

とはいえレーダーが使えなくなった時点で、このバックミラーは後方からやってくるクルマの確認にかなり役立ちました。
もちろん死角が多いのでレーダーほどの正確性や安心感はありませんが、それでもチラっと見てクルマがいればダメ、いなければ可能性があるので目視で確認、というチョイスができるので、首を後ろに向ける回数は大幅に減ります。
大助かり。つけてて良かった、バックミラーってヤツです。

なお、通常だとバックミラーは右側につけているのですが、ハワイイ仕様、つまり右側通行に合わせて左側に付け替えてあります。
実はこれが失敗のモトだったのです。
頭ではわかっていたのに、疲労の蓄積もあったのでしょう。気づくのが遅かったんです。

それは第6エイドのカイルア・インターミディエイト・スクールを出発してざっとしばらく走った時でした。
「ミラーがない」事に気づいたのです。
理由は明白でした。

エイドでは立てかける適当な場所がないと、基本的に自転車は芝生に倒しておきます。
ロードレーサーなどのパーツがむき出しの自転車を倒す場合には作法があるんですが、それは「変速機がある方(クランク側)を植えにして倒す」です。
チェーン側を下にすると、芝生が油で汚れますし、変速機にムリな力が加わってディレイラーハンガーを曲げたりと、ロクな事になりませんのでこのあたりは必須です。

で、つまり進行方向に向かって車体の右側を上向きに倒すと、必然的に左側が地面に着きます。
バーエンドに装着しているミラーが地面にあたり、そのはずみでバーエンドに固定している台座からミラー本体がパカっと外れてしまった、というストーリーがすぐに頭に浮かびました。

で、ここがなんというか、やっぱり疲労には勝てなかったというか、私は戻ってミラーを探す事をしませんでした。
諦めたのです。
もちろん、たとえ数キロであってもロスをしたくなかったのです。
せっかくゴールに近づいているのに、来た路を戻って、また同じように走ると考えると、思い徒労感にのしかかられてしまったのです。

エイドから3km走ったとしましょう。
エイドまでは3km戻らないといけません。当然です。
そしてその気づいたところまではまた3km走る必要があります。
つまり、6kmのロスなのです。
ここへ来ての6kmのロスは辛い。
しかもこの後、ちょっとした上りがあることがわかっていますので、極力足を温存したい。
なのでほとんど迷うことなくミラーのロストを容認することにしました。
私にとってはミラーを買いなおすという経済的なロスよりも、気力と体力をロスしないことのほうが大事でした。

走る前にミラーを確認するクセがついていない事がそもそもの問題ですね。
エイドを出てしばらくは住宅街で、クルマが少なく、また前方にしばらくサイクリストがいなかったこともチェックを遅らせた原因です。
そもそも日本では外れないミラーですしね……。

というわけで後方視界を完全に失った私は、それまでより更にペースを落として完走体制を強化することにしたのでした。

途中にあるハイウェイの上り坂は、私にとっては去年一番の難所でした。
足が終わりかけている時に現れた結構長い上り坂。
そこに差し掛かったのは炎天下。そしてもっとも気温が高い時間帯。
そのイメージが強烈だったので、今年はすべてをその坂に合わせてペース配分を行っていた私です。

そして今年。
「あれ、こんなに短かったっけ?」
同じコースなのにあっけなく終わってしまったことに拍子抜けというよりかなり驚いてしまいました。
イメージでは「曲がり角を抜けると、更に上りがあって、その向こうの曲がり角を曲がってもまだ登っていた」的なものだったのですが、「曲がり角を抜けるとそこは早くも頂上だった」に変わってしまっていました。

なのでその坂をクリアした私の気分は上げ上げです。
あとはもう、大した坂はありません。アップダウンは多少あるにせよ、全部短いものばかりなのは知ってます。
俄然ペダルが軽くなり、抑えようと思いつつもペースが上がる私でした。

第7エイドまでは少し距離がありましたが、言い換えるとこのジェイムズにたどり着きさえすれば「ゴール目前」という気分になるのです。
なので、ジェイムズにたどり着いたサイクリストはみな笑顔です。


更に、チームで走っている人たちにとって、ここは「集合場所」でもあります。
あまりにペースが違うとアレですが、バラバラで走っていたチームがここで集合して、ゴールまではまた集団走行。
もちろんみんなで一緒にゴールアーチをくぐるため。

というわけで、同じサイクルジャージを着た複数のグループが笑顔でお互いの健闘を称え合っておりました。

私にとってはジェイムズは、第一エイドのサンデー・ビーチ・パークと並んで「マラサダが食べられるエイド」というイメージ。
第一エイドで余ったやつがこちらにキャリーオーバーされているのでしょうけど、ジェイムズ=マラサダという図式が私の中では出来上がっております。
そして本当に美味いんです。
というか、そう感じます。

ジェイムズで補給食を堪能した我々は、「安全運転でのんびり行こう」を合言葉に、ゆるゆると走り出しました。
今年の最後の約20kmは、HCR自体を反芻する為の時間なのではないかと思えます。
去年はなんだかんだでホッとはしたものの、体力的にはあまり余裕がない状態でした。

今年は覚悟が出来ていたのと一度走って全体の雰囲気がわかっていたこともあって足を温存したのが功を奏して「もう一周行けるかもね」なんて軽口をたたきながら走るほど余裕がありました。

そして、ゴール。


実はHCR、160kmないんですよ。155kmくらい?
でもまあホテルまでの往復距離もありますし、胸を張って「160km走った」と言っても問題はないと思われます。

◎総括

今年はところどころで雨に振られましたが、むしろそれがあって去年よりコンディションは良かったのではないかと思います。
気温が低かった、という意味です。
特に午後になって結構高温になった去年と違い、今年は曇りがちだったこともあって、それほど暑いとは感じませんでした。
ただ、去年より向かい風が強く、その区間も長かったので、相殺されてるかな、という気もしますが、我々にとっては去年より楽に走れたのは間違いありません。

◎来年はどうする?

最初の50マイルを含めて3回走ったので「もういいかな」と思ってます。
欠かさず十年以上も参加されている方も多いようですが、流石に飽きるというか、上述のとおりハイライトが折り返し付近だけ、というのがちょっとつまらなくなったというか、そんな感じです。

でも、オアフ島をサイクリングする事自体は本当に楽しいし、気軽に自転車を運んでこれるのもオアフ島ならでは。
なので、来年もしくるとしたら、HCRではなく、その折返し地点から先のノースショアを走ってみたいと思っています。
ワイキキから走るととんでもない距離になりますし、何よりつまらない区間が延々と長いので、ノースショアだけを走るオプショナルツアーのようなものに乗っかろうかな、と考え中。
実は「ザ・バス」というホノルルの市バス的な乗り物があって、それがノースショアまで行くんです。
なんとノースショアまで走っても均一料金。
そしてそのザ・バス、すべての車両にサイクルキャリアが備わっているんです。
二台分しかないので、始発のバス停に並んで? 確保する必要があるんですが、それに乗れればノースショアを走って、またバスに積んで返ってくるという格安ツアーが行なえます(往復で6ドルも行かない)。

でもまあ、安心なサポートがついたオプショナルツアー的なもののほうがベターです。
料金は結構高いようですが、実はHCR自体もエントリーフィーが2万円近くになってますから、差額は大した事がないんですよね。

うーん、どうしようかな……と考えながら来年の春を待ちたいと思っております。

※HCR当日に発注していたので、帰国したらすでに宅配ボックスに入っておりました。